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★★2009年12月02日(水)フル・ムーン気が変になりませんか
★★2009年12月03日(木)オートガイダー、LAN接続
オートガイダー
渋々と導入した天文ドームの中のパソコンですが、モニターを液晶にすることでスペースの問題は解消し、使いやすくなりました。しかし、要は高度な自動導入の為に使うだけのもので、それ以上の働きをさせることはありませんでした。
ここで、自動導入の他に、自動追尾(オートガイド)の能を果たさせるという計画が持ち上がりました。機器に慣れて高度な使い方や精度ギリギリの使い方をするようになると、ノータッチガイドでは失敗する例が増えてきた為です。本来、恒星時で動く赤道儀は、確実に極軸を合わせ精度良く動けば、何もしなくても天体を追いかけるはずです。しかし、色々な理由や条件、機械精度や大気差、シンチレーション等により、どうしても星を追いかけることが出来ない場合があります。また、移動速度の速い天体を追いかけるというのも、なかなか難しい話です。そこで、望遠鏡の焦点に別の撮像素子を置いて、対象の星を追尾するように動かす装置がオートガイダーです。
この装置には色々な方式があり、ミニマムな業界でありながら、結構、需要がある(!)ので選択肢がそれなりにあります。移動用の小型赤道儀で長めの焦点を扱おうとすれば、どうしてもこの手のモノに頼らないと撮影が成功しないという事情が背景にあります。原理的には簡単で、星が外れたらモータードライブのスイッチを入れて増減速させるというものですが、装置単体としてではなく望遠鏡や赤道儀、モータードライブ等全体のシステムとして働くものになりますので、オートガイダーの能書きだけでは性能が判りません。
一番性能を良くするには、撮影画像から外れた視野内の星を使って追尾させることですが、これには色々な制限があり、その上に追尾用の撮像素子に冷却型のCCDが必要になるという贅沢な機器になりかねません。高価な機材も増え、電源容量も沢山いることになります。
そうなると、次善の策として、鏡筒をもう一本追加し、そちらに追尾させるという手になります。市販の製品は大方これに当たります。パソコンいらずをうたうモノや、自動でセッティングするものなど、少なくともわたくしが知っているだけで6つの製品が売られています。もう一本鏡筒が必要ですし、載せる為に支持部分を強固にしないといけないので、小さな赤道儀には耐えられなくなるものもあります。費用のほどは使用者の機材の状況次第というところでしょうか。
能があればスイッチング部分を自分で作るところです。実は昔作ったことがあります。当時、某デバイスメーカーの新製品で高感度のフォトトランジスタが発売されて、それが星の光でイケルと言うことが判ったのです。それを2個注文して、並べて接眼鏡に仕込み、モータードライブをコントロールするようにしました。ステッピングモーターによる一軸のモータードライブをコントロールすることで、追尾させたかったのですがその形は失敗しました。フォトトランジスタを2つ並べるという発想は良かったのですが、2つの間隔が2ミリもありましたので、焦点距離700mmの焦点では月の3分の1の精度しか出ません。これでは標準レンズでも使えません。続いて改良したのが、モーターをちょっと速く動かしておいて、ガイド星から外れるとモーターを減速するという形です。フォトトランジスタも1つで済みます。こちらは結構実用的でしたが、モータードライブが一軸で赤経方向のみですから、極軸がちゃんと合っていないとやっぱりズレが出ます。それにやはり機材を担いで移動するとなると電源の確保が大変です。結局、完全手動ガイドに戻ることになりました。
さて、パソコンいらずのオートガイダーもメリットはあるのですが、今はドームで使うのですから、無理をする必要は無く演算はCPUに任せるのが得策と判断しています。自動導入装置は独立して動きますし、この点ではよい選択をしたと今でも思っています。
LAN接続
と言う事で、オートガイダーを導入するつもりで、パソコンを整備することにしました。こちらは古いマシンと言うこともあり、本当に必要最小限の機能ということで、WindowsXPに望遠鏡コントロール用のThe Skyを入れ、撮影の合間の暇を潰す為の音源再生ソフトとDVD再生ソフトを用意しただけで使っていました。今までは、それだけで問題はなかったのです
