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★★2015年04月01日(水)月齢12.0
月齢12.0
★★2015年04月02日(木)月蝕準備、搭載変更
本日、ドームのU-150に載せた40㎝反射を降ろし、お役御免としました。搭載機器は再び30㎝反射メイン、13㎝屈折サブで、8㎝屈折ガイド鏡の編成に戻しました。理由は幾つかあります。その最大の理由は、40㎝反射鏡の鏡面の劣化です。結露、結氷を繰り返した結果、反射率やコントラストの低下が起こり、30㎝反射に負けることは無いまでも、それほどのアドバンテージを保っていないことが明らかになったからです。鏡面は、ひどい状況になっていますが、それでも見た目ほど性能が下がっているわけではありません。しかし、斜鏡も同じような状況で、これで、ニュートン式を組めば、もしかすると30㎝に負けるかも知れません。解消するには再メッキでしょうが、それだけの投資をしても、30㎝の1.8倍の露出でまかなえるものでしかありません。眼視で冥王星を見ることができたというかけがえのない成果もありますので、しまい込むことにしました。
急いだのは4日の月蝕の為です。それも、使いやすくなるように改良してきた載せ方が一番に違いありません。元に戻すといっても、改良の余地はあります。ガイド鏡の搭載に使っている光軸修正装置は、30㎝主鏡にでも使えるくらいの頑丈なものを作っています。その分、大きく重くなっています。これをシンプルなガイド鏡搭載用のリングを使うようにすると差し引き2㎏は軽くなります。当初は、販売されているものを探したのですが、なかなか目に叶う物がありません。結構単純な製品なのですが、何かと便利さを出すことを名目に、付加機能を付けて価格を上げています。確かに、単純とはいえ、作るとなると、ジュラルミン削り出し、あるいは切り出しということになり、それなりの工作機械を持っていれば、さくっと作ることができます。しかし、ボール盤だけでは美しく作るのは無理でしょう。
光軸同調装置として使えるものは、望遠鏡会社各社から出ています。それなりのそこそこの価格、2万から3万くらい、高いものでは4、5万というものすらあります。あまり安いものはきゃしゃに見えますし、高いものはオーバースペックです。。外注で作ることもアリですが、そちらもそれなりのそこそこの価格、1万以上は確実で、頼むところによっては凄いことに。ただ、昔懐かしいような生産終了の品物の中に使える物が隠れています。ということで、とある経路で部品を発注しました。届くまで、だいぶ時間が空きますので、その他の計画もしておきましょう。
その月蝕ですが、活動宮の14度です。★秋津★には関わりのある度数です。とはいっても、とりわけ良いとか悪いことではないので、何かなってところでしょうか。天候がどうなるかまだはっきりしないのですが、用意だけはしておこうということで。
搭載変更
★★2015年04月08日(水)やっと福寿草
★★2015年04月12日(日)30cm反射追加工事計画、やっと咲きだしました
望遠鏡の改善計画が2つ、最優先で進行しています。1つは、ガイド鏡の搭載にかかっている重量の軽減と操作性の向上、もう1つは、主鏡である30㎝反射の光学的改善です。
1つめは、部品の到着待ちです。こちらはそれほど難しい作業はありません。部品を合わせて組み、現状と交換することで完了です。
2つめは、それほど簡単ではありません。主鏡の鏡筒の構造に起因する状況の改善ですので、構造そのものに手を入れないといけません。従って問題の改善はかなり難しいことになります。
問題の始まりは、撮影画像の調整で、周辺減光の状況が明らかになったところから始まります。主鏡である30㎝反射を使って得られるフルサイズ画像を調べていて、周辺減光の調整が必要な微妙な画像がありました。画面内の明るさが、中心のわずかな範囲は正確にフラットなのですが、そこを離れると周辺に行くに従って急速に落ちていきます。この落ち方は、主鏡からの光束を斜鏡が全て撮像面へ送り込んでいない、つまり径が足らないことによる問題であることが推測できます。
主鏡で反射した光を斜鏡で光軸外へと導くのですが、必要な斜鏡径が足りないとこのような状況が出てきます。
