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★★2010年09月05日(日)NGC6819白鳥座散開星団
★★2010年09月07日(火)地震予知
地震研究が予知を主たる目的から、学術的な研究に舵を切ったのは、やはり阪神・淡路大震災が契機だったように思います。地震の予兆を捕まえようとして人員と機器を配備してきたのですが、これは日本列島の下に潜り込んでいく海洋プレートの動きに起因する地震が対象であって、陸塊同士のせめぎ合いによる地震で大被害は想定外に近いものだったわけです。
地震が起こる場所は活断層があるところであって、活断層は周囲の圧力により長い年月をかけて繰り返し動き、地震を起こしていくことが判っています。そこまで判ったところで、周辺の状況を詳しく追跡していけば予知が成功していくという信仰が生まれたのです。この時期に書かれた地震関係の本を見ると、根拠もなく楽観的な記述が各所に見られます。データが集まれば予知できる。それを書いた学者達は今どうしているのでしょう。まあ、大方は既にこの世を引退なさっているようですが、その世代のもう一つ上の世代の地学関係の方々には共産主義という信仰を強く持った方々が沢山いらっしゃったというのも、わたくしにとっては面白いことです。
科学研究が合理的なものだと信じたい方も多いようですが、突き詰めていけば信仰と何が違うのか判らない部分に辿り着きます。科学史をちょっとでも紐解けば、科学の「発達」は信仰からの脱却ではなく別の信仰に乗り換えただけと言う事が続いているのです。例えば、宇宙論では、天動説(地球中心説)というものから地動説(太陽中心説)、そして銀河系の発見、系外銀河の認識と連なっています。今は光の速度が壁となっていると考えられていますが、さあ、次に来るのは何なのでしょうねぇ。この世にある物質の量が足りないからダークマター(暗黒物質)があるとか、それらは引力ではなく斥力を持っているなどと、取りあえず判っていることでつじつまを合わせましたという代物がまかり通っています。天才やそれに次ぐような賢い方々が一生懸命に考えているようなのですが、10年とか20年すると引っ繰り返ってしまうようなことが続いています。だから、今最先端で言われているような説は、後で笑いものにされてしまうのが歴史です。
ひるがえって占星術ではどうでしょうか。いわゆる西洋占星術では場所を特定することが難しいという技術的な問題がありますから、地震については弱点と断言してもよいくらいです。しかし、経度程度の場所が判るようになると、それを地球上の地震帯に配当することは可能です。経度によって該当する地震帯は多くても3つ程度です。東経140度だったら大方、日本かなといったところでしょうか。
地震は忘れた頃やってくる。地震のこわさを忘れて、気が緩んだ時にやってきた地震が、大被害になるという警告です。地震予知がうまく行かず、取りあえずまだ来そうもないなと皆が思い込んだあたりが怖いということです。地震予知成功論の本の中に、予兆現象として動物たちの異常行動で予知の一端ができるという考えを否定し、動物たちの異常行動の原因を捕まえるのだと高らかに書いているものがありました。さあ、動物たちの異常行動の原因は何なのでしょうか。地電流だという話もありましたが、動物の予知行動そのものだった場合についてはアッサリと切り捨てていたわけです。そんなことあるはずがないという信仰です。
まあ、何はともあれ、自分の防災対策を立てておくことです。その始めが、何処に活断層があるのかという調査となります。最近はグーグルアースという優れ物がありますので、地表面に断層が出ていて地形に特徴があれは活断層と判ります。わたくしは毎日、片道50キロメートルほど、北海道主要帯と東北日本内帯の境目近くを往復しています。ニセコ山系と日高山脈の間に発達した平野を横切っていくのですが、この平野の歴史は浅く、第四紀層で柔らかいために基底部の断層が動いても表面には出てきません。しかし、間違いなく、この下には活断層があります。危険度はかなり低いとはいえ、何時来るのかは判りません。北海道という場所は三千キロメートルほどの海底が圧縮、褶曲して盛り上がった場所ですから、無事な場所があるはずがないのです。50キロメートルであれば、なんとか丸1日で、弱音を吐いても2日あれば歩いて帰って来られますし、被害甚大な場所は、断層の直上に限られます。だから、1日歩かなくても交通機関が正常に動くところまで出ればよいのです。
そして、どんなに震央に近く、激甚な被害を受けたとしても、1週間もてば助けが入ります。それまで生き延びるのが鍵です。
★★2010年09月21日(火)星図製作
このところ、ずっと星図作成にかかっていました。自分で作る星図では、銀河や星雲の形まで出すのが難しくなります。この点を諦めて、必要な位置情報と名称に絞ると独自の星図を作ることが出来ます。ここまで来るのにだいぶ紆余曲折しました。