これを家のLANに接続することにしました。何しろスタンドアローンのマシンです。「コンピューターが危険にさらされている」とうるさく言ってきましたが、本当にマイクロソフトはしょうもないOSを作ります。閑話休題
車庫を造った時は、電源の配線が必要ですから、それはしましたが、LANの事まで考えるはずがありません。LANケーブルでつなぐのは不可能ではありませんが、いつ線を切るか心配です。そこで、離れたところでもつなげるといったら、もう皆様、御存知の方法があります。何はともあれ、アダプターを取り付けて見ますと、アッサリとつながってしまいました。これで、サーバーとのやり取りも印刷も出来ます。オートガイダーとの接続と共にカメラのコントロールや撮影画像の転送も出来ます。
カメラのコントロールと言えばナイコンはカメラコントロールソフトを売っているのですが、試し版を使ってみたら、バルブを使えない事が判りました。買わんで良かった。
ドーム・マシンにまでウイルスソフトを入れるのはいやですので、インターネットの接続は切っておいて、LAN回線だけの接続にしておきます。そうすれば、古いマシンでもちゃんと動きます。
次はオートガイダーですが、少々迷っています。それ程安い代物ではありませんので・・・。買ってからゴミとなってしまうと泣くに泣けません。既に現金が用意されているのですが、慌てていないということで。
そういえば、予約した撮影用の鏡筒は年内に納品の予定と言っていたのですが、何も連絡が来ないですねぇ。予約数が足りないのでしょうかねぇ。こちらは待ち遠しいのですが。
★★2009年12月10日(木)ペルセウス座散開星団NGC1528
★★2009年12月13日(日)近所で事件、ドームの机、天文界
近所で事件
お坊様も走る月になってしまっていますが、一応慌ただしく毎日が過ぎています。そんな中でこの週末は近くで事件が2つ起こりました。1つは遊漁船転覆というニュースです。立ち入り禁止の防波堤で釣りをしていた客が遊漁船で帰ろうとしたところ船が転覆、防波堤に飛び移った一人だけが生存者で6名死亡、全員、自衛官の同僚だったと言う事です。何が悪かったのかはこれから調べられるのでしょうが、死人は戻りません。続いて、今日、近所の高速道で横転事故があり1名死亡1名意識不明の重体と言う事です。こちらも会社の同僚で登別からの仕事帰りだったというのですが午前2時5分頃という時刻は何の仕事なのでしょうか。年の瀬が押し詰まっても葬式だけは待ったなしです。
ドームの机
今日はドームの中の机を更新しました。野外用の折りたたみ机を使っていたのですが、安定が悪いことと机の下にものが置けないという欠点を我慢して使ってきたのですが、モニター落下の危険を感じましたので、作ってしまいました。自分で作るのだからサイズは自由です。とは言っても、それ程変わる訳ではありません。ただ、星図をA4版で作ったら、小さくて見にくいので、一段大きくして使えるように机も少し拡張です。実際の作業時間は1時間ちょっとで出来ました。生木で味を出せるような材料を使っていないので、天板はフェルトを貼り、足は白ペンキで塗りプラス1時間の作業です。これで、大分やりやすくなります。
天文界
他人が撮った日蝕の画像を加工して自分の撮影と偽って世に出してしまった事件がありましたが、その画像を使ってしまった雑誌の特集に天体写真の創作モラルと銘打ったモノがありました。面白いと言えば面白い企画ですが、やっぱり内輪ネタでしかありません。天体写真は機材にかなり依存し、その上に根性が無いと撮れないという代物ですから、雑誌でコンクールを行えば、機材に投資が出来て、更に暇があるという今の時代ではかなり幸運な方々の集まりとなり、結局は機材の情報と宣伝を行う作例紹介であり、合わせて他のページにはメーカーと販売店にべったりの記事が並びます。結局はマニア或いはマニア希望者に受けても、大方が付いて来ないという状況から、ますます閉塞する事になります。まあ、広告の少なさではピカイチだった月刊天文、その昔の天文と気象ですが、これが一番先に無くなってしまったというのが、世の趨勢を示しています。一番学術ぽいのが月刊天文でした。今生き残っている天文誌の中身から宣伝とその関係を取り除いたらどれだけページが残るでしょうか。それが悪いって事ではないですが、CMが要らなければ、必要が無いって事になります。わたくしは、ほんのたまに買うだけで結局業界の商品状況を掴もうとしているだけですから、毎号買う気になれません。