接眼部の焦点面からのぞいて確認すると、光軸線上、つまり真ん中でも主鏡が全て見える状態ではありません。更に鏡筒を正確に採寸し、図面を作ってみると、主鏡の中心でも蹴られています。この結果、偏芯取り付けを考慮しても中心近くの数ミリ半径では、光量が一定になります。いってみれば、金環蝕の輝いているところを逆にしたような状態を考えれば良いでしょう。主鏡が太陽で、斜鏡が月です。金環蝕の間は、明るさが一定になります。太陽の光を蹴っていますが、蹴った量が同じになっているので一定になるのです。つまり、主鏡の大きさを無駄にしているわけです。
これに対して斜鏡径が幾らか大きいと、皆既日食の時の皆既のように、最大光量を受け取る範囲が広がります。後は斜鏡短径を広げた分だけ、主鏡の反射した光を余すこと無くカメラに入れていく範囲が広がります。
ですから、いずれにしても斜鏡径が足りない状態であるわけです。
この結果、ナイコンDXフォーマットでは、目をつぶることができる程度の減光で済みましたが、さすがに35mm版では、明らかになってきます。これを簡単に解決するには、斜鏡径を大きくすることになります。
使われている短径88mmの斜鏡を、計算上は130mm位のものに変更すればケラれは解消できます。しかし、中央の掩蔽も増えますし像の悪化も招きます。特に短焦点反射の鏡面精度は周辺に向けて落ちているのが通例ですから、斜鏡は小さい方が良いわけです。で、これだけの大きさの斜鏡は、小さな望遠鏡が買えるような価格になります。手元には105mmというものがありますが、状況を少し改善するでしょう。ほとんど気分程度ですが。それに、鏡面が劣化してきています。夜露の影響です。使えないわけではありませんが、コントラストの低下が想像できます。他の手を考えても良いかと。
次の手としては、バックフォーカスの短縮となります。カメラの分野で出てくるバックフォーカスというのは、レンズ系のレンズ後端から焦点までの距離ですが、望遠鏡では、それ以上レンズに近付けない場所から焦点までの距離の意味で使います。具体的には接眼部を一番繰り込んで、引っ込めた状態の先端から焦点の所までの距離になります。この30cm反射は写真鏡や双眼装置の使用を考えて、短焦点反射としては異例の90mmというバックフォーカスを持つように設計されています。ペンタックス64のフランジバック(カメラレンズの取り付け面から撮像素子やフィルムまでの距離のこと)に接続リング程度の量ですから、付けてピントの出ない一眼カメラは無いといって良いでしょう。長めであるナイコンでも46.5mmです。また、双眼装置でも単体でこの位のバックフォーカスで合焦するものもあります。
先ずは数値的な把握です。鏡筒の中心から接眼部の先端まで271mmありますし、そこから90mmですから、斜鏡から361mmの所に焦点があります。焦点距離は1200mmですから、中心だけ光量100%の状態を作る為には単純計算上の斜鏡径として
300×361/1200=90.25
となります。製品の斜鏡短径は88mmですから、実際には微妙に足りないというものとなっています。
さて、ここで、どれだけバックフォーカスを減らせるかというのが課題です。現状で、撮影用のコマコレクターを使用した場合、フランジバックから73mmで合焦しています。つまり、主鏡位置を73mm下げることができます。また、接眼部は77mmφから接続リング2つを介して2インチスリーブとなっています。ここを77mmφから一発で2インチスリーブを取り付けるような接続リングを用意すれば、更にバックフォーカスの短縮が可能となります。この工作は素人仕事では無いものですが、とある誤魔化しをやって、16mmの削減を実現しました。合計89mmの稼ぎです。
ここで、85mmの主鏡位置下げを計画します。この場合は光軸からの距離が276mmとなります。
300×276/1200=69 つまり276/4
計算上は88-69=19ですので、直径19mmの100%領域を確保することが出来ます。斜鏡から焦点までの距離と、100%領域の大きさの関係は、式通り4対1です。主鏡位置を4mm下げると、100%領域の直径が1mm広がります。単純計算ですが、目安として使うことができます。
計画の前半は、バックフォーカスのギリギリの調節でした。いろいろなことを確かめながら部品を比較し、光路長の短縮をどうしてもダメであれば、接眼部のダウンサイズも視野に入れていたのですが、できれば3インチの接眼部は、強力で使いやすかったので残したかったものです。特に今回は2インチスリーブまでの接続リングの光路長を減らしましたので、2インチのロープロファイル型にしても1㎝程度しか改善しないことを確かめていました。
