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★★2009年09月06日(日)ケフェウス座ミュー星(μ-Cyg)ガーネットスター
満月間近の時に強行した撮影で、今まで撮っていなかったのがガーネット・スターです。名付け親はハーシェルです。肉眼では暗いので色が判りませんが、望遠鏡で見ると暗赤色で、ザクロ石の色から付けたというのが納得できます。写真では恒星自身の色が露出オーバーで飛んでしまうのですが、ニュートン反射の斜鏡支持金具による回折の光条が露出ぴったりで色が出てくれます。この星は干渉計で直径を測ることの出来る数少ない星の一つです。直径が太陽の1500倍もあり表面温度が2000度しかない為にこんな色になっているのです。でも、望遠鏡で見た色の方がもっとキレイなのは公然の秘密です。そして、この色がちゃんと見える望遠鏡が良い望遠鏡という訳です。
★★2009年09月07日(月)予報不調
盆を過ぎてからたちまち気温が下がっていくのは北海道では当たり前のことですが、本州南岸の人口密集地帯では、残暑厳しいところでしょう。避暑に北海道へ来るには時期と場所を選ばないといけません。都市部のホテルは大抵、冷房がありますが、観光地には冷房のない宿泊施設が沢山あります。つまり、本当に暑くなる8月上旬の1週間程度の観光地では、暑い思いをする場合があります。まあ、暑いと言っても湿度が低い為に、たかが知れています。
ところで、またまた最近は、昨日のように、満月間近に撮影を強行して良かったと思うほど、天気に恵まれません。まして。曇りの予報で小雨くらいなら、まあ仕方ないかとあきらめも付きますが、曇りの予想で、一日中降っていたり、強く雨が降ったりするのが続いています。予想できないと言うことなのでしょうか。今日も曇りにほんの一時の小雨という予報が、滝のような雨で、JRが止まる騒ぎが昼と夕刻に2回もありました。未だ止まっているようですが、どうしようもないという状況ですね。
★★2009年09月12日(土)秋に向けてまっしぐら
★★2009年09月15日(火)誤報、インフルエンザ、白鳥座網状星雲
誤報
食中毒やヘリの墜落、総裁を選ぶのに苦労している党、薬物・・・毎日沢山のニュースがあって、真剣に聞いていると感覚が麻痺してくるように思うのは海王星と金星のオポジションでしょうか。そんな中で早くも組閣のメンバーが決まってきています。そして、報道機関の質によっては誤報という奴も出てきます。今日、夕刊を見ると一面の見出しに防衛大臣に国民新党の人の名前が入っています。彼は金融・郵政問題相ですから完全なフライング、誤報です。嫁様は北海道新聞のページを見に行ってお詫びでもないかと探してみたそうですが、何もなかったそうです。この新聞社は、北海道教育委員会が一社の社説に片寄って授業に使うのは好ましくないと高校に指導を入れたのに抗議した新聞社です。教育委員会の所行と、こんなところの社説を使って授業になるのかという突っ込みは置いておくにしても、誤字脱字誤用が大変に目に付く新聞ですので反面教師ぐらいにしか使えないような気がします。
さて、阿呆どもの面白くもないニュースはともかく、九月十五日夜、土星と天王星のオポジションになりますが、この時、太陽は土星のすぐ傍、十七日にはコンジャンクションとなります。この頃に政権を担当するようになる内閣には心底頑張って欲しいです。架台山積みと言う奴です。
インフルエンザ
ところで、新型インフルエンザが季節性の冬場並みの感染力を持つことが明らかになってから久しいのですが、防疫体制は下げられたままです。弱毒性と宣伝されていながら、死者が出ています。医療機関に受診した後は自宅で療養しろと言うのは、もう隔離しようも無いほど広がっているということと、徹底的に押さえ込む現実的な方法が無いことを表しています。このオポは両星の象意に対して大変な圧力となるでしょう。この九月のオポジションを過ごすと、後は来年の四月と夏がオポの時があります。
若年層と集団生活と来れば学校が最前線となるのは間違いありません。この時期、再び、見学旅行や各種活動を押さえる働きになるのは間違いありません。行事の中止と一言でいいますが、高校三年間で一番大きなイベントである見学旅行の中止、復活無しなどと言うのは可哀想なことです。でも、パック旅行で行けば安く行けるところを、高い金を払って旅行業者の利益をたっぷりと増やしている事は無いとも思いますが。
まあ、そんな状況の中で、自分のところでも閉鎖という事態になっています。部分的な閉鎖ですので仕事には出なければならないのですが、飯の種が三分の一も居ませんので仕事が激減です。困ったものです。
白鳥座網状星雲
★★2009年09月17日(木)M11たて座散開星団
★★2009年09月20日(日)秋はアンドロメダ大星雲
★★2009年09月21日(月)天文台報
連休の始まりと共に嬉しいことに良い天気の夜が2晩も続きました。天文台の用意は万端です、
