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★★2024年06月03日(月)『家なき娘(マロ)』ふたたび
★★2024年06月03日(月)『家なき娘(マロ)』ふたたび
6月に入っても、まだまだ庭には芝桜が隆盛で、良く見れば、そろそろ疲れたねぇというものがあるのですが、これから花を咲かすものまで居るので、もう少しは楽しめそうです。
さて、しつこいとは思ったのですが、『家なき娘』エクトール・マロのお話です。
偕成社版の上下2巻を、流石にあっという間には読めませんが、つい、手に取ってしまうと、読み出して、最後まで読んでしまいます。他の作業は、放り出しです。
ストーリー自体は能力を活かして成り上がるといったら誤解を招くかも知れませんが、一般的な会話レベルのフランス語と英語を書き、そして話すことができるという能力を活かして成り上がるという部分があります。
物語はパリに入るところから始まります。インドからフランスに向かう馬車の旅の途中で父は病死していて、ようやく着いたパリで母も亡くなってしまいます。
一人残されたペリーヌは母の遺言に従い父の故郷、祖父が紡績工場を経営しているマクロール村へやってきます。そして祖父の工場に糸巻きの女工、オーレリーという偽名で働き出すというのが流れです。
しかしながら、これは成り上がりの話ではなく、頑なだった祖父の心を開く話でもあります。
ところで、私の手元に唯一残っていた少年少女世界名作文学全集の1冊に入っている『家なき娘』は、訳と文が分担して作られていて、かなり丁寧に作られています。2冊を並べて読んでみると関わった方々の力量が何となく判る様な気がします。
細かなところで、此処がこれで、ここのところをこうしているという様な指摘をしても良い位に、小学生後半を想定した訳文を噛み締めると関わった方々の力量が伝わってくるような気がします。
もちろん、偕成社版の訳者である二宮フサさんの素晴らしい日本語には感動です。
子供達が読んでも良いと思うものです。今では漢字が判らなければスマホで検索させれば良いでしょうからね。