後半は、主鏡位置の後退の工作です。当初のナイコンDXフォーマットでの使用のレベルよりも改善しますから、改造の意味があります。主鏡の光軸調整範囲を遙かに超えていますので、鏡筒長の追加という改造です。変な改造では元に戻せないことになりますので、元に戻すことができるような形での改造を計画します。
基本的な形としてトタン板を巻いて主鏡セルに巻き、現行の鏡筒に一部を重ね固定します。トタンの端を巻いて処理することはできますが、これをやるときれいな円筒を作るのが難しくなります。鋭いので放置もできませんので、この点が最も考えなければならない点です。金属テープという手を考えてはいますが、まだ良い手があるかもしれません。こちらはこれからということになります。
やっと咲きだしました
★★2015年04月17日(金)工作準備
部品群が到着し、いよいよ工作が始まりますが、今一度、来た部品による採寸を行い、数字を徹底的に合わせます。
30cm反射では、接眼部の繰り出しと突出が合わせて57mmであることに変わりはありません。そして、接眼部の短縮は16mmになりました。更にカメラマウント部での取り付け位置の改良で、接眼筒の中に13mm入れることができました。合わせて、86mmとなります。
ここで、鏡筒の延伸長として、主鏡光軸合わせ分の余裕が関わってきます。現在、鏡筒底ギリギリ近くに取り付けていますが、これを1㎝程度離すことができます。そこで、鏡筒の延長は90mmとして、バックフォーカスのギリギリの調整は光軸合わせで行うことにします。
もともと、30cm反射はバックフォーカスを90mmにしているというのが基本設計ですが、これを、たまたまゼロにするということで、コマコレクター分の3㎝の稼ぎ分に加え、接眼部にフランジバック、カメラアダプター分の稼ぎで、撮影可能となったわけです。
トタン板の工作ですので、平らな場所確保が必要です。問題は、ここが一番で、冬の間、整理せずにものを入れてきた車庫の中はゴッタゴタです。雪かき道具も仕舞わなければならないし、車のタイヤ交換もあります。そちらを片付けてからの工作となるでしょう。
もう1つのガイド鏡の方は、1カ所、アリガタに穴を開ける工作が必要です。これも、車庫の整理が必要です。何しろ、ボール盤にたどり着けないのですから。
明日ということで。
★★2015年04月19日(日)太陽活動活発
太陽活動活発
★★2015年04月20日(月)追加工事結果報告
土曜の朝から、タイヤ交換、散らかりきった車庫の片付け、除雪道具の格納と逐次、作業をこなし、既に疲れた体で本命の30㎝改造計画に取りかかりました。
先ずは、購入してきた1間×半間のトタン板から幅12㎝の帯を切り取ります。丁度、たまたまあった古いカーペットを敷いて、その上でトタン板をハサミで切りました。切った後で、切断面は大変に鋭いので、紙やすり、では無く布ヤスリを使って切断面を丸めました。残りのトタンは、別の用途に使う予定です。
丸めてみると、だいたい必要な寸法の様子がわかります。板金ですから、両方の端を折り込んで叩きますので、紙細工のように正確に測って正確に曲げようとしても、なかなか難しいところがあります。厚さがありますし、完全に曲げきるのも難しいところがあります。それに、鏡筒にピッタリと巻き付きながら、後部のリングにもピシッと巻き付けなければならないので、微妙な径のテーパーを付ける必要があります。余裕をせいぜい5mm位見込んで曲げ、様子を確かめながら、最終的に叩いて仕上げました。計画通り、サイズは0.2~0.3mm位の誤差範囲に入っていて、うまく仕上がりました。端を折り込んだ部分で余裕がありすぎたら、ハンダ付けをする積もりでしたが、必要が無くなりました。
リングが出来たところで、鏡筒部の穴とリングのネジ穴に合わせて、取り付け用の穴をあけ、内面をつや消し黒で塗装して部品として仕上げました。
続いて、ガイド用8cm屈折光軸調整用リングの取り付け用アリガタの加工です。ネジの通るバカ穴をあけるだけです。あらかじめ考えていた位置にあけて完成です。その間に塗装が乾きましたので、できあがった延長筒を鏡筒に取り付けました。
