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   ★★2019年12月02日(月)撮像面の掃除2、フィルター粗悪品顕現
   ★★2019年12月03日(火)どこぞの首相の答弁
   ★★2019年12月06日(金)月齢8.8
   ★★2019年12月08日(日)カメラ遍歴、冬の星座
   ★★2019年12月11日(水)冬の星座ふたご座
   ★★2019年12月13日(金)オリオン座、α星ベテルギウス
   ★★2019年12月15日(日)ぎょしゃ座、重星
   ★★2019年12月17日(火)おおいぬ座、白色矮星発見
   ★★2019年12月24日(火)クリスマス・リース、ソーラ・フィルター
   ★★2019年12月25日(水)衆議院議員逮捕
   ★★2019年12月26日(木)日蝕雲中、助教を解雇
   ★★2019年12月30日(月)ボンヤリ空のバラ、占星術の基礎講座を加筆中、今日のニュースから


★★2019年12月02日(月)撮像面の掃除2、フィルター粗悪品顕現

撮像面の掃除2

 先月の最後に書いたカメラの掃除の中心点とも言うべき撮像面のクリーンナップです。

 先ずは、最初のABC3枚について。
 光芒の中にある黒い点が塵、埃等による影です。普通の撮影では、よほどの大きさで無ければ気付かないのですが、天体写真では明暗の境に厳しい差を付けますから、特に目立つことになります。この三枚は、フィルターを付けたり外したり、構図を直したりという作業を挟んでいますので、厳密な連続撮影ではありません。しかし、間に他のシャッター動作を挟まない撮影が行われています。その間、ブロアーをかけたことも無く、カメラは勿論、丁寧に機器を取り扱っていていました。そして、3枚を見比べると、同じ場所に写り込んでいるものもあれば、その度に移動しているものもあります。
 ゴミが溢れているように見えますが、通常の撮影では、ほとんど気付かないレベルのものばかりです。多分、移動しないものは、くっついていて、離れにくいものでしょうし、動いているものは、中のミラーが動く度に移動していってるものでしょう。ブロワーで吹き飛ばすことが出来そうですが、吹き飛ばして、シャッターの下にでも入ってしまうと、また出て来やがります。
 さて、この掃除の為に、先に掃除場所のちょっとした掃除をやり、カメラの外装も同じく固く絞った綺麗な布で拭き掃除です。そして、専用の掃除道具で、メーカーから出ているクリーニングキットです。勿論、自分も一風呂浴びて、万全にしてから始めます。
 外側の拭き掃除が出来たところで、蓋を開け、カメラマウント付近の拭き掃除、カメラマウントも拭きます。そしてブロワーで埃を吹き飛ばします。この辺を丁寧にやっておかないと、たちまち敵が出現します。次がミラーアップして、同じようにブロワーがけをして、いよいよ総本山のクリーニングミラーアップです。センサーが見えるところに出現しますので、取りかかります。方法については、クリーニングキットに付いている説明を十分に見て、理解してから行うことをお勧めします。自信が無ければ、サービスセンターで依頼するべきです。
 キレイになったぞと、思ったところで、レンズ(勿論、これもキレイに仕上げています)を付け、絞りを目一杯絞って、なるべく一様に明るい面を撮影し、それを取り込んで、ガンマを上げて観察します。ここで、残っている影があれば、場所は上下左右反対のところにあるはずですから、そこを狙って拭き上げます。影が無くなったところで、終了です。それがDです。ここで気を抜いてはいけません。ついでに交換レンズも掃除しておいてもバチは当たりません。また、望遠鏡付近と共に、機材の掃除も必要です。
 これで、またしばらくは持ってくれるでしょう。ドームの中は、雨は吹き込んでは来ませんが、屋内の防湿庫の中では無くて、ほとんど野外ですから、砂ぼこりを始めとして結構汚れます。素で置いておくのは禁です。カバーをかけておくのが一番良いです。たかが布一枚ですが、役に立ちます。

フィルター粗悪品顕現

 ところで、Bの映像ですが、妙な画像となっています。星の像に、画面の中心に向かうハロのような光芒が出ています。この画像だけUHCと表するフィルターを付けています。製造元が判らない格安品なのですが、かなり、クセのある干渉型フィルターです。角度で10度位までが使えて、それ以上では透過性能がシフトしてしまいます。直に見ると白いものが緑に見えます。傾けると15度位で色が変わってきて30度位の傾きで赤、50度で黄色になります。干渉型フィルターの特徴ですが、反射する光の量もかなり多く、直に反射光を見ると明るい黄色に見えます。それを傾けていくと45度付近で、鮮やかな緑色となります。取り付けた望遠鏡は、屈折機ですので、このフィルターによる反射光を主鏡が拾い、再び戻ってきて写り込んでいることが判りました。主鏡は反射光を押さえる、なかなか良いコーティングが施されているのですが、3枚玉で6面の反射面があります。それぞれの面で0.5%程度の反射光があります。その中のどれかが、不幸にも戻ってきていて中心軸近くへ向かうハロとして見えているのです。また、フィルター面も決して良い出来では無く、中央部を通る歪みがあります。周辺部は、やや反っているようになっていて、反射光が丸い形を保っていません。その為に発生した光条は、光軸をやや外れた方向へと伸びています。反射面が光軸に垂直になっていないのです。反射式に使っていたら気が付かなかったかも知れません。こうして良く見てみると、粗悪な品物でした。


★★2019年12月03日(火)どこぞの首相の答弁


 昨日のどこぞの首相の答弁、障害者雇用職員についての不適切にして余計な言及について
政治家として如何なもんでしょう。言葉が軽すぎると考えるのですが。

略噬
 離為火 三爻変
 九三。曰昃之離。不鼓缶両歌、則大耋之嗟。凶。
 象曰、曰昃之離、何可久也。

日昃(かたむ)くの離なり。缶(ほとぎ)を鼓ちて歌わざれば、大耋(てつ)の嗟(なげき)あらん。凶なり。
象に曰く、曰昃くの離は、何ぞ久しかるべけんや。


 下卦の最後の爻で、明(火)が尽きんとするとき、陽が傾き間もなく沈む状況。酒の入れ物(缶(ほとぎ))を叩いて歌い、余命を愉しむが良い。さもなくば大耋(80才、一説に70才)の老いを嘆くことになる。
 陽が傾いた残りの明るさは、もう幾ばくも無い。

ちなみに、次の爻(1時間、1日、1週間、1ヶ月、1年・・・)が離卦最悪爻で
 突如其來如。焚如、死如、棄如。


★★2019年12月06日(金)月齢8.8



★★2019年12月08日(日)カメラ遍歴、冬の星座

カメラ遍歴
 自分のカメラと言うことであれば、最初のカメラはペンタックスSPに50mm標準レンズと200mm望遠レンズでした。高校に入って、夏休みに某光学機器メーカーの工場へアルバイトの売り込みに行き、採用され、そこで稼いだお金に父親から補助して貰い、知り合いのカメラ店で買ったのです。アルバイトの売り込みをして採用されるという平和な時代でした。
 実はその隣に飾ってあったNikonFが欲しかったのですが、手持ちではボディすら買えないので、諦めたのです。
 そして、フィルム代やプリント代がバカにならないので、フィルムは100ft巻きを買い、自分でパトローネに巻き込んでいました。プリントも印画紙と薬品を買い込み学校で現像から乾燥までやっていました。
 その後、SPがだいぶお疲れとなり、ペンタックスMEを買い込みました。この2つのカメラはレンズマウントが違い、標準レンズは蔵入りして、安い他社標準ズームと、200mmのレンズはアタッチメントをカマして使っていました。フィルム時代はそこまでです。忙しく働いたり、勉強したりしている内に撮影枚数は激減、ほとんど休眠状態となります。
 少し空いて、昔取った杵柄が顕わになるときがやって来ます。次のカメラは、遂にデジタルカメラです。散々選りすぐって2000年4月末にNikonE990を購入しています。少々の経緯がありますが、嫁様の為に購入したものです。スバイル型のちょっと変わった形をしています。
 そして、ようやく一眼です。今度は自分のと言う観点です。これも散々調べ上げてD70を2004年5月に購入。発売から2ヶ月でした。その後、それなりに、使用機種の疲れ具合と懐具合を勘案して乗り替えてきています。沼にどっぷりと漬かるまでは行っていませんが、それなりに漬物石を載っけているのは確かです。


カメラ遍歴-アナログ画像
 フィルムを使う写真と、デジタル記録の画像データで、アナログとデジタルという呼び方が定着しています。使う方によって、色々な内包、外縁を持つのが言葉ですが、ここでは写真、カメラの方面での話です。

