恒星

 太陽のように中心部で核融合反応を行い、自ら輝く星で、夜空に見える星のほとんどは恒星である。

  恒星の明るさと色
 等級 星の明るさを表すための数値で、数が少ないほど明るくなる。
 実視等級 肉眼の感色性に沿う、黄色を中心とした測光方法による等級のこと。
 写真等級 写真乾板による青色を中心とした測光方法による等級のこと。
 色指数 星の色を表す数値で、実視等級と写真等級の差から計算されるものもある。
 スペクトル型 恒星からの光の性質を分類したもの。

 恒星の明るさは等級で表します。明るい星を1等星、暗い星を6等星とする曖昧な分類として始まりました。数値的に扱うには粗雑な分類でしたので、6−1=5等級分で100倍の明るさが違い、人間の感覚が等比級数的なものであることから、1等級当たり2.512倍の明るさが違うこととして、幾つかの基準星により、等級が定められています。こと座α星ベガは0.00等級であり、おひつじ座α星ハマルは2.00等級です。肉眼で見える星に対する分類ですが、数値が大きいほど暗く、少なくなるほど明るくなることを拡張し、より明るいものや暗いものにも応用されています。明るいと数字が減っていき、マイナスも使うようになります。最も明るい恒星はおおいぬ座α星シリウスが-1.5等級、太陽は-26.74等級となっています。これを実視等級と呼びます。肉眼による明るさです。
 恒星は中心部の核融合で作られたエネルギーによって光を出していますが、その光は中心部から表面へと伝わり、表面から放たれていますので、光の性質は表面の状態、特に温度に左右されます。物体の温度を上げていくと、赤外線が観測されるようになり、更に温度が上がると赤く光り出して物体の表面から可視光が放たれます。温度を更に上げていくと、橙、黄色、まぶしい白と変わっていきます。これを温度輻射と呼びますが、このエネルギーの放射はプランクの輻射法則(黒体輻射または空洞輻射の法則とも呼びます)によって、温度と放たれる電磁波の波長による放射エネルギー量が決まっています。温度が上がると放射する単位面積当たりの総エネルギーは温度の4乗に比例して多くなります。また、エネルギーが最大となる振動数と発光体の絶対温度は比例関係になっています。この為に、赤い星や黄色い星、白い星、青白い星があるのです。これは表面温度の違いなのです。
 ところで、この温度輻射は肉眼で見ることの出来る可視光領域だけでなく、電波領域から高エネルギー領域までの全ての電磁波についての法則です。肉眼で見ているのはその一部分であり、赤から紫の間にある可視光でしかありません。表面温度の特に低い星では輻射のピークが赤外線や電波であったり、温度が高くてピークが紫外線やエックス線であったりすると、肉眼では見えなかったり、明るさを見誤ったりすることもあります。つまり、肉眼以外の記録装置で明るさを計ると、肉眼と違う結果が出ることは珍しくありません。
 天体用の専用写真乾板は、青色を中心とした感色性を持っていた為に、肉眼と違う明るさを記録します。これを実視等級と区別して写真等級と呼びます。青色(B)と黄色(V)の明るさの違いは色を表すとして色指数と呼びます。この方法は更に拡張されて、紫外域(U)を使用して青色(B)と比較する場合も色指数と呼びます。同じ呼び方では混乱しますのでB-V、U-Bと言うように表示します。この他にも、色の状態を示す数値に旧国際式、6色、赤外、中間帯域の4方式がありますが、それ程使われてはいません。基本的に恒星は温度輻射の法則に従っているからです。これらのことから、肉眼では見えない波長域での輻射を加味した全輻射での等級を、実視等級から補正するのが輻射補正です。輻射補正された等級が星の出すエネルギーと対応しています。
 恒星の表面から放たれる光は、通過してくる恒星の大気の状態に影響されます。恒星は気体の塊ですから、地面や水面のような明確な表面はありませんが、ある程度以上深いところから先は不透明となって、外からは見えないというところがあります。そこを表面として扱います。中心からのエネルギーは表面まで伝導や対流、極めて短い距離での輻射によって伝わってきますが、ここからは電磁波として宇宙空間に輻射されます。そして、恒星の表面の上にある恒星大気を通り抜ける時に、そこの原子の状態により特定の波長が吸収されて、連続スペクトルの暗線(フラウンホーファー線)となります。この暗線の入り方によって恒星を分類したのがスペクトル型です。