一切合切をドームに上げ、最終組み立てです。主鏡セルをリングに取り付けて鏡筒にネジ止めするだけです。全く問題はありませんでした。そして、光軸調整までやってしまおうとしましたが、今回の作業の中で最大から3番目のトラブルが起こりました。レーザー式の調整装置のレーザーが弱く、だんだんと消えていきます。電池が無くなりかけています。しかし、ドームの所定の場所には替えの電池としてLR42、LR44、CR2032、23Aが並んでいます。ここからCR2032を出して交換です。と思ったら、ありません。仕方なく母家に降りて、取ってくると・・・入れてある場所に、やっぱりありました。何をやっているのか。
ところで、光軸は、調整ねじを3カ所、半回転するほどで再びピシッとあってしまいました。取り付けた延長筒は、延長筒として立派に働いているようです。
続いて、8cm屈折ですが、取り付けて見ると、リングの位置を今少し動かした方が、安心してアリミゾに取り付けられることがわかりました。ここが今回のトラブル1番です。実は、先にあけた穴が、芯から少しズレていたのも気になっていたのです。しまい込んでしまったボール盤を再び出してきて、穴開けをしました。今度は慎重にピシッと真ん中に合わせてあけました。そして、組み上げると良い具合です。搭載状況も重心位置を狂わすことも無く、素直に取り付ける事ができました。穴一つの問題ですが、やはり、舐めてヤッツケでやると良いことはありません。
そして、実戦配備です。太陽を相手に、3鏡筒の同期を取りました。その際に、30㎝反射でのカメラによる撮影で、問題が出ました。一眼レフの頭にはペンタプリズムがあります。そして、その上にフラッシュが付いています。そして、それはレンズ側に飛び出しています。接眼部の高さを削るために用意したリングを使うと、接眼部にそれが当たります。ピントがある位置と、衝突する位置がほぼ同じとなっています。これが今回の最大のトラブルです。予定外ですがトラブルは予定外なものです。しかし、手は残しています。ここで、今一度光軸調整となります。主鏡セルの引きネジを3回転緩め、押しネジを3回転締めました。ピッチは1mmですので、これで3ミリ、焦点位置が3ミリ前になります。それで、充分な余裕を持ってカメラを取り付ける事ができるようになりました。これで試し撮りなんかもしました。しかし、夜にならないと当初の目的である周辺減光のチェックができません。
さて、夜です。対象は輝く木星を入れてみたのですが、どうも上空には薄い靄がある空です。ここで、木星を中心に入れた空を取っても、木星からのハローで判らなくなりそうです。しかし、輝星で無ければ、かえって空の明るさがあるので、周辺減光のチェックがしやすくなります。そこですぐ近くのM44プレセペ星団を導入、そこで撮ってみました。
結果は、メモリーカードを持ち帰って、画像処理しないと判りません。実は結構ギリギリのレベルの話です。F4で入る光線は、結構斜めからの光もあり、画面端では蹴られています。それを加味して、画面端を別にしてコントラストを上げると、画面内のカブリが、明らかに以前撮ったものと変化しています。画面内の30%程度が、カメラ側での蹴られが生じていて、同じように暗くなっています。しかし、中の映像は、古いものには明らかな中央集光=周縁減光があり、新しい方はフラットな状態になっています。
改造の効果が出ていると判断できます。もし、効果が無ければ、元に戻すという考え方で作成しましたので、現在でもネジを12本外し、6本を取り付けるだけで元に戻ります。実際、元に戻すのは実に簡単です。しかし、元に戻さずに済みます。
改造費用は購入物件がトタン板と取り付けネジで済みました。塗料やアルミテープ分を入れても三千円程度で済んでいます。それも、費用の大半を占めるトタン板は二千円で、ほんの一部を使っただけです。それに手間は、技術料のようなものですし、自己申告しても払ってくれる奇特な人は居ません。まあ、これで満足しましょう。
★★2015年04月23日(木)月齢4.6
月齢4.6
★★2015年04月24日(金)月齢5.6
月齢5.6
★★2015年04月25日(土)月齢6.6
月齢6.6
★★2015年04月26日(日)シーイング
