デジタルカメラ

改造の効果

 天体用として改造されたD300は、D70のカラーバランス調整フィルターを、よりHα領域を透過させるものへの交換するという形ではなく、カラーバランス調整フィルターを単に外してしまうというものでした。従って感色域は、搭載されたCMOSセンサーそのものとなります。多くのセンサーは、赤外域にも感度があり、カラー用では、赤のセンサーが捉える領域が赤外域にかなり広がっているようです。すると、改造D300はそのまま赤外線カメラとなっていることが予想されます。
 この予想どおり、赤外線フィルターを付けてライブビューを使って手持ち赤外線撮影ができます。赤外線フィルターは、センサーの前に取り付けられた通常のカラーバランス調整フィルターからこぼれ落ちた赤外線を拾って撮影するために売られているものです。説明書には三脚に固定し10段分ほど露出をかけて撮影すると書かれています。すると通常1/125で撮る場合は8秒の露出となります。これが、普通どおりに撮れるわけです。
 赤外線カットフィルター(DR655)も赤外線(のみを通す)フィルター(R72)も既に用意していますので、そのまま、通常撮影ができます。試してみましょう。

4枚の画像はフィルターとしてDR655カラー、DR655モノクロ、R72、無しの順になっています。


カーソルを載せたときが赤外線映像です。


カーソルを載せたときが赤外線映像です。

 緑の植物は、通常のモノクロ画像に比べて明るく写ります。赤外線の一部が熱線ですから、熱を放出しているものは明るく写ります。赤外線画像は、一般的にはそれほど求められているものではありませんが、目に見える光ではない光で見るという、少し違った世界がそこにあります。