つまりはビジネスモデルとして学術バリバリは受けなかった。それは当たり前で、目的が違うのですから。続いてのモデルとしては、グッズの販売に関わる販売促進です。これは広告収入で何とかなるレベルを維持できた訳です。しかし、尻つぼみになってきている。これは不況のせいだけじゃあないことは確かです。
そして、本当に必要なのは学術部門とタイアップした啓蒙活動であり、社会運動にまで高められたら言うこと無いという文化向上モデルが本当は必要だったのです。そして、教育の場では天文というのは隅に追いやられています。大切な部分を無視して太陽の動きや惑星の動き、楕円軌道なんかを暗記させているのです。
その割りには占星術が廃れませんが、面白いものです。科学的と宣伝されるモノが全てではないと言うことは、皆さん実は判っていることです。占いって文化ですからね。
天文普及にイベント頼りも仕方ないのですが、鳴り物入りの国際天文年と日蝕のイベントが終わったら、もう後はありません。ブームがあったとしても冷えていく一方です。この間に、どれだけ客から金を搾り上げようと努力したのか、それとも将来への種をまけたのかなんですが、あまりまけていない様子のように思えるのはわたくしだけでしょうか。
★★2009年12月18日(金)物欲、星は昴
天文誌の悪口を書きましたが、嫁様が今月号を買ってきました。これを見ると物欲が刺激されます。(そう言う代物ですから)。しかしながら、物欲があっても先立つモノに余裕が無ければ、物理的な問題とはなりません。★秋津★に何十万もポケットマネーがあるはずもありませんから心配ないとも言えます。世のお父さん達の中には、何とかひねり出す手を持っている方がタマにいて、後で家庭争議となったり冷戦の始まりだったりするようですがねぇ。財形をこっそり解約したとか、貯金を降ろして使っちまったとか・・・。
今回物欲を刺激されて屈折鏡筒を予約注文したのは、反射ニュートン系では斜鏡支持金具による回折が輝星で出るのを嫌った為です。40センチ、25センチ、16センチの反射は4本の支持金具で十字線になります。また、10センチ反射は3本の金具で6本の光条が出ます。スバルみたいな星団できれいに出るとそれはそれできれいです。でも邪魔な対象だってあります。この点はマクストフ以外の反射型アストロカメラでは宿命です。そして、斜鏡掩蔽による像の悪化、具体的にはデフラッションリングの拡大ということから、光学的に口径からの数値による性能が出ないというのも宿命です。ワンランク下がってしまうのです。
そうなると屈折ニュートン系で色収差を除去したモノが、物欲の対象となります。こちらは高額商品が揃っています。口径が15センチという反射では小型機に相当するレベルでも百万円以上の価格が付いています。口径15センチの高級屈折の性能は20センチの反射程度ですから、価格対性能でも反射型の勝ちですが、一般的にメンテナンスの要らない屈折が人気となる訳です。
今回の予約は口径8センチ、焦点距離480mmです。言ってみればカメラの超望遠レンズレベルです。最近はバードウオッチャーが天体望遠鏡の直焦点が超望遠レンズとして使えると言うことに気付いて、中でも性能が良く軽いボーグが人気になっています。口径77mm焦点距離510mmが8万4千円、口径101mm焦点距離640mmが16万8千円ですから、暗いレンズとはいえ、日中に鳥を撮るには充分です。オートフォーカスでなくてマニュアルではありますが、メーカー物の望遠レンズより解像度が高いことから人気が出ている訳です。勿論、こちらより性能が良いということで予約しています。
ところで、物欲の対象でもあり懸案だったオートガイド装置ですが、これが良いかと思った機種を占ってみると、それ程良い卦が出ません。販売店が悪いかなと思って、替えてみてもやはりそれ程、良い卦が出ません。かまわず注文するのも、やめておくのも決断次第です。結局、少しでも疑問の点があればやめておくのが良策と判断しました。
本当は早く欲しいのですが、露出を短くすると何とか使えていますので、これで誤魔化す方法を取ります。ただ、明るさの暗い鏡筒がラインに入れば、必然的に露出時間は延びますから、どうしても必要になります。とは言っても、こちらに用意した予算を地デジに使ってしまうことも有り得るので、何とも。