コンピューターでも出せるぞと考えて作った最初の頃の星図は、とにかく出ていればよいというので、星や名称が重なってもそのままにしていました。また、プロットする天体も特段の考慮がないので、多ければ良いという代物でした。大きさはA3そのままで、製本もせずにバインダーに挟みました。実際に使ってみると重なって読めないのは星図として役に立たず、判読できない所は別のまともな(?)星図を見ないといけないのです。これで、最初の取り組みは、結局、市販の星図を使った方が良いという結果になったのです。チャートで言えば、感受点が重なってもそのまま出していたというものだったのです。
つまり、第2段階は市販の星図です。4冊買った全天恒星図はいつの間にか無くなり、実用全天星図が代わりに出ていました。沢山天体が載っているのですが、つまりこれが実用上、使いづらい点になってしまいました。何しろ小さいのです。ドームの中の照明を落とした状態では、満足に見えませんし、明るくしてもルーペが必需品です。図の大きさはA3ですが、開いたページの余りがある為に、最大A3が2枚横に必要になります。次に標準星図2000です。こちらも母家で見るのはよいのですが、ドームの中ではB4の見開きで縦B3のスペースが必要です。キーボードの上まで置かないと使えませんし、ルーペ必需でもあります。
常用星図の3つめは通称ベクバル星図、アトラス・オブ・ヘブンです。こちらは散光星雲や銀河の形まで出ていますし、色分けされていて大変に気に入っていたものです。しかし、図はA2版横の大きさで、更に開いたページ分が横に必要な巨大星図です。幾つかのサイズが出ていたのですが、一番大きな物を丸善に注文しました。その分見やすいものでしたが、その当時の機材ではそうそう散光星雲が写るわけでもなく宝の持ち腐れ状態でした。この星図は1950年分点で2000年分点は出ないのだろうと思っていたら、スカイ・アトラス2000というものがありました。出ている天体がほとんど同じという実質的に後継の星図です。さっさと注文し手に入れました。しかしながら、こちらも大きさは同じです。結局使ってみると、母家での撮影計画や結果チェックには良いのですが、ドームの中では使いにくいものでした。
そこで、第3段階として、星図をスキャナで取り込み、細分化し、インデックスを付けてひきやすくすることで、A4横のベクバル改とスカイアトラス改を作成しました。決して使いやすいわけではありませんが、取りあえず使えるのは確かです。ただし、実用として使い出すと、たちまち問題が出ました。
一応、メシエ天体はクリアしましたので、次の目標はハーシェル天体です。メシエの約百個強に比べて、二千五百程度、その内のめぼしいものでも六百個程度という量になります。この上のカタログとなるとNGC・ICですが、合わせて一万三千個余りあります。ハーシェル天体はNGC・ICカタログに入ってはいますが、ベクバル星図やスカイアトラス星図に出ているかというと、結構載っていないものがあります。それに需要がありませんからハーシェル番号を入れた星図はありません。このチェックの過程で先のベクバルとスカイアトラスが同じ基準であることが出てきたのです。必要なハーシェル番号を星図に書き込むのも良いのですが、手間が半端ではありません。また、第3段階の星図は極小星図で、星図を選び出して入れ替えなければならないのです。使いやすい星図が無いと、折角の晴れ間に機動が遅れてしまいます。
第4段階として、ハーシェル番号を追加した自作星図となります。その決め事の最初は、大きさの点です。試しで作って使ってみます。先ず大きすぎると判っていますが、A2を真ん中で折る形、つまりA3縦で出力し、見開きページにまとめるという形ですが、星図は見やすくなります。しかしテーブルからはみ出します。次にB3横ですが、ギリギリで大きく、マウスの場所がありません。続いてA3を折って見開きにする形にしたところ、場所は合格となりました。これをB4横にすると文字の縮小が顕著となって、常時ルーペか、星図の更なる細分化となります。
結局、使いやすい大きさは、見開きA3版横です。つまり、A3で出力し真ん中で折って製本したものが使いやすい大きさです。次に、常時ルーペとならない為の文字と星図の縮尺を決定します。結局、大きさと字の重なり具合から横方向30度、縦20度をカバーすることにしました。また、「実用」ですから見えない部分は要りません。北から20度毎ですから南緯50度までの7枚で、それより南はカットすると、星図枚数は78枚で済みます。北天と、髪の毛&乙女銀河団の拡大図にインデックスを最初と最後に付けますから83枚166ページのそれなりに厚い星図となります。