スペクトル型 表面温度(K) 輻射補正 概略の色指数 吸収線の特徴
(B-V) (U-B)
O5 45000 青  -4.0 -0.30 -1.10 ヘリウムイオンによる吸収線
B0 29000 青白 -2.8 -0.30 -1.10 水素および電離していないヘリウム原子の線
B5 15000 青白 -1.3 -0.16 -0.56  
A0  9600 白  -0.2 +0.00 +0.00 水素の吸収線のみが強く、他の吸収線は弱い
A5  8300 白  0.0 +0.15 +0.11  
F0  7200 淡黄 0.0 +0.33 +0.03 水素の他に諸種の金属の吸収線が多数ある
F5  6600 淡黄 0.0 +0.45 +0.00  
G0  6000 黄  -0.1 +0.60 +0.12 水素は目立たず金属の吸収線が目立つ
G5  5600 黄  -0.1 +0.68 +0.23  
K0  5300 橙  -0.2 +0.81 +0.46 金属の吸収線が非常に強い
K5  4400 橙  -0.6 +1.15 +1.10  
M0  3900 赤  -1.2 +1.40 +1.20  
M5  3300 赤  -2.4 +1.60 +1.20 金属のほかに酸化チタン(TiO)分子の吸収線がある

 スペクトル型としてOからMは基本的な分類で、更に十種に分類して数字を付けます。太陽はG型ですが、その中でもG2型、G型の中でも温度の高めのグループに分類されます。シリウスはA0型です。

 天体の明るさを地球から観測したものが実視等級または輻射補正した等級なのですが、この明るさは距離にも関係しています。同じ明るさの恒星でも距離が違うと観測される明るさは違ってきます。つまり、地球から観測する明るさは、本来の恒星の明るさに比例していますが、距離の二乗に反比例しています。天体そのものの本来の明るさが問題になる場合は、同じ距離にして観測した場合の明るさを使います。距離の基準は年周視差0.1秒、10パーセック、32.6光年とします。この場合の明るさを、絶対等級と呼びます。このやり方では、太陽は4.83等級、シリウスが1.45等級となり、太陽よりシリウスが3.38等級明るいことになります。2.512の3.38乗を計算すると約22.5となりますので、太陽の位置にシリウスを持ってくると太陽の22.5倍の輝きで、地球はたちまち干上がってしまうでしょう。


  恒星までの距離
 年周視差 太陽を巡る地球の動きから恒星の位置に1年を周期とした違いが出ること。その違いの半分を角度で表した量のこと。
 パーセク 年周視差が角度の1秒である時の距離。3.26光年、約31兆q
 光年 光が1年間かかって到達する距離。9兆4千6百万km

