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   ★★2019年10月01日(火)メシエ31・アンドロメダ座大星雲中心部
   ★★2019年10月02日(水)メシエ33・三角座系外星雲
   ★★2019年10月03日(木)白鳥座網状星雲NGC6992-5、極軸合わせ
   ★★2019年10月04日(金)白鳥座網状星雲NGC6960、ドーム内の照明
   ★★2019年10月05日(土)キキョウ再び咲く、スズ吉ハトムギは嫌い?、民主主義の罠
   ★★2019年10月06日(日)メシエ20・射手座三裂星雲
   ★★2019年10月07日(月)M17・射手座オメガ星雲、ハーシェル宇宙
   ★★2019年10月08日(火)白鳥座網状星雲リベンジ、作業台照明の変更計画
   ★★2019年10月09日(水)オリオン座大星雲・メシエ42、作業台照明の部材購入
   ★★2019年10月10日(木)ドーム・メンテナンスとボイド効果、イジメで記者会見?
   ★★2019年10月11日(金)昨日のニューズ、とある荷物、ドーム・メンテナンス続行、ドーム内の事件
   ★★2019年10月12日(土)夜間飛行、超大型台風、今日の作業
   ★★2019年10月13日(日)今日の作業紅葉前線南下中、台風の爪痕、モニター注文、望遠鏡用品マスク2枚
   ★★2019年10月14日(月)電池23A、スピーカー問題
   ★★2019年10月15日(火)続スピーカー問題、モニター到着・作業順調、鍵がぁっ
   ★★2019年10月16日(水)雪虫、紅葉進行中、月齢17.7
   ★★2019年10月17日(木)紅葉進行中2、冬山登山、学校改革?
   ★★2019年10月19日(土)紅葉進行中3、札幌移転
   ★★2019年10月20日(日)紅葉進行中4、颱風、月齢21.8
   ★★2019年10月21日(月)天空の赤白鳥座網状星雲、発見の報
   ★★2019年10月22日(月)天空の赤2白鳥座網状星雲
   ★★2019年10月25日(金)年寄りの冷や水、馭者座と隣の星雲、名前をひっくり返す
   ★★2019年10月26日(土)名前をひっくり返せ、牡牛座(ヒアデス・プレアデス)
   ★★2019年10月28日(月)網状試し、白鳥座ペリカンと北アメリカ星雲
   ★★2019年10月29日(火)白鳥座ペリカンと北アメリカ星雲顛末
   ★★2019年10月31日(木)朝6時半の白鳥さん達、本日の作業2つ


★★2019年10月01日(火)メシエ31・アンドロメダ座大星雲中心部



 大きさは満月を5個並べた程度と言われますが、周辺に行くほど暗くなりますから、空の状態に大きく左右されます。国内で満月5個分に見える場所はそれ程多くないでしょう。アンドロメダ姫の腰に当たる部分に相当する星が3つあって、星雲までの良い指標になっていますが、星雲側にあるのが4等星で、光害のある場所では、場所を特定するのも難しそうです。しかし、空の澄んだ場所では写しやすい星雲です。なんたって肉眼で判るのですから。
 周辺部が良く写るように露出時間を延ばすと、中心部の様子が分からなくなってしまうほど明るい星雲です。特徴のあるスジが写りますが、これはそこに暗黒星雲、最近流行りのダーク・マターではなく、近くに明るい星が無いために暗いままの星間物質があって、向こうの星の光を遮っているので暗く見えます。これから星の材料になるというもので、小宇宙として未だ若いことを示しています。渦巻き型の円盤構造をしていて、この黒いスジは渦巻きに沿っています。そして横から見ると、主に渦巻きの手前側に見ることが出来ます。
 この画像は、月を撮ると一杯になるくらいに写る範囲を撮影しています。北を上側に撮影していて、アンドロメダ大星雲は上側を手前にした渦巻き構造であることが判ります。また、真ん中に月を入れて、斜め横方向の両側に、それぞれ月を2つ並べただけの大きさがあるのです。
 古い話ですが、天文学の研究によって、銀河系という構造が認識されるようになり、このアンドロメダ大星雲が銀河系内なのか外なのかは、大変な議論を巻き起こしました。結論を付けたのがハッブルさんで1923年のことでした。銀河系に匹敵する大きさがアンドロメダ大星雲にあることが判ったのです。その後の研究で、ハッブルさんが求めた距離よりもかなり遠いことが判って、銀河系よりも大きいことが判っています。宇宙が構造化しているという最初の発見でもあったのです。



★★2019年10月02日(水)メシエ33・三角座系外星雲



 アンドロメダ大星雲大星雲から角度で16度ほどのところにあります。距離は大星雲とあまり変わらないので、メシエ31とメシエ33の距離は65万光年程度だと推定されます。伴星雲という近さではありませんが、銀河系を含む小宇宙の小集団の構成員であることは間違いないでしょう。満月2つ分の大きさですが、空のきわめて良いところで視力自慢の方の眼視報告がある程度の暗い星雲です。満月の大きさというのは、意外と大きく思っている方がほとんどですが、いざ測定してみると、結構小さいもので、視力の良い方でも、分解能は月の直径の30分の1程度、面として700画素のレベルです。どうやってウサギの餅つきが・・・。
 さて、こちらを狙って撮影しようとすると、以外と暗いし、小さいので、大望遠鏡で撮影された映像が頭にあると、期待通りにならず苦労することになります。特にフィルムの時代はカラーフィルムの高感度のものを使っても、なかなか難しい対象でした。デジタルになって少しは緩和していますが、それでも難しい対象であることは変わりありません。
 星雲の中に赤い色が混ざっているところがあります。これは擬色では無く、M33の銀河の中にある散光星雲です。大きく写っているものが、銀河系内なのかM33固有のものなのかは、今少し調べないと判りませんが、渦巻きに沿っているものは、まず間違いなく巨星の放射線で励起された星雲です。


★★2019年10月03日(木)白鳥座網状星雲NGC6992-5、極軸合わせ



 白鳥座の南側の翼にある散光星雲です。付いた名前が網状星雲です。弧状になっていますが、弧を伸ばした反対側にも星雲がありNGC6960という番号を持っています。また、その間に番号を振られていない散光星雲もあります。これは何万年か前に超新星爆発をした爆風が、今も広がっている姿で、近傍の明るい星の強力な光を受けて励起して発光している姿です。膨張していくガスの速度は毎秒100km程度(時速36万キロ)という超高速ですが、星の世界のスケールも桁が沢山違いますので、何万年も経って、ようやくここまで膨らんだということになります。球状に広がっているのですが、星の光に照らされないと存在は判りませんし、強力な紫外線でも当たらないと発光しませんので、丸形や球形が判るようになるには、密集した星群の中でないと見えない構造です。銀河面に近くて、恒星が密集しているところでしか見られない光景なわけです。
 空の様子が、幾分ガスって居たので、赤色に被るように青色の部分が写るはずでしたが、あまり良く判りません。ガンマを見るに堪えないほど上げると判りますが、美しくありません。今一度、空の良い時にリベンジしましょう。

 試しの撮影で撮った画像を調べている内に、5分程度の露出で星が流れ出して写っています。30秒のものには無い特徴です。極軸が合っていない様子です。例の震度6による上下動でかなり揺れ。その後合わせ直したのですが、直後だったので、更にゆっくりと揺り戻していたのでしょうか。どうも5分角近く違っているように見えます。そこで、数時間掛けて合わせ直しと動作チェックを行いました。極軸望遠鏡があるのですが、こちらでは最低でも2~3分角程度の誤差があるので、本来の追尾動作でチェックを重ねて、精密合わせをします。一度やっておけば、よほど変なことをしない限り、当分持つはずです。


★★2019年10月04日(金)白鳥座網状星雲NGC6960、ドーム内の照明



 昨日の超新星爆発の残骸である散光星雲の反対側にあるNGC9960です。露出を間違えて短すぎたので、後ほどリベンジするつもりですが、雰囲気は判るのでは無いかと思います。明るく写っているのは白鳥座52番星、明るさは4.22等級、決して明るい方では無く、大都会近傍では光害に埋もれて見えないでしょう。太陽と同じタイプの恒星で、やや太陽よりホンの少し暗く、距離が二百光年ちょっとありますので、この程度の見え方になります。逆に、太陽をこの星のところから見れば、明るさ4等級の暗い星にしか見えないということです。
 しかし、この星雲は、地球から二千数百光年の先にあり、たまたま52番星と重なっていて、関係があるかのように見えているだけということになります。勿論、52番星がこの星雲を励起しているわけでもありません。きっと屑星のように写っている中に、距離二千数百光年の所にあるもっと明るく強力な紫外線等を輻射している恒星があって、その星の光を受けて光っているのでしょう。
 そして、球状殻の広がり方から数万年前と推定されている爆発のときに、マイナス10等級程度、半月くらいの明るさで輝いたことが推定されます。珍しい事件とは言え、恒星の中でも特に質量の大きな星が辿る道ですから、各銀河で百年に数回といわれる頻度で起こる現象です。
 最近では、ベテルギウス、オリオン座アルファ星が危ないという話が出て騒ぎになりかけていましたが、こちらは五百光年です。推定される見かけの明るさは、満月くらいからその百倍くらいのレベルです。それで、怖い、人類絶滅かぁなんて騒ぎたい方が居たようですが、もっと凄いのが、常に輝いているのですから、そんなに恐怖に駆られる必要はありません。単純計算ですが、満月くらいに見えている恒星が超新星爆発すると、太陽から太陽の100倍くらいの範囲の明るさに増光するわけです。同じように考えれば、ベテルギウスが超新星爆発を起こしたって、見かけは満月から満月の百倍程度の明るさです。推定、数日から数ヶ月は、明るい夜を過ごせるでしょう。しかし、それでも地球ヘやってくる各種電磁波が今の太陽以上になるなんてことは無いのです。そして、その爆風たるガス雲がやってくるのは何万年。何十万年も先のことになります。
 確か、『宇宙のステルヴィア』というアニメが、超新星爆発で吹き飛ばされた物質がやってきて、宇宙の景観が変わり、更に凶悪な塊がやってくるのを打ち落とすという背景設定だったと記憶しています。まあ、宇宙学園ものですから、主たるテーマは主人公たちの恋愛ものでしたか。

 ドーム内の照明関係で、少々手を入れようと思い、取り付け元の支持部分の材料を注文しました。ドームの可動部分の基礎、壁の一番上に当たるリングのところに、コードを引き回しているのですが、外気が入るところですので、ここの配線を放置するのは良くないと判断しました。コードには汚れがこびり付いていますし、被覆が劣化しているように見えます。掃除も大変です。ですから、リングの下に配線用ダクトを断熱材と共に入れて、再配線をする予定です。その部分の支えにするためのデスククランプ様のものを取り付けて、配線を収納します。ただ、照明装置の方をどう改良しようか悩むところがあります。明るい照明は、明るくなれば良いのですが、撮影の合間に使う作業用の暗い照明をどう再配置するかがネックです。そちらも少々頭を使いましょう。


★★2019年10月05日(土)キキョウ再び咲く、スズ吉ハトムギは嫌い?、民主主義の罠



 星ばかり見ていて、すっかり地上のことを忘れていました。久しぶりに咲いたキキョウが、再び花芽を付け、開花しました。花弁に付いているのは朝露です。今回は間違いなく五裂しています。同じ株ですので、以前の四裂は何かしらの異常だったのかも知れません。あら、花芽かしらんと思ってから1週間で花を付けました。来年も頑張って欲しいものです。

 また、スズ吉の餌台にハトムギを追加してみました。道内某所での経験では、スズ吉達が鈴なりになって群がっていたのですが、当地のスズ吉は、何故か見向きもしません。玄米を食するついでに吹き飛ばして下にたたき落としています。試しに玄米を乗せないで居たら、ちょっと寄っていくだけで、次の餌場(?)に移動していきました。昨日今日は、他のもう少し大きめの小鳥たちが寄っていたようです。口が肥えているのか、ハトムギを食料と認識しないのか・・・。
 試しに、ハトムギは玄米より大きいので、割って細かくしましたが、やはり人気、もとい鳥気が無く、もしかすると、この辺では天然自然に手に入らず、食料だと認識していないのかも知れません。判りませんが。

 ところで、昨日のニュースで神戸市立の小学校で教員による教員イジメが発覚などと報道され、教育委員会が報道陣に頭を下げている姿が出て、処分を検討しているとなっていました。違うだろう。刑事告発対象の事案であって、管理責任者の采配で済むことでは無い。刑事罰が相当でしょうが。そうしないのは面子の問題で、自分たちに責任があるのを認めないということだけなんでしょう。そもそも、何ヶ月も前に「指導」して改善されたと校長から報告が上がっていたというのですから、あきれます。事なかれ主義というのは組織の困った病害です。腐った組織に自浄能力は無いのです。
 同じように、北海道の自民党会派が議会の喫煙所を廃止することに反対し、改めて設置する案を会派として合意したとの報道もありました。その設置に金を出すと言っているのがJTだというのも、何ともお笑いです。その金で困っている人を助けるという思考はありません。煙草を吸いたいという中毒患者が欲を通していると言う姿で、腐った組織の取る行動に共通性があります。カジノを作るというのに諸手を挙げて賛成した議会ですので、さもありなん。折角若々しい知事が当選したのに、これではねぇ。自分の儲けしか考えないでいて、結局、最悪の場合は自滅していく運命に繋がるのです。これも民主主義と官僚組織の罠です。


★★2019年10月06日(日)メシエ20・射手座三裂星雲



 こちらも試し撮りの中の1枚ですが、赤い星雲のところだけがはっきりしています。本来は。この星雲の左上側に青い星雲が写るはずなのですが、ガンマを上げて、ガリガリとコントラストを上げないと判りません。「観望の記録」に入っているM20はちゃんと写っていますので、空の様子、少々また白茶けていますので、それと露出時間の違いであろうと思われます。リベンジ対象でしょうか。と言っても試し撮りの最中です。

 これらの散光星雲は、倍率を抑えて見るのが常道で、倍率を上げると、淡く見える部分が、ますます薄くなってしまいます。ですから、なるべく低い倍率でチャレンジします。望遠鏡の倍率は、対物鏡の焦点距離÷接眼鏡の焦点距離ですから、なるべく長めの焦点距離の接眼鏡を使うことになります。口径によって倍率は制限されますが、その低い方は、口径(mm)÷7mmで計算出来ます。7mmと言うのはヒトの瞳径で、ヒトによって多少の違いがあります。筒先から入った光をもれなく目に入れる為の計算と考えて良いでしょう。望遠鏡で倍率を上げると、像は薄くなっていきます。つまり、倍率を下げると明るく見えるようになるのです。しかし、ここで計算した倍率より下げても明るくは見えてこないのです。望遠鏡からの光が瞳で蹴られてしまうからです。
 ただし、これは充分暗いところの話で、明るいところでは瞳が絞り込まれていて、この計算が成り立ちません。つまり、昼間に使うのであればもっと小さな口径で良いということになります。
 双眼鏡で、7×50という名称の付くものがあります。これは口径50mm、倍率が7倍というもので、この口径で最も明るく見える最大の倍率であることを示しています。これが夜間双眼鏡で、海軍では敵発見のための重要な機材だったのです。淡い天体を見るにも適していると思って間違いありません。