 アナログと呼ばれてはいますが、中身はデジタルな原子同士の化学反応です。光によって化学反応を起こしたものを、更に化学的な処理により分離、形として残すことで、映像を得るという発想で、多くの物質について研究されましたが、結局、銀の化合物が使われています。塩化銀や臭化銀と呼ばれる、いわゆるハロゲンとイオン結合した銀、ハロゲン化銀が光と反応しやすいものの代表です。このイオン結合の1セット=1ドットとしての大きさを 3×10-6mm程度(+-以降の数字はべき乗とします)と考え、これを1画素とすると、基本36mm×24mmの画面では、9.6×10+13 =96兆画素と言う、とんでもない数字が出て来ます。勿論これは、イオン結合の1セットが1ビットとして扱われた場合のことです。イオン結合は容易に立方体構造を作り、結晶化することも多いのですから、極力、話を簡単にした場合ということになります。これで作られた画像は白か黒の画素しか無いものですから、映像記録には使いづらいでしょう。で、カラー画面として、3色それぞれに8ビットで256階調を割り当てて、24ビットを1画素として使えば、9.6×10+13 ÷24=4兆画素の映像ということになります。これでも凄まじい量です。つまり、35mmフィルムカメラの理論的極限領域が、ここにあります。ただし、これはあくまでも単純な理論上の話で、実際の化学反応では、反応の結果出来る原子の組み合わせを、原子レベルでカウントするわけにはいきません。
 実際のところでは、35ミリ版写真フィルムの解像度は1千万画素である、というのが良く出される数字です。高感度フィルムを増感して使用したものはもっと下がるのは目に見えていますし、コピー用の低感度フィルムでは、もっと高くなると思うのですが、標準値としてはこんなものでしょう。極限の上限値に比べれば4兆÷1千万=40万倍の違いがあります。逆に考えれば、映像としての画素を構成するには、光化学反応による銀塩粒子の結びつきが40万程度必要である、と言うように捉えることが出来ます。勿論、平面的に考えての話です。見た目は薄いですが、フィルムの感光面に塗布された感光材料は三次元ですから、もっと多く必要であると考えられます。

 フィルムの増感をすると粒子が粗くなります。光に反応した原子達の数の少ないものでも、遡上に上げる為に、まとめるの集団が大きくなる必要があると考えるのが順当です。ですから、天体写真で感度を高くする場合は、1千万画素が一桁や二桁下がっても不思議はありません。つまり、粒状性が増して、ザラザラの画面になるのです。しかし、ここでは上限とされる数値を持ってきて考えましょう。デジタルカメラの画素数が35mm版サイズで、一千万画素に到達することが、1つの指標ということになります。


カメラ遍歴-デジタル画像
 さて、1千万画素というのは、目安ですが良い指標です。
 わたくしの最初のデジイチはD70です。2004年のことになります。NikonDXフォーマット(23.6mm×15.8mm)で3008×2000dot、600万画素です。最高感度はISO1600ですので、フィルムで売られていた最高感度と同じです。これで撮った映像は35mmフィルム標準一千万画素の半分程度の画素数で出来ています。ですから、APS-C程度のカメラ並と考えられます。しかし、この差があっても、フィルムカメラを再び出してくる気にはなりませんでした。フィルムを現像に出し、プリント代を払い、アルバムを用意することに比べれば、パソコンで表示出来るし、ファイル名さえ整理しておけば、検索も楽に出来るのです。つまり、この時点で、ほぼフィルムカメラに見切りを付けていたのです。まだフィルムカメラには届かないけれど、後戻りは出来ない。
 次に手に入れたのはD300です。発売は2007年11月になります。同じDXフォーマットで1200万画素、D70の倍です。画素のサイズは更に小さくなっていますが、感度は最高ISO3200となり、更に良く星が写りました。そして、フィルムの写りの良いものと同じ解像度です。たった3年の間にこれだけ変わったのです。
 そして、嫁様から良しの声を戴き、NikonFXフォーマット(35.9mm×24.0mm)に乗り替えたのが2012年D800でした。3677万画素の宣伝には大きな図書館の内部俯瞰を撮り、本が一冊一冊に解像出来ることをウリにした画像がありました。これは、フィルムでは大判カメラの世界です。しびれました。D300で、同列になったと思っていたら、5年ではるかに遠くまで行き着いたのです。
 それから更に5年、嫁様から再び良しの声を戴き、注文し、品薄で入荷を待つことになったのはD850でした。2017年のことです。解像度は2割5分増しでしたが、その最高感度ISO25600でも破綻しない画像が撮れる上に、更に4倍増感も出来る。そういえば、2004年から1本もカメラ用フィルムを買っていませんでした。


カメラ遍歴-天体写真
 写真の世界で、各種収差に愛着を持っていらっしゃる方もいらっしゃいます。表現という方向のものならば面白いものが沢山ありますし、わたくしも大好きなものです。しかし、それは何かを表現したい場合のことで、科学写真のような、できる限り、そのままが欲しいと言う世界もあります。どうしてもこう写っちゃうというのと、こうするとこう撮れて面白いと言うのは違うのです。
 特に高画素化した受光素子が出てくると、それに合うような性能のあるレンズで無いと、ピシッと撮れないのは当たり前です。銀塩粒子の通常の解像度に合わせて設計されたレンズでは、勿論論外で、それ以上の要求を満たすような良いものを求めた玉でないと期待した画像が撮れません。昔は名玉だと言われていたもので撮ってみると、どうも写りが悪い。それよりキットレンズでついてきた玉の方がビシッと写ると言うことが起こりました。カメラメーカーも、高画質カメラを出すには、レンズも更新しないといけなくなったのです。普及帯価格で高性能なレンズを作らざる終えませんでした。
 そして、今、昔の単焦点レンズを凌駕する普及帯価格のズームレンズが、ゴロゴロしています。カメラを買うときに、キットレンズのセット品を買う場合が多いと思いますが、このキットレンズ、馬鹿に出来ません。銀塩時代のレンズとは比較になりません。

 天体写真では、星が主役です。最近、星景写真と称して風景と共に星を撮るという分野も認知されてきていますが、星の撮り方に変わりはありません。星を撮ろうとすると、星は実質、点光源です。厳密なことを言えば、どんなに遠くても「点」にはならず、ある視野角を持っているのですが、それが限りなく小さいのです。しかし、その輝度、単位面積あたりの明るさは、発光元の明るさと変わりありません。もし、宇宙が無限に広がり、星々が無限にあったら、夜が暗くなることは無くなります。空全体が隙間無く星、つまり太陽で埋め尽くされるからです。夜が暗いのは当たり前と思っている方には、衝撃の事実ですが、宇宙が無限では無く、星の数も有限であることから、夜は暗いのです。
 明るい星も暗い星も、表面の輝度、単位角度面積あたりの光の量は、それほど違いがありません。精々1桁の範囲内くらいでしょうか。ですから、理想的な光学系であれば、どんなに高精細な画素数になろうと、一画素だけが光量オーバーし、その隣は真っ暗という状態になるのです。さすがにそこまで突き詰めた性能は無いのですが、標準レンズ程度の焦点距離で絞ると、このような事が起こりやすくなります。デジタルカメラで夜空を撮ると、高性能なカメラとレンズほど、出来上がりに不満が出ることになります。目で見たようには写らないのです。かえって安物不良レンズの方が、良く写ると勘違いしそうになります。


昨今の普及型レンズ+上位カメラの像
 肉眼では、明るい星は、大きく見えます。暗い星は小さく見えます。ところが、高画素カメラに高性能レンズでは、明るさを像の大きさに変換出来ないのです。そんなことをしたら性能が下がってしまいます。ですから、銀塩フィルム時代に出た天体写真の撮り方の本を参考にすると、満足に撮れません。星はちゃんと撮れています。しかし、それを見たときに、見たときのイメージとして写っていないのです。明るい星も暗い星も、露出オーバー状態で、小さな点像に近い写りです。まして、広角レンズや超広角レンズを使うと、星像はますます小さくなるのです。
 その状態で、画素数を減らすと、写っている恒星が、近くの画素に引っ張られて暗く表現されます。画素数を落とすに従い、星が暗く、少なくなっていきます。これが、上記の画像、480×320ドットでの表示となります。風景であれば、これほど何も見えなくなるということはありませんが、天体写真というのは、機器の性能が高いことを求められます。しかし、高ければ良いとは限らないという相反する自体に突き当たる世界なのです