さて、物欲の次の候補部品が出ています。カメラアダプターです。Tリングと言いますが、安物・・・安物しかなかったのですが、カメラがきっちり固定できていません。せめてカメラレンズを付けた時くらいには、固定されて欲しいのですが、かなりのガタがあります。そこに高精度をうたった製品が出てきています。価格は4倍以上して、1つ1万円です。こちらも急ぎませんが、何れ更新です。
星は昴
★★2009年12月20日(日)新しい星図、カメラコントロール
新しい星図
ドームの中の机を更新した結果、使うことの出来る星図のサイズが大きくなりました。A4横が限界だったので、これに合わせて市販の星図を再編成して細分割星図を作りました。勿論、見やすい代物ではありません。枚数が多くなって、目的の星野を出すのに苦労しました。大きくしたといってもA3横が置けるようになっただけですので、市販の星図はB3やA2の大きさが必要であり、それでは机の空きスペースからはみ出します。A3の大きさの手持ちの星図は必要な情報が入っていないという古い代物になってしまうので結局、大きくしたのに使える星図がないという事態になってしまいました。
で、今度はA3横で星図をイチから作ってしまうと言う方法を取りました。やり方としては1枚の星図を縦30度、横45度として、北極星から南緯50度までの緯線方向を5分割、赤経方向は8分割として合計40枚の星図になります。これらの条件は、市販の星図をコピーして切り貼りするのとは違い、プログラムから出力しますので自由に出来ます。Webでフリーの星図を公開している方もいらっしゃいますが、縦構図のものですので直したくなります。しかし、大方PDFですのでそう簡単にはいきません。わたくしが欲しいのは、星図と言っても、その目的が主にNGCの中の主要な天体を撮影まで持ち込む為の資料です。ですから、恒星についても精々8等級で充分、6等まででも良い位であり、撮影の記録を書ける事が大切です。
星図プログラムは結構長い事暖めてきています。Stargazerのプラネタリウムはその1つです。何枚か試しを出してチェックし、40枚を出力しました。その他に目次部分となるものを作りました。細分割星図では隣の星域に番号を入れて移動を楽にしましたが、ビジュアルな目次がない為に、使い始めで大分もたつきました。慣れる時間もなく次の展開となりましたので、こちらはお蔵入りです。
細分割星図を引き上げて、新しい星図をドームに上げて使い具合を確認したところ、やはり格段の使い勝手の差です。問題は、晴れている時に風邪気味で自粛モード。頑張って登るとガイドのエラーに泣かされることが度々。さて、その為のオートガイド装置ですが、頼むぞというところまで来てから引き返しましたので、気合いが削がれています。
カメラコントロール
削がれた気合いが復帰しないのは、考えていた機種の性能を充分に出すには、位置制御用カメラの性能を上げなくてはならず、その分予算オーバーすることと、赤道儀とカメラ等の接続がどうしても自作レベルの手を入れることが必要だからです。
赤道儀のモータードライブとの接続は、その昔の装置の中には特別な接続ユニットが必要になるものがありましたが、いまではコネクタ形状の問題だけになっていますから、変換するかコネクタを付け替えるかすれば良くなっています。しかし、部品を持っていませんから、その注文から始まります。高くても数百円のものを送料手数料を払って通販で手に入れるのが最も安い方法です。直付け専用ケーブルを注文したら、桁違いの高いことをいわれるのは確実です。
また、カメラとの接続というのはシャッターのコントロールの為の接続です。折角、パソコンとつなぐのですから、シャッターもパソコンで設定出来れば、手がかからなくなります。現在はキッチンタイマーを使って開始、終了、ノイズリダクション時間を手動で設定しています。結構手間です。
これらの機器にはカメラのコントロール機能を持っているものがありますが、わたくしが嫌いなメーカーのカメラ用です。それはカメラ本体にミニステレオジャックをコントロール用として付けているものが多いからです。これであればメーカーの承認無しでケーブルを作れます。これに対してナイコンのシャッターコントロールは、大きく2つに分かれます。ワイヤレスリモコンでバルブが用意されているD70からの形式のものと、10ピンターミナルを使うものです。ワイヤレスリモコンを改造して使う方法は自己責任で使えますが、ナイコン10ピンターミナルは勝手に使う訳には行きません。そこでリモートコードでプラグからの出力を接続する事で使えるようになります。ただし、これはワイヤレスにはなりません。純正オプションで用意されている10ピンターミナル用ワイヤレスリモコン、ルミコントロールでも、USB接続で使うカメラコントロールでもバルブは操作できないようになっています。つまり、何かと制限があるのです。