 興味を持ち望遠鏡を手に入れた子供は、とにかく倍率を欲しがります。短い焦点距離の接眼鏡を欲しがります。わたくしもそうでした。しかし、そこで、限界を超えた高い倍率では返って良く見えないことに気付くことが、それなりに重要です。自分の目に合った最適な倍率を見いだせるかどうか。倍率って何なのか。どうしてそう見えるのか。理科実験で要求される観察のための基礎です。顕微鏡だって同じです。倍率を上げれば上げるほど、像は薄れていくのですから。もし、教えられるのでは無く、自分で辿り着いたら、科学者の才能ありです。答えを教えるのでは無く、示唆するのは有りでしょうね。

 M42やM8のような大きく明るい散光星雲に比べて、多くの散光星雲は淡く小さいものですから、眼視の際では特に、なるべく大きな口径が欲しくなります。小さいといってもM20は、満月くらいの大きさがあります。屈折機で15センチというのは個人所有としてはハイエンドランクになりますが、眼視ではそれくらい以上の口径が欲しい対象です。ただし、先ほどの計算から判ることですが、ある倍率が欲しい場合には、口径を大きくしても明るく見えないという限界があります。
 少々無理のある想定と計算ですが、例えば、長辺角度で2.5度あるM31を観察したいと言うことであれば、見える範囲がギリギリですが、視野角50度の良品接眼鏡を使えば、20倍で観察することが出来ます。ここで、7×50との比例計算です。倍率7倍で口径50mmなのですから、20倍では142.***と計算出来ます。約140mm、14㎝です。つまり、口径14㎝の望遠鏡で20倍の倍率をかけると、最も明るく倍率のある光景が見られるということです。勿論、口径20cmで見たらイケナイなんてことはありません。反射望遠鏡であれば、それほどの投資にはなりませんが、屈折機で20cmとなると、公共天文台レベルとなってしまうと言うことだけです。

 M8のようなHα線による真っ赤よりは、ピンクになっているのは、他の波長が交ざってきている結果です。見かけの大きさは満月程度ですが、距離が五千光年強あります。実直径が45光年位もあり、内部に星雲の複雑な構造と、幾つも恒星があって、このように見えているのです。


★★2019年10月07日(月)M17・射手座オメガ星雲、ハーシェル宇宙



 十月ともなると、夏の星座は早々と沈んでいきます。そろそろお別れの季節ということになります。そして、夜半過ぎには冬の星座が真っ盛りです。しばらくのお別れです。そして、気温は下がってきていて、今朝の気温は、5℃位に下がっています。今少しで氷点下の世界が近づいています。さすがに白いものが降ってはきませんが、冬の用意をし始めても良い位でしょう。

 夏の代表、射手座は銀河中心方向ですので、散光星雲や星団などが密集しています。めくら打ちしても、何かしら写るほどです。それに対して、見あたらないのは小宇宙です。向こう側の見通しが効きませんので、他の銀河は見えません。でなくても、我々だって銀河面に近いところに居ますから、見通しはそれほど良くありません。こちらは物質密度が高いために起こる空間吸収による減光ですが、銀河系自体が大きいものですので、距離による減光が最も働きます。夜空に見える星の、暗めの星を除くと(4等級程度以上(数値は明るい方が小さくなります)の明るい星)の距離を調べるし、大まか二千光年以内の星がほとんどです。これを全ての肉眼星に広げても概略五千光年程度の範囲に収まります。
 これを観測結果から推測演繹して作られたのがハーシェルの宇宙模型です。時代はやっと天体力学が始まった時代で、恒星までの距離が測定出来る寸前でした。その環境で、口径30㎝そして45㎝の金属鏡を用いて全天観測を行い、その結果として宇宙の模型を作ったのがウイリアム・ハーシェルです。直径6400光年、厚さが1300光年の凸凹のある円盤形が彼の到達した恒星宇宙でした。少ない情報と正しい推察による膨大な恒星データの処理によって宇宙の姿を見いだしたのです。
 今、それが違っていましたとすることは、正当ではありません。同時のデータで得た結論としては秀逸であると言うべきです。何しろ、恒星までの距離を信頼出来る程度に測定出来たのは、彼の没後16年してからなのです。恒星が円盤構造を持つ。これが彼の到達した科学的手法の成果だったのです。
 そして今、銀河と呼ばれる光の河は、直径十万光年の広がりを持つ締まった渦巻き構造をを持っていることを突き止めています。その最初の図が、ハーシェル宇宙だったのです。

 オメガはギリシャ文字のΩ、もしくはωから取ったものですが、形付けとしては少々難があり、オメガ型にかかれたスケッチが名称の期限になるようです。どちらかというと当時のスケッチは印象派の白黒2値みたいなものですから、かなり暗いところまで拾っていると考えれば、まあ、形にはなるでしょう。明るいところに注目すれば白鳥星雲(スワン・ネビュラ)と言う名称が秀逸に感じます。また馬蹄型星雲と言う名前もあります。
 全天第一の散光星雲であるM42オリオン座大星雲は、見かけ上、満月4個分の広がりを持っています。これに対して、M17は満月の1.5倍くらいの大きさがあります。そして、M17はM42の4倍も遠いところにあります。概略の計算でも、M17の方が直径で3倍近い大きさを持っています。そして、質量もそれなりに大きいと考えられます。また、強い電波源としても知られています。ここも大変に活発な領域なのです。


★★2019年10月08日(火)白鳥座網状星雲リベンジ、作業台照明の変更計画

NGC6992-5 NGC6960

白鳥座網状星雲リベンジ
 網状星雲の撮り直しをしました。結果、NGC6960は、何故か少々、星が流れています。NGC6992-5に付いては、更に焦点距離の短いレンズで、撮影しようと思っています。弧の半分も入っていませんので、全体像が判るようなものが欲しいと思いました。まあ、チャンスがあればですが、白鳥座が西の空で相合い傘になって沈みますので、今年はもうムリかも知れません。月が明るいですからね。


作業台照明の変更
 さて、ドーム内照明の基本取り付け部品たるデスク用クランプは、既に到着して様子を試しています。というより、既に同じようなものを3本ほど使用しています。その3本を使って、作業用の明るいランプを3つ、取り付けています。現在の課題は、撮影中の補助ランプ(暗照明)です。実は、未だどうするかを決定したわけでは無かったのですが、取り付けるには部材が必要であって、これしか無いというものを注文したのです。取り付けて、考えようということもあります。
 注文したクランプの目的は、このドームの壁上部リングに這わした電源配線を、その下に収納することです。上部は外気が入る場所であって、そこにあった配線は結構汚れが付いていて、掃除に苦労しました。その為に配線を守る部材も用意しています。そのついでに、明かり関係の更新するという意図があります。具体的には、撮影の合間に生じる機材変更の為の、暗順応した眼に優しい、ごく弱い明かりの更新です。今使っているのはパソコン横で使うUSB接続の調光LEDランプです。使い込んでみると、イロイロと使いにくいのです。
 ドームの中の多くの装置は、その目的のために手作りのものが沢山あります。市販品そのままでは何かと使いにくく改造したり、イチから作ったりしたものがほとんどを占めます。どれも格好良く言えば、製作経験の無いワンオフものですから、取りあえず作ってみて不具合があれば直すと言うような部分があります。実はこれまでも、このように作ろうと考えて部品を発注し、結局使わなかったというものが若干、部品箱に入っていて、再利用の恩恵に与ることが多々あります。それらの機器の使いやすさと作業効率は相関しますし、運次第の部分もあります。そして、使いにくいという事態を迎えたら、逆に改良のチャンスです。取りあえず取り付けて試した結果に不満があれば、直す。それが今までの方針であって、変更の原動力です。そうやって使いやすくしてきたのです。

 ドームの照明関係では、パソコン回りのものだけが、専用の機器として改良を重ねてきました。暗い中で強烈な輝きとなるディスプレイ画面は、減光用のアクリルスモーク板を付けて光量を視認ギリギリまで落としています。手元の明かりとして、ドーム内の照明とは別に、望遠鏡動作中の手元用明かりと、明るい明かりが必要な作業用のもの、それぞれ白熱電球で10Wと100Wレフを、それぞれの調光器で調光しています。これでパソコンに向かっての手元の操作性は充分です。そして、ここから望遠鏡とカメラを遠隔操作します。

 これに対して、撮影そのものの物理的な用意を行うのが、作業台です。物品収納用に置かれたチェストの上面が作業台としてのスペースとなっています。幅56センチのチェストが5個、ドームの外壁に沿って半円形に並んでいます。チェストの中に修められた部品を出して、作業台の上で組み合わせ、カメラまたは望遠鏡に取り付けるのです。また、その逆に部品を収納します。この作業台の照明は、パソコン前と同じように、明るいものと暗いものの2種に別れて用意しています。明るい方はドーム内に3箇所、E26の電球ソケットに最初は100Wビーム白熱電球、今は電球型蛍光灯になっています。対して暗い方は、USB接続パソコン用のLED調光付き、どちらかと言えば、なんちゃって照明ですが、これに取り付け用の磁石に付けて、4つを配置しています。それぞれの場所に調光ボリュームのつまみがあって、それぞれを操作する必要があります。また、LED部は方向を変えられるようにフレキシブルな支えになっていますが、LED部の重さでタレていきます。困ったことに、発光部が目に入ると結構、眩しいのです。
 使用上、2メートルほどの移動で望遠鏡を避けながら照明のスイッチを入れて動くのは、かなり慎重な動作が必要です。望遠鏡の向きによっては、望遠鏡と仲良しをしてしまう場合があります。当たり加減で痛い場合もあり得ますし、撮影そのものが、やり直しになります。これは結構面倒で、精神的なショックも大きくなります。痛くない場合でも、間違いなく影響があります。何処まで撮影が進捗していたかはパソコン画面に出てはいます。しかし、中止動作については、パソコン側から制御出来ない動作がありますので、プログラムには組んでいません。手作業での復帰となります。そのような事情で、作業台照明の改良が懸案となったのです。
 以上が現況です。

 問題点としては、明暗を1つの照明で一元化することは物理的には出来るのですが、暗照明の守備範囲では、電源電圧の変動に弱いという決定的な弱点を持っています。冬場、ドームの中にはコタツが活躍します。このコタツは通電しっぱなしということはありません。断熱の良い覆いを掛けていますし、小さなものですから、サーモスタットが頻繁に働きます。500Wの電力の断通があると、微妙な電源電圧の変化があり、それを調光器が拾い、ギリギリで光っている電球は大きく影響されます。暗照明に5Wや10W相当という小さな消費電力の物を使用していれば、この変化で大きく影響を受けることはありません。ギリギリの場所で消えてしまうのでは無くて、多少の変化で済むのです。そして、LED電球でも調光可のものがありますが、この部分の境界は結構ばらつきがあり、最大から半分くらいはスムーズですが、何処で消灯するかは、製品差個体差が結構あるようです。中には絞るとビーという振動音まで出すものがあります。本当に調光器対応か?
 従って、メンテナンス用の明るい照明と、撮影作業中の暗い照明は、これらの諸事情により相容れませんので、別回線にせざる終えません。そこで、考えられる対応は以下のようになります。

1.LEDを電圧可変ユニットによって調光し使う。
2.ギリギリの明るさになる電球を4個用意し、専用回線として電源スイッチを付ける。
3.調光機能による白熱電球5~10W程度の電球を4個用意する。
3a.3の回線にパソコンデスクの暗回線を接続する。

 1は、パソコン・デスク用照明として現行の前に使用していた形式です。LED型電球を使うのと似た方法ですが、電源電圧の変動を拾いやすいために、一旦、定電圧回路を通してから使わないといけません。その上LEDの個体差で、全て別の駆動回路で調整しなければならないのです。ただし、暗照明だけのモノであれば、余裕を持たせた形で作ることは出来ます。それでも、苦労する割りには、手間もかかるし部材にかなりの出費が必要。あまり手を抜くとソコから壊れるという罠もあります。苦情の山が来る製品の開発をやっているような気になります。非お勧め。

 2.暗照明につかうような明るさの電球は白熱1W程度で、市販されている白熱電球は最低5W型です。常夜灯ですら5Wです。つまり5W型の電球を自力で減光することになります。電球そのものにペイントしたりするわけです。この方法には調光回路を入れることも含みます。当然のことですが、この程度のLED電球は調光対応のものがありませんので、1と変わりが無い手です。

 3.は2の派生ですが、調光器を用意することが必要です。しかし、2までの中では、比較的手間の少ない方法です。何処に調光のボリュームを置くかといえば、一番使うところということになります。

 3aは、最も現実的な方法で、最も手のかからない方法となります。調光器は存在しているので、分岐させて回線を用意します。後は、機器を接続、固定するのですが、それは他の方法でも一緒です。デメリットは、現在のところ、思い付いていません。元々、定位置がパソコンの前ですし、そこから撮影を開始し、終了を受けて必要があれば機器を変更して、また戻るという行動パターンです。明かり調整で、あちこちのボリュームをいじることも無く、基本、手元でのセットで始めるのは理にかなっています。これで行こうという気になります。

 まあ、これでアウトラインは決まりましたから、残りは機器・部材の選定、続いて固定ということになります。選定は、販売店と通販で調べ上げておき、販売店の様子を確認しましょう。この程度だと、アソコでは送料タダにはならないでしょうから・・・等々、良く考えましょう。


★★2019年10月09日(水)オリオン座大星雲・メシエ42、作業台照明の部材購入

メシエ42

 明け方に近いとオリオンもかなり高く上がっています。肉眼でも、腰のベルトにぶら下がった剣のところにピンク色が判る明るさの星雲が見えます、望遠鏡で直接見るのが一番美しいのですが、ここには写真を挙げるしかありませんので、少しズルをしました。写真では星雲の周辺を写そうとすると、星雲中心部が露出オーバーで飛んでしまいます。しかし、眼視ではちゃんと星が見えています。中心部には4つの恒星が見えていて、トラペジウムという名称が付いています。ピンクの星雲の中にやや青みがかった星が美しい対象になります。実は、ここには星団があって,沢山の恒星が輝いています。ガスが濃くてよく判らなくなって4つの特に明るい星が見えているというわけです。ズルというのは、真っ白になってしまった中心部に露出を抑えて星が写っている画像を合成したのです。その分、星雲が薄くなってしまいますが、肉眼では、はっきりと恒星が輝いています。

 夏の射手座方向は銀河の中心方向で、色々な天体が目白押しにあります。しかし、その反対側に当たるオリオン座方向にも、輝星や星雲星団が沢山あります。これは、銀河系というシステムの中の、中心から伸びる渦巻きの腕、物質の特に濃い部分がここを通っているからです。これを称してオリオンの腕と呼んでいます。太陽もこの腕の周辺部に存在しているのです。銀河の特に濃い部分が射手座付近にありますが、そこから全天を一周して銀河と呼ばれる光の帯があります。空の暗い場所で無いと見えないものですが、その名称から、てん(天)のかわ(川)、あまのがわと呼ばれています。ここも含めて全天の星を観測して、暗い星は遠いと仮定して宇宙は円盤形をしていると突き止めたのが7日に書いたハーシェルです。


作業台照明の部材購入
 ドームの作業台の照明を作る為の部材を購入してきました。電球はどれにしようかと、少々悩んだのですが、5Wのローソク球にしました。灯明用と書いてありますが、まあ、電球の形は直接は見えませんし、明かりの原始的な姿と言えば、松明やローソクだという理屈が付きます。で、理屈はともかく、一番安かったというのが本当の理由です。そして、この電球はE12と言う規格で、かなり小さなソケットを使います。安いし,小さいし、狭いところに取り付け出来ます。5ワットの電球の明るさは、昼間見たら付いているのかと言われるくらいですが、夜、これが付いていたら、わたくしは明るくて眠れないくらいです。さすがに本は読めませんが、暗順応した眼には、カメラにレンズを付けたり、フィルターを外したりするには明るすぎるくらいです。これを4個、配置します。その前面カバーには灰色のプラダンを使います。ドーム内の構造物の色と同系にしました。ソケットは金折にネジ止めし、クランプで固定します。このクランプの取り付けと同時にドームの回転部の下の支えに、プラダンの帯がスカートとなって付きます。そして、明照明の配線と共に暗照明の配線もスカートの中に隠れます。実際の作業は、昼間に行います。

 ところで、部材を買いに行ったついでに、ポリプロビレンの薄い板も購入してきました。これを使ってバーティノフマスク(注1)を作る積もりです。既にプラダンで作成していて、GINJIに使っていましたし、同口径ですので、そのまま使用していました。効果を実感していますが、やはりプラダンですので、切断するときに結構ガタガタになっていて、合わせるのが微妙なときがあります。既に、ポリプロビレンの板を使用してアンチ・ディフラクション・マスク(注2)を作成し、効果を上げているので、バーティノフマスクも、同じ材料で作成しようと考えたのです。カッターで切れますし、慎重にやれば、充分な精度が出ます。ピントが不安なときは、これが一番です。

 注1 バーティノフマスク 望遠鏡の筒先に取り付けて、光の回折現象を利用して正確なピントを得る道具のこと。
 注2 アンチ・ディフラクション・マスク 反射鏡を使う望遠鏡は副鏡を支える支持部分が光路を遮るために、そこで回折現象が起こって、クロスやスノークロス型の光条を轢いた星が撮影されます。また、この現象により分離限界に近い重星が観測出来ないことがあります。これを避けるために、主鏡または筒先を覆うマスク、光路を切る直線の影を避けるように円形の窓を付けると、不快な光条を発生しなくなります。


★★2019年10月10日(木)ドーム・メンテナンスとボイド効果、イジメで記者会見?