 さて、では、どうするかですが、肉眼で明るい星が大きく見えるのは、レンズとして働いている部分の収差と、網膜の神経細胞としての画素の滲みです。つまり、1つの画素に収まってしまうような細くて強い光を、うまく分散してやると大きく見えることになります。それをやるのがソフトフィルターというぼやかし専用のフィルターです。撮影時に使わないと効果がありません。その結果、何とか画像として認識出来るような低解像度である480×320ドットにしても、下記の画像にあるように明るい星がそれなりに写り込むようになっています。つまり、こうやって見た目に近い形にするという方法を取らないと、見た目の様子にならないのです。誤魔化しているかのようにも思えるのですが、見た目を重視すると、こうするのが良いということになります。


冬の星座
ソフトフィルターを使用

星座絵の組み合わせ

 朝、太陽が東から昇り、夕べには西に沈みます。夜、空を見上げると明るさの違う光の点が沢山あります。全天で肉眼に見える星は六千個程度となっています。星の数は多いことのたとえになりますが、意外に少ないものです。しかし、望遠鏡やカメラを使えば、もっと暗い星を観察することが出来ます。勿論、それらの機材が出てくる前の長い期間、人類の前にあったのは、その六千個程度の星だったのです。
 その中で、最も明るい太陽は別格です。天の光としては太陽と同じくらいの大きさで、夜の中では最も明るい月が、日に日に形を変えています。細い月のときには、月の暗い側が暗く見えています。この月の暗い側が見えることについて、太陽に照らされた地球の明るさで、月が照らされているという正しい認識に辿り着いていた人々がかなり居たのも確かなことです。
 そして、5つの明るい星が位置を変えて動いていきます。それ以外の光の点は、互いの位置関係を変えずに、動いていきます。この速さは、太陽の動きよりほんの少し速く、一年で一日違っています。太陽は明るくて同時に星を見ることは出来ませんが、星空の中を一定の位置を動いていることが推察出来るし、日蝕の時には直接位置を見積もることが出来ます。この太陽の通り道、黄道が、天球の中でも重視されたのは当然でしょう。太陽の動きから季節が関係していることはすぐ判ります。
 背景の星々の中を動いていく月の位置は、大変に判りやすく、黄道近くを動いていることはすぐ判ります。月の通り道を白道と呼び、黄道との交点(昇降点)で、太陽と合または衝となると日蝕や月蝕になることに気付いた人々がいます。これらのことが、人の生活と密接な関わりがあることは間違いありません。最初は、国の命運を掴もうとしていたのかも知れませんが、それが個人占星術となっていくのは、それほど意外なことではありません。

 星がどの様なものなのかを知るすべが無かったであろう時代にも、人は空を見て、互いの位置関係が動かない星を恒星と呼び、それらの星の間をめぐっていく光点を惑星と呼んで区別し、太陽と月をより神聖視した伝説や神話とともに、その動きを注視していたのです。ですから黄道とその周辺の数度の範囲は天球上の最重要地帯となるのです。
 星座の確かな文献としては、2世紀前半のトレミー(プトレマイオス)による著書、アラビア語訳された通称アルマゲストに載った48星座が、最初の資料となります。引用元となるヒッパルコスの星表は前2世紀のものですし、過去からの伝承、遺物が最大限、尊重される文明です。紀元前三千年あたりでカルデア人が東方から侵入し、少なくとも黄道12星座を持ち、その他の星座も作っていただろうことも確実です。更にバビロニア人がオリエントに侵入し、カルデアの文明をそっくりそのまま吸収して花咲き、30以上の星座があったことも推定されています。次のアッシリア時代にも、当然、受け継がれたのです。占星術の起源がここにあることが推定されています。もっと言えば、カルデア文明そのものが占星術文明であったこともあり得るのです。

 星座についてはトレミー(プトレマイオス)の著書(後にアラビア語訳でアルマゲストになった)にあるトレミー48星座のみが、ルネサンス期まで使われていました。その中でもギリシャやローマの古代文明の伝統を引き継いで、取捨選択され、文献となって残されたものが、天文学者によって更に整理されたのが、今の星座です。
 flamsteedとHeveliusの星座絵は日本でも出版されていましたので、よく知られています。ここに使ったのはflamsteedの星座絵です。絵の美しさという点からはHeveliusの方が段違いに良いのですが、天球儀に書かれたので、天の外側からの視点となり、表裏が逆となっています。つまり、どちらも一長一短があるのです。この他にも多数の星座絵をまとめた当時の文献が存在しています。

 オリオンと大犬は起源を辿ると、既にバビロニアの30星座の中に入っています。オリオンはアッシリアの牧人で、天国の扉を開く者、もしくは農業神タンムズとされていたようです。おおいぬ座α星はバビロニア語で矢の意味を持つカク・シ・ディと呼ばれていたようです。しかし、ホメーロスの時代ではオリオンの犬とされています。やはり、目立つ星の配置ですから、当然と言えば当然です。そして、占星的には、黄道が通っていない為に、セカンドパーティの星座ということになります。
 そして、ここが冬の代表星座です。


★★2019年12月11日(水)冬の星座ふたご座

双子座


flamsteed

 黄道第3の星座とされる双子座、Geminiの歴史は古く、黄道に12星座が作られたのが何時かと言うこと共に、明確ではありません。逆に、出土する資料にどの様に扱われているかで、その資料の時代を考えるくらいに標準的なものとなっています。シュメール人による都市国家ウルは紀元前三千年位に溯ると考えられていますが、そこへアッカド人が侵入したのが紀元前2180年頃、バビロン第一王朝が紀元前1894年位と考えられています。また、エジプト古王国第3王朝が紀元前二千六百年代であり、ここでの農耕の開始は紀元前四千年に溯るかも知れないと見られています。これらは単純な比較が出来ませし、紀元前三千年を超えるあたりで、証拠となる遺物は数少なく、判断が難しくなります。一番論争が好きな方々もいらっしゃいますが、そんなのはどうでも良いことでしょう。住める場所に人は住み、文明を作っていたのです。
 1915年には想定した年代を紀元前3200年とした、バビロニアの想定星図が発表されています。春分点は現在の牡牛座にあります。出土した資料の絵図を当てはめていったわけです。その図の中に並んで腰掛ける神の兄弟、ナブーとマルドゥク、現在の名称はカストルとポルックスを合わせて大きな双子という意味の名称が付いています。どうもメソポタミアの当時の人々は双子について何か特別な意味を感じていたようです。
 エジプトではデンデラーのイシス神殿やハトル神殿の天井図が有名です。神殿の建築は、そう古くなくローマ時代であることが判ったのですが、描かれた図を調査した結果、春分点移動や星の位置から紀元前1700年程度の時代が報告されています。双子座の位置には、並んで仲良く腰掛ける二人の姿が描かれています。どちらが元かと言うより、それらの元になるモノがあったから、似ているものが出てきているのでしょう。戦争やってぶっ壊している連中がいなければ、もっと判っているはずなんですがねぇ。閑話休題。

 双子の頭にある一等星、北側のやや暗い方がα星のカストルです。明るい方がβ星、ポルックスです。2つの星の色は微妙に違っています。比べると、ポルックスの方がやや黄色からオレンジ色、カストルの方が少し青みがかっていることに気が付くでしょうか。一等星ともなれば星の色が結構判ります。
 この色の違いは、表面温度の違いで、青い方が温度が高く、赤い方は温度が下がります。真っ黒な物体の温度を上げていくと、表面から熱が出てきます。ストープが暖かく感じるのは、熱戦を出しているので、それが当たって温かくなるのです。最近は少し減ったようですが、ガスレンジの火に、鉄線を入れてやると、赤からオレンジ色くらいに光り出します。今ではかなり減ったものに白熱電球があります。エジソンが実用化したもので、熱くすると発光する原理を使って、抵抗線に電気を流すと発熱することを使って、発光させる方法です。熱にエネルギーを使うので、もっと高効率に光を出す蛍光灯やLEDに押されているのは仕方ありません。エコなものの方が良いのは当たり前です。でも、照明用として売れている物は、真っ白よりも、太陽光や白熱電球の色のほうが好まれています。暖かさを感じる色と言うことでしょう。

