前月 2010年8月 次月 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
30 | 31 |
★★2010年08月01日(日)イワギキョウ
★★2010年08月03日(火)ああっ火木土天で壊れてゆく
やっと天気が夏らしくなり焦れていた天文台の出番です。準備に準備を重ねた成果の確認をしていく中で、2つの問題が出てきました。
1つは高精度の追尾をするようになったおかげで、像の形がはっきりと出るようになり40センチの光軸合わせが微妙にずれていることが判明しました。あわせるのはなかなか大変です。また、この関係で昼間の暑い気温と夜の寒い気温で鏡面変化が馬鹿にならない量になっていることが判りました。ファンを回して温度順応が必要になっています。
次に、新設計の電装ユニットですが、その内の36ボルト電源は容量が不足していた事が明らかになりました。50ワットあれば充分であったはずが、平滑用に入れていたコンデンサーやモータードライブ装置の突入電流、電源を入れた時の必要電流には足りなかったようです。その上に放熱は自然対流に頼るもので、隙間はありますが、密閉型に近い容器に入れたのも敗因です。この為、遂に電源だけお亡くなりになってしまいました。保護回路があったはずですが、余裕でぶっ壊してしまったようです。こちらについては別に24ボルトの電源がありますから、そちらで対応するとして、修理(?)が課題となります。
修理といっても、お亡くなりになった電源を容量の大きなものに換装するだけです。しかし、容量が大きくなると大きさも大きくなります。今回はケチケチせずに倍の100ワット対応のものにしましたので、かなり大きくなります。この為、最初の箱の中には収まらない事が判っています。別に入れ物を用意し、放熱にも気をつけないといけません。部材が到着してから入れ物を考えることにしています。
ところで、我が家ではもう1つ、お亡くなりになったものがあります。LAN接続のNASに入っているハードディスクが、何のアクセスもできない状態まで逝かれてしまいました。4つのうちの1つですから、換装できるはずなのですが、替わりのハードディスクがありません。諦めて本体にハードディスクを増設しようかと思いつき、「コンピューターの管理」でハードディスクをチェックしていると、メインマシンに3つ入っている内の一番古い奴が500Gでした。これを取り出し、入れ替えればOKだったのですが、いじくり回していて、お亡くなりになったディスクとペアになっていたディスクを入れ間違えたりする内にRAID崩壊まで辿り着いてしまって、最初からやり直しとなりました。取りあえずメーカーの違うディスクですが、そのまま動いてしまいましたので、結果オーライです。
ところで、このNAS、こんな調子で、次の没が出ると500Gの買い足しとなりますが、RAID5の1.5Gというスペックでは最近は大したことはなくなっていますので、本体内蔵のディスク増設を現在の最良の選択肢としておきます。今回のNAS停止でハードディスク1つを共有にしたところ、LAN内でしか使いませんのでNASより速くなって使い勝手が良くなりました。つまりバックアップの冗長性の強化機能しかメリットが無くなってしまったのです。
つまり、ここで500Gのディスク買い足しではなく、本体用の2G買い足しという技となります。
ということで、電源ユニットとハードディスクを注文しました。到着まで暇がかかるというのが通販です。勿論、飛行機に乗って買い付けに行くよりは安く済みます。当然ですが、こちらで一番近い大型パソコン部品店まで行く費用よりも送料の方が安く済みます。
★★2010年08月08日(日)ホタル、ASCの一撃
ホタル
ホタルの撮影をしてみました。予想以上に暗いので、感度を一番上げて撮ってもまだ足りません。そこで、高感度に設定して、ISO6400にして撮りました。それでも足りません。レンズはF2.8でこれ以上明るいものは持っていません。ただし持っていたとしても、このFでもピントが合う範囲が狭いのに、これ以上狭いと置きピンすら出来なくなります。ですから、感度の為に明るいレンズを使うのは条件が限定されます。
後は、シャッターをバルブで開けて繰り返し撮ります。この方法は流星を取るのと一緒です。ただし、星の方が明るいのは確かです。撮影中にホタルがいるあたりに懐中電灯を向ける馬鹿者が出現したり、見えないものだから仲間内で騒ぎ出す阿呆達が居ましたが、騒がしい奴らが居なくなって10分もすると、ホタルたちの通信が再開します。明るい室内からいきなり来たって足元もホタルも見えませんよ。普通の目であれば15分から30分しないと暗順応して見えるようにはなりません。