 作業名は「ドームメンテナンス暗照明改良」なのですが、次々と色々な事態が出てきます。丸々一日ボイドだからやらないという選択肢はわたくしにはありませんので、努力を注ぎ込みます。

 最初の躓きは、配線が美しくない状態、危険とまではいきませんが、まとまっていないし、無駄な引き回しが多数存在していることを発見したことから起こりました。
 大元の電源は、母家からドームの地下に来て、地下から小さな穴でドーム内部に来ています。そこから、常時スタンバイの回線と通常の回線に分けています。常時スタンバイというのは、機器に直接配電されているもので、赤道儀の基部に取り付けた結露防止用の小電力ヒーターが対象です。最大5ワットですが、これだけで冬場の赤道儀に霜が付かなくなります。温度によって働くヒーターなので気温が上がると自動的に切れる優れ物です。ニュートン反射を使っていたときは、反射鏡部分にも同じものを取り付けていました。筒先に蓋をしただけでは、鏡に結露して使えなくなってしまうのです。今は反射鏡そのものに蓋がありますので必要が無くなりました。
 玄関脇まで来た回線は、スイッチを経て、コタツ椅子裏にある回線引出口に戻ってコンセントを用意しています。ここまでは家電製品のコードでは無く、屋内の分電盤から出ている様なコードを使用しています。そこから、一番の電気食いであるコタツ500Wを始めとして、各機器に繋げるようにコンセントを用意しています。
 原理的にいえば、パソコン、望遠鏡、照明の3つになるはずですが、キッチリと分けているわけでは無いので、モニター裏、コタツ椅子裏の2箇所が結節点となって配線しています。しているはずです。
 ところが、改めて接続状況を確認すると、2箇所の結節点から、それぞれ分岐しているはずの配線の幾つかが、わざわざ遠いところから引き回したり、長く電線を引き回して往復してみたりというものがありました。また、古い電線で、しばしばいじって動かしているものが劣化して堅くなっていたりと言うような、今は問題にならないけれど、明日事件が起こるかも知れないという怖いものまで存在していました。
 また、配線の問題だけで無く、何時も使っている椅子の背もたれの支えが崩れかけていて、抜本的な改良を必要とするものや、パソコンの設置場所での不具合等を発見しています。これらは、真っ先に改善しなければならない項目です。

 つまり、暗照明の追加という作業だけでは無く、物品配置に関わる多少の構成変化を含め、配線関係全体の見直しと更新が必要であるということなのです。これは、今がボイドタイムだからという問題では無く、今まで積もり積もってきた運用も関わってきています。そんなことで、優先事項をなかなか決められない位に混乱しながら、暗配線を撤去し、撤去したものを部品に分解、まとめてから、椅子関係を次の優先事項として当たり、最後の項目として、配線全体の見直し、特にミョーなことになっている部分を、直すことに専念しました。

 一応の作業をこなしたところで、未だかなり明るいし時間が多少あるので、今日の最後として、暗照明に使う電球ソケットと取付支持部を組み立てておきました。さすがに、これ以上作業をすると、疲れているし、間違いをしたり、壊したりすることもあり得ますので、本日のドームメンテナンスは、これで終了として、カメラ以外をそのままにして降りてきました。

 ということで、ボイドの効果があったかどうかですが、正直なところ、変なところで迷い、或いは他の作業に手を出しというような、注意散漫型であったのは間違いありません。現場は品物がそこら中に放り出され、カオスとはこの事であるという状況で、入れ物をひっくり返しても、こうはならんだろうという画像はアップ出来ませんでした。それがボイド効果かも知れません。何時もは、とにかくやることをやってしまえば、それで終わりという作業方針です。もしかすると、通常よりも作業結果が遅くなっているとは言え、結局トータルでは作業遂行率が上がっているということが、ボイド効果なのかというのは、明言出来ません。後片付け時間がいくら掛かるか・・・。もともと、一日の仕事でスッと終わるようなもので無いことは判っていましたし、肝心なのは、実際の撮影作業で操作性が上がり、安全性が上がり、達成度が上がれば良いのです。明日も頑張りましょう。

ああ疲れた


 そういえば、5日に書きましたが、神戸市立小学校教員による同僚イジメについて記者会見が開かれたそうで、わたくしは気分が悪くなるので見ていませんが、そんなものをやって何とかなるなんて思っているのでしょうか。頭を下げる先が違うのではと思うのですが・・・。嫁様がチラッと管理職の言を引用していましたが、気付かなかったなんてあり得ません。本当であれば、目をふさいでいたのでしょう。だって、それが仕事なのですから。管理職として校長教頭は職責を全うしていたとは言えませんから、給料を返納して辞職ですね。その他に、慰謝料、医者料も当然負担です。さあ、そんな指摘が出ていないのであれば、会見参加の記者の皆さん、君たちも1つ穴のムジナです。
 又聞きですが、加害者は生徒にオレはこんなことをしたと得々と喋っていたとか。そんなことをするものを教壇に立てていた責任は、誰がどう取るんでしょうね。呆れました。神戸の面汚し。

 えっ、受け持ち生徒を蹴り飛ばして骨折させていたの? その加害教員 どうなっているの、後でボロボロ出てくるのは良くあることだけど、事なかれ主義もここまで行くと、そっちも犯罪でしょう。調査委を立ち上げてどうこうってのは、責任を取らせる奴を決めようということでしか無いんですよ。被害を受けた方々をどうするのかが優先事項でしょうに。関西の面汚し。
 で、そんな奴らがいつの間にか復職しているなんてことが、あるんだけれどねぇ。別の自治体で、前歴を隠したりして。だから、それが出来なくする方法をちゃんと整理して、法律を作るのが議員さん達の仕事だと思うのですが、どこぞの議会の会派は、喫煙室が欲しくて数を頼んで決議したりしているわけです。まあ、それはともかく、運転免許は取り消しになったら、再取得するのですが、更新は、手続きだけです。しかし、何時からか、教員免許の更新などという制度をぶち上げて、教員の程度が上がったという資料を見たことが無いのですがね。役に立ってないぞと指摘されても、どうせ頬被りして、誤魔化そうとするのでしょうが、それで儲かったのは受け皿の大学だけでしょう。肝心なことが出来ていないで、余計なことをやっているから、事態が改善されず、始めたことは止められないって訳で、何時までも変えようとはしない。間違いを間違いだと認めない。根っこは同じです。官僚主義なんて言葉もありますが、関わるのは官僚だけではありません。犯罪を犯罪と認めないというのも、同じ思考回路です。変えなければならないところで変える。それが出来るのが偉大な政治家でしょう。俗物ではダメなんです。


★★2019年10月11日(金)昨日のニューズ、とある荷物、ドーム・メンテナンス続行、ドーム内の事件

昨日のニューズ 昨日見たニュースなのですが、滋賀の工業高校で考査中にトイレに行くと点数を1割減点するというしきたりを10年以上、続けていたとか。つい最近、どこぞの新聞社が取材すると、即刻廃止したそうです。これも、自浄能力なのか、管理職の認識の低さなのか。人権侵害レベルなのか教育のための方策なのかを判断出来ない関係者の程度が知れます。入学試験については、このような場合はこうせよというお上からのお達しが出ているはずですが、学内の考査は、何処までも何をやっても裁量の範囲だと勘違いしていると見て良いでしょう。
 トイレに行くものが多かったと言い訳をしていましたが、じゃあ、トイレで中座したら追試だといって置けば、生徒だって、トイレに行かなくて済むように予め努力をするものじぁないですか。体調を整えておけというのは、試験全般の基本ですからね。それで、追試をやれば良いのであって、追試を作りたくねえなっていうのを優先したんじゃあ無いでしょうねぇ。入学試験は追試ができないから、そのまま受けさせるので、カンニング等の行動と区別が付かないから、定期考査やそれに替わるものでは追考査をやるとなれば、合理性があります。しかし、一律に減点というのには、合理性が無い、理屈が立たないでしょう。不合理な罰則です。腹痛の子供が本当かどうかなんて、その場で判るものじゃあ無いですからね。
 それを書こうと思っていたら、どこぞの留学試験の予備校?のセンセが、偽名で試験を受けて、試験用紙を眼鏡型カメラで撮影し、更に破り取って持ち帰ろうとしたとか。うん、間違いなく教育関係者では無いし、詐欺脅し常習のその筋の方々の経営方針ですね。根っこは同じといったら可哀想ですかねぇ。まあ、呆れる事態ですからニューズになるのですが。


とある荷物
 本日、待ち望まれた荷物が来ると言うことでしたので、何時来るのかなと卦を出してみました。離為火初爻。火で昼時、今までの経験では午の刻、初爻ですから始めです。11時過ぎ位、中央標準時と自然時の違いまでは当てになりません。卦は通るとありますから、到着するでしょう。初爻で踏むこと醋然たり、これを敬すれば咎なしとあります。だから、ドームの戸を開け放して、配達が何時ものように敷石を踏んで走り込んで来るのを待ち構えていなさいと、判断しました。それで、ドーム内のメンテナンスを鋭意、行うことにしました。
 結果は11時15分くらいでした。タッタッタッと単車から下りて走ってくる配達さんに、こっちこっちと呼びかけて受け取りました。予定されていたモノの他に、もう1つ荷物があって、ポンと受け取って、一度ドームに戻り、鍵を掛けて母家に戻りました。嫁様に報告するためです。後はケロプッタの方へ。

ドーム・メンテナンス続行
 ドームメンテの作業は、配線のほとんどを昨日終えていまして、朝から配線の接続確認にテスターを使って調べました。そこで間違いの無いことを確認しましたので、電球を取り付け、スイッチを入れます。ちゃんと点きました。試験合格です。

 そして、作業は最終段階で、内壁にスカートの取付を行います。これは難しいことは何も無いはずです。プラダンを幅10.5㎝に切断し、切断面を養生するために透明なフィルムテープを貼って、金具の間に差し込んでいくだけです。そして無事に形になりました。ドームのスリットを閉めて、暗闇試験です。ちゃんと点いて、作業が出来ます。これでフル発光ですが、これでも明るすぎるくらいです。調光器が効くと消灯まで暗くなります。多分この位が使用状態の明るさかと思ったところで、コタツの電源を入れました。消えずに点いています。大成功です。
 とっとと片付けを開始し、サッサとゴミや残材を降ろし、今日、最後の作業予定であるRC鏡の光軸チェックを始めました。撮影した画像で、星空の背景がギリギリのところの濃淡の差で、中心から外れているのです。星像にはほとんど出ていないのですが、副鏡が正確な位置から少し動いたようです。幸い、レーザーコリメーターがありますので、この部分のチェックは早く済みます。そういえば、バカどもが球場などでレーザーポインタを使って選手を照射する事件が続いたので、この手の商品が販売出来なくなりました。つまり、手持ちが壊れたら国内では購入出来なくなってしまいました。
 光軸修正専用の部品もありますので、取りかかりました。ニュートン反射では副鏡が平面ですので、多少のごまかしがききますが、非球面の2枚ですから、逐一、戻っては修正と言う事になるので手間です。まあ、自己流なのですがね。で、最終的には星像検査をしないと、ちゃんとあっているかどうかを確信出来ません。取りあえず、合わして置いて、撮影して調べるということでしょうか




ドーム内の事件
 事件です。ドームのパソコン用画面の上に、気散じ用映像の為の21inch液晶ディスプレイを付けています。こちらにも当然ながらドーム内用として減光フィルターが付いていて、DVDプレイヤーに繋がっています。かなり長いこと、多分7ヶ月くらいは出番が無かったのですが、今日は久しぶりに、配線作業や光軸合わせの長い作業の彩りに、音でも出してと、DVDプレイヤーにディスクを放り込んだところ・・・映像が出て来ません。作業を一旦、中止して、ディスプレイのチェックをしました。電源を入れ、ディスプレイが立ち上がると、3秒ほど映像が出て、そして消えます。電源は入ったまま、何の表示も出ず、そのまま待機時間が過ぎるとスタンバイになってしまいます。母家にとって返して、マニュアルを出して見ると、一番ボタンを長押しすると、入力スキャンを自動でやると書かれていました。しかし、どうあってもHDMIからの入力を再スキャンすることは無く、相変わらず何秒かでスタンバイに入ってしまいます。もう、うんともすんとも言いません。ケーブルを取り替えてもダメですし、下のモニターでは、何の問題も無く映像が出ます。これは潰れたかなぁ・・・。電源が入らないなんて症状であれば、ゴミっと即断ですが、中途半端に動くのは困ります。床に落としてみようかと一瞬思ったのですが、片付けるのが大変でしょう。出所は某国三流メーカーの輸入品ですので、誰かが睨んだだけで壊れても不思議は無いものなのです。画面の大きさは同じながら、国内産で、液晶パネルの性能は格段に上、使用頻度はもの凄く高いという一品が、ベッドシアターで使われています。そのような信頼性に満ちた製品ではなく、まあ、今回の不具合品は、TN液晶の価格だけの勝負品でしたから、こうなっても仕方ないのでしょう。扱いも荒かったですしね。RC鏡になってから、F値は暗くなったはずなのですが、実際の撮影時間は短いものが多くなり、撮影中のアニメ三昧も減ったというか、全く無かったので、何時壊れたのかも判りません。

