マウナチャリ山ケロ丸天文台の歴史 2008年
ホコリよけの布を用意するのは無駄なことではありません。とんでもない風で、ドーム内に雪や雨が侵入しないとも限りません。で、雨はまず大丈夫なのですが、雪は細かいチリのように侵入して来ることがあります。で、布カバーを作ろうとしたらちょっとしたアクシデントがありました。.
布カバー用として90センチ幅の布が5メートルありました。これを半分に切って横につなげば丁度良いくらいです。早速、切断してからミシンを出してきたところ・・・針が折れています。予備も全滅です。そういえば何年も前のことで、以前、勤めていたところの学校祭の折に生徒に貸して、針全部使っちゃったと言っていたのを思い出しました。さて、針だ。針を買ってこよう。ところでミシンの針ってどこで売っているんだ。家庭にミシンを持っている家はどんどん少なくなってきてます。学校祭向けにクラスでハッピを作ろうなどと計画すると、ミシンがないことに気づきます。学校にだって満足にありません。担当教科の先生だって怪しいものです(大抵は大丈夫なのですが・・・)。なんて人のことを言っていられません。どんな針なら良いんだと、調べるとミシンの針の規格は各社共通で、布に合わせて太さが違うだけだと言うことも忘れていました。年を取ると物忘れがひどくなります。まあ、ミシンを使っていて針を折るようなことはしないのですが、生徒に貸すとやってくれます。その度に機械の調整が必要になります。
ミシン屋なんて無いぞと思いながら、百均によるとちゃんと売っていました。このようなものには百均が強いですね。針を手に入れるまでに数日、裁断した布とアイロン、アイロン台は床の間のある部屋にそのまま放置されていました。
そんなことで時間は掛かってしまいましたが、無事にカバーを掛けることが出来ました。効果は充分です。台風並みの吹雪で隙間から吹き込んだ雪が積もった時も、カバーのおかげで全く被害がありませんでした。積もった雪はほうきとちりとりで何とかなるレベルでした。
お針仕事です。元旦から店は開いていませんからねぇ。
カバーの様子、40センチ以外でも充分に使えます。
ドームに入る時は階段を上るのですが、その階段の横にショートカット用の木製踏み台を用意していました。冬場は滑って危険かも知れないので、横に立てか けておいたのですが、雪が無くなってから使用していました。小さく仕上げるために階段の段のマチを2×4材2本分=18cmで済ましていたのですが、やはり狭くて足を載せにくいので、3本分=27cmを使うようにしました。もっと早く出来上がるかと思ったのですが、意外と部材も多く使い時間がかかりました。折角ですから丈夫に作りました。
鏡筒は並べておけばそれほど邪魔になりません。しかし、メモを取る机は絶対に必要ですし、部品を取り替える際の一時置き場としても必要です。そして、どうしようもないほど寒いときの対策としてストーブを用意しました。昼間のメンテナンス作業の時に点火します。
鏡筒群の配置状況
棚と机が使われています。棚にはパソコンモニターを入れました。
新鏡筒計画 序
嫁様に、もうお金無いからね、とさんざん言われても、次々と必要なものは出てくるし、問題も巻き起こってきます。
新鏡筒計画 第1節 40センチの強力すぎる撮影能力
はたらく40センチ反射
40センチという大型の反射鏡を使った立派な鏡筒が出来上がって稼働しているのですが、撮影の際の問題、もしくは不満が出てきています。焦点が 1810mmと長く、かなり明るい光学系で、一般向けのデジタル一眼で大変な能力を示すことが出来るのですが、つまり焦点距離が長くて画角が小さいという
のが問題となります。40センチという口径はアマチュアとしては高度な系外銀河の新星発見に使えるくらいの圧倒的な能力があるのですが、大きめの対象には
使いづらいところがあるのです。例えば、直焦点ではM42オリオン座の大星雲を捉えるには良い具合ですが、満月でははみ出してしまいます。それよりも大き
いスバルに向けるとスバルの全体像を捉えるには、部分部分をモザイクのように重ねないと撮れないということになります。これは専用の画像ソフトがあったと
しても面倒な作業であり、かつ無駄な作業にもなります。端的に言えば満月より大きな対象には辛いのです。満月を地平線上近くで見ると大変に大きく感じるも
のですが、実は結構小さい代物で、伸ばした手の指で隠れる程度の大きさしかありません。これは子供の小さな指ですら判ることです。これより大きな口径1
メートル以上の大望遠鏡では、一度に撮れる範囲というのがどれほど小さいのかが判るでしょう。その上に、大気のシンチレーションで像がますますぼやけてい