 星の色はある程度は感覚的に決めることが可能ですが、ちゃんと決めるには光を波長別のスペクトルに分解して、その様子の特徴で決めることになっています。結果の表し方は、大ざっぱに言えばOBAFGKM・・・と言う記号で表し、その中を更に0から9までの10分類をしています。O側が青く、M側が赤い色です。我々の太陽はG2型となっています。やや黄みがかった白で、対応する表面温度は5780K(ケルビン、絶対温度)、約5507℃(摂氏温度)、約9945F゚(華氏温度)です。対して、カストルはA1型、表面温度は約9600℃、標準の星であれば、質量は太陽の3倍近く、直径は2倍ちょっとと推定出来ますが、これには問題があります。
 また、ポルックスはK0型、表面温度約5000℃で太陽より低いのですが、距離が34光年あります。地球から見たときは1.1等級の明るさです。距離が変わると違う明るさになりますから、基準の距離からの明るさを計算して比べます。基準の距離は32.6光年という値です(何故この距離になったのかは割愛)。近づくのですから、この見かけの等級より減ります(等級は減ると明るくなります)。計算すると1.0等級になります。同じ計算をカストルで行うと0.58等級という値で、カストルの方が1.5倍くらい明るい恒星であると判ります。
 ちなみに絶対等級がこれだけある星は、かなり大きな星です。曖昧な分類ですが、巨星と呼んでも良いグループに入っていきます。K型の標準の星(主系列星)では太陽より小さな星です。また、F型でも、太陽よりは明るく大きいとは言え、これほど明るくはならないはずですから、どちらも主系列から外れた上の方に位置していることが判ります。ですから、直径や質量の見積もりが標準の星として扱えないということになります。

 恒星の一生は、生まれた時の質量によって、ある程度決まっているというのがヘルツシュプルング・ラッセル図(H・R図)から判ってきています。星間物質が集まって恒星が生まれると、初期の不安定な時期を過ぎれば、安定な主系列星としての時期を過ごします。ただし、極めてゆっくりと暴走しているのです。太陽の寿命は百億年と推定されていますが、その中で安定期が9割を占めると考えられています。その安定期は変化無しと言うことでは無く、極めてゆっくりと暴走しているのです。
 そして、余命残り1割になったあたりから、暴走はどんどん加速して、内部の温度が上がり、星は膨張します。直径が増え、表面積が増えるに従い表面温度は逆に下がります。この結果、H・R図の中を右上方向へ移動していきます。そして、元質量の違いによって、その後の終わり方が違ってきます。そのまま広がりきって中心核が残り、白色矮星として最後を迎えるか、広がった外層部が中心核へ突進していくかです。突進の結果は、残り燃料が全部中心に入って、一気に核反応を起こし大爆発をするというモノです。
 ヘルツシュプルング・ラッセル図では主系列に留まっている9割の時間が過ぎると、右上に移動して巨星への道を辿ります。質量の大きな星が超新星のような爆発をしますが、ほとんどの星は、外層部がそのまま宇宙空間へ抜けて、中心部が静かに冷えるだけとなります。
 カストルとポルックスは、主系列星としてスペクトル型よりは明るい星です。どちらも、誤差の範囲を超えています。既に老齢となって、核反応が加速している星だということになります。勿論、明日や明後日にお亡くなりになるというわけではなく、億年単位の問題です。

 太陽の絶対等級は4.86等級ですから、ポルックスの1.0等級との明るさの差は3.86等級です。この等級差に0.4をかけて、10のべき乗を計算すれば、明るさの違いが計算出来ます。ポルックスは太陽の明るさの約32倍と計算出来ます。そしてポルックスの1.5倍明るいのがカストルという結果が出ます。で、太陽の100倍以上明るいのがカストルという計算結果が出ます。これで、この2つの星が、とんでもない星と言うことが判ってきます。

 ギリシャ神話では、大神ゼウスが女神や人間に手を出しまくって作った子供達が話の筋になっています。この双子はスパルタの王妃レダに生ませた卵から孵ったことになっています。そして、ポルックスは不死身の運命を持っていました。成長後、アルゴ号の物語を筆頭に名だたる冒険をするのですが、最後の冒険となるのがアルカディアに牛を盗みに行くというもので、一緒に行った従弟と分け前で争うことになり、カストルが矢で射殺されてしまいます。不死身のポルックスはゼウスに冥府行きを願ったところ、オリュンポスと冥府で1日ごとに双子が暮らせるようになって、めでたしめでたし。ゼウスは友愛の印として天に星座として現したとか。星としては同じくらいに寿命を迎えそうな双子星?

 星占いでは双子座生まれは、5月下旬あたりから6月中旬付近までが配当されています。太陽がここにあるときですから、この時期には見えないのは当然です。従って、夜中の0時に南中して見えるとなると、半年違う、年の暮れ近く、11月下旬から12月中旬と思うのが当たり前でしょうか。しかし、違います。
 星空の星座と、占星術での星座宮は一致していません。春分点がジリジリと動いているので、恒星で決めた位置が違ってきてしまうのです。今は丸々一星座宮分、違ってきています。そして、そのことを勘違いして、星座宮をズラして占ってみたり、天文学上の都合で決めた星座の境界線で黄道を切ってみたり、まあ、結果について検証も反省もしていないから、出てきては消えています。それも太陽しか使わない占星術もどきの中でです。
 星座と星座宮は違うということが判れば、星座から概念を得て、星座宮を考えれば良いでしょう。そのもので無いことが障害となるのは意識の問題です。双子座生まれが、皆、同じ性格で同じ運命を持っているなんて、おかしいと思いませんか。同じ場合もあれば違う場合もある。じゃあ何処で違うのか。何が違っているのか。それを考えなければ占星術はできません。これは占星術に限りません。何も考えず、人だよりにしても、大抵の問題は解決しません。自分で考え、自分で解決しようとしなければ、同じところでぐるぐる回るばかりとなります。

 そもそも、波動が伝わってきたところに回転体があれば、その中で波動の位相の変化が出るのは当然です。地球は太陽の光を受けている。そして地球は自転している。それだけで無く地球は公転している。地球に位相の変化があるのは当たり前です。更に太陽系には、他の惑星が有り、そして太陽系自体が銀河系と呼ばれる大集団の中で移動している。太陽の光を受けるだけでも、単に陽が当たっているだけでは無く、そこに波動と位相の変化があって、その影響を受けないなんてことはあり得ないでしょう。それが占星術の考え方です。
 星が影響する。星の所為だと思ったら。星を吹き飛ばせば済むというところに行き着くでしょう。でもそうじゃ無い。原因は星そのものでは無く、象徴としての星なのです。そこに意味を捉え、思考すること、感じることが最も重要なことなのです。
 科学が進んで、何でも科学で解決出来ると信じている方も多いでしょう。でも、今でも判らないことばかりです。こんなことも判らないのかと言うことがゴロゴロしています。その中で、こういった方法があるよと言うものの1つに占星術がある。素直にじっくりと見てみると、なかなか面白いモノです。さあ、占星術しましょう。でも自分でやらないと駄目ですよ。


★★2019年12月13日(金)オリオン座、α星ベテルギウス

オリオン座


反転Hevelius flamsteed

 冬の代表、オリオン座は、実に良く出来た形をしています。ヘベリウスの星座絵では楯を掲げて描かれていますが、フラムスチードになると別のモノに変わっています。資料によると、自分で狩ったライオンの毛皮だと言うことです。どうして変更したのかという理由までは、判りませんが、猟師としては楯より、戦利品の方が良いと考えたのでしょうか。しかし、片脚を上げ、棍棒を振り上げて殴りかかる姿は同じです。

 このオリオンについてはギリシャ神話の中でも説話が幾つかに分かれています。しかし、残念なことに、品行方正では無いところが多分にあって、あまり良い最後を迎えていません。まあ、ギリシャ神話自体が、色々と問題のある神や精霊、人間の話ですから、当然と言えば当然です。何しろ最高神ゼウスは、女と見れば既婚だろうが兄弟だろうが、化けて入り込み子作りに励む話が出て来ます。
 神々の始まりはティターン族で、ウラヌスとガイアが13を超える後継者を作っています。その後継者の二人、クロノスとレイアーから、ゼウス、ポセイドン、プルトーン、ヘーラー、デーメテール、ヘスティアーが生まれています。そして、そのゼウスは、神話の中に記載された関係だけでも19を数えましたが、後継者を誕生させ、幾つかの王家を作っています。
 まあ、ゼウスは、ここではおいておくとして、クロノスとレイアーから生まれたポセイドンと、エウリュアレーの間に生まれた巨人がオリオーンです。熟達した狩猟者であり、暁の女神エーオースの愛人とされていたオリオーンが、ここで登場します。
 オリオーンはプレアデス姉妹の母であるプレイオネーを垣間見て懸想し、母娘共に追いかけたのです。あまりのしつこさに、ゼウスが双方とも天に上げたという結末ですが、天に上げられても、ブレアデス(すばる)を追いかけているのは変わらないという落ちが付いています。最もタチの悪いストーカーだったわけです。しかしながら、ブレアデス姉妹の内、3人がポセイドンの愛人で、子供までいますから、何をしているのやら。