 そこで、何時もの卦を一発。治るか? 明快な卦です。天地否三爻。否ですし爻は恥を包む。ダメですね。御臨終と同等なのに、半端に動いているのがいやらしい。

 使えないものが酸っぱい葡萄であるという思考は、その是非を含めて蹴り出して置いて、無くなると物足りないというところですが、この為だけに買うのも・・・。さて、どうしましょうか。で、再び、卦を出します。買うかの問いには、山地剥三爻、ダメですよこれ。剥がれる落ちる、天辺の陽が落ちてくるという卦です。行っちゃ駄目と書いてあります。ただ、三爻は、他の陰爻と違い、落ちそうな上爻と陰陽の応があり、上下を失うから剥ぎ取ることはしない、という解説があります。どうも単純な更新を認めている卦では無いようです。もう一ひねりあって、とにかく対象をたたき落としても、咎めは無いと。銭天牛先生の解説本では、「ひっくりかえったが、起き上がってマキ返し。・・・しかし凶は凶。とあります。壊れてしまい出費が生じて凶は凶。でも、巻き返すのですから購入物件はある。でもそれをここに持ってくるのではない・・・。

 おおっ、良い考えがあります。ベットシアターの有能モニターを、更に有能なものに更新という考えは悪くありません。そして、玉打ちでベットシアターの有能モニターがドームにやってくる・・・と。ちょっと調べて見ましょうか。今時、そんなお高いものでは無いはずですしね。いっそのことモニターでは無くテレビジョンという手も有りか。


★★2019年10月12日(土)夜間飛行、超大型台風、今日の作業


夜間飛行
 今週になって、白鳥たちの鳴き声が空から聞こえるときがあります。特に夜です。覗いたって見えやしません。はるか北の方から、夜を通して渡ってくるのです。もうすぐ着陸地点なので、高度を落としています。行く先は苫小牧市のウトナイ湖です。ここから、そこまでは翼で10分強位でしょうか。ウトナイ湖にはレクチャーセンターなんかもありますし、屋内から観察出来るスペースもあります。水辺で餌やりをしているときもあります。こちらで一冬過ごして、春にまた北へ帰って行くのです。早朝に庭に出るのは、スズ吉達の餌台にエサを載せるミッションがあるからですが、たまたま庭から撮影出来たのは、カエデ達が色づいてきたので、カメラを持っていたからです。ただ、パソコン用メガネで庭に出たので、飛んでいる白鳥が見えません。声を頼りに当てずっぽうでの撮影です。優秀なカメラなので、写っているのは大したものです。今日は、もの凄く遠いにもかかわらず台風のもたらす衝撃波のような雨域が、出来ていて、あまり天気が良くありません。それで厚い雲がかかっているのです。

超大型台風
 その台風ですが、いやいや初めて見ました。暴風圏の大きさたるや、関東から関西まで届く大きさですね。持てるエネルギーの巨大さは、人間にはいかんともし難いです。核爆弾だって敵いやしないレベルです。いってみれば、ソーラーパワーなんですけれど、水蒸気をタップリと含んだ空気を吸い上げて、上空で水滴、つまり雨にすると、空気の温度が回りに比べて高くなり、より上昇気流が強くなって、より水蒸気を含んだ空気を吸い上げるというシステムです。だから上陸すると、吸い上げる水蒸気の量が減ってしまって、勢力を弱めます。しかし、この位大きいと、ちょこっと上陸したくらいじゃあ海からの水蒸気を吸い上げる力が弱まらないので、勢力が落ちない。北へ行って、海水温が下がって、やっと解散するのです。恐るべきヒートポンプです。
 で、来るぞ来るぞと言われているのに、決壊した川からあふれ出た水に填まってスモールが点灯、ワイパーが水をかいている乗用車なんて、可哀想にとは思いますが、判っててやってるんじゃないのかにゃと思ったりするのはやはり意地が悪いか。でもね、交通機関が止まっているようなときは、おとなしくしているもんだよね。家とか避難所、寝カフェとか。生きて五体満足ならば、何とかなるってのに。あっ、保険で大事ですねん。

 夜の内に首都圏を抜ける様子ですが、デカイ暴風圏のせいで、東北地方にも被害が出るのが間違いなさそうです。用意万端にしてご自愛ください。今日は、心なしか、ご近所回りのスズ吉達も落ち着きが無いような気がしました。


今日の作業
 さて、ドームの中の当初の予定メンテは、一応終了です。ドラブル発生事項については、まっ財布の問題ってところでしょう。しかし、予定していた作業は、それだけではありません。RC30センチ鏡に付ける光学的機能部品として、バーティノフ・マスクを新規作成、アンチ・ディフラクション・マスクを作り直すと言うミッションがあります。必要な部材は、暗照明計画の買い出しのときに買い込んでいます。
 バーティノフ・マスクは、30センチ・ニュートン反射用を使っていました。プラダンを使って作りましたので、切り口がガタガタですし、精度的にもイマイチ、取付径も違うので、使いにくいので、ナントカせにゃあと考えていました。また、アンチ・ディフラクション・マスクは専用設計で作ったのですが、サイズギリギリで余裕無く作ってしまったので、正確に取り付けると、何と八角の光条を引きます。副鏡に被っている部分があったのです。それで、サニークロス・フィルターに化けます。ですから、あけた穴を5ミリほど小さくしたものを、作り直そうという計画です。丸い穴は、専用工具というか文具がありますので、苦労無しですが、バーティノフ・マスクの方は、高精度で使いやすくと考えたら、高精度加工が必要になりました。手作業で0.1ミリ程度以下の精度で、切り込みを入れないといけないという、高難度ミッションとなりました。力も結構要りますし、カッターですっと切れそうなのに、最初は優しく、次は力を入れてと、2回やらないと、キレイに切れません。長方形の穴の長辺を入れたら、腕がつってしまいました。運動不足。明日に続く。


★★2019年10月13日(日)紅葉前線南下中、台風の爪痕、モニター注文、望遠鏡用品マスク2枚

紅葉前線南下中

台風の爪痕
 巨大台風が去っても、その爪痕は残っていますし、現在進行形で被害を受けている地域は、今までの防災対策をあざ笑うかのように広がっています。想定された状況を超えていれば、対策が役に立たなくなってしまうのはいかんともし難いことです。そもそも、被害想定を高くしたら、そこに住めなくなってしまいます。今回は1メートルも雨が降ったところもありますから、その水が、海に素直に流れずに、溜まっているところの被害は計り知れません。川は水を流すだけで無く、土砂も運ぶ機能を持っています。何十年に一度というような表現がありますが、川が運んできた土砂でかさ上げされるはずの場所に住んでいれば、そんな事態に出会うことになります。川が氾濫しないように堤防を作り、支配しようとしても、自然の揺らぎが来れば被害を受けます。堤防を山よりも高くする事はできませんから、降った雨が想定より多くなれば、災害と呼ぶ事態となります。
 堤防が低かったら、しばしば水没する地域が出るし、関係の役所へ非難ごうごうとなりますから、堤防を一生懸命高くしています。でも、「想定していなかった」事態のときは、被害が出るし、大切なのは生き残ることです。

 はるか昔、中坊だったか、高校生だったかのことです。台風の去った後、友人宅に行った帰りに、荒川の堤防を歩いたことがあります。水位が上がっていて、河川敷のゴルフ場やテニス場は完全に水没、濁った水が暴力的に濁流となって、凄い勢いで流れていました。あと1.5メートル足らずで決壊するのでは無いかという怖さを感じました。山に大雨が降ると、河川敷は水没するのは当たり前と思っていましたが、ここまで高く、流れの速い状態を見たのは初めてでした。既に荒川放水路も整備され、さすがに浮間では水が出ていたようでしたが、記憶では何処かで洪水となったというニューズはありませんでした。そのとき、疑問が湧きました。堤防が決壊したら、何処まで水か来るのだろうか。帰って地図を開いてみると、都市部はピンクの斜線入りで、地表高は書いてありません。その後、国土地理院の出している地図を見ました。もし、当時、自分の住む家が冠水するようなことになったら、付近のほとんど、赤羽から東十条の東側の低地は完全水没、近くの小さな川、石神井川の支流の両岸の家も屋根まで水没してしまうことが判りました。さすがに丘と付く地名だと思いました。で、そこの一丁目は、なかなかの豪邸が並ぶ場所だったのです。

 住宅地の名称に、何とか台、何とかヶ丘といったものが多数存在しています。土地が高くなっていないにも関わらず名前が付いていたり、盛り土でかさ上げしていて崩れやすくなっているようなところも含まれますが、これらは水が出ない優良な場所だということを期待させます。逆に、窪んでいて何かと水が溜まりやすい場所もあります。少し雨が降ると、すぐ水が溜まるという、家を建てるにはお勧め出来ない場所です。台風の時期になると、床下浸水は当たり前、来るとなったら畳を上げて二階へ上げるという、丘とか台には無い、手間と労力と出費の必要な場所です。当然ですが、買うときは幾らか安いのですが、売ろうとするとバッサリ買い叩かれる。見渡す限り家が建っているようなところでは、そのような苦労、危険のある場所でも、家を建てないという選択肢は無いのです。

 災害レベルの事態に対しての用意として、自分が住んでいる場所は、どのような危険が有り、その際はどうするべきかという、最も基本的な部分への心構えがあるかどうかが問題となります。初めての事態だとか、何年に一度の被害だというようなことは、重要なポイントでは無いのです。経験が無ければ、対処出来ないなんてことはありません。頭で考えることです。ボヤボヤしていると死んだり重傷を受けたりするような事態がありえるのです。認めたくないことでもありますが、パニックしたり、神経症になったりしていては生き残れるかどうかすら微妙と言うことに。度胸を決めて、必要な行動を選択し、多くの場合、待つ、我慢するということになるのでしょう。


モニター注文
 先日、ドームでサブモニターが潰れたことを書きましたが、替えの品物を、価格コムやアマゾンで探し回りました。その中で目に付いたメーカーがあります。ひげ剃りは買ったことがあるのですが、モニターを注文したことはありません。製品を調べていくと、そう悪そうではありません。で、TN液晶のものを無視して、これかなぁと思った安いIPSパネルのものを、これでも良いかと思って卦を出しました。すると、よろしくありません。何が悪いんだろうと、レビューやコメントを探ったのですが、よく判りません。昨年の夏前には今の価格より五千円ほど安かったというのが判りましたが、製品に問題があるような様子はありません。しかし、悪い卦を引いて、虎の穴に入っていくような冒険心はありませんので、このブランドを外して、再び選定作業に入りました。

 何から何まで日本製というのを探したってありませんから、少なくとも日本ブランドにすることにしました。モニターは、やはり玉突きをしますので、ベッド・シアター用の選定です。現状は日本ブランドで23.5インチです。ドームで使っていたのは21.5インチですが、取付はVISA規格ですし、横幅が2㎝ほど広がるだけですので、ドームへの取付に問題ありません。何しろ、取り付け用に作った金具に一番最初に付けていたのは24インチだったのです。それに、今回、緊急退役した21.5インチより、ベッドより到着する23.5インチの方が薄くて遙かに軽く性能も高いのです。

 ベッドシアター用ですから、パソコン用のような特に高い解像度を要求することはありません。動画用ですから、フルハイとそこそこの発色、そこそこの応答速度位です。ですから、TN液晶のものを避ければ良い位でしょう。4kだ8kだと言うのは、異次元の世界、異世界のものです。そこで性能をギラギラ調べるのでは無く、値段で攻めました。実に単純です。2万円でお釣りが来るもの。これでそこそこのものがあるでしょう。
 検索している内に、そう古くない製品を幾つか見つけ、それをメーカーの製品紹介を参照しながら抽出して、チャッチャと選びました。テレビという選択肢もあったのですが、どうせロクに放送は見ないし、その分、ちゃんと、お高い上に、フルハイ仕様はサードパーティメーカーの品物になってしまいます。

 選び出した製品を、何処で安く売っているかを洗い出して、店を特定すると、いつもの店、よく使う店が出てきました。注文店まで出たところで、また、卦を出します。火天大有五爻、文句なしです。
注文の会員ログインして履歴を見ると、前の注文で頼んだのは、今メインに使っている32インチのモニターです。そういえばそうだった。そのように、何かと、そこそこ使っている店です。
 頼めば、後は到着待ちです。玉突きのどれも取付金具の調整が必要ですが、最初から作らないとイケナイのはありません。楽なものです。


望遠鏡用品マスク2枚
望遠鏡用品マスク2枚
 写真、上側並び2枚が旧品で、右上のバーティノフ・マスクはプラダン製、ニュートン反射用です。他はポリプロピレンの厚めのシートです。

 バーティノフ・マスクとアンチ・ディフラクション・マスクの製作は、予定より早く出来ました。二度目の作成というのもあります。花子で書いた図面を貼って、カッテイングシートの上に載せ、カッターで切るという作業です。

 アンチ・ディフラクションの方は、八角に切ってから、丸い穴を開ける文具で、スーと切れます。作業として物足りないくらいです。10分と掛かっていないでしょう。先日、アンチ・ディフラクション・マスクを付けたまま、ピント外れで撮影した画像を調べると、マスクの取付位置が、正しい位置から1ミリから2ミリずれていて、結果、副鏡と主鏡で蹴られた部分から光条が発生し、弱く八角状の光条を発生していたのです。これで、八角の放射状光芒の原因が特定されましたので、多少の誤差があっても当初の性能を出すように、丸い穴の大きさを小さくして、取付誤差の範囲を増やしました。これで、不思議だった光条が除去が出来るはずです。
 このことからアンチ・ディフラクション・マスクというものは、光条を消すものでは無く、360度、均等に光条を散らす道具なのだと言うことが、よく判りました。

 対してバーティノフの方は、要求される切断線が多数あって、気を抜いたら失敗しそうです。疲れていても危険です。昨日から始めたのですが、指が疲れてきて、間違えそうだったので、早々に撤退しました。ちゃんと寝て、疲労回復、朝から作業をして、完成品になっています。こちらも市販品があって、もし、この程度のモノを注文したら、先のモニターくらいの価格です。それに、アンチ・ディフラクション・マスクは売っているのを見たことがありません。必要な方は、メーカーにやらせるか、自作するかでしょうか。


★★2019年10月14日(月)電池23A、スピーカー問題

A23電池
 ドームでカメラに使っているシャッターコントロールは、社外品の赤外線コントロールです。それを更に闇改造してパソコンから使えるようにしています。元々、受光器とコマンダーのセットで、コマンダーにA23と言う電池が使われています。ボタン電池を積層して12ボルトにしているというもので、色々な名前があります。その1つに23Aと言うのがあり、12V23Aと言う表記も見かけます。それで、12ボルト23アンペアと思っちゃう方が居て、通販サイトで全然使えないと言うコメントを見かけました。こんな単5電池程度の大きさで、300ワット近い電力が使えるなんて考えるのが、どうだかと思うのですが。ショートさせたって、そんな電力は出ないでしょう。
 まあそれはともかく、アマゾンで注文したら何ヶ月かで期限になるのが届いたというコメントもあって、ここで注文するのはダメかと思ったのですが、手元のパナ製LRV08、A23の互換電池ですけれど、メイドインchinaで、本体には使用期限が書かれていません。多分、パッケージに表記されていたのだと思われます。
 冷蔵庫や冷凍庫に放り込んでおくと、化学反応の速度は遅くなりますから、期限よりは持つと思われますが、そんなところで電池を保存している方は居ないと思います。この電池は、ボタン電池型のアルカリ乾電池を8本重ねて、12ボルトにしているのです。要はアルカリ乾電池ですから、能力や耐久性、保存等、普のアルカリ乾電池と変わりありません。