星図は何度も作り直して使いやすいように苦心惨憺したのですが、結局はベクバル・スカルナテプレソ星図を組み替えたものが使いやすくなりました。A3サイズで色々と作ったのですが、ドームの中の小さな机で使うにはA4サイズでないと邪魔になります。A4にしてもその上にA5の記録用紙を載せて使うことになります。そして極小サイズのキーボードとマウスを使う小さなスペースで手一杯です。この机は先行き改良の余地のあるものです。それはともかく、情報量としてはベクバルレベルが必要なのですが、ベクバルはA2横二つ折りのリング止めですから、広げるにはA3縦を3枚横に並べた広さが必要です。これを縮小したら、ドームの中で顕微鏡を使うことになります。そこで、16枚あるA2の星図を4分割しA4横64枚にして、ナンバリングし何処につながるかを示して、紙ばさみに入れ必要な図だけを一番上にすることで省スペース化を図りました。切り貼りしたのではなくスキャナを使ったのですから、厳密なことを言えばグーグルを非難できない手法です。まあ、既に売っていないし、1950年分点でもあり、門外不出と言う事で勘弁してください。国内の星図としては全天恒星図、全天恒星図2000、実用全天星図、そして標準星図等を使いましたが、高い前評判で輸入したベクバル・スカルナテプレソ、Atlas of The Heavensが、今も一番です。まあ外国産のは他に買っていませんから、選択肢がありません。そこで、今回、Sky Atlas 2000.0というのを注文してみました。その昔、大学生をやっていた頃ですが、洋書の注文と言ったら大変でした。個人輸入なんてのは日本語しかできないわたくしには異次元の世界ですし、丸善の洋書部へでも行くしかなかったのです。手数料もバカにならなかったのですが、売れ筋の本や担当者の趣味の本(何と占星術だったりして)なんかが置いてあって、ラファエルやアラン・レオを手に入れました。今は手に入れるのに苦労はしなくなり、よい時代になりました。
搭載鏡筒は今回は16センチ反射を使いました。焦点距離は1000mmでF6.25ですから少し暗めです。しかし、コマ収差は目立たないはずです。その確認も含めて、敢えて使いました。用意も万端で、極軸を確認し19時過ぎの天文薄明の終了と共に撮影の開始です。次々と撮影をしていきますが、幾つかの問題が明らかになっています。先ず、シャッターは無線リモコンを使っていますがタイミングは手作業です。しばしば露出中なのかノイズリダクション中なのか、忘れます。次に導入する天体を探していると忘れる率が高くなります。最近は露出中に望遠鏡を動かしてしまうことは無くなりましたが、導入した天体を撮影しないで次の天体を導入してしまうということが一晩に1つはあります。また、時として精度以下の妙な動作をしてガイドエラー、星が少し伸びて写ると言うことがあります。この点は解決に苦労しています。常に異常が出る訳ではなく、モータードライブや赤道儀の異常であれば、露出を伸ばせば更にズレが拡大するはずがそうなりません。周期的な変動、ピリオディックは測定誤差以下ですし、モータードライブが不安定動作をするというのも選択肢としてはあるのですが、音を聞いている限りは変な動作はありません。これを確かめるにはガッチリとした鏡筒バンドでしっかりと固定できる鏡筒で確かめるという手です。また、カメラの取り付けもスリーブではなくネジで付けますので此処での問題は出ません。
さて、連休晴天第一日の結果です。32枚の撮影で妙なガイドエラーが2枚出ています。これはモータードライブの関係であることを予想させます。しかし、調査は続行です。また、F6.25でも、周辺でコマ収差が見られます。こちらはコマコレクターを使うしかありません。しかし、バーダーのコマコレクターは、接続環が足りないのでそのままでは付きません。強引に付けて撮影してみましたが、光学系の中の位置に無理があって、コマ発生装置になってしまいました。また、ビクセンのコマコレクターも同様に接続環が足りません。焦点を伸ばす専用コレクターと10センチ反射用のレデューサーだけが接続可能です。そこで、レデューサーを付けて2日目に向かうことにします。
レデューサーの効果は露出時間が3分のものが2分になるという違いがでます。その差によって62枚という撮影枚数になりました。この中に激しいガイドエラーはありませんが、星像が伸びているものや、同じ対象を連射したにも関わらずズレが出ているものがあります。20ドット以内の違いですが、ピリオディックではないはずです。と言うのはウオームホイールは288歯で、1回転5分に当たり、ピリオディックの周期は5分になるからです。これを回避するにはいよいよオートガイダーとなります。この導入には金銭的な問題と共に、対応機種の確認が必要になります。最悪の場合は接続ケーブルを自分で作る必要が出ます。
ところで、高級屈折鏡筒を手に入れるという選択肢があるのですが、資金的には視野に入っています。しかし、それらのF値が7程度であるというのが問題となります。6.25でも暗くて使いづらいと思うのにもう一段暗いというのが問題です。カメラレンズでも明るいものが高いのですが、望遠鏡の場合はどんなに高価になっても明るいF値のものは性能が犠牲になります。正直なところ、カメラメーカーのレンズでは明るさと近距離でのピントを得る為に歪曲収差を犠牲にしています。四角いものが四角く写らないというものです。マクロレンズとして売っているもの以外は星用としては難があります。