まあ、実は10ピンターミナル用のワイヤレスリモコンがサードパーティから出ています。ベルボンから2種類あり、どちらもD70系と10ピンターミナル対応で、バルブが「タイム」で出来ます。こちらのリモコンを改造するのが最も速い方法でもあります。
しかし、予約鏡筒入荷の連絡が来ませんねえ。年内にはといっていたのですが・・・。20年も経って納入された木製鏡筒の話が頭をよぎります。
★★2009年12月21日(月)木星と月、見えないけれど海王星
★★2009年12月25日(金)ドーム内パソコン机更新
★★2009年12月26日(土)M46&M47
★★2009年12月27日(日)代理店
メールの返事が来ません。年内に納品という予定であると聞いて、予約注文した品物、何回か書いていますが大陸中国製の8センチ鏡筒ですが、これに対して、年内が残り少なくなった為に、問い合わせのメールを打ちました。23日のことです。その後Webページのブログは2回更新されていますから、読んでいないと言うことは無いでしょう。
販売店を銘打って、注文をEメールで求めるページを持っています。Webで、問い合わせに返事が来なかったというのは、実は初めてです。他の分野では、車庫の見積もりで連絡をしたら、後で連絡をいれると言ったきりでなしのつぶてだった市内工務店の例が一度あります。その工務店は、二階建ての立派な事務所がありましたが、昨年、突然入口に精算される旨の紙が貼られ、きれいさっぱり中身が無くなっていました。今年になって事務所は売れたらしく、事務所の壁が派手に塗られましたが、何の会社が入ったのかはまだ判りません。
予約品ですが、予約金を払った訳でもないし、双方に契約が結ばれたという事でもありませんが、頼んだのは事実です。それに対して、問い合わせの答えが、未だ判らないとしても返事はするものだろうと思います。信用の問題に関わりますから、わたくしであれば何とか連絡しますし、問い合わせが来る前に、状況報告をします。まあ、こんな自称業者もいると言うことです。製造元の晶華光学股分有限公司という中国企業は、こんな取引先を持っているとすれば、どんな性能の良い物を作ってもOEM生産から独自ブランドを立ち上げることは出来ないでしょう。
外国製の商品の場合、代理店契約を結んでいるところであれば、不良品や修理の対応が一元化されていてそれで手こずると言うことはありません。最近は直接取引も簡単にできるし、その方が安いのですが、海外の製品は不良品の率が高くて、製造元の責任の場合でも現地語でのやり取りをしなければならないし、途中の運送会社の責任ということになると又時間と手間がかかります。先年、ミードの専属代理店が潰れてしまい、持っていた人達が難儀をしたのは記憶に新しい出来事です。ブランドというものに付随して、代理店の役割は結構大きいものがあります。そして、その代理店となる業者がこれでは、ブランドの安心を買うことが出来ません。ミードの専属代理店がなかなか決まらなかったのは資金力も必要だからであり、個人経営のようなところでは投資すら出来なかった為です。
ブランドはブランド名の知名度が高く、性能等の商品満足度も良く、安心していられるから当然、それらに対してコストがかかり価格が維持されるのです。望遠鏡でいえば今はタカハシがトップを走っています。そしてそれを追うビクセン、ケンコーが生き残った望遠鏡メーカーです。今では性能でタカハシを抜くことはかなり難しくなりました。それは技術的な問題からです。大体行きつくところまで来てしまったのです。デジタルカメラで色収差が出ないところまでの性能を出す事が出来るようになってしまったのですから、それを超えるオーバースペックな性能を付加するという方向では、コストの問題を度外視するしか方法はありません。でも、同じ物を作ることは出来ます。そうなると、コストを下げて価格を下げるという方向が出てきます。しかし、これでは勝負になりません。ブランドに無名メーカーが挑戦しても、性能は同じで安いバチものという評価しか出てきません。まして、販売ルートや不具合対応などのノウハウはブランドものの一人勝ちです。