 対して、充電池では、期限が書かれていないものが当たり前になり、古いものには付いていなかったチェック機能が充電器や使用機械に入って来ています。手元のカメラのバッテリーでも製造年月日があるだけです。古くなると、能力が下がってくるのですが、カメラの方でもチェックが出来るようになっています。手元の充電池では、2012年のバッテリーが、持ちが悪くなってきていて劣化度が最低になりそうです。最低ラインは買い替え推奨ですので、あと一歩のラインです。既に2018年製の劣化度ゼロのバッテリーが、全て交換出来るように待機しているのですが、毎日使っているのに、なかなか落ちませんね。性能が良いと喜ぶべきなのか。

 さて、A23ですが、最後の予備を使い出したところですので、ストックを用意すべきところです。ドーム内でのDシリーズのカメラは、このコマンダーでコントロールしているので、まあ、サードパーティものを20個くらい買える、素晴らしい価格のパナ製を買って置いても良いのですが・・・。一本八百円と1本四十円では・・・。

 で、サードパーティだからダメで、一流メーカーでは良しかと言えば、そうでも無い部分があります。ドームの中は劣悪な環境がしばしばあります。気温が-15とか-20℃というようなときです。電池は化学変化を使う製品ですから、温度が下がれば性能も下がります。そうなるとコマンダーが働かないことがあります。つまり、電圧が下がってしまうのです。経験的には有名メーカー物の方が耐えますが、だからといって完璧では無いので、電池をコタツ入れて暖めると、またしばらくは使えるようになります。コマンダーの電源をUSBから直接12ボルトを供給するようにしても良かったのですが、それ以外使えなくなったり、その度に電池を外す等のことが出たら、これまた面倒なことになります。ですから、最も手軽な電池が必需なのです。


スピーカー問題
 そうこうしている内に、明日、新モニターが来るのでは無いかと思っています。そうなると玉打ちでの移動となるのですが、先に出来るだけのことをしておいても、損はしないはずです。そこで、ドーム内に放り出しているモニター取付金具を回収してきて、ドーム副モニターとなる現ベッドシアター機がそのまま付くかどうかの確認をしました。サイズを合わせながら、スピーカーが動作するかをチェックしていたら、何と、ドームのスピーカーの音の方が、若干、良いのではないか・・・。まあ、どちらも、最低レベルのもので、モニター内蔵は論外として、それよりは、大分マシかというレベルです。
 メインマシンのPCスピーカーを外し持ってきて付けると、かなりマシになります。こんなに違うんですね。
 最後に、PCスピーカーを元に戻して、その音と、メインマシンの上にあるレシーバーからの音と比べると、こちらも、価格相当の違いがちゃんと出ます。うーん、これだけ違うんですから、音のグレイト・アップをしても良いのではないでしょうか。
 音の違いはスピーカーです。電気回路の優劣レベルが無いわけではありませんが、その問題では無く、スピーカーそのものの違いです。スピーカー余っていなかったっけ? そう思って在庫、と言うより、旧レシーバーで使っていたヤマハのスピーカーが2個、メインのスピーカーの横に転がしてあります。これはそのまま使えそうです。
 問題はコードのつなぎ方です。ベッドシアターの音機器は。スピーカーとアンプが別になっていて、アンプの下にウーファが付いていると言う形式です。スピーカー径が7㎝という、なんちゃってウーファです。配線を切っておいても良いくらい? 左右のスピーカーへは、ステレオ・ピンジャックで直接配線が行っています。本格的にこだわる方々は、配線にもお金を掛けまくっていますが、さすがに銀で配線している富豪の方はいらっしゃらないようです。それはともかく、ここは、有り余ったコードの中から、ステレオ・ミニプラグの付いたものを出してきて、ぶっつり切り、そこから左右のスピーカー行きの配線をハンダ付けして、熱収縮チューブで巻いておきましょう。そして、音がどうなるかは確認しておきたいと思っています。ここまでが今日の作業です。

 明日の工作物予定としては、当初予定はそのまま使用だったのですが、ベッドシアターのスピーカー取付部分に変更が出ましたので、その部分の工作です。鉄製の重たく頑丈なL字アングルに付けていたのですが、こちらをアルミを使って軽量化し、体積的には倍くらいに大きくなったスピーカーの重さ分をキャンセルする為の取付金具を作ります。材料は過去の余り物を使用するので、買い出しもいりません。
 モニターの配送状況が判明していませんが、台風の影響が無ければ、明日のはずです。どうなることやら。手配された配送業者は、荷物状況の反映が遅く、配達店到着の表示が到着してすぐ出るのでは無く、配達日の持ち出し中と一緒に出ているんじゃ無いかと疑うくらい遅いです。もしかしてほんとに自転車操業? 最近、配送業者を選べる通販店が出てきていますが、多少高くなっても○○の方を選んでしまいます。


★★2019年10月15日(火)続スピーカー問題、モニター到着・作業順調、鍵がぁっ

続スピーカー問題
 昨日、ベッドにて、新配置スピーカの位置確認と調整の用意をしていたときですが、驚きごとが判明しました。このベッドの旧スピーカは、配線が左右逆でした。取り付けたときには製品に右左が指定されていたのですが、その通りに付けていました。このスピーカーは、入力のステレオミニプラグからの配線を途中で2つに分けていて、音出しをしなければ左右が判りません。その為に裏にシールでLとRと明示しています。それが・・・、そりゃあ今の今まで気付かなかったのも悪いでしょうが、疑いもしませんでした。
 おかしいと思ったのは、新配置スピーカーを横に置いて音を出したときです。どうも何か変だなぁ、新しいのと旧品で、音質的に段違いなのは確かなんだけれど、それ以上に何か違う。そこで、大元のDVDプレイヤーの音声出力であるRCAのピン、ステレオですから2つあります。片方を引っこ抜きますと、新と旧で、出る音が左右逆になります。わたくしの記憶ではRCAの白色は左で赤色は右。しかし、手持ちのすぐ出る資料にはそんな基本的なところを書いてあるのは見つかりません。記憶には、機械の正面に相対したヒトの左右だったはずです。それでも、最近ボケを咬ますことの多いわたくしですから、自分が信じられなくなって、CD/DVDレンズクリーナーを出してきました。これには、色々な音源や、スピーカーのチェック用の音が入っています。右左のチェックもあります。再生して、音を出して見ると、やはり、自分は間違っていなかった。勘違いで無くホッとした部分もありますが、どうなってんのかなぁ。シールの貼り間違いだったのかなぁ。チェック装置にトラブルか。7㎝ウーファというバチもの製品ですからねぇ。買う奴も買う奴で、ガッカリしたというか、安心したというか、複雑です。まあ、作った接続ケーブルも動作確認と共に左右がはっきり出来ましたので、左右の区別をして片付け、サッサと寝ることにしたという顛末でした。


 朝、アンプも更新しちゃったらどうよ、と思い付いたのですが、改善の成果について、費用対効果とか、手間ひまとかがペイしそうにありません。わたくしは、物作りは好きと言えば好きですが、買ってきて済むモノを、それより高い金をかけて作るなんてことは趣味ではありません。ケチですから。
 ですから、バーティノフ・マスクなんかは、材料費五百円程度に手間と暇で、二万円くらいの出費を押さえたことに満足しています。アンチ・ディフラクション・マスクに至っては、売り物の宣伝を見たことがありません。多分、望遠鏡メーカーに特注と言うことで、一体いくら掛かるか見当も付きません。ありませんと言われても不思議はありません。自分で作るしか無い代物です。それも材料費五百円程度に手間と根性に暇です。勿論、満足です。
 五千円で売っているんだけれど、五千円かけて自分で作れば、もっと良いものが出来る・・・。これはやりがいがありそうです。どれだけ良くなるかへの挑戦です。燃えます。でも、同じものしか出来ないのならば、買ってきます。

 この(自称)シアター用にしているアンプ+スピーカーですが、2015年11月にベッド・シアター専用として購入しています。価格は三千円でした。確か投げ売り状態だったかと。買ったときはそのまま使っていましたが、7cmウーファからのハム音が気になりだし、電源部に大容量コンデンサーを追加したり、青色LEDが眩しいのでシェードを付けたりとか、細かな調整改造をしてきました。その時から、左右が違っていたのです。
 このような安物に手を入れて改造するのに、ためらいはありません。無いのであれば作りますが、作ってみたいだけだと、お金も手間もかかります。それが楽しい方もいらっしゃいますが、わたくしとしては実益が無いとその気にはなれません。そこそこの評価をしている現PC用スピーカーを超えるようなものにならないと、手を入れる価値も無いかと。それに、十中八九、完成品を買ってきた方が安かったりします。で、セパレートのアンプ部分は、このまま使用し、これといった不満が出て来れば、新製品なり、再改造なりの手を出すことにしましょう。


モニター到着・作業順調
 S川急便の荷物ステータスは、配達店到着という項目が無いので、いきなり配達中になります。コンベアに乗ったまま何処行きなんてのを自動で仕分ける機械は見たことがあるのですが、中継地点て言うのは、次々と行き先別でトラックに運び込んでいるのでしょうね。でも配達店では、どんなシステムになっているのか、見学したこともありませんので想像ですが、トラック或いはドライバー指定で荷分けが出来なければ、それはそれは大変な作業になってしまいます。トラックに積み込むときは、地域、住所別に並んでいて欲しいですね。狭い荷台の中で、荷物探すのって大変ですからね。若い頃、年末短期のアルバイトで配達をやったことがありますが、あの時代はそんなうまいシステムなんか無くて、幌の付いた軽トラの荷台に自分で並べたんですよ。まあ、地元の配達ですし、数もそう多くなく、それほど苦労した覚えがありません。住んでいた家の裏の筋向かいくらいに配送所があったんです。
 さて、届く前に、ベッドシアターからモニターを外そうと思って取りかかったところ、新モニターが到着してしまいました。午後イチで来ると踏んで予定を組みましたので、荷物を開いて製品を確認しました。荷姿に異常ありません。電源入れたりというのは、後回しにして、予定の作業に戻ります。玉突き移動ですから、最後からやらないとドツボに填まること必定。

 既に、旧ドームサブモニターは、撤去されて放り出されています。どこぞのボックスに入れるとタダで処理してくれると聞いています。取付金具は母家に持ち込まれましたが、無改造で使用出来る目算が付きましたので、ベッドシアターから外された23.5インチと共に、ドームへと納入されました。モニターアームに前面減光パネルホルダーと一体になったスピーカ取付金具をはさみ、モニターを取り付けてから、縦ポールへと入れ固定しました。取付金具は多少の位置調整がありましたが、予定の範囲です。難しいことは何も起こりませんでした。

 取り付けただけで無く、実際に使えるところまで機器の設定も行います。基本パソコンモニターの動画用流用ですので、画面解像度等の設定を必要としています。しかし、同メーカーのプレイヤーですので、確認のレベルです。画面映りも大変良い状態で、手間がかかりません。退役機種はTN液晶でしたし、こちらはIPSパネルですので、歴然とした違いがあります。第一段階終了です。

 引き続いて、ベッド・シアターです。こちらは、当初目算で、スピーカー取付金具の更新が行われることになっていました。ところが、材料を確認すると、二段階弱い材料が残っていただけで、捻っただけで歪みそうです。そこで、余っていた鉄のアングルを追加して、更に重量を少し増したスピーカーをしっかりと付けることにしました。重量は許容範囲内で収まるので、これで良しです。こちらも取り付けてから、DVDやBDの出力に対応させます。各社、それぞれクセがありますが、やりたいことは同じですので、それほど苦労する設定ではありません。これがテレビであったら、繋げば使えるのでしょう。特に大した手間ではありません。
 画面が23.5、約24から28のアップですから、二割程度の大型化であって、数値的にはそれほどのことはありません。しかし、意外と大きく感じます。フルハイ画面に出ていた細かい字が、目を近づけないと判別出来なかったのが、そのまま判ります。この効果は、テレビ画面では出ません(サードパーティ製はフルハイがもっと小さな画面でありますが)。32インチにしてもハイビジョン、つまり1360×768という奴でしかないのです。そんなのを出したら、デカイのがますます売れなるなるって判っていてやっているんでしょうねぇ。
 更に、スピーカーを変えたのは大成功です。モニターから出る音と比べると、同じ電気信号で出るとは思えません。ウーファを付けたり、4チャンネルにしなくても充分です。
これで、玉突き、終了です。



鍵がぁっ
 で、作業が終わったところで、買い物に出かけました。それほどの時間をかけずに帰ってきてから、庭を撮影し、ついでに上に載せた3枚の写真を取りに行こうとしたら、鍵がありません。家の鍵です。顔色が青くなりました。
 いや、ここは冷静に。買い物から帰って、鍵を開け荷物を玄関に入れてから、自転車を玄関フードに上げました。そして、中から施錠。買ってきたモノを台所に持ち込み、冷蔵庫行きを処理してから、自分の部屋に戻り、室内着に着替えました。それから、カメラを持ち出し紅葉の始まった庭へ自分の部屋からベランダ経由で出たのです。
 そして、再び自分の部屋に戻り、ホームページの作成と相成って、写真が足りないぞドームからだなっ、そこで、鍵が何時もの場所に無いぞ、となったのです。ドームの鍵も一緒に付いている鍵束です。真っ先に着替えたズボンを見に行きました。ありません。鍵を開けて入っているのですから、鍵を開けた瞬間には、鍵を持っていたのです。玄関から台所のテーブルまで約12mあります。台所から自分の部屋まで、ほぼ同じ距離があります。いつも鍵を置くのは、机の棚の決まった場所です。そして、庭では色々なコースがありますが、今日は自室の掃き出し窓からウッドデッキに出て、そこを下りて、玄関前まで行き、そのまま戻っています。そして、あとの立ち回り先は、ベッドとトイレだけです。着替えたのは自分の部屋ですので、立ち回り先がはっきりしています。目をサラのようにして探しましたが、ありません。捜索範囲を広げ庭の立ち回り先も、探しました。ダメです。
 そこで、何時もの易卦です。雷地予五爻、たのしい? 陽爻が1つであとは陰爻だから、5人に囲まれて楽しい。あるいは予備の予。5爻は、常の病、何時もの病気! 卦は悪くないし、カギを無くしてなんかいない。見つからないだけ。で、何時もの病気と言うからには、粗忽な★秋津★のやること。再び、替えたズボンに直行しました。いつも入れる右ポケットにありました。一番に確認したはずが、外から触っただけで確認が足らず、無いと思い、他を当たっていたと言う顛末でした。


★★2019年10月16日(水)雪虫、紅葉進行中、月齢17.7

雪虫
 雪虫と言う名は通称で、何の仲間かと言えば、アブラムシの仲間だそうです。分類としては、カメムシ目ヨコバイ亜目アブラムシ上科で、種小名の和名が『トドノネオオワタムシ』です。益虫か害虫かという観点では、樹液を吸うので害虫という分類に入ります。生態は複雑で、変態を繰り返していきます。春はモクセイ科の樹木、ヤチダモやアオダモなどに寄生し、夏から秋にかけてはトドマツの根に、冬前にはモクセイ科の樹に戻ってきます。それで、どのように変わっていくのか、どうやって変化の時期を決めるのかというところが判っていないというか、かなり難しそうです。冬を越すのにこの身体のままなのかどうか、休眠なり、冬眠している姿が見たいものです。しかし、小さな虫ですし、なかなか難しい事だと思います。
 そして、この晩秋の変化で白い綿毛を付けた身体に変わり、人目に付くようになります。通説では2週間以内に初雪が降ると言われますが、期間が前後する話もあるようです。
 今月の初めに白く見える小虫が飛んでいて、撮影しようとしてままならなかったのですが、今日は、イロイロ考えて試して見ました。動きは速いとは言え、どこぞの凶悪なアブ達に比べれば、風に乗りながらやっと飛んでいるのです。スピードライトを用意して、置きピンの要領でカメラの被写界深度に入ったら撮影出来るはずです。
 そして、ラッキーなことに撮れました。身体の後半に白い綿毛が生えていて、風があるとそれに乗って移動するようです。ブンブン飛んでいく力は無さそうです。雪虫の群れに出会って、セーター等に付いたら、彼らは自力で飛び立てずに、ずっとしがみついています。