これが決まるまでに試作品を1つ作っていました。北天側の上下を逆さにして、目で見た方向に合わせてみたのです。結局は眼視でホッピングするわけではないので、星図のつながりを重視した方が使いやすい事が判りました。この合わせ目に一枚余計に使っていましたし、経度が詰まってくる北極星に近い60度分3枚をそのまま出していたので基本96枚、付図として例の如く北天と、髪の毛&乙女銀河団の拡大図にインデックスの100枚200ページの大作です。天体の重なりについては、目標天体名をチェックし、機械的にずらすようにしました。この点は占星術チャートのような高度なアルゴリズムを使ったわけではありませんので、いきなりプリンターに出してしまうのではなく、画像ファイルとして出力することにしました。画像ファイルを逐一チェックして問題が無いか確認する必要があります。また、判りにくいところに動いてしまった名称は、動かして判りやすい位置にするという作業もあります。こうして作った試作品で、実用に耐える物が出来ました。
最終稿をチェックしてプリンターで出し、二つ折りにしてスティック糊で片閉じをして、開く場所にはG13を盛り上げました。ガーゼで補強して表紙と背を付け製本は終了です。次いでシール・インデックスを付けて開きやすくし完成です。
これで、撮影対象の選別が出来るようになりました。The Skyとモータードライブによる自動導入とオートガイダーのコンビネーションも、システム化によって制限が無くなっていますので赤道儀側の体制は万全となりました。
★★2010年09月22日(水)フィルター格納場所に問題
デジタルになってから、星像が小さくなっています。昔のレンズとフィルムでは星像がにじんで大きくなります。また、それをウリにするようなフィルムもありました。ところがフィルムから撮像素子になって、フィルムの粒状性の元である銀塩粒子から光電素子に替わり、高精細フィルム並みの解像度が高感度でも維持されるようになりました。そして、レンズの方でもこれに対応したより厳しい結像性能を要求され、次々と新しいレンズがデジタル対応として発売されることになりました。この結果、性能の上がった光学系と撮像系、そして画像処理エンジンが相まって星像が小さくなったのです。良い広角レンズで星座を撮ろうとすると、何ということか、明るい星がにじんで大きくなり明るさを強調する現象が無くなってしまったのです。つまり、撮ってから映像を見ると、目で見たようには写らないのです。星は露出オーバーで色が飛んでしまうにもかかわらず、にじんできませんから、平板で明るさの判らない星座写真が撮れることになります。昔のレンズを使いたくなる原因となりますが、昔のレンズの方は別の収差も大きく、やっぱり昔の高級高価なレンズよりデジタル対応の安物レンズの方が良く写るという事情に突き当たることになります。
ここで、ぼかしを加えるフィルターの登場です。昔からぼかすフィルターはありました。銀塩の時代、ポートレートでも毛穴まで写るというといわれたレンズがありました。そのまま使ったら撮られた方も反乱を起こしますし、撮った方も収入が途絶えてしまいますから、ぼかしをいれて滑らかな肌に見せるフィルターを付けました。ストッキングをレンズの前に貼って撮ったというようなことも聞いたことがあります。
で、今となっては星を撮るのにぼかしを入れるという手を使います。注文をしようと思っていたのですが、機会を逸していました。そこへ割引のメールが入ったので、注文をしました。別のところで、これが良いというような宣伝をしているところがあったのですが、なにぶん、使ってみなければ判りません。その上、例として出されていた画像では、ボケ具合が大きすぎるように見えました。そこで、推奨品とそれより効果の薄いものの2つを注文しました。
フィルターはレンズに付けますから、サイズが合わないと付きません。手持ちのレンズのフィルターサイズは55、67、77mmとなっています。それぞれのサイズを2つずつ注文したら3倍の値段になります。そこで、一番大きな77mmを注文し、55と67への変換リングを合わせて注文しました。
そこで、問題が出ました。フィルターが2つ増えただけなのですが、フィルターを入れていた入れ物がオーバーフローしたのです。更に今後ともフィルターが増えることが予想されます。入れ物を増量する必要があります。数えてみると並みのフィルターが19枚、変換リングが13個ありました。この他にコッキンのフィルター4枚と付随する部品がそれなりにあります。結構な量ですから、デジイチと交換レンズ1本程度用の入れ物では足りません。良さ気なアルミケースもあったのですが、これまた結構な価格です。ちょっと考えないといけません。
★★2010年09月25日(土)嫁様液晶昇天
今から4年前にイイヤマの22インチモニターが突然使用不能になり、急きょ注文したエイサーの24インチ液晶ディスプレイが、昨朝、お亡くなりになりました。何故か電源が入りません。バラして回路の電源を追ってみますと、電圧はちゃんとかかっています。電源のせいではありません。しかし、電源LEDが点灯しません。他の原因と言う事になります。ウーファが使えなくなった時と同じような症状です。