一般の方にとっては、鏡筒の部分が「望遠鏡」です。興味を持っている人になって、やっと三脚が追加される程度でしょうか。高い倍率や長時間露光にはそれなりの性能を持つ架台が要るなんて事は念頭にありません。それでいながら倍率の高いものがよく見える高級品であると考えています。世界に誇る日本の教育の成果がこれです。それでも、楕円軌道を知らない人はほとんどいません。実生活の役に立たないことをやるなとは言いませんが、単なる暗記教育しかやって来ていないことが、世に出てから祟るのは間違いのないことです。閑話休題。
この望遠鏡(鏡筒)ですが、市販の物は大きく屈折型と反射型に分かれます。その性能についてのうんちくは後にして、それらのデザインが問題です。対物鏡とそれを納める主鏡セル、そしてピントを合わせる接眼部、その2つをつなぐ筒の部分、そして、屈折型であれば大抵フードが付きます。更に通常の場合、副鏡(ガイドスコープ)が付きます。そして、鏡筒だけでは使えないぞと言う出だしの話から、架台との接続に鏡筒バンド(マウンティングリング)が必要です。これらをデザイン的に統一して「美しく」できるかが、これからの鍵になります。
というのは、性能をウリにしても、先ほど書いたように今の技術はそれなりの性能を持つことが可能になっています。つまり、後は如何にコストを下げていくかというところにいるのです。従って、資本主義の原則からすると最高の性能でコストを押さえることに成功したら市場を支配できるはずです。ところが、現実には価格を下げることに成功しても市場を席巻できていません。それは、勝負を価格だけでしようとするからです。性能が拮抗していたら、既存のブランドの方が選ばれます。それは製品そのものだけでなく、不具合が出た時の対応を含め気持ちの安心と満足があるからです。ですから、規定のブランドに切り込むには、価格だけでなく品質管理やアフターサポートについてのシステムがあることによる安心を作ると共に、デザインの充実を計らなければならないのです。
日本の望遠鏡メーカーは、市場規模の縮小で撤退を余儀なくされ、一般向けに生き残るは数社、そして、マニア向けの何社か。それらの製品を見ると、正直なところデザイン的に優れているかと言えば・・・。デザイナーにやらせた仕事はないように見えます。ここに、他社の切り込む余地があります。性能で切り込んでも負けないだけでしかないのですから、他の点で優位を取らないといけません。また、日本メーカーの製品はケースが付属しないのが当たり前です。デザインはそこまでも考えて作られていないといけないでしょう。
カメラでは、それ程変わった形には出来ませんが、それでも色は変えられます。ペンタックスが百色のカメラを出しましたが、これだって、特定の部分の色が違うのを出しただけで、色を変えて持ち出せる訳ではなく・・・着替えするように変えられたら良いのになんて思いますが、性能が充実していないで、そちらに力を使っているのであれば受け入れて貰えないでしょう。その点、望遠鏡は構造が単純です。単純であるが故に白鏡筒、つなぎは黒という定番が存在します。日本の業界では色物はダメだという評判もあります。
最近はバードウオッチャーの方々が、カメラメーカーの超望遠レンズより、出来の良い望遠鏡(鏡筒)の方が写りが良いし、何よりも格段に安くつくというのでブームになっています。それで、白い鏡筒では目立つので迷彩のフィルムを貼ったりしますが、これも張った姿が美しいとは言えないことが多々あります。オモチャに見えるようなデザインですが、このあたりを解決したら市場を開拓できそうです。というのは天文屋さんよりバードウオッチャーさんの数は桁が幾つも違います。星はそれ程変化しませんが、鳥くんは、言ってみればデザイン重視でしょう。そうなるとフードに金の線一つ入っているだけでも高級感が出るモノもあります。それはカメラ・レンズの世界です。逆にラインを入れて安物に見えるモノもありますが、フード、鏡筒の色を選択するのではなく、変えられるようにするだけでもユーザーの好みを活かすことが出来るようになります。しかし、その方向へは無駄だと思っているのか、製品が出てきません。やはり大メーカーが動くような世界ではないのかも知れません。
海外の望遠鏡の製品を見ると、国内の色物は難しいと言う定説とは裏腹に、色々な色使いがあります。白と思ってもパールホワイトメタリックだったりするようなものもあります。変わり種ではアメリカ国旗なんてのもあります。フェラーリの赤でちゃんと馬のロゴが入ったものがありますが、さすがにそれには退いてしまったりする弱気な★秋津★です・・・。日の丸を書いて七生報国を筆文字なんてのも、もしかすると受けるかも。