きます。こうなってくると動画として記録し、特定の瞬間の映像のみを重ね合わせて高解像度化を計るという手が必要になります。
さて、そうなると焦点を短くするレデューサーがあると良いのですが、手持ちのものは、10cmF6.0用に作られた、レンズ径が小さい為に周辺減光が目
立つ品物一つしか有りません。無理に付けて使うと一応は1482mmになりますが、やはり焦点像が甘くなります。この手のものを自作できる腕があれば、そ
れで充分に飯が食えるでしょう。素人の自作の範疇ではありません。まして、焦点を半分くらいの1000mmにするようなものは、性能的にも色々と問題が出
て、満足できるものにはならないことが見えています。
次の手としては、異なる焦点距離の鏡筒を同架するという贅沢な手ですが、現在同架重量が限界近くですから、換装することになります。ここで手持ちの鏡筒
は口径10cmと16cmですが、それぞれF6、F6.3と暗めです。F6は35mm版での良像範囲をカバーします。しかし、直焦点の撮像装置としては暗
さの限界近くになります。そうなると、実用的にはレデューサーを付けたそれぞれ470mmF4.7、783mmF4.8というのが実用上の焦点距離となり
ます。そうなると、スバルを撮るだけならば、良いのですが、多くのメシエ天体となると焦点距離としては短いというのが正直なところです。
自作という手も残っていますが、市販品の方が手間を考えると安い場合も有り得ます。パソコンが現在そうなっています。少し前では、部品を調達して作った
方がメーカー製より性能が良く安くできましたが、今は完全自作より、ショップブランドの方が安く仕上がります。カスタマイズも自在に出来るシステムになっ
ているところが多く、自作のメリットは減っています。望遠鏡の場合は、作ることの出来る機種が限定されていますし、大型のものは今でも自作のメリットがあ
ります。しかし、20から30cmクラスの中型機はいわゆるショップ・ブランドに近い状態になってきています。
それらの中で口径20cmではF4というスペックが複数の選択肢として出てきます。コマコレクターも発売されていて、F4でも35mm版程度の良像範囲
を確保することが出来ます。ただし、現有の16cm、f.l.=783mmF4.8のリプレイスという意味合いしか出てきません。また、F6.0という標
準スペックは、専用レデューサーが欲しいものになりますが。これがまた高価なものになります。
もう一段上の口径25cmになるとf.l.で1200mmや1600mmになります。1600mmでは40cmと変わりばえがしません。そして、更に上
の口径30cmではF4で1200mm、F5で1500mmですから、短い方では高価な補正レンズが必ず必要ですし、長いヤツでは40cmと変わりませ
ん。すると選択肢は狭まり、口径D=25cm、f.l.=1200mm程度のものが残された性能諸元となります。
ここで、10、16、25、40cmという口径ラインを見ると、1.6倍という等比数列に近いことが判ります。集める光の量は口径の2乗に比例しますの
で2乗した値が100、256、625、1600になり、等級は2.512倍の等比級数となっていますので、肉眼による限界等級がそれそれ11.8、
12.8、13.8、14.8等となり、1等級ずつの性能差がでてきます。逆に言えば、10、16、40の3本では間が抜けていることになります。
当初の計画が冥王星を眼視することです。冥王星13.6等を見る為には25cmはギリギリ、瞳孔径7mmの人が6.0等星を見ることの出来る晴天良夜で
やっとという数値であり、かなりの困難があると見て良いでしょう。これが40cmでは少しの余裕が出て、多少のシーイングの悪さでも認めることが出来るは
ずです。
新鏡筒計画 第2節 眼視
望遠鏡を使って拡大して見る為には、特殊な例を除いて接眼鏡が必要です。20年前でも接眼鏡は高級品と低価格の2系統がありましたが、高倍率を得る為に
は短い焦点距離の小さな接眼鏡に眼をこすりつけるくらい近づけて見ることが必要でした。ハイゲンやミッテンゼーハイゲン、ラムスデンのような色収差が目立
つものや、少し具合の良くなったケルナー、高級品だったオルソコピックという選択肢があり、24.5mm径の接眼鏡が主でした。これをツィアス・サイズと
呼ぶようです。視界については40度や50度程度で、長焦点の接眼鏡では24.5mm径より大きい視野範囲が必要ですので36mm径のねじ込み式がありま
した。わたくしのような眼鏡常用者は、倍率が欲しい場合にバーローレンズを入れて低倍率用ののぞき込みやすい接眼鏡を使いました。その当時に比べて、乱視
