20141002

レンズ性能 AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR


 ナイコンの望遠ズームレンズの「AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f=4.5-5.6G IF-ED」が廉価であったので所有していましたが、これで星を撮ろうとは思っていませんでした。実際のところD300では、あまり気付かなかったのですが、D800では明らかにボディの解像度に追いついていないレンズでした。ここで機会あって、望遠ズームレンズの更新を図ることになり、物色した結果、表題のレンズにたどり着きました。同じ系列でF2.8のものもありますが、ほとんど絞り開放で使うし、そちらをF4.0に絞ってもこちらの性能を出さないことが判っていましたので、スペック的には下位製品となるこちらを選択しました。
 以下のMTF曲線で青色の線が主に解像度を示しています。実線が放射方向、点線が同心円方向です。200mmの焦点距離では、中心から15mmの辺りから、像が円から外れ、視野端に向けて乱れていることが想像できます。

 画像を撮った夜は月齢11の半月が過ぎてかなり明るくなった状態です。夜光が明るいため口径食の具合が良く判ると判断して決行しました。中心は、こと座αベガ、撮影機材の関係で右下方向が北です。画像サイズは7360×4912ドットを1390×931に圧縮しています。2枚目は中央と四隅、上下左右端の中央を等倍で切り出したものです。四隅の端までは21.6mm、左右端までは18mm、上下端までは12mmとなっています。
 焦点距離を70、85、135、200mmについて、それぞれ絞りF4.0、F8.0、F16.0を撮影しています。
 中心から15mmを超え付近から星像が伸び始めているのが判り、MTF曲線のような性質が見られます。絞りを絞ると改善します。ただし、通常の使用では開放でもほぼ問題なく使えるレベルです。特に望遠レンズですから、精鋭な像を結ぶ範囲に対象を入れて、周囲をぼやかすという撮り方をするならば、全く問題の無い性能を示すでしょう。どうしても等倍で伸びているのがイヤだということであれば、DXフォーマットにクロップすることで、完全な良像範囲を使うことができます。驚くべきは、ズームレンズでこのような像を得られるということです。このような性能は単焦点レンズで無ければ得られなかった時代があります。旧製品ではありますが、単焦点AI 200mmF4.0では色収差がかなり目立ち、モノクロでは何とかごまかせましたし、カラーでも感度が低いが故にあまり気にならなかったのですが、D800レベルの画素では、やはり不満の残るものになっています。その単焦点より、先鋭度、コントラストも高く、色収差の補正についていえば、接眼鏡を付けて覗かないと判らないというものになっています。そして、このレンズのポイントは、寄れるという所にもあります。上位製品ではF2.8のものがありますが、そちらは寄れませんので近場をクローズアップしたい方にはお勧めできません。

70mm F4.0

70mm F4.0

70mm F8.0

70mm F8.0

70mm F16

70mm F16

85mm F4.0

85mm F4.0

85mm F8.0

85mm F8.0

85mm F16

85mm F16

105mm F4.0

105mm F4.0

105mm F8.0

105mm F8.0

105mm F16

105mm F16

135mm F4.0

135mm F4.0

135mm F8.0

135mm F8.0

135mm F16

135mm F16

200mm F4.0

200mm F4.0

200mm F8.0

200mm F8.0

200mm F16

200mm F16


NIKKOR 200mmF4.0

F4.0

F4.0

F11

F11