30cm反射の星野対象での性能改善は成功しました。しかし、拡大撮影での能力が上がったわけではありません。光学的な計算から出る分解能が達成されているとは限りません。13cm屈折で撮った映像と比べると、屈折の方が細かく解像していることがあります。これは双方の光学的性能が、そこそこの場合でも起こる逆転現象で、シンチレーションという現象から起こる現象です。このような、見え方や写り方について、望遠鏡の世界ではシーイング(見えかた)という用語で表しています。眼視観測ではそれぞれの目の能力と準備・訓練が必要ですが、撮影では撮像素子の出力までのトータルな能力が問題となります。しかし、常に望遠鏡の光学計算上の能力が発揮できるとは限りません。それどころか、発揮できない方が多いのです。原因は、大気の動きです。大気の底にいる我々は、空気の動きによって星からの光が揺らぎます。そして、この揺らぎ方は決して一定では無く、せせらぎを流れる水を通して川底の石を見るようなものです。
シーイングには、ピカリングの標準尺度というものがあり、2つの表となっています。どちらも屈折望遠鏡を使った場合で、AとBの2つがあります。Aは口径15cm、60~100倍を使い、Bは口径12.5cm、60倍を使った場合について、恒星のデフラクションリングの見え方でシーイングを数字で表すものです。数字が大きいとシーイングは良くなります。
この中で、口径が倍になるとシーイングを示すスケール・ナンバーが2つ大きくなります。これは、口径が大きくなるとエアリーディスクが小さくなるからで、同じような大気状態では、口径が大きくなるとシーイングが落ちることになります。
また、口径が大きくなると、シンチレーションの受け方も大きくなる場合があります。更に、反射望遠鏡の場合、鏡筒先端が開放になっていて温度差による筒内気流が発生していると、シーイングは格段に落ちることになります。
このようにして、口径が大きいことによる不具合を受けて、絶対的な解像度そのものに逆転現象が起こる場合があります。
表紙絵に採用した4/23と4/25の月の写真をピクセル等倍で調べると、後者の方が細かく解像しています。前者が30cm反射、後者が13cm屈折での撮影とは思えない結果です。その上、シャッタースピードも30cm反射の方が格段に速いのですから、シンチレーションの影響も格段に少ないはずです。しかし、明らかに13cm屈折の方がより精細に写っています。
ここで、期待通りの性能を示さなかったことについて原因の追及が必要となりました。心当たりは一応あります。筒内気流が原因となっている可能性が高いと考えられます。ですから、この点について、対策した上での再撮影をするというのが次の手順です。GINJIは主鏡用のファンが標準装備となっています。これを使用して、温度順応を計るというのが具体的な手段です。では、また後日。
★★2015年04月27日(月)筒内気流、地震、月齢8.6
後日といいながら、早速確かめてみました。筒内気流が発生しています。昼間の気温が上昇し、それを受けて暖まった鏡から立ち上る暖かい空気が、夜の大気と混ざり合って乱れた気流を作っています。そこで、主鏡セルに取り付けられたファンを回すこと30分ほどで、かなりの温度順応を示し、筒内気流が収まりました。もっと直接的にファンで吸い込んだ空気をそのまま全て、鏡筒内へ導いても良いかも知れません。また、その温度順応のために像まで先鋭化していることは確かです。反射鏡の材質はBK7ですので、それなりの温度による歪みが出ます。それにも温度順応で一様になることが必要なわけです。ファンを使わない場合は、それに時間がかかり、温度が下がったと思ったら気温も更に下がってきてしまうということが起こってしまいます。温度を速く一様にするために扇風機がいるわけです。
ということで、原因が判り、対応手段で何とかなる事になりました。しかしながら、少し待つというのは、時間があくわけですから、それをしないで済む屈折という手もアリです。ただし、同口径であれば、屈折の価格は一桁上で済めば御の字です。実質的に性能を求めれば、口径15cmが上限ということになるかも知れません。勿論、性能が悪くても良くても、軽自動車一台分くらいの価格です。まあ、冷却CCDなんてものも高価格商品です。金をかけようとすれば際限の無い趣味です。宇宙望遠鏡を打ち上げようと思ったら数十億円からもう一桁。
ということで13cm屈折3枚玉アポが★秋津★の所ではお宝ということになります。まあ、こちらも色収差なんかに悩まされる事が無いので、月の縁に緑色が出るような某国製のバチモノなんかには負けません。