 そして、その間に入る説話があります。オリオーンにはシーデーという美しい妻があったのですが、女神ヘーラより自分の方が美しいと自慢したので、ヘーラによって冥界に落とされてしまった。それで、自由になる女を捜していたとも考えられます。オリオーンがイオニアのキオス島へ来たときに、王の娘に一目で参って求婚したと言う事件もあります。一説では酒宴で王妃か王女に乱暴を働こうとしたということです。王はオリオーンが全く気にいらなかったのですが、巨人で神人なので、殺すことも出来ず、一計を案じて、酒を飲ませて酔い潰し、更に目を潰して海岸に放り出して厄介払いとしたのです。
 オリオーンは、海岸で気が付くと、レムノス島のヘーパイストスの鍛冶場の槌音に気付き、音を頼りに鍛冶場に辿りついて、朝日を浴び視力を回復しました。そして彼は復讐をしようと戻ったのですが、王族は島民によって隠されてしまい、どうしても見つかりません。仕方なく諦めてアルテミスの元に戻ったのだそうです。
 アルテミスの元では、自分が狩猟では一番であって、あらゆる野獣を仕留めてみせると豪語したのですが、大地の女神ガイアが怒って、サソリを差し向けて刺し殺してしまったという逸話や、アルテミスに不埒な真似をしようとして射殺された、若くて逞しい筋力におごってアルテミスに挑んだとか、エーオスとの仲をアルテミスに嫉まれて射殺された。アルテミスの兄アポロンがオリオンの素行を気に入らず、泳いでいるオリオンを、獲物と騙してアルテミスに射殺させたとか・・・等の別伝別説が各種ありますが、何れも自分の所為ですね。

 神話を調べると、オリオンとしては、残念なモノばかりで、すぐ近くのペルセウスのような血湧き肉躍る冒険譚でアンドロメダ、ゲットだぜと言うようになスカッとするモノではありません。

 資料が出てきているバビロニアの星座としては、オリオンの位置には、アッシリアの牧人が牧杖(又は槍)を逆さに振り上げて持った姿が描かれています。紀元前千四百年頃と推定される出土物には、シブ・ジ・アン・ナ(天の真の牧人又は狩人)と記されているそうです。これは農業神タンムズに相当し、死と復活の儀式に関係したと見られます。また、セム語ではシブ・ジ・アン・ナをシタッダル(天国の扉を開く者)と呼んでいたと見られます。異教の神であることから書き換えられたのかも知れません。良くあることですから。
 これがフェニキアになるとケシール(強き者)となりますが、それしか判りません。
 紀元前3世紀のアラートスでは既にオリオンの名称が出ています。月神アルテミスに戯れた為に女神が岩山を裂いて獣とサソリを出し、オリオンを殺したとありますから、ギリシャ神話の流れでしょうか。


α星ベテルギウス
 さて、オリオン座には、双子座のように1等星が2つあります。α星ベテルギウスは実視光度0.4等級ですが、理科年表の表にはVと言う記号が付いています。バリアブルの略で変光星の意味です。書いてある等級は一番明るい時の等級です。距離は500光年。
 β星リゲルは0.1等級です。α星より明るいことが目でも分かりますが、数値にも出ています。距離が700光年。
 これを計算して絶対等級を出すとα星ベテルギウスはM=-5.5等級、β星リゲルがM=-6.6等級となります。カストルとポルックスについては主系列星よりやや明るいなという答えですが、オリオン座の2星については、5~6等級、つまり百倍以上の違いがあります。これは超巨星のレベルです。ベテルギウスの恒星表面となる半径からすると、小惑星帯と呼ばれるところは、内側になりますし、木星の軌道近くまで膨らむと思って良いでしょう。それだけ巨大な星となっています。ただし、非常に薄いですから、太陽表面のように完全に不透明という状態ではなく、向こう側に恒星があれば、多少は透けて見えるかも知れません。

 超巨星は、何時かは中心での核反応が原料不足になって弱まります。弱まり方にも寄るでしょうが、中心部の温度・圧力が下がり、外層の重量に負けて収縮、又は爆縮の後に、超新星爆発を起こす場合も考えられます。また、これらの現象の際の温度や質量の状況によっては、中心で重力崩壊が起こり、ブラックホール化も考えられます。そこまで行かないのであれば、中心部に中性星を作るか、白色矮星となるかすることが考えられます。
 この他に、連星系の場合は、質量の移譲が行われることから、定期的な新星現象や、大規模な爆発を繰り返すことも考えられます。まだ全てが判った状態ではありませんので、何が起こるかは、決めつけることが出来ません。
 ベテルギウスが変光星であると言うことが分かっていますが、その変更の方式は星自体が脈動、大きくなったり小さくなったりしていることが分かっています。星が不安定になって起こす現象です。以前、ベテルギウスが、超新星爆発をするかも知れないというニュースが出た事があります。それは、この脈動変更の状態が超新星爆発と関係しているという仮説が立てられたからです。内部の核反応は、核反応領域の外側で水素が反応し、次第に内側へと重たい原子が反応する領域が殻状に形成されると考えられています。
 もし、これ反応の中で、原材料が枯渇したり、温度と圧力が足りなくなれば反応が弱くなり、供給されていたエネルギーが減ることで、温度が更に下がり、中心部から潰れていくことになります。そして、内部のより高温の中に、外側の未反応の原子が飛び込むことによって、非常に短い時間で、ほとんど全ての原子が核反応を起こす場合があり得ます。その結果、通常の太陽放射の数億から数百億倍のエネルギーを放つこともあるでしょうし、ブラックホールが全てを呑み込むことだって、無いとは言えません。
 ですから、ベテルギウス、注目です。もしかすると、月以上に明るく見えることだってあり得るのです。いえ、ワクワクして待っているのではありません。光と一緒にやってくる電磁波で、通信障害やら何やらが起こるかも知れません。面倒なことですから。


★★2019年12月15日(日)ぎょしゃ座、重星

馭者座


反転Hevelius flamsteed

馭者座
 馭者と言えば、手綱を使って動物を使役し、車を動かす人のことで、動物としては馬や牛がよく使われます。ギリシャの時代に考え出されたとされ、ローマ時代では決定的な戦力として使われていました。星座名としてはギリシャ文明の中で、登場しています。
 ところが、星座絵はバビロニアの時代から子山羊を抱く老人の姿とされています。名称も羊と老翁の意味から付けられています。主星であるα星カペラにはル・リム(小羊)と言う名称が付けられていました。ワイドナーによる想定星図には、牡牛座と合わせて馭者が描かれていますが、根拠は示されていないので、この辺りは、資料が少なく言った書いた者勝ちになっている可能性があります。
 中世の頃に書かれた星座絵図では、省略されたり、伝統的(?)な子山羊と老人が書かれていますので、ギリシャからの影響は名称だけとなったようです。

 星座の位置としては、オリオン座の四十度位北にあります。夏の白鳥座からカシオペア、ペルセウスと続く銀河の流れに乗っていて、銀河はオリオンをかすめて大犬を通り更に南へと向かいます。この銀河面に近い方が、星の密度も高くなり、明るい星も多くなっています。馭者座の特徴は、明るい星が五角形の形を作っていることです。
 一年中、沈まないで見える星は周極星と名前が付いています。この沈まない星は観望する緯度で違いが出て来ます。北へ行けば行くほど周極星の範囲が広がり、南側の星が見えなくなります。北極へ行くと北半球の星しか見えなくなるのです。当地では北緯42度47分6秒です。概略で北緯43度とすると、周極星は90-43=47度、赤緯+47度より北の星が、常に見えることになります。実際には大気差という、大気の屈折による浮き上がりがあって、地平線で0.5度位になりますから、もう少し見えることになります。
 馭者座α星カペラは赤緯46度ですので、当地ではギリギリ、沈むことがあるということになります。もう少し北へ行けば、周極星となるのです。つまり、馭者座は、北寄りの星座ですので、日本の大部分の地域では、1年の中では1ヶ月程度見えない期間があることになります。緯度が低くなれば見えない期間が長くなるのです。その時期を除けば、夜更けや明け方まで活動時間に入れることで、観望可能な星座なのです。同じような星座として白鳥座や琴座も同じような立場となります。
 一等星クラスの輝星では、馭者座α星カペラは北緯46度0分で、最も北にあります。次ぐのが白鳥座デネブα星の45度17分で僅差です。白鳥座の隣の琴座α星デネブは38度47分で3番目となります。