 恒星までの距離を知る方法は、三角測量による直接的方法が最も単純で有効な方法です。2地点でそれぞれ方向を正確に測定して方向の違いから距離を出します。この方向の違いを半分にしたものを視差と呼びます。角度そのものの測定は現在では0.001秒程度まで測定することが出来ますが、天体を地上から観測する際は大気の揺らぎによってなかなか精度を上げることが難しく0.1度が限界だった時代もあります。
 一般に動物は2つの目を使い、遠近を判断していますが、距離が遠くなると2つの目の間の距離を離す必要があります。地上で最も遠く離れた地点は、地球の直径にあたる2地点間で1万2千7百kmほどになります。ここから観測して、視差が0.1秒ある場合は約13億kmになります。理論上、太陽系の天体の距離を測ることが出来ます。恒星までは更に距離があるので、もっと長い基準線を用意します。地球は太陽の周りを回っていますので、軌道の直径の3億kmを使うことが出来ます。この地球の公転軌道上の位置を使う方法による位置の違いを年周視差と呼びます。年周視差は地球太陽間の距離に対応した角度です。これで視差が0.1秒ある場合は31兆kmとなり、近距離の恒星を測定することが可能となります。
 しかし、測定器械の精度や大気の揺らぎにより測定はなかなか出来ませんでした。これに初めて成功したのは1838年、ドイツのフリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセルです。彼は、はくちょう座61番星の年周視差が0.314秒であることを突き止めました。続いてフリードリッヒ・フォン・シュトルーベが、こと座α星ベガで0.26秒、トーマス・ヘンダーソンがケンタウルス座α星で0.76秒角であることを発表しました。観測機械の進歩と地道な観測の結果でした。しかし、地上からの観測では大気の揺らぎによっての困難は解消されません。そこで、1989年に欧州宇宙機関によって打ち上げられた高精度視差観測衛星ヒッパルコスによって、大気圏外から半径1000パーセック(3260光年)以内の恒星12万個弱の視差が測定されました。はくちょう座61番星の年周視差が現在は、0.286秒であり、距離にすると11.4光年になります。また、ベガは25光年、ケンタウルス座α星は4.4光年となっています。
 この他、連星系では距離が計算できる場合があります。また、スペクトル型から絶対等級を推測して距離を推定する場合もあります。


  連星系の距離
 見かけの連星 たまたま同じ方向に見えているが、実際は離れていて引力的関係のない星のこと。
 実視連星 望遠鏡で複数に別れて見える連星のこと。
 分光連星 光に周期的なドップラー効果があることから、連星と推定できる恒星系。
 食変光星 周期的な減光があり、主星と伴星の蝕にあたると推定できる場合の連星系。

 距離が遠くて三角測量による距離の測定が難しい場合、直接距離を測定する方法はありません。この場合、他の観測資料から推算することになります。その手の1つとして、恒星が連星系の場合に詳細な観測によって計算する方法があります。
 連星系は2つ以上の恒星が共通重心のまわりを回転するものです。明るい方を主星、暗い方を伴星と呼びます。2個の恒星のペアが基本です。3つ以上の恒星が連星系を作る場合でも、3個以上の星が接近して回転することはありません。2個のペアを離れて1個が遠くを回転しているのが3個の体系です。これは3体問題と呼ばれる、引力の法則による制限で、特殊な数学的例外を除いて、このような形になります。
 見かけの連星でなければ、観測から連星の回転周期が判ります。連星系の周期や回転速度が判れば、ケプラーの第3法則により質量が計算できます。この質量と絶対等級の間には強い相関があります。主系列星と呼ばれる安定期にあたる恒星の場合、絶対等級から質量が、またはその逆が判ることになります。この事から、直接に年周視差が測定できなくても距離が計算できます。

  恒星の物理的分類
 H・R図 恒星のスペクトル型と絶対等級の関係を示したグラフ。
 主系列星 HR図中を斜めに横断するように存在し、質量と光度の関係がはっきり相関しているグループ。
 巨星 HR図の上部、表面温度は低いが、極めて明るい星のグループ。
 白色矮星 HR図の下部、表面温度は極めて高いが、大変に暗い星のグループ。

 デンマーク生まれの天文学者Ejnar Hertzsprung(アイナー・ヘルツシュプルング)は、1905年に恒星の光度と色に関連がある事に気付き、学んだ写真化学を使い、恒星の色を数量的に扱うための色指数を測定しました。1911年に距離がほぼ同じと推定されるプレアデスとヒアデスについて、それぞれの実視光度−色指数からプロットした図を作成し、存在に偏りのある事を示しました。
 アメリカ生まれの天文学者Henry Norris Russell(ヘンリー・ノリス・ラッセル)は1910年に色指数と絶対等級についての相関図を提案し、絶対等級計算に必要な恒星までの距離決定方法としての視差測定を改良し、1913年に色指数と絶対等級による恒星の分布図作成しました。
 2人は独立に恒星の分類方法の基礎となる考え方を示したことから、光度−色指数、そして、その改良型である絶対等級−スペクトル型(表面温度)の相関図をヘルツシュプルング・ラッセル図、略してH・R図と呼ぶようになりました。
 H・R図においては、縦軸に実視等級、横軸にスペクトル型を取ります。縦軸は上に行くほど明るさも上がるのですが、横軸に温度を割り振ると、右に行けば行くほど温度は下がります。これは、元々、横軸に色指数を使っていたためで、色指数は青から赤い方へ数値が上がります。この方式を変えずに使っているために、このような形になっています。