今日は曇りで天文台はお休みです。睡眠を回復しましょう。
★★2009年09月27日(日)季節の星座、秋の三角座回転花火銀河
季節の星座
季節が巡り、いつもの星空がやってきます。厳密に言えば太陽の沈んだ空は一日の半分くらいはありますから、秋の夜と言っても、秋に太陽のある乙女座付近(星座宮では天秤座宮辺り)の春の星座とされる辺りが見えないだけで、他の季節の星座を見ることが出来ます。秋の始まりでは、夕方から暗くなった頃に、夏の星座である白鳥、琴、鷲で作る夏の大三角が、相合い傘になって沈もうとしています。そして、秋の象徴であるアンドロメダやペガススが中天高く見えます。日付が変わる頃にはオリオンや大犬がよく見える位置へときます。日の出前には獅子座が登ってきます。勿論起きていられればの事で、★秋津★は意識を失って寝てしまうので、冬は危険です。
世の中の方々も、夕方直後の一番見やすい星座が目立ちますから、その星座がその季節の象徴となります。それを繰り返していくと季節の星座が印象に固定されます。晩にしか星を見ない人の思い込みかも知れませんが、そうやってインストールされてしまうと、変更は難しくなります。
ところで、赤道儀のモータードライブに不調が出ています。日周運動を追いかけている赤経軸の動きが何故か速くなっています。速度を調整する機能もありますから、それで変えてみても、説明書通りの変更になりません。ただ、一応赤経軸の速度を正確に合わせる事が出来たのですが、今度は赤緯軸が動いています。動くはずのないところです。こうなると普通は極軸が合っていないという事なのですが、先ほど慎重に合わせたばかりというのが問題です。日周運動を追いかけられない場合は、何らかのメカニカルな理由で不具合で減速するのが常識です。加速することはプログラム的な問題も有り得るでしょう。
調べている内に、この状態が初めからかも知れないと疑うような事が出ています。不具合を訴える前に、症状が使い方や設定に原因していないかを今一度洗い直さなければならないでしょう。これで、昼間もドームにお籠もりです。
秋の三角座回転花火銀河
★★2009年09月29日(火)年度半分、赤道儀復調
年度半分
明日は前期の終業式なのですが、その後にインフルエンザで休校にした分を取り戻すための出校日が設定されています。これはサボっていた訳ではないという事を表明したいらしいのですが、今回は4日間ですので、学期間休業と冬休みから充当するという事になります。もっと大規模に来た場合との整合性や、休校期間は外出を制限し自宅待機を命じていたことなどの整合性のある理屈は付けられていません。これも教育委員会からの指導という奴ですが、その教育委員会は例の1つの新聞に片寄った学習指導について文句を付けたところです。サッサとこんな役にも立たない組織は廃止してリストラしないと世の中にウイルスをまき散らすのではないかと思います。
赤道儀復調
赤道儀で出ている不具合を2日間かけてじっくりと調整してみました。その結果、増速と思っていた点はやはりセオリー通りの減速であったことが判りました。これを導く為に高倍率で接眼鏡を覗いているのも手なのですが、どれだけずれているというのを見るにはやはり写真という映像が一番です。しかし、今回の勘違いのように最初と最後を間違えるだけで逆の現象として捉えてしまうこともあります。症状の確認の為に、5分と10分の露出をしてみました。その途中で一定時間毎に赤緯軸方向へ微動を行ったところ、不正な動きの様子が明らかになりました。動きの中で増速と減速をしていますが、増速している時にたまたま、撮影を繰り返していたので加速と判断してしまったのです。
5分の中で増減速しサインカーブを描くように動いています。どう見てもピリオディック・モーションです。その大きさは9秒角に達しています。赤道儀自体のメカニカルな精度は測定限界以下になのですが、いじっている内に何処かで調整を壊したのでしょう。今日、色々と調整しながら調べていくと、最終的にはウオーム軸の締め付けが問題であることが判りました。ここの部分の整備の原則は、緩めてガタとなる寸前の位置にすると言うのがポイントです。そこを締め上げていたのが最も大きな原因であったようです。
これで問題解決となるかと言えば、残念ながらそう簡単ではありません。まだ、1秒角以下の妙な動きが記録されています。シンチレーションを拾っているというのが妥当な解釈ですが、真偽の追求は困難です。結局、オートガイダーがあれば気がつきもしなかった不具合と言うことになりますから、怪我の功名でしょう。オートガイダーの必要性は現時点では大分下がりましたが、無くなった訳ではありません。
はっきりしているのはオートガイダーに振り向けようとしていた天文台資金が、元に戻ったと言う事です。何処かの国の予算のように、天文台予算も再編成が必要です。