若くて静かなアベックがひとしきりホタルを見た後で、視線を空に転ずると星が見えます。アベックの女性の方は次々と星の名前を言いますが位置は判らないようです。男性の方は多くは知らないようですが白鳥座の形は判るようです。その内に女性のほうが銀河の様に見えている雲に気付いて、彼氏に同意を求めました。運悪く丁度良い大きさの雲が白鳥座の銀河と直角に流れていたのですが、直ぐどいて本来の銀河が見えてきました。女性の方が目が良いようで、2つに別れていたりする形を描写していました。しかしながら、二人ともどれが織り姫か牽牛かは判らなかったようです。
無粋に知ったかする積もりはありませんので、黙ってホタルを撮り続けていましたが、多分小学校程度の星関係の授業の知識を思い出して話をしていたのでしょう。女性の方は記憶が良くてベカ、アルタイル、デネブ、アークチュルス等々の英名が出てきていました。知識の断片を切り売りする今の学校教育の弊害で暗記させられたか、少しは興味があって憶えたのでしょう。ただし、実際の星を見る機会が、この北海道でさえほとんど無いというわけで、毎晩晴れていれば見える代物が、何処かに出かけていかないと見られないと思っているというのが一般の理解なのだろうと思います。
さて、ホタルですが、置きピンで撮影する為には、あらかじめ目標のピントを出さないといけないのですが、カメラに付いている照明装置を使ってピントを出す事が2重の理由で出来ません。明るくしたらホタルが警戒します。また、ホタルは地衣類ではなく羽根をもって飛ぶことが出来ますから、地面や木の葉で合わせても仕方ないのです。
ですから、昼間の内に目測しておいてそれに合わせる事が出来れば一番です。その場でトライアンドエラーの時間もありますが、ライブビューで見える明るさではありませんので、本当のトライアンドエラーです。これで写ればラッキーの世界となります。
ASCの一撃
火木土天でオポジションにASCが絡んだ瞬間、ドームからの階段の下りで滑り落ちました。転がり落ちたら手に持っている部品の破損だけではなく、大けがと言う事もありえます。しかし、不覚にも滑りやすいサンダルを履いていて滑ったのです。滑りながらバランスだけは保っていて、一段ずつ落ちていきました。落ち方は加速していきます。右の手すりと左の壁を使って止まろうとしてもなかなか止まりません。それでも減速に成功して最後には手すりにしがみつきました。手と腕にちょっとした打ち身で済みましたが、一つ間違えば大けがもあり得たかとゾッとしました。冬場はゴムの滑り止めを付けていたのですが、すっかり自分で夏場は片付けておけと言ったのを忘れていました。やっぱり戻さないといけないようです。その前に階段の掃除と塗装をしたいものです。まあ、塗装がガッチリと決まっているので滑るのですが。
★★2010年08月09日(月)ハードディスク動作、電源改良、光軸合わせ
土曜の夜に帰ってきて、先ずやったのは到着していたハードディスクの動作確認です。受け取った直後に玄関で落とした・・・と言う事でしたので・・・。結果は大丈夫だったので、ホッとしました。しかしながら、さすがに2Tバイト、フォーマットに時間がかかり、6時間か7時間くらいかかったと思います。無事に使用状態になりました。
そして、LANDISKの方も使用状態となったのですが、1000BASETなのにやっぱり時間がかかります。ボトルネックが何処かも調べてはいませんが、丸一日かかっても200Gも行きません。細かいファイルが沢山あるとひどく遅くなります。時間をかけてゆっくりやるしかないでしょう。
次に、望遠鏡の電源です。この作業はケースや追加部材の調達が日曜の夜になってしまいましたので、本日の作業となりました。日曜は地元基地の航空祭で、大変な人出となります。道路がメッチャクッチャ混みます。万単位の人間が動きますので、飛行機に乗れない人が出るほどです。ですから、夕飯を食べて潮が引いてからの買い出しをしました。
先ずケースです。何種類かを買ってきたのですが、横方向に1.5倍の幅のものを選びました。ただし縦方向に少し縮んでしまい、リレーの基板が入りません。上を5ミリほどカットしてはいるようにします。余裕を持って作っているので、可能なサイズ変更です。そして、電源ユニットとリレー基板を接触しないようにネジとスペーサーで分離して取り付けます。これでリプレイス可能となります。ただ、使ったケースはフタがありませんので、以前使っていたフタを切り欠いて付けられるようにしました。これで隙間が空いているのですが、電源が空冷ユニットですから、その分の換気用の穴を開けなくて済むというものです。