紅葉進行中
 モミジやツツジたちの葉の色が日に日に変わっています。場所によっては既に氷点下を迎えたところもあるようです。太陽の照る昼間は暖かいのですが、曇ったり、あるいは夜、特に朝方は冷え込みます。御覧のカエデは、先ず黄変し、次に赤みが増えてオレンジ色になります。昨年は、今年より数日早く進行して、二十日には、上から下までオレンジ色になっています。今年は未だ緑の部分を残していますから、やや遅めと言うことでしょうか。でも、数日の違いです。一昨年でも同様ですが、一本一本の紅葉の出方には多少の違いがあって、単純な状況因子に分解は出来なさそうです。
 今年は、どうも赤の様子が弱いような気がするのですが、未だ始まりの段階ですから、挽回するのかも知れません。注視しましょう。


月齢17.7
 今日も多くのミッションをこなし、さあ寝るかと外をチラッと見ると、月が出ています。この何日か、台風の余波というわけでは無いと思いますが、天候が悪く、夜空を見ていませんでした。ドームも手を入れたことですし、玄関を飛び出し、ドームに駆け上がりました。
 ドームの鍵を開けて、主電源を入れると、入口の明かりと新追加した暗照明がマックスで点きます。入口の明かりは今までも点きましたが、奥の明かりは実戦態勢では初めてです。デビュー戦です。荷物を置いて、入口の明かりを消すと、そのまま望遠鏡の用意と共に、付属光学系とカメラの用意も今まで以上にすんなりといきます。うーん最初からこうしなかったのは能無しだったなぁ・・・等と、自画自賛の独り言を口にしながら、月に望遠鏡を向けます。RC(リッチークレティアン)鏡で、口径30cm、fl=2440mmあります。月が近地点だと、35mmサイズからはみ出しますが、その時は、レデューサー・フラットナーで1830mmにします。最近、新たに光軸をピッチリ合わせ直したところなので、調子も上々です。まあ、天気が良くても満月近くは自主休業みたいなものですが。
 その月も欠けてきました。まだまだ明るいのですが、先に希望が点ります。この月は、16日23時半の時点では、牡牛座に入って少し経ちますし、牡牛座宮23度という黄道座標系の位置でもあります。ああっ、ここはマズい。嫁様のプログレス○○があって、そこを月が舐めているっ。そんな計算をしながら、ピントを合わせ、ISOを選び、試し撮りをして露出を決定、後は運を天に任せ、シャッターを切るのです。ただし、大分前から、シャッター膜なんてものは無くて、電子化されています。何とZシリーズではシャッター音をわざわざ出しています。世の中変わったものです。
 そういえば、Zシリーズに下位機種が発表されて、嫁様のデジカメも遂に更新かと思ったら、ボディだけで十万円位するんですよ。嫁様のデジカメが何台も買える金額で、能が下がるのはダメでしょう。ねぇ奥様。


★★2019年10月17日(木)紅葉進行中2、冬山登山、学校改革?

紅葉進行中2


冬山登山
 一昨日の報道で見たのですが、大切山系愛別岳に登った登山者が行方不明とのこと。道東方面を暴風圏に入れた台風が通り過ぎたのは13日ですが、その次の日の14日早朝、登山口の1つの上川町愛山渓温泉から、大雪山北東部にある永山岳、安足間岳、愛別岳を経由して戻る予定で入山した38歳男性が、予定時刻を過ぎても帰宅しないとの妻からの通報で、15日から捜索が始まったそうです。
 愛山渓温泉には車が残されており、安足間岳と愛別岳の間で本人のものと思われる折れたストックが見つかったと報じられました。糧食は数日分、携帯もあるとのことですが、連絡はありません。踏破コースと距離からすれば、全工程6~8時間程度で足りると思われますので、充分明るくなってからであれば、昼過ぎから午後3時頃には戻れるくらいでは無いかと推察します。しかし、この計算は夏の計算で、冬山では全く別の世界となります。本人にどの程度の経験があったのかまでは報道されていませんけれど、既にこの時期は冬仕様が前提です。夏にどれだけ経験を積んだとしても、冬の山には通じません。既にこの時期は実質冬山ですので、一人で行くことは、何かあったら一発でアウトの可能性がある危険行為です。大丈夫だというのであれば、道を失い迷ったら実感出来るでしょう。しかし、それを糧にすることはもう出来ないかも知れません。

 天雷无妄四爻 元亨利貞とありますが、正しくないとダメ、行っちゃダメと続きます。そして四爻、貞しくして吉とあります。元亨で「通る」から吉卦の扱いですし、「吉」と書いてあるので吉爻だと受け取るのが普通ですが、条件付きです。貞というのは道を守ることです。セオリーを守っているかという意味では、冬山のお約束を守ってはいません。単純に登山道と見ても、多くの場所では道なき道を行くようなもので、守りようがありません。条件に外れるので良い判断は出来ません。

 大雪山は、外輪山として旭岳と黒岳というピークがあり、素人でも行ける山として有名です。かなりのところまでロープウェイがありますし、登山道が整備されています。天候が良く健康に自信のある方であれば、心配はありませんし、更に健脚であれば旭岳と黒岳を結ぶ外輪山のピークの縦走に挑戦しても良いでしょう。しかし、夏だけに限ります。それ以外の時期は冬仕様が必要になります。そこそこ登山者がいるとは言え、登山道という道が完璧に整備されているわけではありません。道なき道の場所も沢山あります。それで無くても雪が積もったら、滑り落ちる場所が多数存在しています。
 その旭岳は、標高2,291m、北海道の一番高いところです。そして、哀別岳は2,112m、数値だけ見れば二百メートル近く低いのですが、だからといってグレートが低いわけではありません。そもそも、この旭岳山頂付近の気候は、富士山頂とほぼ同じなのです。毎年、どちらに降雪があるかを競っているくらいです。
 その登山予定のコース半ばのところに見つかった折れたストックと言うのも気になります。常用していたのであれば、それが無くなると足の負担は増え、疲労は倍加します。より疲れ、行動を制限されると言うことです。そのアクシデント1つで、登山を諦めて下山するという選択があって当たり前です。天候が悪化して見通しが悪い時の移動はこの上なく危険ですし、夜間の移動も同じです。疲労しているときも同じ扱いです。15日の捜索ではヘリまで使っているとのことですから、これで見つかっていないというのは、かなりの事態。関係者には覚悟が求められる事態です。

 師筋の方なのですが、東北の高山で、山スキーの用意をして子供達を連れていったら、天候が急変、疲労で動けなくなった子も出てしまった。そこで、スキーをシャベル代わりにして雪洞を堀り、天候の回復を待って無事生還したという方がいらっしゃいます。携帯なんか無い時代で、下では捜索隊を編制して、いざ出発というところへ帰り着いたのだそうです。それに、捜索隊長は氏が何処其処で必ずビバークしていると踏んでいたということでした。その通りだったそうです。山男達ですね。山の天気の回復の方が速かった結果、先に帰ってきたという運の良い結果でした。
 命がけと言えば、近所のコンビニに行くのだって、車が突っ込んでくるかも知れないし、ナイフを振りかざす男が出てくるかも知れない。絶対無いとは言えません。しかし、山は命がけの程度が違います。一人で行くのであれば観光客が行けるところだけにしとけよと思うのですがね。もしかすると、その危険の感じが楽しかったのでしょうか。


学校改革?
 神戸の小学校教員による集団イジメ事件は、続報が続いて出てくるに従って、構造的問題が見えてきたように思えます。標的を一人に限って単発で行われたのでは無く、教員のほとんどを巻き込んで支配を計っていた様子がうかがえます。やりたい放題と言うことです。巧妙に立ち回る些末な知恵もあったのでしょう。

 ところで、その神戸ですが、体育系行事で組み体操を出し物とすることを中止するよう市長が求めているにも関わらず、市教委は応じず大好きな組み体操をやって市立小中で今年は66件の事故、6人が骨折という結果を自分で出しています。何が言いたいのでしょうねぇ。死んでねえよとでも言うところでしょうか。それなのに、「外部有識者の意見も聞き、年内に方針を決める」だそうで、まだまだやる気満々です。決して反対意見を言うような方のところには行きませんね。自分の意見では無いように言いつくろうところなんか、全員首にしても良いと思うのです。どうでしょう。構造は同じですよね。論理は推察出来ます。駆けっこやったって、他のスポーツ競技やったって、けが人が出ることはある。組み体操だってそうだってところでしょう。本来、けが人が出なければ良いのではなく、本質的に危険がある「演技」だというのを認めない姿勢が問題です。サーカスや祭りの興業として行うイベントであって、それを見たいという保護者を含め、ズレていることを認めない。認めたくないのです。今まで間違っていましたと認めることも、やりたくないのです。
 事件になって、被害者と加害者が出てしまえば、それは別の話とばかり、調査委を立ち上げて、とやるのは常套手段です。地域によって落差の大きいところですから、いろいろと大変なのは判りますが、肝心の所を押さえられなければ、歴史に汚点を残すことになります。黒歴史というヤツです。

 さて、昨日、北海道教育委員会は来年度の教員の選考検査合格者を公表しました。受検者数4288名、登録者1653名で、倍率は2.6倍です。しかし、小学校では1.7倍です。その昔は3倍以上の倍率があったように記憶しているのですが、どれだけ人気が下がっているか、これで判ります。高等学校ではさすがに5.2倍ですが、採用人数からして少ないですからこれはこんなモノでしょう。
 勿論、低倍率の理由はブラック企業に勝るとも劣らない仕事の中身が理由です。本人の処理能力にもよりますが、山とある仕事を片付けるのに、勤務時間内で済む方はほとんど居ないし、事務方作業の他に対人交渉能力を試される、本来の業務、生徒児童との語らいや、保護者様との交渉事、勿論、同僚との関係の構築も必需です。相当な能力を要する仕事のところ、何か足らないことがあったり、運が付いてなかったりすると、いろいろと崩れ落ちてきます。普通の企業の方が良い、と思う人が増えるのは当然と言えます。折角、教育の仕事に燃える意志を持っていたとしても、消し炭化の運命が。
 いわゆる「勉強を教える」だけじゃ済まずに、躾や作法、心構えも含め、どうやったら、うまく対応出来るかレベルのことから、何かしらの原因で行動思考にバイアスが掛かって、手に負えない子供まで居るのです。きわめて高度な能力と経験が求められる分野であるはずですが、一般論程度の教職課程を済ましただけで、合格、就職して、右往左往。それを支えるのは、頼れる先輩氏と管理職であるはずのところ、管理職は自己保身に走り、先輩氏は自分の欲求不満の解消に君をターゲットにする。
 そりゃあ、人気と共に倍率も下がります。人集めとしても、既に一般企業を下回っています。で、解決方向は、五里霧中というか、内部改革の方向すら見えません。取りあえずはブラックな方向に走っている業務を見直さないととも思うのですが、これがまた構造的になっていて、治しようが無い。この状況に対して、根本的な方策、事態解消の妙案も無いまま、担当者達も苦しんでいるのでしょう。

 その頂点に立つ文科省は、現状を教員の能力の問題として把握、教員免許の更新制を取り入れて、能力の維持向上を図ったと考えられます。残念ながら、更新の要件として提供されたものは大学等での学習による、実質的には単位の一部再取得でしか無いのですから、効果なんか出るはずも無く、タダでさえ仕事の多い教員に、余計で達成感の無い自腹の業務をさせる結果になっただけだったのです。文科省は学士で教員免許を得られることが嫌だったのかも知れません。儲けたのは、大学で、授業料を得ることが出来ました。それだけです。こんなもので、現状の改革には役に立ちません。余計な仕事を持ち込んだ分、マイナスでしかありません。
 子供の為に行うはずのシステムが、どうも具合が悪い。でも、今まで積み上げたものをチャラにも出来ない。うまい手が見あたらないし、どうするかの目算も出て来ない。それが今です。腹案も妙手も無いわたくしに指摘できるのは、寺子屋を源流とする学校制度なのですから、大元に戻ってその働きを今一度、調べて見るのが発案の基本かと。最初に戻って考えるしかないのです。小中は義務で、高大は違う、それが、いつの間にか高まで義務化、大もほとんど義務化というのがどうして起こったのか。それだけ教育が充実したはずなのに、その成果が社会に還元されているのか。院を出ても就職が無いと言うのならば、院だって教育機関の頂点なんて言えません。院を出た人材が使い道が無いと言うことなのですから。既に現状で、院卒がアルバイトで糊口をしのぐ世の中が来ているのです。役に立たない教育機関、将来を豊かにするはずの教育機関が空手形を出していることが明らかになってきたのです。資格商法と同じことをやっているとみて良いでしょう。
 やはり頂点から変えなければならないのですから、文科省の出番です。卒業生だけに競わせるのはおかしな話で、教育機関にそのものに競争が無いのはおかしいでしょう。役に立つ人間を育成すること。その為にも院、そして大学の数を減らすこと、専門職の人数と採用数は限られているのですから、実際に専門職に就いた人数を基準として、補助金を打ち切るぐらいしても良いでしょう。そのくらいしなければ変わりません。


★★2019年10月19日(土)紅葉進行中3、札幌移転

紅葉進行中3


札幌移転
 ほぉ、札幌ですか。どこぞの会長の一声で決まったとか。マラソンと競歩。泣く子と地頭には勝てないんですね。と言うことは、放送権だとか入場券だとかに、お金を一杯出す方がいて成り立っている商売だと思うと、どうでしょう。東京でやるのが札幌になったので、損をする人や儲ける人が錯綜するわけです。切符なんか、もう売ってましたよね確か。払い戻して頬っ被りでしょうねぇ。
 小学生の頃だったと思いますが東京大会、中止になったヤツじゃあありませんよ、の開会式をテレビで見ましたが、競技を見た記憶がありません。このときにテレビを買った家庭は多かったのです。儲かったと電気屋さんが言ってましたから、間違いありません。
 テレビが我が家に来たときから、その手のショービジネスには関心が湧きませんでした。後に、ドリフターズは見ていましたけどね。じいさまはプロレスにゾッコンで、わたくしには、何が面白いのか、さっぱり判りませんでした。まあ、とにかく、じさま、ビールにウイスキーをぶち込みながら、運悪く(?)敵方の攻撃に遭って格好悪くなったところで、じさま憤怒、格好良く敵方を打ちのめしたり、技をかけるシーンで、じさま狂喜乱舞することから、それが楽しいんだろうなぁと分析していました。だって、あれって舞台で演技しているのと同じにしか見えなかったのです。あれって、そういうショーなんですよね。今も、どうしてそれが楽しいのか、の根本のところで判らないのですが。
 そのドリフターズも、そうそうに飽きて、新メンバーが入ったというのを知ったのは、何年もあとだったというのはヒミツではありません。まっ、チャンネル争い常負では、どうしようもありません。マイテレビが出来たのは、就職してからです。
 まっ、それで都知事が面白くなくて喋ったというのも、面子がとか、手間取らせやがってとか思い付くことはありますが、本質的には、どうでも良いことで、口に出さずに黙々と業務をこなし、頭を下げていれば、少なくとも器の大きさを測られるようなことにはならないと思うのです。台風のことだってやることは一杯あるはずでしょうし、日本でやるオリンピックなのですから、他の都市に分けてたって良いでしょう。鷹揚に部下を修めるか、自らキィッとなるか。不満があるのならば、それをため込んで仕返しを堂々と。