重星(じゅうせい)
 この星座には、面白い星が沢山あります。
 先ずはα(アルファ)星カペラです。理科年表に寄りますと、実視等級が0.1dと記載されています。明るさは0.1等級で、明るい恒星です。そして、dの印は、角度で1分以内の重星であることを示しています。スペクトル型の項にはG5ⅢeとG0Ⅲとなっています。Ⅲは巨星です。スペクトル型はG型ですから太陽と同じ色合いなのですが、巨星の記号が付いていると言うことは、主系列星を外れ膨張段階にある恒星なのです。そして、eはスペクトルの中に輝線があると言うことです。この場合、最初に書いてある方が大きい方の星ですが、主系列を離れていると言うことは、双方ともかなりの御老体です。そして、この輝線が出ていると言うことは、既に核融合反応がヘリウムまで進んでいることを示している場合があります。その場合は、水素融合反応の結果出来るヘリウムが、核融合反応を起こしていると考えられます。星の中心部が、それだけの温度圧力に達しているのです。
 2つ合わせて絶対等級+0.25等、太陽の46倍ほどの明るさを持って、かなり近い距離で互いの共通重心の周りを104日と2時間程度で回っている姿が想像されています。また、それぞれの明るさが+0.6と+1.1等級となっていて、0.5等級の違いがあります。明るさで言えば、1.6倍ほど違うのですから、こちらから見える見かけの直径は平方根を使って1.3倍ほど違っていると想像されます。この見かけの明るさと42光年という距離から、絶対等級はそれぞれ0.05、0.55等級と計算出来ます。これを太陽の絶対等級+4.83等からの単純な10進数による倍数に直すと、それぞれ81.7倍と51.5倍になります。これは同じくらいの輝度のスペクトル型ですから、見かけの角度面積に対応しているので、平方根を求めるとそれぞれ約9倍と約7倍という数値が求められます。これが暫定的概略の計算で求めた恒星の直径、又は半径になります。
 つまり、肉眼では1つにしか見えない見えない明るい恒星であるカペラは、実態としては直径又は半径が太陽の9倍と7倍という大きさを持ち、104日と2時間程度で互いの回りを回り合う巨星の重星だったのです。

 次がβ(ベータ)星メンカリナンです。こちらは分光連星で食連星にも分類されています。分光連星というのは、大きな望遠鏡で倍率を上げても伴星が見えなくて、恒星からの光を細かく調べると、2系統の光が周期的に変動することから、分光連星と呼ばれています。また、食連星というのは、視線方向に回転面が一致していて、2つの星が互いを隠す状態となることがあり、明るさが掩蔽するときだけ変わり、それが周期的なので、それと判る連星のことです。互いの引力によって動くので、周期と、推定される質量をより正確に知ることが出来る優れ物の研究材料です。
 研究から、我々からの距離が60光年、質量が太陽の2.34倍と2.25倍のA2型準巨星が3.96日、たった4日程度でで、互いの周りを回っているというアルゴル型の重星であることが判っています。互いの引力と遠心力で星の形が、かなり楕円体型になっていると想像されています。

 3つ目がζ(ゼータ)星ヘドウスⅠです。2個のスペクトル型はK4ⅠbとB6.5Ⅴとなっていますから、連星系の大きい方が、K4型、表面温度は四千六百ケルピン程度、赤めのオレンジ色で、暗めの超巨星です。伴星の方はB6.5型ですから表面温度が一万三千四百ケルビン程度もあり、青味がかって輝く主系列星です。変光の周期は972.164日で第一極少での減光で0.15等級だけ暗くなります。アルゴル型と考えられていますので、周期とスペクトル型、光度から、質量がかなり正確に算出出来ます。太陽の8.3倍と5.6倍の質量を持つと計算されています。
 しかしアルゴル型の変光星に分類されていながら、光度変化曲線には第二極少が観測出来ていません。アルゴル型は互いに隠したり隠されたりするもののはずですが、片方が観測には引っかからないということなのです。想像するに互いの共通重心を中心にして回り合う軌道が、真円であるとは限りませんし、その回転面が地球の方向にピッタリと合っているのも期待しすぎですから、片方の掩蔽が外れることになっているのだろうと想像します。
 太陽系から786光年の距離にありながら3.75等級に見えるこの星は、実は並外れた星だと言えます。

 4つ目がε(イプシロン)星アルマーズです。実視等級2.94等でスペクトル型がF0Ⅰae、距離1900光年です。距離と実視等級から計算される絶対等級は-5.89等で、超巨星の上限、恒星としても上限近い値です。超巨星として太陽の300倍にもなる大きさをもって膨らんでいるにも関わらずF型、太陽表面よりも高い表面温度を持っている超絶に明るい恒星がこの星の正体です。輝線有りというスペクトル型ですから、当然、内部では複雑な階層的原子核融合反応を起こしているものと想像できます。
 この重星もアルゴル型の変光星に分類されていますが、ζ星と同じように、第2接触のデータが取れていません。第1極小では0.89等級の減光が観測されているのですが、その逆の第2極小が観測されないのです。ζ星と同じようなシステムが考えられますが、互いに回転しているシステムであれば、たとえ同じスペクトル型の2星によるものでも視線方向の速度が変わりますから、特異的な吸収線がズレることによって2つの星が区別出来ます。しかし、ε星にはそれが全く起こっていません。
 そして、その光度曲線がかなり変わった形をしています。アルゴル型は、基本的には1つの周期の中で2つの深い谷をスポーンと作る減光の様子を取るのですが、ε星では周期27.08年、8892日の中に、750日の平たい底の谷を作ります。谷の底の長さが約330日、減光と復帰にそれぞれ約210日をかけています。
 これらのことから、この掩蔽を作り出す原因の伴星(仮にそう呼びます)は、太陽の20倍以上の質量と、二千数百倍の大きさと推定されています。そして、温度は低く、内部でのエネルギー発生は観測されていません。これだけの質量を持つ星間物質の塊が、大人しくε星の回りを回っているだけというのも腑に落ちません。
 原始太陽と惑星系が出来ようとする姿だとか、中心にはブラックホールがあると言うような意見が出てはいますが、意見止まりで証拠のあるものではありません。原始太陽系説は、まだ可能性が認められますが、ブラックホールについては、何もかも判っているという状況ではありませんので、現在は言った者勝ちです。しかし、ブラックホールは物質やエネルギーを吸い込むだけの存在ではなく、通常空間の境界に起こる現象で、エネルギー又は質量(素粒子、原子等)を通常空間に放出できることが指摘されています。ブラックホールは吸い込む一方ではなく蒸発もすると言う考え方です。何しろ実験するにしても難しいものですから、賢い方々のより一層の研究が求められる分野でもあります。


★★2019年12月17日(火)おおいぬ座、白色矮星発見

大犬座(おおいぬ座)


反転Hevelius flamsteed

シリウス伴星の位置

大犬座
 大犬座の解説では、α星シリウスとその伴星が主たる話題で、その少し南にあるメシエ41について言及する程度のものがほとんどです。と言うのは、この星座に関する神話・伝承がバビロニアまで溯ることがなく、古代ギリシャの時代でも諸説が入り交じっていたからです。もともと、ギリシャ神話でも寄せ集められた話が取捨選択されるわけでもなく、そのまま各地に伝えられるものだったので、異説外伝は当たり前、どれが本当かと言えば、どれも本物だったのです。
 バビロニアでは、隣のとも座方面を含めて弓と矢が描かれています。シリウスの辺りが矢の先端で、δ(デルタ)星付近が矢尻となっています。
 名称的には大小でセットとなっている大熊小熊は関係者です。しかし、大犬に対する小犬は、一角獣座を挟んで、近いところにあるのですが、関係者というわけではありません。