出来上がって動作の確認をしている時に、潰れたはずの旧36ボルトユニットを確かめてみると、ちゃんと動作します。捨てないで良かったというところです。モータードライブを省電力モードで立ち上げる場合は、問題なく使えますから、故障時の在庫とします。
続いて、40センチの光軸が微妙にずれていることが撮影から判ったので、その調整を約1時間かけて行いました。斜鏡位置を調製し、最後にレーザーコリメーターで、合わせました。合わせながら思い出したのですが、10センチ反射も斜鏡位置の関係で、光量の中心が少々違っています。教本にあるやり方では、光量の中心を視野の中心にすることは出来ません。中心を合わせるのではなく偏芯取り付けが必要です。楕円型をした斜鏡は口径比が小さくて近軸光線の角度が大きめの場合は、中心を合わせる従来の方法では光量中心が視野中心に来ないのです。それを考えながら偏芯取り付けをしてみました。早く確かめたいものです。
明日は新月だというのに、今週も天気が悪いようです。台風転じて低気圧となっての通過が怖い時期でもあります。ああ、晴天祈願、ドームは準備万端。
★★2010年08月13日(金)ミヤマカラスアゲハだそうです。
★★2010年08月14日(土)サブウーファ不調、α-Lyr
12日(水)になりますが、突然サブウーファに異常がでました。電源が入り、入力が接続されるリレーが入った途端、ビューイ、ボコボコボコ・・・と大音量のティンパニー、発振音?です。AVアンプの方が潰れたかと思い、ウッとなったのですが、入力ラインを外しても同じ症状です。サブウーファの内蔵ユニットの異常でした。AVアンプよりは被害が少ないとはいえ、被害は被害です。ゴミでも詰まったか、コンデンサーでもパンクしたかと思って一応裏蓋を開けてみました。リレーを含む入力系統は、更に保護用の入れ物に入っていました。ボイド中で、初めてのことは避けようと思い、次日のボイド明けを待ちました。
次の日、ボイドらしくすっかりサブウーファが潰れたことなんか忘れていて、足下に引きずり出してきていた邪魔な箱に足が当たって思い出す始末。ついでに復旧していないかなと思いましたが、全然ダメでした。内部基板をチェックして見ましたが、特段、外れたところや壊れた部品は見あたりません。発振音?で出力が入力にリークしてと思っても、ICを使っていますから、大まかな想像しかできません。結局、判らないままであって正常動作しませんので、没です。
後継ウーファをだいぶ調査したのですが、リプレイスする良い商品は見あたりません。場所の問題ですから、大きさが制限されます。同一メーカーで高さが大きくなっただけものもあります。これが一番の候補です。しかし、金を使う前にやることがあります。使えるので捨てなかった小型アンプが棚の上に乗っています。実は中古屋さんでも見に行こうかと思っていたのですが、地元の中古屋さんで確か2千円だったと思いますが、手に入れていました。その後、AVアンプとスピーカーのセットを手に入れましたので、お蔵入りしていたのです。この小型アンプは古い物ですのでステレオです。つまり、2系統のイコライザー、プリメインアンプが入っています。5.1とか7.1チャンネルはその後の時代です。
本日の作業です。不具合を出したサブフーファはアンプ部分が不調で、スピーカーに責任はありません。そのスピーカーにつながる結線を引き出して、小型アンプにつないでやるという手がが使えます。AVアンプからのサブウーファへの出力は、既に中高音がカットされ、ボリュームも連動していますからそのまま使える筈です。やることは簡単です。スピーカーへの接続を取って、用意したスピーカーコードをバスレフの穴から引き出し、小型アンプに接続するだけです。試しにつないでみると、良さ気です。
実は最初に試しにつないでみたスピーカーは、サブウーファのスピーカーではなく手持ちのスピーカーです。パイオニアの安くて音の良いと定評のある逸品を4個持っています。なんで4個持っているのかという話は別の機会に。これで、動作確認をして、ウーファ・スピーカーにつないでみたのです。
