前月 2018年7月 次月
 月  火  水  木  金  土  日
 1
 2  3  4  5  6  7  8
 9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
    ★★2018年07月01日(日)ドーム内のカメラシャッター2
    ★★2018年07月05日(木)雨中のコデマリ
    ★★2018年07月17日(火)EX掲示板ReadOnly化
    ★★2018年07月22日(日)ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇の目)
    ★★2018年07月25日(水)火星大接近、大の意味は?

★★2018年07月01日(日)ドーム内のカメラシャッター2

 ドーム内撮影用シャッターシステムをD850に適応させたのは良かったのですが、忘れていたことがあります。D800を天体改造、つまり、撮像センサーの前にあるカラーバランス調整用フィルターを素通しの保護フィルターに交換して、撮影ドーム専用マシンにしていたことを失念していました。ドームPCにシャッターコントロールをインストールし、さて使うぞとなってから気付くというボケ具合で、いよいよ認知来ましたと思った次第。
 愚痴はともかく、2つのカメラを使い分けるのが王道というか、当たり前の方法です。ナイコンから出ている天体専用をうたったD810Aは、要は標準のカラーバランス調整用フィルターを、Hα線λ=656nmを通すようにしたものに入れ替えたものです。このHα線は肉眼では暗い赤に見えますが、撮影してみると真っ赤に写りますので、赤いものが好きな方々には、大変受けます。言ってみれば、この為に作っているといって良いでしょう。しかし、天体写真は赤い星雲だけが求められているわけではありません。高感度や高精細は一般向けと変わりありませんし、星空には緑や青の星雲もあります。黄色ががった銀河もあります。また、長波長の方が大気の揺らぎを受けにくいので、赤外領域だって必要なこともあり得ます。とんでもない価格で売っている冷却CCDカメラは、フィルターを使って、波長帯を選び、カラー映像を作りたい場合はフィルターを使ったRGB映像を合成して作ります。赤い星雲専用マシンにしてしまったら、それに飽きたらゴミ箱行きですからねぇ。なぁにすぐ飽きます。それに、ウリとしてHα線が4倍の感度となっていますが、要はここで1/4の感度にしていないと一般撮影用のカラーバランスが狂ってしまうのです。ですから宣伝としては天体専用と言うしかないという・・・。Hα天体専用とは言えませんしねぇ。
 ここで、このフィルターを着脱可能にするという方向は設計製造変更が出る為、断念したのでしょう。

 D850になって更に高画素になりましたが、D800だって段違いの高画素として登場した機種です。
 ということで、同時使用も視野に入れて、両方で使えるように再度、作り直すことにしました。元々、D800用として作ったモノですから、D850への対応の部分を合わせて、整理をして見ました。手直し自体も、なかなか手がかかり、実機で動作を確認しながらの作成となります。メカトロニクスの原始的な方法ということになりますが、一番確実な方法です。
 赤外線シャッターの動作が、少々面白い仕様を持っていて、クセのある動作をしますが、とにかく動けば良しというスタンスですので、少々難儀したのは確かです。シャッターコントロールはコネクトに2チャンネル用意されているので、使用するUSBリレーをもう一つ追加すれば同時使用が可能になります。まあ、そうなると、使う方も頭をデュアル動作しないといけないのですが・・・。

 ところで、そんなことや、他のジョブをこなしていましたので、Stargazerの方はさっぱりです。
 そして、このところ毎年になりかけているようですが、この時期、天候が悪い・・・梅雨前線ですよね、これ。津軽海峡が気候区の境になっていて、北には梅雨が無いのでは無かったかと。まあ、一年で一番夜が短い時期ですから、★好きの★秋津★としては、かまわんのですがね。