この液晶、少々複雑な経緯で嫁様が使っていました。登場するディスプレイは、19インチブラウン管モニター、スクエア型の21インチ液晶、25.5インチと24インチ、21.5インチのワイド液晶です。
話の始めは、ドームのパソコンです。こちらでは19インチブラウン管を使っていましたが、何しろ大きくて重くて邪魔でした。何と言っても後ろに大きく張り出したブラウン管です。それが嫌で、何とかしたいと思っていたのです。で、商品の値段を調べると、何と安くなっているのでしょうか。メインで使っていたエイサーの24インチは10万円でした。嫁様が使っていた21インチは6万円でした。それが、何と25.5インチワイドで3万円です。お小遣いで買えます。それを注文し、到着したところで液晶の玉突きをやりました。ドームのブラウン管を放り出して、嫁様の21インチスクエアを奪いとり、嫁様には10万円の24インチワイドを引き渡します。自分は25.5インチワイドです。大画面です。昨年の春のことでした。但し、画面は大方、価格相応でした。実は、この時点で最も高画質なのが嫁様のところにあり、次点がドームにあったのです。
しばらくはそれで良かったのですが、だんだんと視野角の狭い大画面に不満足なところが蓄積されてきました。最後の決めが今年の年賀状作成です。画面の上下端に同じ色の物を表示させたところ、全く違う色になっていたのです。視野角の狭い安物で起こる現象で、多くの場合上下方向で特に目立ちます。嫁様からは返してもええでと言われましたが、今更、言えません。それに、ブラウン管モニターをポイしたことからディスプレイが足りなくなっています。また、メインマシンが、さすがに古くなってきていて、色々と延命措置が効かなくなってきています。サードマシンが御臨終したりしたので、パソコン本体も玉突きが必要になりました。そこで、本体と同時に、もう少し良さ気な液晶を追加することにしました。視野角178度で1920×1200の解像度が必要スペックです。選択肢はそう多くありませんでした。今調べてもこの商品しか出てこない感じです。
この後、ブラウン管モニターを放り出す為に、ドームに籠もらせていた21インチ(スクエアなので背が高い)を別のマシンで使い、ここに21.5インチのワイドを購入して入れました。これが現行の体制でした。
嫁様液晶トラブルで、急きょドームから呼び出された21.5インチのワイド液晶は嫁様テーブルに載っています。ドームにはディスプレイがないのです。満月で使わんから良いと言う腹はありますが、何時までもこのままとはいきません。どれにするか迷う嫁様を突っついて注文しました。選択のポイントは消費電力です。LEDバックライトでなくても消費電力の低いものがあります。視野角が狭くても良いというので、24インチで30ワット台の物を勧めました。何しろわたくしと違って、付けっぱなしです。テレビとパソコンが一日中ですから、馬鹿になりません。また、その使用方法が寿命を縮めたと言う見方も出来ます。消費電力最大110ワットで結構な電気食い、結構、熱くなります。付けっぱなしで、この夏の暑い中、より温度が上がります。やっと冷えてきたところで天寿を全うしてしまったのでしょうか。温度が5度上がると寿命が半分になるという研究もあります。
保証期限は遙か昔ですし、有償修理の基本料金で新しい物が買えます。エコだ何だといっていますが、こんな物が氾濫している時代です。
★★2010年09月28日(火)アルミケース、液晶
注文したアルミケースが到着しています。温泉一泊旅行の出発に間に合ったので、フィルター一式と共にアルミケースを持って出発し、行き先で整理しました。やや大きめでしたが、その分、充分な容量があります。こちらはこれで完了です。
行った先で早速使ったのがPLフィルターです。青い沼と言うところで、沼の水の色がコバルトブルーです。観光に訪れている方々がケータイからデジイチまで色々な撮像装置を使って撮影しています。しかし、その場で見た限りでは、この対象をより良く撮影するのに必要な偏光フィルターを使っている人は見あたりませんでした。D3を持ったおじちゃんは二人もいました。どちらもこれ見よがしにシャッターを切っていたのですが、レンズに偏光フィルターは付いていませんでした。見た目通り撮るだけならば何も無しでよいのですが、このきれいな色を出したいのであれば、水面の反射を防ぐことが必要です。こればっかりは後で画像をいじっても治すことはできません。色を塗ってしまうという手もありますが、それは写真ではなく創作物、もっと言えばインチキでしょう。そんな意味合いを考えながら、天体写真ではどうだろうなと、少々考える次第。暗赤色の色を真っ赤に表現してそれでキレイだとやるのはやはり違和感を持ちます。当然、赤外域の疑似色も同じです。
帰宅後、嫁様の液晶が到着しました。めでたく取り戻した21.5インチのワイド液晶は未だに自室の作業机の上に乗っています。昨晩から強い雨が断続的に降って、ドームに持っていくのがためらわれたのです。明晩は晴れる予定のようですので、セットは明日になるでしょう。