sdwd占星術講座 月の力(20060917)

月の力

 月について有名なのは、A・L・リーバーの『月の魔力』です。月に関する統計的なデータの示すものが、占星術からのアプローチに似ていることが注目されます。この後、類書が多数出ていることを見れば、重要なエポックとなる本です。
 さて、この本の中に出てくる月齢でまとめた殺人事件や交通事故のグラフが印象的です。そこで、自分でやってみないと、おさまらないわたくしとしては、早速、本棚の資料にあたってみました。ざっと見た限りでは、何か意味のあるものが出てくる印象を持ちました。
 材料としては、昭和以降の殺人事件と通り魔事件に限って資料を集めみました。

月齢 件数 人数
殺人 通魔 殺人 通魔
0 19 2 32 2
1 28 2 62 9
2 19 43
3 11 29
4 23 2 34 12
5 22 30
6 19 2 29 2
7 17 1 27 1
8 14 2 22 1
9 13 1 23 9
10 20 1 35 1
11 17 1 31 1
12 17 1 33 1
13 19 3 26 1
14 18 2 38 3
15 14 1 29 7
16 21 1 31 1
17 19 2 23 1
18 15 2 27 2
19 18 4 23 2
20 16 22 8
21 18 1 22
22 20 1 31 1
23 20 2 29 1
24 11 19 2
25 23 2 34
26 14 21 2
27 20 3 36
28 19 2 26 7
29 10 11 7
合計 534 41 878 84

上の表の殺人と通り魔の合算で、グラフにしました。

 この結果から、日本の昭和以降における殺人事件は、特段、満月に偏っていることはないことが出ています。また、新月上弦下弦と言った特徴的な月相での集中もありません。元データが日付でしかないデータもありますので、1日程度の誤差を見込むべきですが、それを考えても、結論は変わりないでしょう。はっきりしているのは、新月直後の月齢1日にピークがあり、特定の月齢による偏差は、件数が少ないことによる揺らぎの範囲に入ります。月齢は大体29.5日ですから、月齢29日のデータは半分以下になっていてもおかしくありません。それを考えても新月の前後の数日で、明らかに現象に偏りがあります。これは、1割や2割の差の程度の集計上の揺らぎと考えられるようなレベルではなく、2倍以上の差で、新月直後は他の時期より危険であると言えます。
 使用したデータの中で、津山30人殺しと地下鉄サリンの17人は飛び抜けた別格として、これらの表とグラフに入れていません。これを考慮すると、それぞれ月齢20と18だけが飛び出る形になります。また、時刻の判明したものは、時刻までを使い月齢を計算しています。時刻が判らないものは12:00として扱っています。