白色矮星発見
 では、定番ですが、大犬座α星シリウスとその伴星について。
 理科年表によりますと、近距離の恒星の表では、結構早く出てきています。肉眼で見える恒星という条件では、1番はケンタウルス座α星で、次に大犬座α星シリウスが来ます。
 シリウスまでの距離は8.6光年、実視等級-1.44等、スペクトル型はA1Ⅴmとなっています。A1型。Ⅴは主系列星です。mはA型でありながら、放射光に金属のスペクトル線が出ているK型の特徴を持つ特異星であることを示しています。この為、表面温度はA1型の標準であれば9300K程度なのですが、10400Kとなっています。
 恒星としては近いところにありますので、固有運動と呼ばれる、我々の太陽を基準とする位置に対しての動きが比較的速く観測出来ます。シリウスの位置を正確に計ると、動きが判ります。1年で角度の1.34秒も動いていきます。ところが、その動きが直線的でないことに気が付いたのがベッセルです。誤差をはるかに超えるフラつきがあって、この原因が観測出来ていない伴星であることを1844年に予言したのです。
 この伴星が見つかったのは1862年のことで、口径46㎝と言う当時最大の望遠鏡を請け負ってテストしていたレンズ製造者のクラークが発見者となりました。伴星の光度は8.5等級で、主星との光度差は約一万倍近くあります。これが見つからなかった最大の原因となっています。
 こうなるとシリウス連星系の詳細が判ってきます。連星系は互いの共通重心を中心にして回転しているのですから、その正確な位置を測定し、周期と運動を調べれば、互いの質量がかなり正確に計算出来ます。結果は、主星が太陽の2.14倍、伴星が1.06倍という値です。伴星がなかなか発見出来なかったのは、シリウスが特別に明るいことと、伴星が8.3等と暗かったことに寄ります。
 伴星の光の状態はスペクトル型で言えばO型からF型の大変に温度が高い状態に相当していて、この伴星では14800Kと推定されています。表面温度が推定出来れば、輝度が決まります。そして、観測された星の光度と輝度に距離を加味して、光を発する円の直径が計算出来ます。最初の推定は、その他の観測から統計的に得たものですから推定ですので、理科年表では斜体字を使い、推定値であることを示しています。太陽の半径の0.016倍、分数にすれば62.5分の1。体積にして地球の1.7倍位という大きさが計算出来ます。これで、平均密度が計算出来ます。太陽の平均密度は1.41g/立方cmです。この値に1.06を掛け、0.016で3回、割ってやると36万5千位の数値が出ます。これはg/立方cmです。kgにすれば365kg/立方cmとなります。平均密度というのは、質量を体積で割ってやっただけの数値で、実際は重力によって中心ほど密度は上がっていくものですから、精度がどうこうというより、概略を示す数値です。ですから、1立方センチ辺り四百㎏近くもの質量を持つトンデモ天体なんだぞと言うのが判れば良いわけです。
 直径が木星や土星よりも小さくて、自分から光っている。そして質量は太陽並みという星が見つかったのです。色としては温度が高いので白色、そして小さな星、白色矮星、ホワイト・ドワーフ(white dwarf)と名付けられました。現在でも発見数は3桁に届かず、すこし遠いところでは見つけられないという事情があります。逆に近いところでもこれだけ発見されていると言うことは、空間密度としては低くないことを示しています。つまり、ありふれた存在で、我々が気付きにくいダークな質量ということになります。
 このような小型で高温の天体が見つかったのは、天文学にとっても画期的な発見となりました。この星はどの様な星で、どの様な意味を持つか。それが判ってくるのは、20世紀に入って核反応を人類が知ってからになります。ようやく恒星のエネルギー源が判ってくるのです。その端緒となるのが、高性能な望遠鏡をテスト中だったという製作者の自信作による観測だったのです。
 この10年位は本星から離れているので、それなりの望遠鏡であれば、見つけることが出来るはずです。予言時は上図の2044年頃の位置ですし、発見時は2012年頃の位置であったので観測が出来たと考えられます。


★★2019年12月18日(水)星座双眼鏡と星座望遠鏡

 このところ。メガネが合わなくなってきていて、メガネと目との距離の調整では済まなくなってきています。そろそろ新調しないといけないのですが。眼鏡屋さんに行っても、フレームが気に入らないことがほとんどで、困ります。まあ、それはともかく、年を取って、視力そのものも下がってきています。そこで、低倍率の双眼鏡と単眼鏡です。このような製品は他に無かったのですが、最近は、マネして出しているところが出てきています。形式としてはガリレオ式で、対物レンズは凸、接眼レンズが凹レンズという組み合わせですので、特に広い視野を使おうとすると工夫が必要です。
 販売しているのは株式会社笠井トレーディングで、かなり前からWideBino28というのを販売しています。2016年に改良型を出して性能を上げています。今回購入したのは、その下位バージョンであるCS-BINO\9,000とCS-MONO \5,000です。2x40というスペックは2倍40度です。いつもであれば高い方を買うのですが、今回は理由があります。WideBino28の方ではわたくしの裸眼ではピントが合わないのです。28という数値は視界で28度を2.3倍で64度強の見かけ視界になります。これを実現する為には、眼そのものをレンズに擦り付けるくらいに近付ける必要があります。つまり、メガネが使えません。そして、-6ディオプターまでが使える範囲なのです。これをはるかに超えるわたくしの目では、使えんと言うことなのです。それであればメガネを使って8割くらいは視野が確保出来るという下位バージョンに手が出るのは当然です。
 通販専門ですが、アマゾンにも出していますので、そちらを使いました。

到着、箱出し

セミハードケース、良さげです

ストラップ付き

近眼に合わせると接眼部が飛び出していて、ケースが閉まりません

小型デジカメ用ケースを出してきました

中に仕切りを入れて、丁度良い感じ

 基本的にドームで使うものとしての購入です。ケースに入れましたが、対物と接眼にキャップが欲しい感じです。


★★2019年12月24日(火)クリスマス・リース、ソーラ・フィルター

クリスマス・リース

クリスマス・リース  リトル・クレスマス・ツリー
 毎年の定番ですが、今年は、いつもの取付金具がどこかへ出張して帰ってきていないので、余り材料から作ったたというおまけが付きました。毎年、トップに載せていたような気がしていたのですが、改めて画像を確認してみると、ほとんど載せていません。思い込みというのはそんなモノなのでしょう。そして、このような行事は、中身や、意義が判らなくても、続いていくモノですからね。
 姿をほとんど見せないという、ムーミン・トロールの「暗がりのご先祖さま(The Ancestor)」 は、惜しげも無く姿を表しています。ありがたみが減るという御意見もありますが、そもそもありがたみって何さ?というキツーい御意見もあり、御本人様は、全くお気になさらないようです。


ソーラフィルター

ソーラ・フィルター  取付状態

今日の太陽 左下にごく小さな黒点
 なかなか太陽をまともに見られない日が続いていたのですが、ひょっこり顔を出しましたので、ドームへ上がりました。購入していたソーラフィルターを、やっと使う事が出来ます。このフィルターは、薄いフィルム 状の膜素材で、交換可能、安価でありながら、太陽の表面を観察、撮影するに足る性能を持っています。
 手持ちでは100mm×100mmの角形減光フィルターがありますが、確か4~5万円くらいのかなり高価な値付けでした。販売終了になる前に、捨て値で出ていたのを買ったと記憶しています。ただ、10cmの角形で、取付用のフィルターホルダーを使うと、13㎝の口径をフルに使うことが出来ません。9㎝の口径くらいでしょうか。それで、口径をフルに使えるものとして目を付けていました。
 このフィルターは、口径別に取付金具が用意されていて、その金具にフィルターを挟み、鏡筒先端に取り付けるようになっています。勿論、フィルター自体も、既に取り付けられています。何かの拍子に破ってしまった場合は、別社の取扱いになりますが、輸入代理店があってそこへ注文することになります。それほど高値なものではありません。
 新しいソーラフィルターを使えば9㎝口径ではなく、13㎝の口径を活かすことが出来るようになります。とは言っても、シンチレーションや曇り空を突き通すことは出来ませんので、良い天気待ちです。この初ショットは上空の強風で像が乱れて安定することはありませんので、解像度としては以前とあまり変わらない様子です。しかし、同じISOで明らかにシャッター・スピードが速くなっていましたので、大気の安定したときを期待しましょう。


