マウナチャリ山ケロ丸天文台の歴史 2011年
パソコンをスリム型に変更しました。また、液晶を21型ワイドにとりかえました。また、スモークのアクリル板で減光するようにしました。
ディスプレイの裏においてみました
液晶画面のフィルター
屈折鏡のうんちく
同口径であれば、反射式望遠鏡は反射面が1つであり、研磨とメッキが1面で済みます。屈折機では単レンズでも2面の研磨、2枚式のアクロマートレンズでは4面の研磨にコーティングが必要です。また、ガラス材も反射式では熱膨張係数が低いと言う条件だけで高級品となります。ところが屈折式では、光が透過しますから、脈理のない均質さと共に、色分散の違うガラス材が最低限必要となります。まして、最近は異常分散ガラスを使い高度な補正をするものが、高級品と言う事になっていますので、反射式に比べて価格的には比べようがない高価なレベルとなります。
反射面は放物面が基本ですので、昔は熟練の手作業が必要でした。今では研磨機がコンピューター制御ですので、難なくある程度の精度の物は出来てしまいます。これに対して、屈折で使うレンズでは球面が基本です。技術的には放物面よりは簡単な研磨です。ところが、レンズは色収差の補正が先ず問題となります。この条件を入れると、屈折のコストは跳ね上がることになります。
反射式は、基本的には第2鏡を主鏡の光路内に置くことが必要です。その為に、大抵の場合、支えのスパイダーが用意されます。この為に写真鏡として使うと、スパイダーの形にしたがって星像に十字や六芒星状の光芒がつきます。つくことを制御できないのですから、これは問題です。また、ニュートン式やカセグレイン式では、鏡筒が開放されている為に、筒内気流が発生します。これは像を大変に悪くします。温度差のないところはないのですから、条件はますます厳しくなるのです。筒内が密閉され、光路の遮蔽物がない屈折ではこれらの難点が無いのです。
口径が大きくなるとシンチレーションの影響が大きくなります。大口径が常によいとは限らない例です。性能は口径が大きいほど良いのですが、大きいほど天気に影響されます。そのバランスはどの辺りかと言えば、10センチから20センチ程度になります。この辺りが目標と言う事になります。ハーシェルが天王星を発見した望遠鏡は口径16センチです。ただし、このような古い時代では、特に長焦点ですので、取り回しの差を単純に比較できません。後は予算と価格の問題です。
検討
屈折機の価格は反射式よりも高価です。その中でも色消しのレベルが上がると、更に高値となります。最高級レベルの色消しを施したレンズを使用した物は、10センチの口径でも30万円以上の価格がついているのが普通です。そして、15センチともなれば百万円以上はします。少しでも大きな口径で、色消しに妥協のないあたりを探すと選択肢はそれ程多くありません。結局、30万円という予算の範疇で、色消しだけではなく、その他の構造についても勘案して製品を決定しました。
国内の高級機は、格納箱がオプションですが、海外の機材では箱付きが当たり前です。そして、レンズ性能だけでなく接眼部についても、良い作りの物が絶対に必要です。ここがちゃちな物では、どんなにレンズが良くても使用上問題が出ます。現物を触って買えるのが一番ですが、通販ではこの点が問題です。実は価格的に一番の候補であった製品は、現物を店で見ています。接眼部の作りも対物部の作りも少々弱めと感じました。並みの作りだったのです。その現れが重量です。ファインダーを合わせて8.5sということです。ファインダーが700gですから、取り付け金具と鏡筒本体で7.8sです。今回注文した物は同じ条件で10sです。2sも重さが違います。手持ちの機材であれば軽いのが優先となります。軟弱赤道儀に載せるのであっても、軽い物優先となります。しかし、重いものは重い理由があります。重たい方がそれだけ肉厚もある。丈夫なのは間違いありません。
重いBLANCA-130EDTを発注しました。
到着して開梱中
早速、赤道儀に乗せてみました。
立派な接眼部です。
機器と機器をつなぐ配線は、機器が少なければ簡単ですが、それらが複数あるだけでも難しくなり、更には、組み合わさると蜘蛛の巣のようになってきます。まして、望遠鏡架台は電気配線を前提に考えていません。
赤道儀の配線を、何か変更(追加)があると、その都度、やり直したのは最初の頃だけでした。しばしば変更になっていたので、だんだんと面倒になり、追加