も進み眼鏡無しでは居られない状態になってしまうと、短焦点の接眼鏡を見る場合、見かけ視界が20度とか30度という状態になってしまいます。
接眼鏡を出してきてのぞき込んでみると、眼鏡をかけたまま使えるのは、ケルナーとオルソコピックの18mm以上のものだけとなっています。それ以外の短
い焦点のものは使いたくない代物と化しています。いま、接眼鏡はアメリカンサイズと呼ばれる31.5mm径の少し太い大きさになり、沢山の見やすい機種が
登場しています。同焦点にするだけでなく、瞳の位置(瞳距離、アイレリーフ)を同じにする製品も出ています。時代は変わりました。変わっていないのは高い
ものと安いものがあるというところくらいでしょうか。ものによっては対物側のレンズより高いものも出ています。それだけ見やすさと像にこだわった品物があ
るのです。
さて、手持ちの接眼鏡で使えるのはケルナーとオルソコピックの18mmと25mmの4本だけ、それも決して見やすいわけでも広視界でもないという事実で
す。18mmでは眼鏡が接眼鏡に当たります。眼鏡のレンズがプラスチックだと、すれて傷が付きます。この為、眼鏡レンズはガラスにこだわっています。接眼
鏡は1つあれば済むというものでなく、低倍率から高倍率までの何本かが必要ですし、高級品は1本何万もしますので、良く考えて選ぶしかありません。
口径と有効最低倍率、最高倍率の関係からするとF5程度の主鏡に対してなら40mm弱から4〜5mmの接眼鏡があればよいので、38mmと10mmの2
本に、主焦点を2倍に伸ばすバローレンズを入れて、19mmと5mmの役目をさせれば倍数系列に近くなり、必要を満たすことができると考えました。この他
に、ガイディングスコープ用の十字線入り20mmもあればシステムとして使いやすくなります。結局10、16、25、40cmの4本の主鏡の他に8cmの
小型短焦点屈折をファインダーとして使用するようにシステム造りを計画すればよいことになります。
新鏡筒計画 第3節 環境整備
ドームにコンピュータを配置する予定です。不本意ながら高等なことをやらせるにはやはりパソコンが必要です。セカンドマシンとして使っているものをドー
ムに上げることにします。問題としてはモニターが19インチで、かなり大きく、置き場所には工夫が必要となります。予算があれば液晶画面としたいところで
すが、無い袖は振れません。ドームへのソフトとハードを配置するほかに、撮影画像を扱うソフトとして専用ソフトを採用します。これらの整備で、一段と体制
が整うことになります。
新鏡筒計画 第4節 うんちく、説得・発注
さて、商品ですが、2008年5月の段階で、この手の格安品を探すと、選択肢が4つになります。ケンコーのスカイエクスプローラシリーズ、国際光機のホワイティドブ、笠井の銀
次、ミードのライトブリッジです。ケンコーと国際光機はメーカーが同一と踏んで良いでしょう。中共SYNTA社製です。そして、笠井とミードが台湾GS製
です。売値は結果を加味するとケンコー54800、国際光機79800、笠井97000、ミード118900となって、ケンコーが一番安くミードが最も高
くなります。ミードは赤道儀に搭載する為の部品がありませんので、デザインや性能は惜しいのですが、候補から外れることになります。そして、後で接眼部に
ケンコーは投資が必要であり、国際光機は鏡筒バンドにアリミゾを別注と考えると、そう違いがないとも言えます。追加投資をせずに、安さそのままで後で文句
を言わないというのであればケンコーです。でなければ笠井です。
資金に余裕があるのであれば、英国オライオン社の製品も選択肢に入ってくるのでしょうが、如何せん価格が倍以上です。その分良いのであれば良い方が良い
に決まっています。しかし、鏡面精度を売り物にしていても、結局は薄いシンミラーで、重さを減らし鏡筒の強度を落としという品物です。これ以外に注文する
と言えば予算が一桁上がります。その品物は確かに良いですが、値段ほど良くないというのが実感です。だって、笠井を2本買って双眼装置を仕入れても未だ余
るのです。これらは論外と言うことで。
この時、笠井では特売でドブソニアン形式のものを出していました。これに鏡筒バンド+アリミゾを注文しても、幾らか安い。つまり、赤道儀に載せるだけでなく、ドブソニアンとしても使えるものになるのです。まあ、耳軸で制限が出ますが、両用というのはメリットがあります。
ところで、Webページには「銀次」というネーミング、これには大分退きました。この時は江戸文字で恋女房なんたらという宣伝があり、「舎弟」に加えた
