小惑星とは、およそ火星と木星の軌道の間で公転する小さい天体であり、その数は万を超えていると説明されます。この説明はあまりよい説明ではありません。というのは、最初に発見された4小惑星は火星と木星の間の軌道を持っていましたが、その後、近日点が水星近くのものや、遠日点が天王星にも達するような軌道を持つものも発見されているからです。
火星と木星の間の間隙に未知の惑星を発見しようという企ては、18世紀の天文学の課題の一つでしたが、それは19世紀の第1日目である1801年の元日に、小惑星第1号ケレス(Ceres)の発見によって達成されました。次々と発見される小惑星は今後発見される大きさのものが10万個以上はあると考えられています。最も大きな小惑星は最初に発見されたケレスの約1000q、続いてパラスの600kmであり、大部分は100km以下の小さな岩塊です。この為、数時間で変光しているものが多く不規則な形をしていると想像されています。
当初、火星と木星の間にある未知の惑星が破壊されてできたと考えられたこともありますが、小惑星を全て集めてもそれほど大きな惑星になりません。太陽系外縁から太陽に引き寄せられた物質が、太陽系の中に一時安定した軌道を持ったのが、これら小惑星と考えることができます。多くの小惑星が、徐々に木星や土星の摂動を受けて軌道を変化させ、太陽系を飛び出していく為に、彗星と同じように外縁からの補給があると考えるのが合理的です。
太陽系外縁部での冥王星クラスの天体の発見が続いていますが、これは単に冥王星を降格させたというだけのことではなく、外縁部には今まで知らなかった、星間空間の秘密が隠されているのでしょう。
軌道の関係で地球に近づくタイプの小惑星があり、こういった岩塊が隕石落下による大被害をもたらすであろう事が想像されています。