★★2019年12月25日(水)衆議院議員逮捕

 今日、クリスマスですが、そんな聖なる日も関係なく、事件です。逮捕された衆議院議員の古めのオフィシャル・サイトを見に行きました。アーカイブされているもので、現在のページでは無くなっている政治家を志した原因を書いた本人のページがありました。大変に驚いたのですが、次のような記述がありました。彼が大学に入ってからの話です。
------------原文テキストそのまま
「あんた大学生だったら人を回せないか?」と声を掛けられ、友達を3人紹介した。
すると紹介料が手に入った。
世の中の仕組みを見たような気がした。
これを商売にしよう!
若かったし、人が好きだったので回りから可愛がられ、人脈が増えると同時に仕事も増え大学一年のときから、人材紹介業を営むこととなった。
先見性が功を奏したのだろう、物凄く儲かった。
取引先の社長から「衆議院議員の選挙を手伝ってほしい」と言われたのがきっかけである。
選挙事務所に、一日30人ほど人を送り込み、送り込んでいるうちに自分が取り仕切るようになった。
朝の街頭演説、ビラ配り、個人演説会場の請負、会場セッティング等など、まるで総合請負業となっていた。
いつの間にか、自分自身が中心となり選挙事務所を回していた。
学資を稼ぐために仕事をしていた筈が、その頃、大学へは働き手を探しに行っていたようなものだった。
気付いた時には、自然に学生秘書となっていた。
------------
 さて、何が問題か判らない方は、説明に困りますが・・・。あまり豊かで無い出身であれば、生活費や学費を自分で工面、少なくとも一部を用意する必要があるでしょう。だから学費稼ぎであるのなら、仕方ねぇかとも思いますが、商売にすると決めて政治活動を始めたわけですから、結果が見えます。これはピンハネしているのと同じです。それで凄く儲かった? ちなみに、わたくしの学生時代の主たる収入源は高校生の個人家庭教師でした。払っていただく分、希望大学に行って貰わないといけませんからね。打てば響く子もいましたし、時間がかかる子もいました。中には、焚き付けすぎたのでしょうか。次の年に一応入学してきたのですが、その次の年に、とある上位校へ受かっていってしまいました。まあ、その位、出来る子で将来も明るそうでした。
 ここには、世の中に問題を見つけ、それをタダしに政治家になったのでは無く、商売、つまり儲けを求めて入ったと正直に書いているわけで、実際のところ、政治活動について、美しい理念を書いてはいても、やっぱり儲け目的が原点なのです。この儲けが、公的なものであれば人類、社会、国家、自治体の儲けとなりますが、個人的なものとなれば、自分だけ儲かる方向に流れるのは目に見えるようです。
 暫定出生12時チャートを書いてみますと、商売の星、水星は5度の許容度で金星と合ですが、他に見るべき座相がありません。この座相は強くありません。配列は冥王星と水星のミューチャル・レセプションが根になっているものと、木星が根の2つの系統に分離しています。これらのことをまとめ上げた上で、この逮捕、あるいは当選、落選を見るのもなかなか面白いかも知れません。起訴までいくものが無ければ逮捕に至らないはずですので、特捜部の面目を掛けて調べ上げているでしょう。ある程度のところで、興味深い点が出てくれば、講座に採用しましょう。


★★2019年12月26日(木)日蝕雲中、助教を解雇

日蝕雲中

 残念ながら、10分ほど前までは、薄曇りながら、もう少しは輪郭が見えていたのですが、欠けだしの頃になると群雲が押し寄せてきて、欠けていることすら判らない状態になりました。何しろ、太陽用のフィルターを付けていたら暗くて撮れないので、慌てて外して撮ったのがこれです。ISO100、1/1600秒です。左上は、同じ光学系、カメラで撮った前日の太陽です。参考まで。


助教を解雇

 今朝出ていたニュースで、昨日中に伝えたサイトもありますが、事態は昨日のことになります。タイトルは「国立極地研究所助教を懲戒解雇」というもので、132万円余りの不正な経費請求が確認されたことによる処分です。既に該当のWeb Pageにある人員配置からは処分者の名前は削除されています。対象者は2009年から2年間、極地研の研究生をやり、2014年からは同所生物圏研究グループの助教として採用されています。
 助教の期間の中で不正請求の疑いが事務方から出て調査が始まり、旅費の水増し請求やカラ出張(もしかして正式な名称なのでしょうか。カタカナの空出張)、学会参加費の水増し請求、通信費の架空請求の3点について確認されたので処分したという報告が研究機構から公式資料としてPDFで出ています。
 旅費としての請求に飛行機代の領収書とチケットを提出するのですが、領収書に不審な点があることに事務員が気付き、調査を始めたのが発覚の端緒です。書式の微妙な差と飛行機代としての金額に疑義が出たのでしょう。そこから、旅行会社や航空会社への確認によって、PDFで出された領収書が、改ざんされた疑いが出てきて、他の経費の調査も行われ、不正の実態が出てきました。使途については、当初研究費等の充当に当てたという本人の申告があったのですが、口座が生活費と一緒の為、事実を確認出来ず、私的流用の確認も出来なかったと報告されています。調査中に提出を求められた資料をも偽造して出したということですから、何とか誤魔化せば済むと思っていたのでしょう。刑事告訴に至っていないのは、過分に支払われた分については返したものと思われます。
 資料では、不正が行われた43件の項目分類と総金額1,324,120円が出てきています。飛行機代については27件、平均しても一件に付き4万円以上の上乗せがされていて、百二十万円近くが不正に請求、支払われていたことが判ります。詐取した金額の項目は、ほとんどが飛行機代です。
 飛行機は星で言えば、天王星のようにも思えるのですが、旅客機は燃料の塊みたいなもので、分類としては、海王星を主星と見て扱うことが多いようです。そして、出生では海王星は太陽と合ですが、土星と許容度4度でスクエアとなっています。海王星と太陽の合は才気と発想の豊かさだろうと思いますが、土星は規範に沿ったもので無ければ、良しとはしないのですから、慎重に土星の制限に乗らないといけない配置です。それを踏み外せば、手痛い目に合うのは目に見えています。
 出生時の検討はこれからですが、進行でp太陽p火星の合となる時期ですから、一生に一度の何らかのエポックであることは確かです。ここへ経過、天王星が90度の緊張、それも突然の出来ごとです。3重円上では、他の特徴的な座相が作られていますので、決定的な時点であるのは間違いないことです。そこで、ここから出生時の修正という作業に入ります。こちらも衆議院議員逮捕と共に、後ほど占星術講座のネタに取り上げるつもりです。

★★2019年12月30日(月)ボンヤリ空のバラ、占星術の基礎講座を加筆中、ニュース記録から


 大晦日から元旦にかけて荒れるぞ、という予報が出ています。昨夜、空を見上げると、久しぶりのお星様が見えます。いそいそとドームに上がったのですが、目が慣れてくると、煙ったような空です。大気中に浮いているものがあるのです。試しに撮影してみると、氷の粒では無いようです。氷の結晶が浮いていると、特徴的なぼやけ方をします。ただ、背景に明るさがあります。オーロラがそうそう来るわけは無いし、来ても北の方ですから。多分、地上からの光で空が明るくなっているのでしょう。
 折角、上がってきたので、折角ですから試しに、オリオン座の馬頭星雲を入れてみました。RC300(fl=2440mm)にノーマルのD850です。そこそこに撮れるかもと思い、カメラをセットしました。片鱗が写っているような気がしましたので、画像処理で何とかなるかも知れません。ついでに、一角獣座バラ星雲を視野に入れてみました。こちらは、月よりもはるかに大きいので、サブの130EDT(fl=900mm)です。撮れている様な気がする程度で怪しかったのですが、もともと、試しです。
 続いて、解像改造D800です。馬頭とバラの両方が、当然のようにカメラの背面モニターで写っていることが判ります。
 ボンヤリした空で無ければ、もっと良く写っているのでしょう。どちらのカメラでも、露出を伸ばすと、画面が白くなってしまいますので、お遊びはここまでと言うことにして降りてきました。真剣にやってもお遊びであることに変わりはないのですがね。
 結果としては、満足のいく画像ではありませんが、ボンヤリとした明るい夜空、まるで都会のような空で、良くこれだけ撮れるものだと、返って感心した次第。急いでいたので、新着のLPS-D1が付け外しの面倒なところに入っていたので、LPS-P2を使った結果、恒星が赤フリンジ付きになりました。馬頭の方がやはり薄いのですが、ちゃんと形が判ります。我が家の嫁様が馬頭を見るとひきつけを起こしますので、載せませんでしたが、確かにホース・ヘッド、まんまですね。


占星術の基礎講座を加筆中
 以前より基礎講座の中に支配星配列を入れていないことをご指摘戴いていたのですが、手を付けると時間がかかりそうだったので、放っていました。現在、作成中で、年内に入れてしまおうと画策しています。お知らせということで。
 と言いつつ、入れてしまいました。追加するだけで無く、基礎講座の中で、細かく修正もしています。


ニュース記録から
 拘置所に入れられる直前だった某氏への取材の答え
…ないよ。 だって俺が……ないじゃん……熱心じゃねえしさ。…俺が…持ってないじゃん。
 「俺が」と言うのは前からでしたが、「じゃん」という語尾は、西関東方言で、特に、神奈川県出身者が使う傾向が強いとされる言葉遣いであって、浜言葉とも違うんですよね。ネイティブの方が発言すると特に何も感じないのですが、彼の場合は、違うものを感じるんじゃん。仮面偽装というか、何かを誤魔化しているような印象があります。間違いなく出生地や育った環境とは異なる言葉遣いなのですが、これが元国会議員のプレス向け発言なんでしょうかねぇ。俺が俺がと言うのがオレオレ詐欺のようで、なんとも哀れです。金が渡っているのは確かなのに、知らぬ存ぜぬで通せば済むと思っているというのも、脳みそが足りなそうです。ねぇ、こんなのに票を入れてたの?皆さん? あの時みたいに「アー、それについては記憶にありません」とか言って欲しいなぁ。