ただし、反射型の鏡筒では黒と白がほとんどで他の色を使っているのは大変に珍しいものになります。タカハシのεのオレンジは現行、既に販売終了のMTシリーズの初期モノにある青竹色(浅緑?、アイスグリーン?、ウォーターグリーン?)これはこれで気に入っています。我が家の40センチ反射はミントグリーンと名前が入っている塗料で塗りました。どう見てもスカイグリーンに見えますが、退色して色が薄くなっているのかもしれません。きわめて薄い緑ですが、まあ、珍しい口に入るでしょう。
正直なところビクセンもタカハシ、ケンコーもデザイン、色使い、塗装の様子が良いとはお世辞にも言えません。ダサイのです。それを売りの一部にしている気配もあります。赤字でメーカーのロゴをいれるのも勘弁して欲しい感じです。真っ白の鏡筒に黒い接続リングや接眼部というのにはまりすぎているのです。黒の部分の色を変えるだけで変化とも思っているようです。
さて、長々と書いていますが、要はウチの嫁様はデザイン重視、わたくしは性能重視であって、財布を握っているのは嫁様でございます。何とか10万円を新鏡筒に用意して貰ったのですが、入荷しないのですから、他を当たるかと見ていると台湾のメーカーの製品が目に付きました。性能はかなりの満足出来るレベルです。そして、嫁様が「それは良い」というのがあります。嫁様が言うのは、「デザインが良いのならもっと出す」ということです。しかし、一応のラインナップがあり、それぞれにデザインが違います。ケースも色々です。口径9センチのものか11センチのものに白羽の矢が立ちますが、鏡筒色、白に金リングです。鏡筒バンドの黒に銀のネジで、わたくしの目から見てもおしゃれですね。我が家のU-150、白に黒リングの赤道儀にマッチすることは間違いありません。これではデザインだけでもMAXVISIONでは勝負になりません。台湾のメーカーで正規代理店が日本にあるということでブランドとしての要件を備えています。代理店という意識のないところに支払う予定だった10万円については年内に納品の話が決まらない場合は没収され、新たに台湾のメーカーに対してその1.5倍の金額が予算化される運びになっています。その金額で買える上位機種が予約したところにあり、最上位のものでもオートガイダーの予算をぶち込めば買えるのですが、赤リングが却下の最大の理由でもあるのですから選択肢から外れています。と言う事で、500mm程度の焦点距離の高級屈折鏡筒が欲しいと言う話は来年のことになりますね。
★★2009年12月29日(火)M44かに座プレセペ星団
★★2009年12月30日(水)メールの返事、メーラー
メールの返事
待っていたメールの返事が来ましたが、年明けのいつになるかを再交渉するという内容でした。期日に来ない、というか、期日を守れないということは有ることです。しかし、優先順位という点からすれば、まあ、それだけの相手として扱われているのか、嫌々やっているのか、ブランドを立ち上げようという気があるとは思えません。まあ、海千山千の方々相手は大変だとは思いますが、何れにしても代理店相当ということではなく有り体に言えば、ばった屋さんと同じような商売になっています。
そう思って、天文の世界の業界を見ると、店舗を持っているのが立派なくらいで、通販の住所をグーグルすると、普通の家宅がストリートビューで出てきます。それで居て正規代理店なんて書いてありながら、商品は在庫限りとさせていただきますなんてあるのを見ると、ある意味、素朴な感動すらおぼえます。業界が縮小なんて話題に載せられたと思いました。これでは業界なんて存在しません。申し訳ありませんが、わたくしでも明日から出来ます。その商売。
さて、何の為に500mm程度の焦点が欲しいのかというと、屈折で馬鹿高くならない程度の大きさから選択したものです。手持ちに10センチF6反射があり、焦点距離600mmです。これにレデューサーを付けると470mmになります。色収差も出ないし、ナイコンDXサイズで取るには、そこそこ良いものなのですが、6本の回折光条が出ます。同様に10センチF5のアクロマートレンズがありますが、美しく(激しく)色収差が出ます。どちらも星団を撮るには、意外とと見栄え良く撮れます。これの高機能版という訳です。
この10センチF5のアクロマートを口径を絞って5センチF10にしてやると、色収差が出ないというか、暗いから出にくいというか、結構良い像となります。但し、暗いので露出時間がだっぷりとかかってしまいます。