★★2019年10月20日(日)紅葉進行中4、颱風、月齢21.8

紅葉進行中4

颱風
 台風がまた近づいています。熱帯地方、北半球側の海で発生した低気圧は、当初迷うかのように動きが遅いのですが、徐々に発達、中心付近の最大風速が17.2m/sを超えると台風と命名します。この数値が、何処から出ているのかはさっぱりです。33.59・・・ノット、61.87・・・km/h、38.47・・・mile/hour。ピンッと来ません。ピントも来ません。あれ?
 また、台風の台は、風偏の台と書いたようで、17世紀中頃に大陸中国で使われた記録があります。では、完全に東洋語源かと言えば、ヨーロッパの確かな記録で1687年の航海日誌にtuffoonという記載で嵐を示しています。1588年には英国で同名の語を使った様子があり、仏国でも1504年にtyphonが使用されていたことが見つかっています。これらの用語は、アラビア語のあらしを意味するtufanが語源とされていて、シルクロードだけで無く、海上交通も発達したのですから、無下には出来ない考えです。
 語感は全く違いますが、日本には野分(のわき)と言う名称の風があって二百十日あたりで吹く強風を表します。今の暦では9月1日付近ですので、台風と考えて良いでしょう。実態が観測出来たのは、成層圏を飛ぶ偵察機からでした。

 今度の20号は、太平洋側を上陸無しで通過する様子です。しかし、台風の経路図だけを見ていてはいけません。予想なのですから。
 北緯25度から30度辺りで台風が大きく進路を変えるのは、北東貿易風で西向きに流されていたところを、東に向かう偏西風の領域下に入るからで、大気の大循環に動かされているのです。
 台風は、自分の力で移動しているのでは無く、周りの状況によって動いているのですから、周囲の状態とその変化を見ないと、進路は判りません。
 今ではコンピューターを使って進路を予想していますが、その予想プログラムは、散々悩んできた予報官の努力の賜物であるし、本来的に予想というヤツは計算機には無理筋です。コンピューターを使うから出来るというより、その計算をどうやるかの指示、それ次第です。使う方々が専門的知識と情報を一生懸命にデータを入れ、経験と勘で、どう計算せよとパラメーターを駆使しているし、常に更新されているから、見た目結構な結果が出ています。その御苦労に敬意と感謝を。

 で、進路が正確に分かったとしても、被害は来てみないと判らない部分が多々あります。大丈夫と思っていたところが、駄目だった。想定外なんていうこともあるわけで、進路は予報通りでも、被害予想は予想に過ぎず、気象庁の責任ではありません。

 そこで、天気図も見ましょう。現在、日本列島の太平洋側に停滞気味の前線があります。両側に高気圧があって、暖かい空気と冷たい空気が吹き込むことから出来ています。特に南側から暖かい空気が吹き込んでいて20号は、ますます発達しながら、上空の偏西風と共に、最も空気の濃い下層大気の圧力に従って(押されて)、太平洋上を通過する勢いです。この前線の先にある低気圧も、高気圧も全体として東に向かっています。ですから、気圧の谷を作っていた高気圧が東進し、台風の道をふさぐようにやって来ます。それが次の段階では、再び気圧の谷がやって来て、台風を加速させることでしょう。少し北にぶれただけで、暴風圏の危険半球が、大被害と死者を出した地域に、また大雨を降らせかねません。要警戒。
 自然のやることにはブレの幅がかなりあります。台風の位置、経路を線で表しますが、何を持って中心とするかというようなことだって、実は難しい問題です。実態は変化の激しい生き物のような存在なのです。過去、洞爺丸台風と名前を付けられた暴風が日本海側に抜けたとき、数少ない観測機器の被害も甚大で、台風が何処へ行ったのかも判らなくなっていて、船を出せという圧力に屈して出航した青函連絡船は、突然の暴風の中、沈没、浜に累々と遺体が流れ着くという悲しい事件もありました。今は、宇宙からも見えていますから、こんなことは起こらないでしょうが、何もかもお見通しでは無いのですから、安心出来るようになったわけではありません。実は大して変わっていないぞと思っても良いでしょう。ひどいのが来るという予報が当たりやすくなっただけで、雨や風を防いでくれるわけではないし、逃げることが何とかできるようになったという程度です。前回の台風だって、それでも何十人の方々がお亡くなりになってしまっているのですから。
 そして、不幸にも亡くなってしまった方々が助かる方法があったのでは無いかという考察を、生き残った人々が、やっておかないといけません。必要な用意と想定、心構え、それらが万全でも駄目だった場合もあるでしょうが、かなりの方々が助かった可能性を残しているのでは無いか。良く検討し、生き延びる手段、対応を整えること。命を守ること。何処ぞの避難所ではホームレスの方を入れなかったなんてのもあったそうです。死ねと言っているようなものでしょうに、ねえ。

月齢21.8


★★2019年10月21日(月)天空の赤2白鳥座網状星雲、発見の報

天空の赤

 赤い星雲(Hα領域)は、人気のある対象で、これを狙ってかなりの投資をする方々がいらっしゃいます。わたくしもその一人だ言えば、そうですと答えるしか無いのですが、わたくしとしては赤色に拘らず、美しい色を持つものなら何でも良しです。
 で、世の中にこんなに鮮やかに写せましたと発表をするときに、Hα領域を紅の嵐にする方もかなりいらっしゃいます。赤を強調するあまり、ベタベタに絵の具で塗ったようになってしまった画像を見ますと、少々残念な気がします。赤は赤なりに濃淡があってそれが美しいと思うのですが、如何でしょうか。
 肉眼でもピンクに見えるオリオン大星雲をカメラで撮ると、淡い周辺部を目一杯明るく写すためには、中心部の明るいところが、赤だけで無く他の2色も振り切ってしまって、白く写ります。色が飛んでしまったのです。肉眼では写真よりも許容度が広いので、階調のある色合いが観察出来ます。肉眼では蓄光出来ませんけれども、カメラより広い範囲の明るさを識別出来ます。
 まあ、それはともかく、カメラの受光部のセンサーは肉眼より広い範囲の波長を捉えることが出来ます。肉眼に合わせるためにわざわざ調整用の色フィルターを付けて調整しているのです。これを外すと、肉眼では見えない波長域までも写すことが出来ます。ただ、元々フィルターが入っていること前提で作られていますので、単に外すと問題が沢山出ます。そこで、光学的に透明なフィルターと交換すると、支障を少なくして使う事が出来ます。そのような改造なり、仕様として採用したのが天体用として売られたり改造されたりしています。
 特にHα領域については、倍以上の性能を出します。その波長域については、2倍、あるいは3倍の感度を持つようになります。そもそも、肉眼では見えなくなる寸前の暗い赤なんですから。そして、可視光をカットするフィルターを使えば、赤外線カメラとなるわけです。
 普通のカメラでも赤外線だけを通すようにしたフィルターを付ければ赤外線カメラになります。ただし、露出は10秒とか1分というような時間がかかります。ところが、この改造カメラに赤外線だけを通すようなフィルターを付けて使うと、手持ちで撮れる赤外線カメラに化けます。まあ、そんな使い方もできるということで。

 昨日、改造カメラと非改造カメラではHα領域での違いはどうなんだと思いつき、非改造カメラであるD850を使って撮影してみました。主鏡の2440mmではレデューサーを付けても長すぎるので、副鏡の900mmを使いました。網状星雲全体を捉えるには、未だ長いですが、このNGC6992の部分を撮影するには充分です。結果は、やはりそれなりに写ることが分かりました。勿論、改造カメラでは画像調整をガリガリやらなくても良い状態で撮れますが、非改造でも、ちゃんと撮れます。そして、改造カメラでは、暗赤色のHαでは絶対的なアドバンテージがありますが、青緑系のOⅢや、青系のHβでは、普通のカメラと同じに撮影出来ます。両者を単純に比較すれば、Hα線の暗赤色が、改造カメラでは赤々と写ると言うことなのです。
 逆に言えば赤が出れば良いやという露出で改造カメラを使うと、緑や青色の星雲の写りが悪くて出ないと言うことになります。昨夜の試行では、網状星雲のOⅢと思われる領域が何とも言えぬ絡みを見せてくれました。つまり、改造カメラでOⅢ領域までちゃんと写るようにして撮れば、より豊かな階調で撮影出来るのだろうということです。
 で、試しで、と言うのは、月が原因です。月齢21.8、半月直前の月が双子座に居て、煌々と輝いています。透明度がやや低く、網状のような薄い星雲を撮るには適していません。月の無いときに本番です。


発見の報
 14日に行方不明になった愛別岳登山の男性が、今日、六日目にして愛別岳山頂から1キロほどの登山道から20m下の斜面で発見されたとの報が入りました。予定コースからすると登り方向であったと思われます。ストックを失った後の、行程一番の登りで疲労し、足を踏み外してしまったと考えられます。高低差20メートルを落ちたのではありませんが、たとえ1、2メートルだって、不用意に落ちたらタダでは済みません。まして、意識を失ったら、そう長いこと生存は出来ない場所です。滑り落ちて雪を被っていた身体は、このところの暖気で、姿を少し現し、捜索していた地元ガイド氏によって発見されたのです。山に慣れ、自信もあったのでしょうが、この結果です。発見されるのは来春かもと思っていましたが、早くに弔ってもらえるのですから、まだ良いかと。ガイド氏の専門性のある努力に賞賛と感嘆を。


★★2019年10月22日(火)天空の赤2白鳥座網状星雲

 これまた試し撮影です。空の状態は星は見えていますが、全体的に白っぽくなっていて、満月が近くにいるのか、というような状態です。上空に薄い氷の層でも出来て地上の光を反射しているように見えます。まあ、試しですからこれで行ってしまいましょう。
 網状星雲の全体像を写すとなると、角度で3度位の円形を写すことになります。直径にして満月6個分です。
 副鏡900mmでは網状星雲の全体像を撮影するのは無理です。これが500mmとなれば4.2×2.8度の範囲で、円周に星雲が全て見えるわけでは無いので、丁度良いくらいに写るはずです。うまいことにガイド鏡として480mmを使っています。まあ、最近はガイドの必要が無く、積んであるだけ状態なのですが、本来はオートガイド用のCCDが付いています。スペックは、3枚玉EDアポクロマート、D=80mm、fl=480mm、F6です。早速CCDを外してカメラを付けてみましょう。
 星雲用のフィルターをフラットナーに付けて、撮影を始めました。
 このとき、フラットナーに付けた星雲用フィルターを、当初予定のものと違うものを間違えて付けていました。撮影を終わろうとして片付け始めたときに、フィルターが違うことに気付き、予定のフィルターに付け直して、今一度、撮影をしました。まあ、6、7分のことですが。計らずも、2個の別々のフィルター性能試験をしたことになります。
 当初の目的は、短い焦点距離で網状星雲を撮影するです。かなり昔にもやったのですが、その時の結果は、赤ベタ映像を得ただけでした。今回も、やはり赤部分しか手に入りませんでした。と言うのも、青や緑が写る露出にすると、既に背景となる霞んだような空が映り込んできて、露出を伸ばせば伸ばすほど、霧の中に隠れていきます。
 大きく表示出来るようにしたのが調整後ですが、、撮影直後の生データをそのまま画像にするとこうだというものも載せました。空が良ければ、はるかに暗い映像となるのですが、要は気象条件で、こんなに明るい夜空になっていると言うことなのです。
 それでもまあ、この位には写ると言うことで。
白鳥座網状星雲

 ところで付け間違えたフィルターですが、箱にはスペックが書かれた紙が貼ってあって、ワイドタイプのバンドフィルターです。いくつもの透過バンドを持たせるようなタイプのものでは無く、青緑色を中心とした色を通すものとして表記されています。ところが、
 
撮影の結果は、この性能表を裏切るものでした。写ってますよ。Hα領域。それに、不思議なことに、フィルターだけの交換なのに、周辺像がかなり乱れていてピントが合っているのに、妙な筋が中心方向に出ています。このフィルターの性能なのでしょうか。フィルターの出身と性能等は闇の中と言うことで。


★★2019年10月25日(金)年寄りの冷や水、馭者座と隣の星雲

年寄りの冷や水
 先ず、最初に前回の不思議フィルターが周辺像に影響していたというのは、完全な濡れ衣で、8㎝の屈折機のレンズとフラットナーの関係が悪く起こっていた現象でした。フィルターそのものの性能については、依然、闇の中です。

 さて、間が空きましたが、その間に幾つかの事件が起こっていました。始まりは、23日です。ソフト効果用フィルターで、持っていないものが安く売られていたので、購入し、到着しました。そこで、再び、星景撮影とソフト効果についてまとめてみる気になり、撮影を敢行しました。
 その撮影は、20時頃から24時を過ぎた頃まで掛かり、その後、本来予定していた撮影を行いました。その為、何時もの倍近くの作業、7時間程度、ドームの中で立ったり座ったりを繰り返していたわけです。母家に戻ってくると、疲れ果てていました。それでバッタリ寝入っていたと言うのであれば、それも何時も通りなのですが、戻ると腰痛が始まり、体温まで上がり、痛くてなかなか寝られないという厳しい状況となりました。七転八倒する内に、これは鎮痛剤が効くだろうと思い、呑んで30分位で寝ることが出来ました。日頃の運動不足が祟ったものと考えています。
 それで、起きてから日中は養生のためにパソコンの前にも行かず大人しくして過ごしました。夕刻から再起動して、撮影画像をパソコンに取り込み、ソフト効果用フィルターのページを作成して入れました。そして今日、ソフト効果の後に撮影した画像を使ってページを作成、ついでに、今までの撮影画像も整理して格納しました。まあ、年寄りの冷や水だった、というところです。


馭者座と隣の星雲



     

 既に10月下旬、夜半過ぎには冬の星座が上がってきます。もう少し夜更かしをすると、冬の星座が高く上がります。その最初、秋のペルセウスに続く馭者は冬の雰囲気を出してくれます。ここに出てくる4つのメシエ天体は、3つの星団が馭者座に属しています。星団は、星がかなりばらけているので、散開星団という分類の星団です。それぞれの集中度が違っていて、比べるのが楽しいグループです。
 そして、少し南側、牡牛座に属しているメシエ1番は、かに星雲と呼ばれ、独特の形状をしています。この中心星から非常に安定したパルス状の電波が発見され、パルサーと命名されました。宇宙人からの通信かと色めき立った方々もいらっしゃったようですが、超高速回転する中性子星からの電波だと言うことが判りました。この中性子星は、大質量の恒星が、超新星爆発を起こし、その圧力で中心核は超高速回転する中性子星、原子核すらもパラバラになった超高温超小型星となって残存していることが判ったのです。そして、天空のこの部分で、明るい星が見えていたという記録が、日本と中国から見つかり、これから、超新星爆発だと判ったのです。1054年に超新星爆発が観測され、最大光度の金星程度の明るさで3週間以上も日中に見えていたそうです。我々からの距離は3400光年ありますから、紀元前2350年頃にこの星が超新星爆発をして、それを我々の御先祖様が見たのが、1054年、それから千年弱が経って、今見える大きさに膨らんできたのです。長径側の大きさは約7光年、66兆kmで、それを千年弱で膨らんだのですから、膨張の速度のすごさが判るでしょう。現在の速度は1300km/s程度と観測されています。