くなる気持ちが揺らぎます。対抗のホワイティードブがメイドインチナ(我が家ではローマ字読みです)でなかったら、そちらに間違いなく行っていたでしょ
う。また、自作で赤道儀への取り付けを許されればライトブリッジも復活していたでしょう。銀次は台湾製の部材を使用しているので、中共よりマシな部分があ
ります。中共製のホワイティドブは、主鏡の精度をディフラクション・リミテッドと表示していますが、銀次は焦点面波面誤差PV=1/6λ以内(面精度
PV=1/12λ以内)、RMS=1/30λ以内としています。ところで、ディフラクション・リミテッドというのは、理想の放物面から、実際に研磨された
面が少しもずれていないという究極の面です。そんなものがポロポロと世の中に存在するはずがありません。現代の名工の方に仕事をしていただかなければならないものです。で、どれだけずれていても実用になるかという事を研究したレーリーさんの名前を取ってレーリー・リミットという用語があります。中心像がやや暗くなるけれど、ディフラクション・リング(星像の周りに出来る回折像)はさほど変わらずに、分解能は維持できるという許容範囲で1/4λという値が出
ています。まあ、良くてせいぜいこのくらいの値だろうと想像できる価格です。また、明らかに外観からホワイティードブの主鏡が軽いことが推測できます。
ニュートン反射の一番重い部材は主鏡です。耳軸が真ん中に寄っているのは主鏡が軽い、つまり薄いと言うことになります。薄ければ姿勢を変えると変形しま
す。
さあ、結論です。銀次君に決定です。
渋る嫁様を懐柔(?)ようやく新鏡筒とその付属部品発注まで辿り着きました。ポチッとな。
チャリ君、再び予算獲得です。
新鏡筒計画 第5節 新鏡筒到着
頼んだところは、Kトレーディング、40cmの部品を調達したところです。前回は発送と送料をちゃんと連絡してくれという話をしていたのにもかかわら
ず、黙って送りつけるという通販業者としては、異例の対応の悪さでした。勿論それが改善されるような商売をしているはずがありません。案の定、いきなり到
着しました。着払いで送料を払わせるのだから、前もって料金は判っているはずだし、荷物の番号でどこにあるかを検索だって出来る時代です。到着した荷物の
番号を調べると、現金書留が到着した次の日の晩に荷物が預けられています。天文関係の商売人には前時代的な或いは商いを知らない人間が多いことは、既に十
分知っていますが、時代の動きを学習しないところもあると付け加えておきます。
そもそも通販は、代引きが基本であって、それを客の負担分にするような商売をしているところは客商売ではない、殿様商売だと言いきることが出来ます。先に金を振り込めというのは、振り込め詐欺と一緒の手口です。後払いだと金を払わないヤツも出てくるのでしょうが、だから金を先に出せと言う理屈にはなりま
せん。平たい表現で言えば、客を信用しない店を、客が信用するかというテーマです。売りたいと買いたいというのは対等であるはずです。信用できない店を使わざるを得ないのは心苦しいものです。
さて、たまたま家にいた嫁が運送業者からの電話を取りっぱぐれて、外を見るとトラックが来ました。そこで取りあえず、いないようだけれど来ましたというメ
モ、不在連絡票を残しに来たお兄ちゃんがピンポンを押すと、返事があります。お兄ちゃん、ちょっとびっくりしたようです。ここで送料着払いの支払いですが、我が家とし
ては初めてお兄ちゃんにお釣りを払わせたのです。今まで、きっちり釣り無しで通販業者からの荷物を受け取っていた記録がここに終わったのです。
このお兄ちゃん、我が家のドームを見て、中に望遠鏡があるドームだと判った星に興味のある人物です。荷物の伝票に、とても望遠鏡と書かれたとは信じられない文字らしきものを、ちゃんと解読し、荷物が望遠鏡であると認識していたそうです。
荷姿は2箱で、平たい方はドブの架台の部品でした。会わせて100kgという運送会社のカテゴリーですが会わせて30kgちょっとぐらいでしょう。
そのまま玄関で開封、組み立てました。