 表面温度が決まると、そこから放出されるエネルギーの量と波長による分布が決まります。これを使い、実際の明るさ(絶対等級)から星の表面積、つまり星の大きさを推定することができます。HR図において、星の表面温度と星の大きさについて強い相関を示す一並びの群れがあります。HR図を斜めに横切る分布をから、これを主系列と呼び、含まれる恒星を主系列星と呼びます。これに対して、表面温度が低いにもかかわらず、実際の明るさが超高温星並みに明るい星があり、主系列星よりも図の上に位置する一群の集まりがあります。色が赤側に寄っていることから、これを赤色巨星赤色超巨星と呼びます。この他に、表面温度が高い割りに、きわめて暗い星があり、表面積の小さな星であると考えられることから、これを白色矮星と呼びます。恒星は大きく分けて、この3つの分類で考えることができます。
 この分類から、恒星の進化についての手がかりが見つかることになりました。

  恒星の位置的分類
 星団 恒星が空間的に集中して存在している状態で、散開星団と球状星団の2つがある。
 散開星団 集中度は低く、青白い星が多い。
 球状星団 球状に密集して、赤い星が多い。

 全天で恒星の位置と数を調べると、明るい星を含めて、銀河にそった方向に多くなっています。これは銀河系と呼ばれる円盤状の星の大集団の中に太陽があることによります。銀河に望遠鏡を向けたガリレオは、それが小さな暗い星々の集まりであることに気づきました。
 また、星は群れるように存在しているものが沢山あります。特徴的に集まっているものを星団と呼びます。星団には、星数がそれ程多くなくて、ばらけているものを散開星団と呼びます。散開星団は10〜500個程度の大質量星を含む恒星が数十光年の範囲に含まれて、約1000個程度が記録され分類されています。ほとんどは銀河面に近く存在しています。散開星団の星は寿命の短い大質量星が多く、宇宙的な時間からすれば出来たての星々です。これらを第T種族の星と呼びます。
 これに対して球状星団は、中心に向けて極めて集中していて、100光年程度の範囲に10万から1千万個の太陽よりも小型の恒星を主として密集しています。質量が小さく老齢で、銀河系ができて直後に形成されたような星が集まっています。これらを第U種族の星と呼びます。球状星団は全天に存在し、射手座方向に分布がやや偏っています。
 第U種族の星は形成時に、宇宙最初の元素構成である水素とヘリウムによって作られ、第T種族の星は、その後の核融合や超新星爆発により作られたリチウム以降の元素を含む星と考えることができます