★★2018年07月05日(木)雨中のコデマリ




★★2018年07月17日(火)EX掲示板ReadOnly化

 既に過去物となってしまった特別バージョン、EX版ですが、こちら専用の掲示板が存在しました。中身を消してしまうのは簡単ですが、記録という意味合いもありますので残しておきました。しかし、過去資料というカテゴリに入れても、何かとスパムロボットの対象になり、しばしばURLを書き換える必要が出たり、ホンの時たまですが通常のStargazer掲示板と勘違いする方が出ていましたので、どうしようか実は悩んでいました。CGIに手を加えて書き込みを出来なくする方法もあったのですが、下手な改造をすると存外の動作不良を起こします。そもそも、何か異常を抱えていて、発言数やツリーがおかしいところがありました。そこで、中身を手動でHTM化するという方法を採用するしか無いと考え、取りかかりました。実質半日チョッとの作業で何とかなり、昨日、入れ替えを行いました。方法は原始的で、CGIの出力したページを保存し、その中から発言のリンクを残して、その他のリンクを削除するという手です。この作業中に発言番号とリンクをチェックしていて、発言ツリーが重複していたり、おかしなリンクがあったりしているのを発見しました。それらも修正して通常のHTMページのリンクだけにしてあります。
 ただ、中の他の発言へのリンクに間違いがあり、そちらに飛べずにエラーを起こしていますので、急ぎ修正作業に入っています。多分本日中に治ると思います。
 現在のStargazer掲示板の方もCGIを使用しています。動作は似ていますが、異なるもので、発言が増えていった場合にどうするかというような点については、違う方法を取れるかも知れません。しかし、ある程度時間が経ち、内容の世代が変わったら削除するということを考える必要があるでしょう。捨てる選択というやつで、整理の基本です。まあ、借りているサーバーの容量としては、今の百倍でも余るくらいありますが・・・。


★★2018年07月22日(日)ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇の目)




★★2018年07月25日(水)火星大接近、大の意味は?

 昨晩、良く晴れましたのでドームに上がって、撮影を始めました。惑星の拡大撮影は久しぶりですので、機材のベスト組み合わせをほとんど忘れていて、結構手間取ってしまいました。世は火星の接近で騒いで、もとい、商業的戦略から関係販売店が騒ぎを作り出そうとしています。曰く大接近。まあ、2年と2ヶ月位の周期で地球に近づきます。そうなる度に接近と騒ぐのですが、火星軌道は地球のようにほとんど丸なのでは無く、図にしても楕円だと判りますので、接近の度に距離は変わります。離れている時と近い時で倍位違います。だからといって大接近だから月くらいに見えるのかというと、勿論そんなわけはあるかっ、ということなのです。
 火星が最も近くても5600万㎞です。一番遠い接近(変な言い方ですね)では1億㎞あります。でも火星は直径が月の倍くらいの星、地球の半分ですので、38万㎞の近くにある月と比較すると、眼で見て判る大きさでは無いと言うことがすぐ判るでしょう。どうしたって望遠鏡を使わなければ円盤状の姿は見えません。で、望遠鏡の売り時だっという事になるわけです。円盤が見えたからといって、火星の運河がすぐ見えるわけはありません。あっ勿論、火星の運河は、見間違いと言う事になっています。
 蛇足ながら、火星面にスジが見えたので、イタリア語圏の方が溝と名付けたのですが、フランス語に訳した時に語尾のeを取ってしまって、それがまた英語圏に行ってcanal、つまり運河となってしまったというのが真相のようです。で、例のタコの化け物のような火星人がいると・・・。でも、スキャパレリは火星地図まで作ったんですが、彼が使った望遠鏡ではそこまで見えるはずが無いのです。口径によって細かいものを見分ける最高能力が決まりますが、ただ作れば見えるというものでは無く、あくまでも最高の経験的数値が計算されるだけで、彼が使ったものは、値段こそお高かったようですが・・・性能は・・・。だから、過剰倍率によって眼ん玉の中で影が見えていたというのが真相だと言う事になっています。実際のところ、現在作成されている火星地図と比べても、似てもいません。ご免なさい。スキャパレリさん。でも、楽しい夢をありがとうございます。

 夕刻には西の空に金星がいますし、木星土星火星の順に並んでいます。そこをこの何日かで月が動いていくのですが、曇ったり雨ったりで、見る機会がほとんどありませんでした。見えたなっと思ってドームに向かおうとすると雲が・・・。
 並んでいる惑星を見ると、やはり金星の飛び抜けた明るさが目に付きます。当然です。この中で一番太陽に近く、強い太陽光線を反射しているのです。そして、近い火星も明るく見えます。木星はその巨体で明るく見えますが、土星はさすがに遠いし、木星より小さいので暗く見えます。で、同じ拡大率で撮ってみようかと思い付いて、急いで撮影してみたのがトップ絵です。高度が低くて高速シャッターを切れる月以外は、模様が写りませんでしたが、大きさは一応判ります。
 惑星の下側が少し赤色が付いています。これは高度が低い為に大気のプリズム効果で色分散している結果です。高度が低いと悪条件が超絶増えます。

