マウナチャリ山ケロ丸天文台の歴史 車庫の設置(屋上天文台)


  序 (それは車庫から始まった)

  2005年に始まった出来事

  車庫型枠 2005年10月

  コンクリート流し込み 2005年11月


  序 (それは車庫から始まった)

 小さな頃から趣味は星でした。でも、自宅に天文台ドームなんて事は考えてもいませんでした。それがどこを間違ったのでしょう。先ずはその辺りから。


  2005年に始まった出来事

 自分の家ができると、久しく出していなかった望遠鏡を出す余裕がでてきました。しまっておいた望遠鏡は、今でこそ小型機と中型機の間に位置していますが、昔は上位機種です。今でも充分に使えるほど良いものです。それを玄関前の敷石の上に出して、星見の再開となりました。ここ千歳市、向陽台は市内から少し離れて工業用地と住宅地が独立しています。その結果、玄関先から上を見ると銀河が見えるという環境があります。冬でも望遠鏡を出す余裕は十分ありますので、ベランダならぬ庭先観望所が開設されます。問題となるのは、極軸合わせです。赤道儀ですから、極軸を合わせる必要があります。最近の自動導入赤道儀は、基準星を入れて極軸の誤差を補正するという素晴らしいテクニックを披露しますが、やはり、極軸はあっている方が良いに決まっています。極軸望遠鏡を覗いて、時角から合わせるのですが、ビシッと合う時もあります。しかし、大抵はある程度理範囲内です。カメラを載せて500ミリの直焦点で1分、2分でズレてくるのが判るというレベルでしょうか。冬場に何度か、前日に置いた場所に氷の穴が開いているのですが、そこに三脚を入れると、極軸が合っているということがありました。これは大変に嬉しかったです。また、同じ冬場ですが、バッチリ極軸が合っていてこれは凄い、15分は露出できるぞと喜んでやったら、星像が流れて写っている。原因を考えると、重さで氷が溶けて望遠鏡が傾いていったのです。そんな辺りで、すったかもんだかをしながら、星見の日々は再開され、続いていました。




玄関と車庫の間からの星見

  車庫型枠 2005年10月

 中古で手に入れた家ですので、色々と古い部分に不具合が出てきます。その最たるものが母家の屋根でした。これはペンキを塗って済むレベルではなく、張り替えとなりました。次に、同じ金属外装、カスケードの車庫が、遂に雨漏りを起こすようになってきました。車庫の地面は土と砂敷きで、結露も激しく、構造材の痛みも急速に進行していたようです。そこで、車庫改装の計画が持ち上がったのですが、この時に、鉄筋コンクリートでやれば、上に望遠鏡を載せることが出来る。望遠鏡台だ。台を要求する。というわけで、後先考えずに鉄筋コンクリートという結論を秘めて見積もりを取りました。鉄筋コンクリートは高いぞと思っていたら、実はそうではなく、木造で外装を立派にしたものの方が高いということを知ったのもこの時です。たかが車庫に400万近い見積もりを示したオオマヌケな業者もいて、未だに笑いものとなっています。結局、このオマヌケ業者が見積もりの中で基礎工事分として出した金額で、某社により工事が行われました。この部分での一番の難工事だったのは、車庫上に登る階段です。下請けに入った基礎業者の社長が枠作りの構想に3日悩んだということですが、工務店の担当者は簡単なことだと言って引き受けたのです。下請けに丸投げ? 確かに、難しい枠組みでした。

腐食するカスケード車庫




基礎工事 地面を冬場に凍らないところまで掘って基礎を入れます。


夜は気温が下がってしまい、コンクリートが固まらなくなります。その為にシートをかけます。




基礎が出来ると、その上にコンクリートを流し込むための枠を作ります。先ずは内枠です。そこに鉄筋も入ります。


内枠に外枠を取り付けていきます。


コンクリートの重さは大変なものなので、枠の補強はガッチリとしたものにして完成です。


電源の配線も入ります。

  コンクリート流し込み 2005年11月

 コンクリートの流し込みの作業は、最初は、壁・天井・床の3段階に分けるつもりだったようですが、壁と天井を別にやらないで、つなぎ目無しに一気に作ることになりました。この方が、雨漏りもなくできるそうです。そして、枠が取れたところで、床に取りかかります。床はアスファルトかコンクリートでやるかを勘案したのですが、結局コンクリートにしました。アスファルトはタイヤが通るところがへこみます。コンクリートは何かとヒビ割れるという欠点があります。へこむかヒビかを選択したらヒビだったわけです。ひび割れを防ぐためにスタイロフォームを下に敷いてその上に鉄筋を浮かせます。まず車庫前の舗装をやり、その後で車庫の中の作業となりました。時期的に押せ押せとなってしまい、コンクリートを固めるために暖房を入れなければならなくなりました。完成は根雪までギリギリというタイミングでした。早速、手すり&シャッターが付く前に望遠鏡を載せ、星見を行いました。でも、高さ3メートルって、意外と高くて怖いんです。


型枠にコンクリートを流し込みます。


コンクリートが充分に固まったところで枠を外します。


壁と天井、階段の完成


車庫前もコンクリート舗装します。


最低気温が5℃を切るようになるとコンクリートが固まらなくなります。その為、囲いを作って保温します。


車庫床もコンクリートを入れます。車庫前は表面に荒い凹凸を入れますが、車庫内は丁寧にならします。


車庫屋上での視野は広がります。しかし、手すりの無い高さ三メートルは、結構怖いモノです。


車庫ですから車が入ります。結構大きな車なのですが、楽々入ります。


シャッターが取り付けられ、ちゃんとした車庫になりました。そして階段と屋上に手すりが付きました。これで高いところが怖くなくなりました。


屋上観測台の完成です。

正に天文台です。天文台の予算交渉に当たったチャリ君が記念撮影です。観測台をかあちゃんに要求して通したのです。この家を買った時もチャリが付箋紙を貼り付けた団扇で要求貫徹した過去もあります。

得意満面のチャリ君


天文台の様子