  星の進化
 原始星 恒星が核反応を起こす前の状態
 超新星 大質量星の最後の大爆発のこと。
 新星 恒星末期の連星で起こる爆発現象

 星が誕生し、その一生を終えることを星の進化と呼んでいます(生物の進化とは少し意味が違います)。
 星の集団である銀河の特定の場所には、星間物質が濃いところが存在しています。渦巻き型銀河では銀河面近くに星間ガスや星間塵が分子雲を作るまで濃くなっている場所があります。この星間雲の近くに明るい恒星があると、その光を反射したり、輻射のエネルギーを受けて特定の波長の光を励起して散光星雲として観測されるようになります。それらの手前に星間雲があると暗黒星雲として観測されるようになります。
 これらの星間雲の中で、何らかのきっかけによって物質が凝縮し原始星が生まれます。原始星は周囲の星間ガスを集める際の重力エネルギーにより、温度が上昇して赤外線星として観測されるようになります。原始星の質量は太陽質量の10分の1から数十倍までの範囲があります。圧縮の初期に原始星の温度はたちまち上昇してその後の安定期の1000程度の明るさで輝きます。エネルギーは重力による位置エネルギーしか供給されませんので、収縮は進みますが光度は下がり続けます。そして、内部で核融合反応が開始されると、収縮が止まって安定した主系列星の時期を迎えます。この時期は星の一生の9割方を占めると考えられています。
 星の内部は層序をなして、かき混ぜられることはありません。この為、全体の10分の1程度を占める、核反応が進行している中心核部分に核反応の生成物であるヘリウムが溜まり、核反応は中心からやや外側に広がります。しかし、星が太陽の半分よりも小さければ、核反応の圧力と温度を満たさない周辺まで反応が進みませんので、そのまま圧縮が進み、表面温度は上がりますが絶対等級は下がり、白色矮星となっていきます。
 太陽程度の質量の恒星では、ヘリウム核の中心が1億度を超えヘリウム反応が始まって炭素や酸素を造り、エネルギーを出すようになります。この為、太陽は膨張し、表面温度は下がります。温度と圧力の関係で、星の表面積の増え方の方が大きいためです。主系列星から赤色巨星への道です。太陽程度の質量では大きくふくれた外層部を引力で止めておくことが出来ずに、水素の外層部は星間空間に脱出していきます。この為、星の大きさは徐々に小さくなりながら、表面温度は上昇させていき、星全体の光度はある程度、保ちながら、最終的には白色矮星にまで辿り着きます。
 太陽よりも8倍以上重い星は、別の結末が用意されています。中心温度が更に高くなり、炭素や酸素が核反応するようになります。水素の外層、ヘリウム、炭素・酸素、ネオン、酸素・マグネシウム、ケイ素・マグネシウム、鉄の層が作られて、絶対光度は同じながら、更に大きくなって表面温度は下がっていきます。
 このような状態になると恒星の内部が不安定になり、変光星となるものが出てきます。変光周期が1〜50日のセファイド型変光星には変光周期と絶対等級の間に種族と呼ばれる2系統の関係があります。変光周期を観測すると絶対等級が判り、距離が判るのです。また、変光周期が1日以下のこと座RR星型変光星は絶対等級が、ほぼ0等と決まっているものもあります。
 基本的には、核反応によるエネルギー供給が減ると、星は収縮していき最終的には白色矮星、そして黒色矮星となっていくのですが、質量が太陽の10倍以上あるとこちらも別の結末が用意されます。内部の温度が40億度を超えると鉄の原子は破壊されてニュートリノを作り出します。ニュートリノは他の物質にほとんど影響されない粒子で、内部のエネルギーを外に持ち出します。内部が一気に冷えることになります。この時に中心から衝撃波が作られ、ニュートリノのエネルギーを得て上層部から潰れてくる圧力に対抗して外層部まで衝撃波を伝えます。ここで、一気に全ての核反応が解放され、超新星爆発がおこります。鉄までしか進まなかった核融合反応は、膨大なエネルギーの為にウラン以降まで進むことになります。押しつぶされた中心には陽子に電子が押し込まれて作られた中性子を主成分とする中性子星が残ります。ここまで来ると、この星も単に冷えていく運命となります。
 ここで、質量が太陽の30倍以上ある場合は、中心核を除いて星のほとんどを吹き飛ばしますが、超新星爆発の後に作られる天体が中性子でも支えきれないほどの圧縮をされたために、強大な重力を持ち、更に収縮、縮退してブラックホールとなることが推定されています。このような大規模な爆発で発生するエネルギーは銀河1つに相当する程度で、一つの銀河で500年に1度程度ある現象とされています。
 恒星の半分は連星系です。連星系の片割れが白色矮星や中性子星になっている場合、片割れも巨星化して星の外層部を相棒に吸い取られるという状態になると、降り続く水素ガスが定期的に核反応を起こして新星現象を繰り返すことがあります。これを再起新星と呼びます。