された配線やコントローラーを適当にぶら下げるようになってしまいました。それで、クリスマスツリーも顔色無しの状態となり、幾多の配線が絡まっていまし
た。
以降に変更追加の無いようにしなければ、すぐまたクリスマスツリーになりそうです。そこで、拡張性を込めて再配線することにしました。
1 電源はピラー基部に全て置く。
2 電源の上にルクバト(USB)、TC−1B(36V)本体を置く。
3 ピラー基部から配線し、赤経軸モーター、赤緯軸モーターを経由して鏡筒搭載アリガタにコネクタを付ける。
4 鏡筒搭載アリガタから、主鏡と副鏡への配線を各コネクタで始める。
5 主鏡接眼部へは一眼カメラ(9.6V)、暗視野照明(5V)が必要となる。
6 副鏡接眼部へはCCDカメラ(12V)、暗視野照明(5V)、Video(RCA)が必要となる。
7 鏡筒搭載アリガタへは、電動経緯台(12V)が必要となる。
PDF配線計画
カメラには9.6V、TC-1Bには36Vが唯一の供給源です。他は5Vと12Vですから、コネクタ部分で分岐させることが出来ます。可動部分は赤経軸
から赤緯軸、そして、鏡筒搭載アリガタまでの2カ所で、この部分には最大一回転分の余裕が必要です。この為、この部分の配線をスパイラルチューブで巻きま
す。これにより、逐一監視していなくても、無理なく動かすことが出来ます。
計画に従い、ピラー基部から鏡筒搭載アリガタまでの配線材とコネクタを注文し、納品されました。
部材を使って、部品を作るのですが、ここで、電源ラインとして、9.6Vと12Vは2.1φDCプラグ&ジャックを使う事にしました。しかし、勘違いし
て間違ったつなぎ方をする可能性はあります。使用電圧を間違って上げると壊れることがあります。この場合はD300が対象となります。そこで、9.6Vの
中継部分だけはDCプラグとジャックを逆の組み合わせにして、12Vと間違って挿すことを避けるようにしました。電源部の方の接続は、コードに電圧を表記
して間違わないように予防策を打っておきます。
出来た部材で、配線をし直すのに、またまた4時間ほどかかってしまいました。それから動作テストですが、最初に接続テストをしておくべきでした。という
のは、9.6Vのラインがうまくつながりません。コネクタのハンダ付けがいまいちなのが原因でした。これを調べるのに更に1時間以上かかってしまいまし
た。取りあえずこれで、配線とテストを終了し、実戦配備が出来ました。
赤緯体部分で外せるようにしています。
ピラー元の電源群
当初から使っていたイスですが、座り心地はイマイチで、そう愛着を感じるという物ではありません。そこで、ベストな高さの物を作ることにしました。
古いイス
新しいイス
大地震の被害で、鏡筒が落下し床を突き破ったなんて事例もあったようです。赤道儀が壁を突き破って壊れたという不運な例もあるようです。マウナチャリ山でも、たった今、震度5の地震があったら、立てているだけの鏡筒群はダメージを受けるでしょう。立てて並べてあるだけで、ドミノ倒しとなって転がるのは必定です。そこで、少々の地震が来ても大丈夫なような格納体制を取りたいと考えました。格納用の棚の作成です。
赤道儀はアンカーから固定されていますから、これが倒れるのであれば、全て諦めなければならないでしょう。取りあえず壁に固定出来るものは、全て止めておくようにします。
鏡筒群収納状況
制作中
鏡筒が当たる部分にフェルトを貼り、ドームの柱に固定しました。揺れで飛び出さないようにベルトを取り付ける予定です。
ケンコーの経緯台もミザールの電動経緯台も強度的には、やや足りない状況でした。そこで、ビクセンのポルタ経緯台を採用しました。ポルタにアリガタを取り付けて、40センチ反射でも使えるようにdjr>
ガイド鏡の同架の為に電動KD経緯台を赤道儀に載せて使用していました。操作性は大変に良いのですが、問題が無いわけではありません。赤道儀の上で傾いた状態で使用する為に、バランスが崩れて、元々それほど強度があるわけでは無いので、タワミが出ます。それだけで無く、狭いドームの中で、ガイド鏡に触れただけでも位置が狂ってしまいます。また、電動化して修正は楽なのですが、上下方向に動かそうとすると左右方向へのタワミが出ます。左右方向に動かそうとしても上下方向への移動があります。このバックラッシュの派生のような動きも、ガイド精度に関わる事があります。