高級屈折の場合、10センチより口径が大きくなると、価格がもの凄い勢いで上昇していきます。その上にF値が暗くなり撮影上、色々と問題が出てきます。ですから、狙い目の対象は口径が8センチくらいから10センチくらいまでの高度な色消しとなっているアポクロマートという訳です。製品としては、実は結構競合しています。良く考えないといけませんねぇ。やっぱり。予約物件は、こちらの予算状況もあってキャンセルしました。
メーラー
ウインドウズ7になっておまけで付いてきていたメーラーが無くなりました。それで、幾つか試した結果、国内某社のスイート製品に含まれるものを仕方なく使い出しました。迷惑メール対策は厳重に出来ているようで、スパムの扱いは巧いのだと思います。しかし、スパムなんか来ないわたくしのところでは、何のメリットもありません。複数のアカウントの使い回しが見にくかったり、メール作成時のエディタが非力、添付ファイルの扱いが面倒などというようなこともあって、嫌気がさしてきていたところでした。
使いにくさを我慢してメールを作っていたところで、メニューバーの下のアイコンバーに校正実行というアイコンがあることに、やっと気付きました。クリックしてみると・・・○○がインストールされていません。○○をお使いいただくと△△はもちろん・・・とメッセージがでて、製品情報はこちらというボタンが用意されています。それをクリックすると文書校正支援ソフトの宣伝のページへ。フイッシング詐欺の一歩手前かと思いました。
一気に使う気が失せました。ところがその後が問題となります。使わなくするのはよいのですが、次に何を使うかです。何れにしてもインポートできても簡単にはエクスポートできないのです。ますますこれは二度と使うかという気になります。そして、メーラーを今回は5個ほど試してみて、秀丸メールには心惹かれたのですが、結局、ウインドウズライブメールに戻って(?)しまいました。そうすると、ウインドウズビスタの時のメールデータを直接使うことが出来ます。ウインドウズ7にしてから今までの期間にそれ程沢山の重要メールを受け取っている訳ではありませんから、それらは転送するなり個別に取り込むなりをすることにしました。
そんなやこんなで、大変に苦労したのですが、アウトルックエキスプレスに戻ったような気がします。
★★2009年12月31日(木)迷い
実は、まだ迷っています。例の望遠レンズがわりの望遠鏡です。各社ともラインナップを考えて製品展開しているのですが、それらを組み合わせると競合する価格帯が出てきます。今回の予算では、そのただ中よりやや下のところですので、余計にややこしくなっています。大体が価格と性能が相関はしていますが、ブランド分価格が結構な額ですので、良い選択肢が出てきません。取りあえずリストアップしたものを価格順にすると
Vixen ED81S+R
William Opt.ZenithStar80+R
TAKAHASI FS60CB80S+R
Vixen NA140SSf
William Opt.Megrez90
BORG BORG101EDⅡ
Vixen NA140SSf+R
Vixen ED103S
BORG BORG77EDⅡDG
William Opt.Megrez90+R
Vixen ED103S+R
TAKAHASI SKY90
William Opt.FLT98DDG
Vixen ED115S
TAKAHASI SKY90+R
William Opt.FLT98CF
William Opt.FLT98DDG+R
BORG BORG101EDⅡDG+R
Vixen ED115S+R
というような順番になっていきます。変わり種はビクセンのネオアクロマートの14センチですが、性能のほどは価格相応と思って良いかも知れません。また、ボーグは安いのですが暗いのでレデューサーが必要になります。それが10万近くしますので、結局同じ価格帯に入ってきます。タカハシは常に高めですが、SKY90は競合が激しいためでしょうか。やや高い程度です。
こうやってみると暗くてもF6程度で使える物を探すと、ある程度、価格順に並んできます。悩んだ時に、無理に決める必要はありませんので、放って置くしかないというところでしょうか。考え方として、行き詰まったら方向を変えるというのは良い方向です。眼視用という視点で攻めることを考えたり、マクストフを視野に入れるなどの事もあり得ない事ではありません。
そんなことを考えながら年の瀬を迎えようとしています。