 さて、大接近と言っても、火星君はこんなものです。月の中規模クレーター内部を観察出来るような望遠鏡で無いと良く見えないということになります。子供にヒョイッと買い与えてやれるような望遠鏡は5㎝とか6センチの口径で、円盤を見る程度。本当に必要な10センチ中盤以上の屈折機は、架台部を含め、置き場所からの問題になってきますし、かなりの資産家で無いと・・・。まあ、何事もお金持ちには敵わないことが沢山あります。でも、人工衛星とか探査機となると、少々のお金持ちでは足りず、これは国家プロジェクトレベルです。それを目指させるための投資ということであれば、そんな望遠鏡もアリか。

 D850の前任であるD800君は、余生を色々考えた上で、売却と改造を天秤にかけて、改造を選択していました。天体用改造という言い方は、正しくは無いと思うのですが、それで通っています。というのは、大方の天体は普通のカメラで撮影出来るものだからです。天体改造というのは、撮像素子の前にあるカラーバランス調整用のフィルターを取り除くか、別の物にするかすることを言います。現在の市販カメラで天体用を銘打っているのはD810Aだけになっています。AはアストロノミーのAでしょう。通常のカメラは、暗い赤で赤外線に近いHアルファー線(暗めの赤、波長656.3nm)の写りを調整フィルターで押さえています。撮像素子の感度が赤外領域まであるからです。この為、星雲の中でも人気のある赤い星雲の写りが悪くなっています。赤いもので興奮するのは牛だけでは無いようです。
 で、調整フィルターを素通しのものやHα線を通すものにすると、五分の一程度でしょうか。その位、少ない露出でバッチリ写るようになります。大抵の方々には、赤い星雲専用の改造と思っても良いでしょう。そんな改造をしていました。その前の先輩であるD300もD70もやっちゃっています。その経験から、D800はクリヤフィルター型を選択しています。
 これは、天体用、つまりHα星雲を撮るだけでは無く、オートフォーカスが改造前と同じように使えるし、赤外線だけ通すフィルターを付ければ赤外写真を撮る事が出来るのです。

 で、改造後、試し撮影をしただけで、新しいD850にかかりきりでした・・・。勿体ないですね。
 昨日、久しぶりの雨や曇りでない南の空に今話題の火星が見えていました。その右、チョッと離れて、やや暗くて、申し訳なさそうにしている土星君が手招きをしていました。ここにメシエ8あります。見れば南斗六星もちゃんと見えるではありませんか。もう行くっきゃありませんね。久しぶりです。掴んだのはD800。30㎝に取り付けて1分の露出すれば、こんな明るい星雲はバッチリ写ります。
 母家に帰ってきて、ファイルを開くと・・・、なにこのコマ。コマというのは光学系の収差の名称で、特に放物面を使う反射望遠鏡で問題となる像の歪みです。中心から離れるに従って外側に、ほうき星のように星像が歪みます。特に口径比(F)が小さいと極端になります。これを補正する為にコクコレクターというレンズを咬ませて撮影するのが普通になっています。ところが、効果無しです。よく見ると、典型的なコマ収差の大きさでは無く、コマ部分がかなり小さくなっています。ドームからコマコレクターを外して持ってきても、特段壊れた様子はありません。ひねくり回しているうちに、ハッと気が付いたことがあります。このコマコレクターはレンズ後面から焦点位置までの距離が指定されていました。それを合わせているリングがありません。この前、カメラマウントに接続するアダプターリングを欠けの少ない大型の物に取り替えたばかりです。その時に、調整用のリングを付け忘れているのです。幅が14ミリあって指定の像面までの距離を合わせているものでした。
 ますこれが原因であろうと判断出来ます。後は、この調整リングを付けたコマコレクターを使い、今一度、撮影してみることです。しかし、もう一つ、問題が出ていました。珍しくも拡大撮影をやって惑星を撮ったのですが、もっとピシッと写っても良かったはずなのです。木星の帯もハッキリ写っても良いと思いながらピントの山を合わす時に、合いづらいと思っていたのです。その妙なピントの合い方の問題は解決されていません。何しろ中心像で起こっていることです。コマコレクターの位置が関係しているとも思えません、調査継続と言うことで。



見かけの大きさ比較