この問題を解消するには、同架形式を考え直すことになります。ガイド鏡を使わないオフアキシス方式は高価な冷却CCDの導入が必要ですから、ガイド用鏡筒は必ず必要です。そして、直接アリガタに固定するのが最も強固な方法です。しかし、この方法では、対象そのものか、そのきわめて近くにガイド星が無いと使えません。ここでもかなり高感度の撮像装置が必要になります。そうなると、少し動かしてガイド星を得ることになります。この場合、粗動ではよっぽどうまく作られたもので無ければ使い物になりません。つまり、微動装置付きである必要があります。条件を整理したところ、やはり微動のある経緯台に載せるという案です。
色々と売られている経緯台や赤道儀を調べた上で、結局、最初に目についていたポルタUという結論となりました。問題となる点はどうやって同架するかです。三脚との接続はネジ一本という説明でしたので、接続プレートを作成することにします。接続プレートにはアリガタを取り付けて、40センチ反射でも使用できるようにします。
部品と材料
到着したポルタUの三脚を外し、接続を調べると、三脚との接続は、3/8インチのネジでした。大型カメラ三脚用の規格です。そのままこれを使っても良いのですが、三脚との接続用アダプターリングは1/4インチのキャップ・ボルト3本で止められていました。リングを外すと、これがそのまま接続プレートに使えます。穴は6ミリで、キャップの部分を沈めるために、10ミリの穴を深さ9ミリだけ掘りました。アリガタの取り付けは、5ミリのネジが4本切られていたので、サラネジを入れて、こちらも出っ張らないようにしました。
KD電動経緯台の搭載状況
部材の確認と加工、組み上げ
完成
搭載状況 重量的にそれほどの負担増にはなっていません。
ガイド鏡にバーローレンズを入れ、ピント合わせの為に光路長を稼ぐ正立プリズムを入れました。
取り付け高さが電動KD経緯台よりポルタUの方が遥かに低くなりました。電動KD経緯台はアリミゾを挟んでアリガタを取り付け、その上にアリガタで同架という手間を取っていたので、余計に高かったのです。低くなっただけでも安定性が増していますが、ポルタUの剛性は、格段の強さで、しっかりとしています。触っただけで動いてしまうという状態ではありません。
撮影できる鏡筒と、ガイド鏡として使える鏡筒が明らかになってきていましたので、使えない物は整理・処分をしました。
赤道儀━大型アリミゾ━┳━大型アリガタ大━40センチ反射
┃ ┗━ポルタU経緯台
┃ ┗━Vアリミゾ
┃ ┣━10センチ反射MT-100
┃ ┗━8センチ屈折STL80A-MSS
┗━大型アリガタ大━Vアリミゾ
┃ ┣━25センチ反射GINJI
┃ ┣━16センチ反射MT-160
┃ ┣━13センチ屈折BLANCA-130EDT
┃ ┣━10センチ反射MT-100
┃ ┣━10センチ屈折SE-102
┃ ┣━━カメラアーム雲台
┃ ┗━━カメラ雲台
┣━━Vアリミゾ(重心位置調整用)
┗━━VアリミゾポルタU経緯台━Vアリミゾ
┣━10センチ屈折SE-102
┣━10センチ反射MT-100
┗━━8センチ屈折STL80A-MSS
以上のような構成となります。
星図等の資料が横置きで積み重ねられていました。これは使いにくいので、間仕切りを外して、縦置きで収納出切るように変更していました。
この結果、各ボックスに入れていた部品の取り回しがやや不便となり、一度全てを整理し直すことにしました。
旧タイプの棚
部品の整理
ラベルの付け替え
ストーブは冬場に点火すると、出た水分が全て結露します。昼間にドアとスリットを全開にしても、反射鏡に結氷してくれます。実質、暖房には使えない物品です。そして、古くなってきてファンのモーター音に異音が混じるようになってきていました。安全性にも疑問が出てきてしまったのです。ファンヒーターは放り出しても、厚着するのにも限界があります。そこで、究極の解決方法です。コタツです。
70センチ角の小型お一人様用のコタツなら置けないことはないのですが、頻繁に出入りすることになるし、一番使うのは「机」に「イス」です。そこで、机をコタツにしてしまおうという発想です。コタツを改造と思っていたのですが、電熱ユニットだけ売っていることに気が付き、早速入手、休日を使って改造にかかりました。面積は狭いのですが、高さがありますので、コタツ布団を手に入れるまでカーテン地で代用です。