★★2019年10月26日(土)名前をひっくり返せ、牡牛座(ヒアデス・プレアデス)

名前をひっくり返せ
 昨日の報道で、文科省から、公文書においてローマ字で日本人名を表記する場合に、現行で行われている姓名の順逆表示を止めると報道されました。後は各省庁が対応し、影響がある企業や団体は、それぞれの判断でと言う方向で柔らかい表現を使っています。ちなみにローマ字で書いたとしても、それは日本語です。日本語の表記の方法にローマ字があるだけのことで、ローマ字で書いて、氏名を入れ替えただけで英語になったと考えるのは、単なる勘違いです。
 わたくしが英語を嫌いになったのは、原因がこれなんです。学校で習う英語の授業で、自己紹介をしろと言われて名のったところ、逆にしろと指導されました。どうしてだと聞くと、英語では名前を先にして姓を後にするのから、それに合わせるのだと、ご大層なことを言われました。じゃあ、日本に来ている英語圏の外人が、日本語で自己紹介をするときに逆にしているかと返すと、大変強く叱られました。さすがに叩かれはしませんでしたが、他の目が無ければやったでしょう。かなり興奮していましたから、自分でそのことが変であることを自覚していたのでは無いかと思うのですが。それ以来、英語を一生懸命に学習している努力家の方々を見ると、複雑でした。英語では名を最初に言うのが作法ということでは無く、そもそも最初に名+姓の名称があるからです。それには、「家」よりも「個人」のほうが優先順位が高いという考えが根底にあるとしても、決して英語そのものに、少なくとも文法に、そのような決まりは無いのです。

 ひっくり返すのが英語だ等と短絡したのは誰だ、と非難するつもりはありませんけれど、フランス語やドイツ語であれば、もう少し複雑になっていますから、ひっくり返せば良いというやり方は通じないでしょう。どうしてこの程度のことを判らないで、オレは先生だと威張っているのが不思議でしょうがなかったのです。いまや、小学校でも学習させようとしているのに、教える側がその程度の認識でいるのですから、なんともはや。思考停止というのは、この事です。
 わたくしの名称は氏名で出来ていて、決して逆にしたものではありません。つまり、言語そのものの文法や規則なんかでは無く、民族や国家のしきたり、習慣であって、文化理解等の対象であるにも関わらず、英語そのものの構造かのようにすりかえて、語学の学習として、名前を逆にすることにしたのです。場当たり的な対応の例でしょう。
 最も大切なことは、最初の挨拶で、名乗りを上げるときに、日本名を発音し、given nameはこれ、family nameはこれと明言することです。それだけの違いです。そして、日本では、家名が先で、家名の中の識別名、ファーストネームが後に付いていると説明するのは、親切であると共に異文化理解の一旦です。更に、どれで、どのように呼んで欲しいかまでも付け加えるのが、セオリーというものでしょう。
 ファーストネームを聞かれたら名を答えるのが当然ですし、疑義があるのなら、会話で確認すれば良いことです。それを、今さらできんという奴らが、ガタガタと不満を漏らして騒ぐのが目に浮かびます。そして、中には虐められるからなんて言い出しそうです。問題をすり替えるというのは、このような場合の常套手段です。習ってきたことを変えろというのは確かに難しいです。しかし、間違いは正すべきです。
 大元に帰って正せ。それが一番理にかなう方法です。


牡牛座(ヒアデス・プレアデス)

 紀元前二千年頃の春分点は、この星座にあり、この星座が黄道の始まりの星座として重要視されていたと考えられています。中近東世界での各国語のアルファベット、最初の文字は牛の顔の象形文字から始まり、ギリシャのαアルファ、ローマ文字のAにつながるものです。顔を想像させるV字型の星の配列は、実にはまり役です。しかし、肉眼で見える星団の星は40個ほどですが、全体では300個以上の星からなる星団で、我々からは130光年の彼方にあります。オリオン座の東側にある一角獣座の方向へ移動しています。しかし、オレンジ色の明るい星、α星アルデバランは、この星団の手前、65光年の距離にあって星団とは無関係です。たまたま一緒に見えているということなのですが、あまりにうまい位置にいるのが不思議です。そして、オレンジ色に見えるところから想像出来ますが、詳しく調べるとスペクトル型がK5Ⅲ型で、表面温度は4400K程度です。太陽よりかなり低い温度ですので、単位面積当たりのエネルギー放射は、かなり低くなります。しかし、距離65光年でこの明るさですから、大きい星だとすぐ判ります。スペクトル型にⅢと入っているのは巨星に分類されていることを示しています。計算すると直径は太陽の40から50倍くらいで、明るさも100倍以上は間違いないというオレンジ色の巨星です。

 そして、プレアデス星団、日本名「すばる」は、語源が「むすばる」あるいは「統ばる(すばる)」から来ているようで、星が小さな範囲に6個見えていることからの命名のようです。「むずらぼし」の名称もあって、こちらは6個の星が語源でしょう。星団としての星数は130個程度とみられますが、距離は410光年です。一番明るい星はアルキオーネで、2.9等星です。カタログによればスペクトル型がB7です。スペクトル型がA、O、B辺りは巨星が当たり前なので表示しないのが普通です。表面温度が一万三千度付近の高温と、太陽の三倍くらいの直径を持っています。明るさは、アルデバランと同じように、太陽の100倍以上は間違いありません。アルデバランと違うのは色です。星の色を青っぽく感じるのは、目の間違いでは無く、星の表面の温度が高くて、一番強力な波長が紫外線域に掛かっているからです。我々の太陽は、表面の温度が六千度くらいで、全体の色としては、白っぽい黄色に見えます。もし太陽をこの星の横に持ってきたら、9~10等星クラスで、肉眼では見えないのは勿論、望遠鏡を使っても都会では見えないという暗い星となってしまいます。逆に太陽のところにアルキオーネを持ってきたら、数日とかからず、地上の生物は全滅してしまうことは間違いありません。この高エネルギーを浴びて、星間物質が青く発光して星雲となって写真に写ります。 何しろ遠くに離れているから、風情があるなどと平和に暮らしてられます。勿論こんな星が近くにあれば、生物の出現なんてことは起こりえないだろうと考えられます。


★★2019年10月28日(月)網状試し、白鳥座ペリカンと北アメリカ星雲

 夏の星座ですから時期外れかなと思って、東の空ばかり見ていたら、意外に高度があります。赤緯が高いせいでしょう。そういえば、白鳥座は、沈む前に牽牛と織り姫の相合い傘になります。諦めずに撮ってみました。

網状試し 調整前
 この網状星雲は、fl=480mmF6.0を使い、無改造のD850を使用しています。カラーバランスはいじっていませんが、淡い画像ですのでガンマを上げて調整しています。 透明度はややマシな状況でしたが、良いというわけではなく、夜光によってコントラストがかなり下がっています。それでも、この程度写るし、実は色鮮やかな星雲だというこしも推察出来ます。
 この画像は、無改造のカメラのものですので緑や青の色が赤と同じくらいに撮影されています。しかし、改造カメラを使うと赤しか無いかように写ります。赤の感度は2倍から3倍になっていると思われますので、その分相対的に緑や青が下がり、画像調整の段階で切られてしまう為だと考えられます。
 つまり、「天体改造カメラ」と呼称されるカメラは、赤の感度を飛躍的に上げたというより、センサーの本来の感度を出すようにしたと表現した方が良い改造であって、全ての色域での感度を上げるのでは無く、制限して使っている赤領域の感度を上げるカメラだと言うことです。それを理解して使わないと、結果が期待に添わない場合も出て来るということになります。ですから、この手の改造カメラには、赤の感度を調整する方策が必要となる場合があるということになります。と言っても肉眼と同じくらいにするには、そんな大ごとでは無く、C4フィルター辺りで、充分だろうし、そんなら無改造を使えと・・・。つまりは、緑や青が少ない、ひどいときには無い画像に違和感を持つ場合は、それらをコントロールすることです。

北アメリカ星雲  ペリカン星雲

 白鳥座にある隣同士に並んだ赤い星雲です。名称は形から来ています。使用した光学系はfl=480mmF8.0です。本来はそれほど周辺減光の強い品物では無いのですが、ガンマを上げた結果、かなりの周辺減光が生じて、周辺部の明るさが極端に減っています。また、近場の街灯によって生じたハレーションに気付かないでいました。北アメリカ星雲では右側上半分の大きな光班、ぺリカン星雲では左端の赤い放物線状の光が写り込んでいます。この焦点距離付近になると、カメラレンズとしては素晴らしい価格のものが出ていますので、小型の望遠鏡で済ますという手があります。星雲としては大きいものであって、500mm程度の視野が欲しくなることがあります。EDアポクロマート等の良いレンズを選べれば越したことはありません。勿論、アクロマートでは、かなりキツいかと。


★★2019年10月29日(火)白鳥座ペリカンと北アメリカ星雲顛末

 前回、撮影の際にハレーションが入り込んで写ったのですが、原因の光源が街灯では無く、白鳥座α星デネブであったことが判明しました。次の日の違う時刻に撮影して、全く同じイメージが写りましたので確定です。鏡筒内での反射によるものと思われますが、一度下ろして調べないと、ちゃんとした状況は判りません。多分、カメラまでの光路に、原因部分があるはずです。まあ、それを黒く塗るなり、何とかしてと言うことになります。ただ、2枚で出たハレーションの原因が、出方として共通性が無く、1つであるとは限りません。一応、カメラを外した状態で、明るい外を覗いてみましたが、一番怪しいのが、フラットナーの最後端の部分です。また、怪しいものが主レンズの後ろ、鏡筒内部にもあります。塗装は、少々面倒です。専用の塗料が必要です。黒にシッカロールを入れるという手もありますが、いずれにしても、すぐには用意出来ませんし、少なくともフラットナーはレンズに接している場所ですから、分解が必要になります。
 この鏡筒はガイド鏡で、CCDを載せてオードガイドをする役目です。ですから、高性能なものは要らないのです。しかし、市場には、廉価な小口径アクロマート鏡筒は、オモチャでしか無いにも関わらず、短焦点のものは、売り物としては存在しません。倍率が100倍とか200倍という数値が無いと売れないらしいです。そこで、マニア向けに作られている高性能短焦点レンズのものにせざる終えなかったと言う事情です。対策を講じないでそのままという選択肢もあります。
 取りあえずの方法を取ります。同じことを繰り返しても同じ結果になりますので、趣向を変えて、カメラレンズを使って見ようと思い立ちました。ついでに、新たに購入している光害カットフィルターをカメラレンズに使って見ようかという考えで、再度の撮影に入りました。
 撮影は「D850、AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR」で、200mmを使用しています。使用フィルターは光害カットを眼目とするフィルターで、LPS-D1(IDAS)です。

白鳥座デネブ付近 フィルター無し

白鳥座デネブ付近 LPS-D1(IDAS)

 視野内の一番の輝星が、白鳥座α星デネブです。昨日のハレーションの原因です。ソフトフィルターを使用していませんので、明るさと光の広がりは比例していません。撮影の結果、光害カットフィルターの眼目である、赤い色が協調されています。この赤は、銀河背景にも存在している赤とは違い、Hα域の赤で、特性曲線を見ると素通しに近い状態で、それで明瞭に写っているものと思われます。カラーバランス調整フィルターを外した改造カメラであれば、更に強調されることが期待出来ます。


★★2019年10月31日(木)朝6時半の白鳥さん達、本日の作業2つ

朝6時半の白鳥さん達

本日の作業2つ
 その1易経合本
 今日だけの作業と言う事で無く、この何日かをかけて整理していたのが、易経(周易)の岩波版と朝日版を合わせて、合本にしたものです。勿論手元の資料という押さえで、かなり前に作ったものを、更に手を入れて、作成の際の間違いを駆逐しようとしたものです。何しろ第2水準や第3水準、それでも足りないという恐るべき中国古典ですが、易教を使って行う易占術には、原典ですので、これが無いと始まりません。見やすくしようとするのと、小さくしようとするのは相反する方針ですので、何処で折り合いを付けるのかというところが、難しいところです。どちらも上下巻で2冊あります。両方とも上下巻を合わせて、それぞれ1冊にして持ち歩いていましたが、どちらも25mm位の厚さになりますので、2冊を別々に見ないとイケナイ。不便だし、字が小さいので見にくいし、使うのですから、どんどん痛みます。文庫本で、時間が経つと変色して茶色くなります。それぞれ4冊ずつ以上は購入しています。良い方法は無いかと思っていました。
 それでスキャンして作ったのが、岩波版と朝日版を合わせて合本にしたものです。と言っても、チェックに時間を取れないため、ひどい有様でしたが、そこはホレソレ、暗記に近いくらい見ていますので、滅茶苦茶な漢字が印刷されていても、ここはこれの読み違えだと判りましたし、人に見せるものでも無いので、そのままにしていました。それを直そうと思えば出来るのでは無いかと始めたのが、ドツボです。幾らやってもいつまでも終わらない・・・。まあ、折り合いと見切りを付けるのがこの辺りかと言う事で、書式設定をいじって、終わりにしました。後は印刷です。前に作った物はA5版で、厚さが27mmあります。今回は少しページ数が減ったので25mm位でしょうか。これで、今少し使いやすい物に。

その2カメラ雲台
 望遠鏡にカメラレンズの付いたカメラを搭載する部分がありませんでした。先日撮影した白鳥座付近は、カメラをドームに付ける金具を、望遠鏡に強引に付けて撮ったものです。このとき、望遠鏡に傷を付けたくなくて、取付のクランプを弱く付けていたところ、カメラの重さでゆっくりと動き、まるで日周運動を撮ったかのような写真が撮れました。ギュッと締めて撮影は行いましたが、これではイカンと思い、取り付けが出来るかどうか、日中に望遠鏡の確認へ行きました。すると、上部にアリガタが付いていてネジ穴があります。ラッキー、加工しないで済む。と言うわけでアリミゾをそこへ取付て、必要なときはアリガタに雲台を付けたものを部品として取り付けると、カメラを安心して載せた同架撮影が出来るようになりました。
 静止撮影でも星は撮れるのですが、ホンの5秒程度の露出でも、最近のレンズは優秀で、丸い像が伸びているが判ります。その昔は、赤道付近でも30秒くらいは出来たのですが、今やデジタルの精密な世界です。どうしても赤道儀、あるいはそれに準ずる装置に載せないと、日周運動撮影装置になってしまうのです。それはそれで面白いと思う方もいらっしゃいますが、わたくしとしては、長く伸びた線のどれが何か判らないようなものは一度撮れば、OKです。カメラだけで撮るのでは、やや暗い星まで撮りたい場合や、しっかりとソフトフィルターでぼやかしたい場合も、何十秒かの露出が欲しくなります。そうなると、高精度に回転している赤道儀に載せるしか無いのです。まあ、使わないときはアリミゾが取り付けられているだけで、何百クラムかが載っているだけですから、何も問題ありません。

 これで、10月は終わりです。気温はどんどん下がり、当地では平年での旬別最低気温が0度に近づく時期です。広葉樹は葉を落とし、秋が冬へと変わっていくのです。