万有引力

 太陽系の仲間達が太陽のまわりをまわり、それぞれの惑星のまわりを衛星が回るのは、万有引力があるからです。わたくし達が地球の表面に束縛されているのも、物体が落下するのも、等しく万有引力があるからです。
 これらの現象の状況を見破って一つの物理法則で説明したのがアイザック・ニュートンです。その著書Principia(1687年)の中で、全ての物質、物体間には、その質量(二つの物体間では質量の積となる)に比例し、距離の2乗に反比例する引力が働いているとして、万有引力の法則と名付けたのです。
 万有引力の特徴は、物質の化学組成や温度、密度、電荷によらないこと、力の伝播が直接的であって何かを媒介しているのではなく遠隔作用的に働くことです。当時としても革新的な考え方であり、その後、光を伝搬させるエーテルのようなものが提起されていたことからしても、当初は反対者も多かったようです。
 引力そのものの原因については、重力子、グラビトンによるものであると推定されていますが、確定できる実験ができない為にはっきりと決まったわけではありません。しかし、きわめて単純にして包括的な考え方で、それまで判っていたケプラーの法則がこれから導けることや、天体の軌道計算が可能となったこと、その後、これを応用して未知の惑星捜索が行われ成功する等の大成功を収めました。