本当の実力は冬場に発揮ですが、春先の寒い夜に薄着でも耐えられるという結果を得ました。それまでに布団を手に入れることにしましょう。
8月の終わり頃、久しぶりの晴天でドームに上がったところ、何故か、RS232経由の自動導入と、USB接続のオートガイダーの相性が悪い状態でした。スリム型のパソコンの問題だったのかも知れません。RS232のBIOS設定がないマシンですので・・・。機嫌良く動くときと、何が何でもやってくれないときがあります。
安定な動作を望めないのであれば、パソコンのトラブルは悩んでいても仕方ありませんので、某所から入手したミニタワーWinMEマシンに32bitOSを入れて自動導入専用とし、2台のマシンを入れることにしました。ディスプレイを2つ置く余裕がありませんので、パソコン切り替え機を部品箱から出してきました。どうせ、同時に使用する事は無いのですから。それに折角の配置変更ですから、2台のマシンのハードディスクをサラの状態にして、それぞれ必要なソフトをインストールしました。結構時間がかかってしまいました。
奇しくもミニタワーの高さがピッタリ、イスと同じでした。そこで、イスと並べておきました。イスの面積が広がったようなものです。そして、2台で運用した限り、何の問題もなく、期待通りの性能を発揮してくれました。
ついでに、コタツカバーが出てきたので、それを机にかけました。見目も改善です。
パソコンのイス化とも言う
いろいろな原因でモータードライブの自動導入精度が落ちます。鏡筒の取り付け角やソフト的な問題、ステッピングモーターのパルス抜け、極軸の精度等々、原因は多岐にわたります。原因を追及することは、機械工学的な楽しみの1つでもあるのですが、この方向よりは撮影枚数を稼ぎたいものです。
カメラのファインダーで確認できる明るい天体の場合は、正確な導入ができていなくても簡単です。そのまま微調整ができます。しかし、カメラのファインダーで見えないような対象では、試し撮りをするか、カメラとアイピースを交換して確認ということになります。いずれにしても時間のかかる作業です。これを短縮するにはフリップミラーを付ける手もありますが、試したところ視野欠けを生じたので却下です。つまり、主焦点で確認する手は使えないので、別の副焦点を用意するという事になります。つまり、もう一本、鏡筒を付けるという手です。これを主焦点と同期させて、状況を観察するという手です。副鏡として主鏡に付いているファインダーでは倍率集光力共に足らないと見てよいでしょう。可能であれば主鏡と同じものであっても良いくらいです。しかし、副鏡に主鏡と同じものを用意するということであるのならば、主鏡を大きくしたいと思うはずです。
ここで、手持ちの鏡筒からケンコーの10センチが浮上しました。口径が大きい方が有利だとして8センチ屈折の代わりにオートガイド鏡として使っていたのですが、ポルタに載せて動かせるので、元に戻しても問題ありません。ただし、主鏡と副鏡の同期ですが、ポルタU以前にKD電動経緯台、タカハシガイドマウントを使用した履歴があります。取りあえず直付けをして、アリミゾの位置調整で試してみます。もし、芯をしっかり合わせたいということであれば、固定で使用するのですからタカハシガイドマウントを再搭乗させるつもりです。
赤道儀に載せたアリガタには、ビクセン規格のアリミゾが3つ、既に用意されているので搭載の変更は楽です。
変更前の13センチ主鏡搭載状況
左:ケンコー10センチガイド鏡 右:カサイ13センチ主鏡
搭載状況
左:ケンコー10センチ副鏡 中央:カサイ13センチ主鏡 右:8センチガイド鏡
取り付け側
3本のレンズのコーティング
赤道儀━大型アリミゾ━┳━大型アリガタ大━40センチ反射
┃ ┗━ポルタU経緯台
┃ ┗━Vアリミゾ
┃ ┗━8センチ屈折STL80A-MSS
┗━大型アリガタ大━Vアリミゾ(中央)
┃ ┣━25センチ反射GINJI
┃ ┣━16センチ反射MT-160
┃ ┣━13センチ屈折BLANCA-130EDT
┃ ┣━10センチ反射MT-100
┃ ┣━━カメラアーム雲台
┃ ┗━━カメラ雲台
┣━━Vアリミゾ━━━10センチ屈折SE-102(副鏡)
┗━━VアリミゾポルタU経緯台━Vアリミゾ(ガイド鏡)