そういえば、大きな地震がネパールを襲いましたが、環太平洋の地震ラインは、そのままヒマラヤを超えて、イラン・イラク・トルコと続き、ヨーロッパアルプスの造山帯とつながっていて、勿論、地震帯です。地震が来ない場所ではないのです。大きな地震は間隔が長いので、そもそも忘れた頃にやってくるどころが、知っている人間が居なくなった頃にやって来たりするものです。
で、そのネパールですが、1975年の国王の即位式を始まりとしてみると、Mcが山羊の14度にあり、そこに冥王星が居ます。そして、進行の太陽がそこにスクエアとなっているくらいのスジしか見あたらないように思います。とは言っても、これだけ有れば十分という考え方もあります。統治機構としての存在意義を問われてしまうわけですから、世が世なら、そのまま隣国に侵略されて終わってもおかしくない位の配置です。被害は、今、報道されているより遙かに多いであろうことは明らかで、手を打つのが遅れれば、更に増えることでしょう。それが冥王星の働きです。救援隊が入れないとか、入っても何をすれば良いのか判らなくなっているというのも、その働きによるものです。天文学者が惑星から準惑星に降格させたとしても、働きは変わっていません。むしろ性質をあからさまに出すようになって来たのかも知れません。
月齢8.6
★★2015年04月28日(火)月齢9.7
月齢9.7
★★2015年04月29日(水)サクラ咲く、月の撮影
今年はサクラが妙に遅いと思っていたら、そんなことは無く、例年は5月の連休かその後に咲いていることが記録から判りました。つまり、妙に速く開花したわけです。例年、福寿草とクロッカスが先を争い、たいてい福寿草が制してましたが、今年はつぼみの段階でクロッカスが先に出て滑り込みました。そして、今までコデマリと誤って呼んでいた種類が一斉に花を付けます。あらためて調べて見ると、サクラソウ科の一種でプリムラ・デンティキュラータ/Primula
denticulata Smith/というものでは無いかと思われます。花1つの形は芝桜と大変に良く似ています。庭の中で相性が良いのか、雑草抜きの対象でもありませんので、どんどん増えています。オダマキほどは増えていませんが、それでも大した広がりぶりです。なかなか可憐で、頭頂部に丸く球状に花を付けます。やや青みのある濃いピンクから白まで、それぞれの色を出してマリのようになるので、コデマリかと思っていた次第です。図鑑によれば、分布はヒマラヤの1500~4500メートルの高山帯に自生するものだそうです。勿論、どうして生えているのかというのは謎です。希少種を密売する盗掘者が持ってきたとも思えませんので。まあ、そんなものが庭に生えているというのもまあ面白いかと。エゾアカゲラやクマゲラがご挨拶に来たり、オオルリオサムシが闊歩している庭ですので、たまに図鑑を調べると、時間がかかってしまいます。
たまに月を撮っていますが、やはり撮り方というのがあり、うまく出来たりダメだったりしています。その中で、撮りためたものを月齢順に整理してみると、やはり当然の結果として、満月以降が少なくなっています。夜半過ぎや薄明前に撮らなければならないのですから、仕事を控えた日はそんな真似は難しいわけです。冬場に4時頃に起き出して撮っているものがそれらの間を埋めています。夜通しというのはなかなか大変です。
その撮り方ですが、要は撮像素子に対して、どれだけの像を送り込めるかという、光学系の問題が一番にあります。月も太陽も視直径が0.5度ですから、焦点距離が1000mmだと9mm位の直径の円になります。35mm版では高さが24mmありますから、これに余裕を一割程度見込めば21mm位の像が欲しいと言うことになります。すると焦点距離は2300mm位ということになります。2本の主鏡は1200mmと900mmですから、カメラの前にテレコンバーターやバーローレンズを入れて調整することになりますが、どのように入れるかについては、簡単にはいきません。試行錯誤が必要になるし、あるところで固定して使うというのも再現性が悪くなります。こちらもチューブやリングをどうやって入れるかということも含め、結像性能を調査した上で決定しないといけないわけです。そして、使用時の手順を確かにしておかないと、何をしているのかが判らなくなってしまいます。
これらは、課題ということで。
咲きます