鏡筒部分は出来上がり完成品です。しかし、台は自分で組み立てです。感じとしては廉価組み立て家具という感じですが、使っている合板がその手のものの安物のベコベコでなく、重く丈夫なものなのでネジを締めるにも力がいります。丈夫な造りで、これなら観望が楽に出来そうだと思いました。それ程時間が掛からず、30分ほどで出来ました。一応玄関前で記念撮影。色デザイン重視の嫁様にとって銀次の銀色は、トタン板の鍍金バリバリ銀そのものでなく少し黄から茶がかかった落ち着いた色で、許容範囲のようです。しかし、撮影して色をチャンと出すのは難しいことです。宣伝ページには白銀色と、このアンバーがかった銀色のものが載っていますが、もしかするとこっちの銀も製品によってはあるの?と思うほど違います。何とかこちらでは色を出したつもりですが、環境によっては違う色に見えるかも知れません。台は・・・少なくとも色については高評価は得にくいでしょう。黒一色と言うのも撮影が難しいですね。対抗機種達は白で、黒よりは色を塗りやすいかも知れません。また、ファインダーの取り付けについては、筒の鉄板が薄い為にファインダーを持つとゆるんできます。締め上げると鉄板が変形してきます。取り付け部分に改良の余地があります。しかし、当面は付属のファインダーは使用しないので外して取っておきます。
搭載用の金具の用意
同時に注文した部品に鏡筒バンドとアリガタがあります。これを取り付けて、更に手持ちの丈夫なアリガタに固定し、16、10センチを載せてみました。これでも使えるのですが、真ん中に入った鏡筒の使い勝手、取り回しがイマイチ良くありません。それにファインダーとして用意した8cm短焦点が載りません。
このままであれば、1本ずつ載せた方が便利です。同架の方法・形式について良く考えないといけません。最大の問題は、各鏡筒の同期です。てんでに勝手な方
向を向いていますので、それぞれにファインダーが必要ですし、折角の高精度目盛り環も、自動導入も役立たずになります。
実戦配備の様子
とにかく実験として載せてみようということで、2本にしてみました。ガイドマウントにMT-160は少々無理がありそうですが、直接搭載すると、2本の鏡筒を同期できなくなります。直接搭載をやってみたところ微妙にずれてしまい、修正できません。また、銀次の鏡筒バンド&プレートは、当初予想していたように強度が足りません。その為に風には大変弱くなっています。ドームの中ですから、大丈夫だと思いますが、これについては丈夫なアリガタを用意するしか手は無さそうです。他社のものを選択しても、これについては、同じ状況のはずです。今回選択肢には入りませんでしたが、英国オライオン社の反射鏡筒シリーズでも、バンド&プレートは付属してくるのですが、写真用として結構な価格のバンド&プレートがオプションに入っています。標準付属品が使い物にならないと言うことの表明をしているようなものです。
搭載方法については、色々と考えるべき点が出ていますが、これも楽しみのうちとして、実験を続けます。大抵のことは机上でのシミュレーションができますが、これについてはやってみるしかないのです。最終的に1本ずつ載せる方法となっても不思議はありませんし、巧い載せ方でオールインワンに出来るかも知れません。
使用鏡筒を並べたところ
25cmはファインダーと副鏡の同期が問題となっていました。特に副鏡と主鏡を同期させることに苦労していました。これは微動装置が付いていない単なる クランプで締めるだけの固定装置で、きつく締めると微妙に動くという構造的な問題の為です。そこで、微動付きの経緯台を付けてしまおうと思っていたのです が、なかなか良いものがありませんでした。玩具の様なものでは役に立たないし、かといって本格的なものは大きく重くなってしまいます。丁度よい中間的な、 小型機用のものを探していたところ、ケンコーから新商品として発売されていたものに行き当たりました。更にこれを使えば、副鏡にはファインダーが付いてい るので、別に広視界のファインダーを付ける必要がありません。取り付けはカメラネジかアリガタを使う様になっているので、副鏡をよく見るとどちらもOKで した。これで、取り回しは大変便利となりました。
ケンコーの経緯台
便利になったところで、1つ欲しい機能が出てきました。カメラだけで撮影できる様に雲台を付けたいのです。今までは、。雲台の付いたアリミゾを入れ替え る形でしたので。結構面倒でした。1ショットの為に20分かけて載せ替える気にならないので、撮らなかったというのが実情です。そこで、ベースとなるアリ ガタに昔使っていたマッチプレートを取り付けて雲台も載せました。これで、カメラを載せ替えるという手順だけで可能となります。また、2台載せておくとい うのも可能です。
標準から広角レンズは使えない
アーム式にして視野を確保します。
物品が徐々に増えてきていることと共に、棚の中のモニターは見にくいために、机に出して、棚を棚として使用することにしました。19インチのブラウン管モニターは、意外なほど大きく重く感じます。
モニターの明かりが、主鏡セルの後ろから回り込んで、カメラに映り込んでいました。そこでスカートをはかせることにしました。マジックテープで取り付け取り外しは簡単です。
遮光用スカートの作成、