┗━━8センチ屈折STL80A-MSS
1 ディスプレイ周りの改良と追加
その1 闇黒仕様の改良。
暗順応した眼で使えるようにするために、グレースモークのかかったアクリル板を使って減光していましたが、 ディスプレイの明るさを目一杯落としても、まだ明るい状態でした。そこで、アクリル板を3枚に増量する事を計画し、1枚を付ける幅しかなかったディスプレイへの取り付け部分を再追加しました。アクリル板も到着しています。
その2 キーボード収納
ディスプレイの下にキーボードを収納できるように低い台を作りました。これで、邪魔な場合は入れてしまうことができます。
その3 暇つぶし用DVDプレーヤー追加
ディスプレイの下にDVDプレーヤーを用意しました。闇黒仕様の改良はこの為もあります。
2 パソコンのイス収納
赤道儀制御に新マシン(嫁様のお古)を使い出しましたが、ザ・スカイとルクバトの相 性というかマシンとの相性がうまく行かずに、もう一台用意しました。追加した方はイスと同じ高さでしたが、元?のはスリム型で、小さいくせに置き場所に苦
労していました。そこで、イスの下に収納できるようにイスを改良しました。イスに張ったフェルトも黄緑から手持ちの緑になりました。
3 コタツ化された机
まず、カーテンの布をかけてコタツ布団カバーをかけていたので、外見はまともでしたが、それなりに熱伝導して冷えました。そこで、ちゃんとコタツ布団を中に入れました。暖かくなりました。
次に、中に足台を入れていましたが、この足台を2段の階段状にして、足置きとして快適なものにしました。
4 机の遮光カーテン
遮光カーテンを作り直して、前横後ろの3面へ垂れ幕を下げるような形にしていましたが、隙間から光が漏れるためにクリップで止めていました。隙間があかな
いようにするには、単なる一枚の布にしてかぶせれば良いのです。ただし、開け閉めのある面だけは垂れ幕式にして作り直しました。
完成図
対象確認用の副鏡を付けるというアイデアで、先月変更した搭載システムについて、更にアイデアが出てきました。主鏡と副鏡の同期をどうやって取るかについて、あらためてタカハシのガイドマウントを使うという案が遡上しました。そして、どうやって載せかについて考えている内に、搭載しているアリガタを拡張するという方向へ考えが進みました。
現在写真撮影に使用しているのは40センチ、25センチ、そして13センチの3本になっています。40センチは別格で、搭載は単独ですが、他の鏡筒についても単独搭載の形式にしていました。ここで、オートガイダー用の鏡筒が追加され、更に対象確認用の鏡筒が追加されて、40センチ使用時以外は3本が載っている状態となりました。といっても赤道儀が目一杯になっているわけではなく、余裕が充分あります。そこで、大型アリガタに2本の主鏡を載せ、更にアリガタを拡張して副鏡とオートガイダーを付けようという計画がまとまってきました。副鏡の搭載方法を変えるだけだった話が大規模な変更となってしまいました。
花子で作図して搭載状況を充分に計画し、アリガタと拡張板に必要な加工を考えて、材料を用意しました。使うのはボール盤とタップです。穴開けにねじ穴切りです。材料はジュラルミンに超ジュラルミンですから、そのままねじを切ってヘリサートしなくても使えます。
搭載計画
完成したアリガタ
完成したアリガタにポルタU経緯台を直接取り付けて、赤道儀に取り付け、4本の鏡筒を計画通りに載せました実質、70センチのアリガタとなります。
搭載状況
ガイドマウント側
ポルタU側
赤道儀━大型アリミゾ━┳━大型アリガタ大━40センチ反射
┃ ┗━ポルタU経緯台
┃ ┗━Vアリミゾ
┃ ┗━8センチ屈折STL80A-MSS
┗━大型アリガタ大
┣━Vアリミゾ(左)
┃ ┣━25センチ反射GINJI
┃ ┣━16センチ反射MT-160
┃ ┣━10センチ反射MT-100
┃ ┣━━カメラアーム雲台
┃ ┗━━カメラ雲台
┣━Vアリミゾ(右)
┃ ┣━13センチ屈折BLANCA-130EDT
┃ ┣━10センチ反射MT-100
┃ ┣━━カメラアーム雲台
┃ ┗━━カメラ雲台
┣━ポルタU経緯台┳Vアリミゾ(ガイド鏡)
┃ ┗━━8センチ屈折STL80A-MSS
┗━ガイドマウント┳Vアリミゾ(副鏡)
┗━━10センチ屈折SE-102