そんなことで、サブフーファの箱を元に戻し、試してみたのが宇宙戦艦ヤマト、マニアな方は「さらば」と言うとお判りでしょう。パイプオルガンで敵方が登場します。次はピンクフロイドの「神秘」。こちらを聞いている最中に、AVアンプからのサブウーファ出力をプリアンプにつないでいると、ボリュームを最大にしなければならず、この為回路の雑音が盛大に出ていることに気付きました。そこで、PHONOにつなぎ直すと、今度は正常です。ただし、雑音が全くなくなった訳では無く、やはり、お高い商品には負けます。それで言えば、正常動作していた時のこの製品の内蔵アンプは結構、優秀だったのです。
続いて、何となく「炎」を聞いていたのですが、嫁様から、「狂気」は、とリクエストが出ました。こちらも心臓の鼓動から始まります。
音の世界もうんちくと噂、思い込み、欺瞞に溢れた世界です。スピーカー1つセッティングで変わります。高価だから良い音かというと、相関しません。値段の張る製品には、性能グラフを良くする為に金をかけて音を悪くしている物すらあるのです。山谷の目立つ汚い性能曲線でも、良い音を出す製品があります。耳を頼りにしている人と、頼りに出来ない人がいます。頼りに出来ない人の方が多数を占めますから、市販品は当然他の部分に趣向を凝らすことになります。ですから、超高価格製品のコストパフォーマンスは非常に低い世界でもあります。まあ、確かに、どんなに良い品物だと言っても新聞で包んで売っていたら退かれてしまいます。
α-Lyrベガ
★★2010年08月16日(日)白鳥座網状星雲
★★2010年08月17日(月)半月過ぎ
★★2010年08月30日(月)久しぶりのドーム、メシエ71矢座球状星団
曇り、雨、体調不良、その他のもろもろの事情でドームに登る時間が昨年比3割以下となっています。ということで、高層に薄雲がたなびいていたり月が明るかったりする条件ですがスリットをあけました。オートガイダーを導入し、超高精度駆動が可能になっていながら、あまり試す機会がありませんでした。40㎝反射以外には電動経緯台でガイド鏡を動かすようにしていたのですが、今まで未確認でした。案の定、取り付けに難がありましたが、ネジを取り替えただけて解決し、使用してみました。大変に良い感じです。難を一つ言えば、赤道儀に経緯台を載せていますから、経緯台の動きは赤経赤緯とは違う動きをします。しかし、使ってみればすぐ動く方向で判ります。
先ず、赤道儀のクランプを緩め、明るい恒星を主鏡のファインダースコープで導入します。続いて主鏡に付いたカメラのファインダーで、恒星を真ん中にします。これで主鏡は恒星に向きましたので、モータードライブを恒星に合わせて自動導入の用意をします。コントローラーで恒星を選べばアライメント終了です。続いて、対象を自動導入で取りあえず入れます。そして、ガイド星を探します。これが新しいシステムでは簡単になりました。ガイド鏡のファインダーを覗きながら経緯台のコントローラーで明るめの星を選びます。使用初めだけオートガイダーのキャリブレーションを行います。
ここで、仮撮影です。対象がちゃんと真ん中に入っているかどうかの確認です。焦点距離が1メートル以上になると微妙にずれていることがあります。これを撮影して確認し、必要があれば自動導入を切って修正します。それから本撮影です。この繰り返しが撮影作業ということになります。
撮影された恒星像を調べて、長々焦点でピシッと決まっているのは気持ちの良いものです。
ところで、通常の望遠レンズ程度でオートガイダーがいるのかというと、必要ありません。手持ちのレンズでは300mmがありますが、撮像装置の1ピクセルは3.8秒角に相当します。ピリオディクモーションは±1秒角程度ですから充分に収まってしまいます。これで言えば、600mm程度の超望遠レンズでも大丈夫かというところです。最近流行りの望遠鏡を望遠レンズにするというやりかたでも高級短焦点屈折はこの程度の焦点ですのでオートガイダーが要らないという事になります。
しかし、赤道儀に精度の足りないものを使っていれば、当然、オートガイダーが必要ということになります。移動撮影が主体の方で、出来るだけ軽い機材となると、赤道儀が小さくなり、精度が足りなくなってオートガイダーを追加することになります。そして、大抵の場合、オートガイダーは電源やパソコンを必要としていて、新たにそれらを購入するとなると、結局はトータルで中型以上の赤道儀を買えるかも知れません。持って行ける限界に近い重量と簡便な操作性を持つU-150はその意味でもヘビー移動ユーザーにお勧めなのは間違いありません。それに、ユーハン工業では更に形態変化させたものを開発中と言うことですから、大いに期待できます。重さは、どうせ車で移動ですからね。今時、担ぐ方はいないでしょう。とは言っても、じり貧の分野です。何とかならないものでしょうか。
メシエ71矢座球状星団