前回、変更を加えてから、しっかりと使うチャンスがなかなか来ませんでした。ありがちなことですが、使ってみると問題が出てきました。反射と屈折の同架ですので、接眼部が離れています。屈折の場合は接眼部にアクセス出来なくなるということはありませんが、反射は天頂方向へ向くと、脚立に乗らないと届きません。ところが、横に長く延びたアリガタに鏡筒が並んでいますので、脚立を立てる場所がありません。そして、脚立を立てても接眼部にアクセスが出来ません。これでは40センチ反射に劣る操作性となってしまいました。そして、横に長く積んでいることから、常にドーム内の空間を占有しています。占有部分に触れると、撮影が失敗する可能性が高くなります。つまり、身動き出来ません。
これでは以前より操作性が良くなったとはいえません。苦労してシステム変更しましたが、潔く失敗を認めましょう。しかし、元に戻すのもシャクにさわります。3本を同架するにも、折角ガイドマウントを採用したのですから、もう少し頭を使った構成があり得るはずです。
そこで、搭載した鏡筒を降ろして、アリガタに載せた部品を分解しました。そして、横に並べるだけでは横幅を取るばかりですので、鏡筒がある程度の間隔を持ちながら動かせるようにするために、ポルタとガイドマウントを前後にもずらして取り付けられるかどうか確かめました。置いてみると、追加工しなくても以前にあけていた穴を使って取り付ける事ができました。
赤道儀━
大型アリミゾ━┳━大型アリガタ大━40センチ反射
┃ ┗━ポルタU経緯台
┃ ┗━Vアリミゾ
┃ ┣━10センチ反射MT-100
┃ ┗━8センチ屈折STL80A-MSS
┗━大型アリガタ大━Vアリミゾ
┃ ┣━25センチ反射GINJI
┃ ┣━16センチ反射MT-160
┃ ┣━13センチ屈折BLANCA-130EDT
┃ ┣━10センチ反射MT-100
┃ ┣━━カメラアーム雲台
┃ ┗━━カメラ雲台
┣━Vアリミゾ(重心位置調整用)
┣━ポルタU経緯台┳Vアリミゾ
┃ ┗━━8センチ屈折STL80A-MSS
┗━ガイドマウント┳Vアリミゾ
┗━━10センチ屈折SE-102
机周り調整 2011年11月
1 触感と保温の改良のためにコタツにフリースの中敷きを追加しました。
コタツユニットの状況
足台の状況
布団かけ前
フリースかけ
ドーム壁側に当て布
コタツ布団かけ
カバーかけ
天板
モニター等
LEDだけでも明るすぎます
白熱電球
LEDに赤テープを貼りました
ガイド鏡用に取り付けたポルタUですが、前任であったミザールのKD電動経緯台からのリプレイスで、ディスプレイを見ながら操作できた前任に比べて操作性の点ではかなり劣っていました。この点を考えて、フレキシブルハンドルの付いたセット品を注文したのですが、やはり、座ったままで操作できるものにはかないません。
このポルタ用に電動化ユニットが発売されていることは知っていました。ただ、価格がポルタ本体より高く、二の足を踏んでいたのですが、何故か特売で安くなっていました。この手の便利商品は、よっぽど売れない限り最初のロットで終わりですし、もっと安くても良いんじゃないかと思ったのですが、同様製品は多分二度と出ないし、在庫一掃の売り出し・・・つまりその店で最後の一個というありがちなことかも知れない、まあ潮時かと思って、注文したわけです。そうだったようですが・・・。
電動化ユニットの取り付けで、ポルタUの搭載状況を変更しなければならないことを危惧してはいましたが、特段何もなく装着できました。ただ、一部の6ミリの袋ネジが、モーターユニットの取り付けで長さがギリギリになってやっと締まっているような状態でした。これについてはもう少し長いネジを用意して取り付ける予定です。2〜3ミリ程度の板を挟むだけですから、元々のネジ長が足りないと判断して良いでしょう。
そして、動作も確認できました。必要となるのは電源と、CPUボックス(?ヘンな名前ですが・・・)の居場所です。正直なところ、このCPUボックスは必要なのかという気がします。自動導入の回路でも考えていたのではないかと思うくらい余裕があります。
使用感はKD電動経緯台の強力強化版です。再び、あの操作性が戻ってきました。計画は大成功です。ただし、配線がクリスマスツリーのようになってきました。こちらは懸案課題ということで。
四角い箱がモーターユニットで2つあります。
8センチのガイド鏡周り