mS's Ast. 修正占星術

mS's Ast. 031 修正占星術−占星術の王道

 SG、SGS、SGSMSとアストロ講座が途切れながらですから、今回の書き込みが「講座」になるほど続くかどうか心許ないのですが、出来るときにギリギリいっぱいやっておかないと後悔のもととなりますから、頑張ってみたいと思います。

 これからのお話は、外国の文献にも少なく、日本語の文献には皆無と言ってよいほど記述の少ない、わたくしも書くのを避けてきた部分です。何故避けてきたかと言うと、確かに占星術を始めたばかりの方には難しいなと言う、人を馬鹿にしたところからの判断があったことを告白しておきます。その様な難しい部分はあるけれども、こうなんだよと言うことを知らしめなければ、広まらないことは確かです。出来る限り体系立てて説明してみたいと思います。

 今までの占星術の修得の仕方は、出生図から入りました。出生図をとにかく解読すると言う方向で、それが何とかなったら進行や経過を入れて判断出来るようにする。この様なステップ学習方式でした。この方法は出生時刻が厳密に正確な場合での正当な方法といえるでしょう。要求される出生時刻の精度は、高度なテクニックになるに従いどんどん上がっていきますが、初期値でもプラスマイナス10分では誤差が大きいぞと言う感じです。そうすると母子手帳による正確な時刻が判っている人でも、そのチェックが必要と言うことになってきます。ここまで来たら、信用できるのは何だ、何もないじゃないかと言うことになってしまい占いそのものの否定にもつながりかねません。

 ここで、発想を転換し逆から攻めてみましょう。つまり占星術というものは感受点配置と我々一人一人の人生がシンクロしているという原則から作られています。これは感受点配置−>人生という原因と結果の関係でなく、シンクロナイズされた、共時性として扱うのですから、人生−>感受点配置という形でも使えるはずです。そこで一番のキーともなる出生時刻を特定するのに、今までの人生の出来事の発生時刻や物理的心理的に打撃を受けた瞬間の感受点配置と出生図を比較して、強力な関係が出来るように出生時刻を動かしてみる方法にたどりつくでしょう。

 この考えと方法は、今までの出生占星術の解説書からは特別のテクニックで難しいという表現があればよい方で、何も書かれていないのが普通です。つまり特殊なテクニックなんだという押さえです。しかし、良く考えれば、「出生図の解読」と同じ事をやるのですから、なにも難しいと騒ぐようなことではないのです。まあ、確かに1枚のチャートを30分もかけて作っているようでは不可能なことですね。

 このレクチファイをメインにおいたアストロロジー、直訳すれば修正占星術とでも言うのでしょうが、これが占星術の王道です。既に東京学習会では銘打たずに行われていますし大阪学習会でも始まりました。福岡も北陸も遠からず始まるものと思っています。

 良い名前が付くまで修正占星術と呼ぶしかないようですので、そう呼びますが、必要なものはそう多くないと思います。1.占星術の記号がわかること。2.Stargazerは当然として、Stargazer以外の占星術ソフトでも出生進行経過にソーラリターンが出れば使えると思います。(と言ってもハードルは高いですね)3.出生図解読用のマニュアル本。各感受点の意味内容。感受点と室の関係、意味内容。各々の座相の意味内容が書いてあれば可。必要の無い方もいらっしゃいますね。要らない状態に早くなりましょう。4.時計。冗談のようですが、たとえ怪我をしたときでも、時計で時刻を見てから痛がる。子供が産まれるときは真剣に合わせた時計で、出産に立ち会い記録する。たとえ親が息を引き取るときでも、時計を忘れない。秒まで記録するのです。これがなかなか出来ないんです。その場で記録しておかなければ、永遠に判らなくなってしまいます。5.忍耐と好奇心。これはたっぷりと必要です。6.注意点。以上のことから、修正占星術は自分を題材にするのが最も適当で、他人にやってもらう性質のものではないし、やらせるべきでもないという考えを★秋津★は持っています。自分のことは自分でバンバンしなさいということでもあります。StargazerSmSv3以降の添付ドキュメントの最初に注意の補足として書いてあることは、主にこの事を指しています。勿論、他人について「やるな」ということではありません。「やれ」です。どんどんやるべきです。しかしその結果については良識の範囲で裁量した方がよいでしょう。まあ、勉強のために題材にされた人には申し訳ないとは思いますが・・・

 6.は、わたくしの考えですから異論のある方もいらっしゃるでしょうが、これを読む環境にある方のほとんどは1から5までの必要案件を満たすことが出来るでしょう。

 さて、能書きが長いと中身が薄くなったりしますから、やってみましょう。先ずは全体の作業の流れをまとめます。mS's Ast. 032 修正占星術−準備

   準備   修正占星術の用意何事にも準備が必要です。経過データと出生データを用意します。

   準備1 出生用経過データを集めましょう。生まれたばかりの赤ちゃんでは出来ない相談ですが、心に大きく残る出来事、それがいつ頃だったかを年表のようにします。夫や妻にも見せられないデータとなったりすることもありますね。後で騒動にならないようにしましょう。(これがあるから自分のは自分でバンバンして人に頼るなっていうとんです)そしてこれが最初に書いた必要なものの4.に関わっています。正確であればある程良いのですが、日付や月、年までのデータでも参考になります。

   準備2 出生データを集めましょう。自分をやる場合でも、自分だけの分ではつまらないです。父母兄弟姉妹息子娘、夫や妻、親しい友人等、出生データは多いほど楽しくなります。そして、出生データ、特に出生時間の精度を「評価」しないといけません。母子手帳が一番嬉しいですが。経験上5分位前後することは良くあります。お母さんの記憶も違っている場合が往々にしてあります。そりゃぁ人生の大事をなしている最中に時計なんか見ている余裕があろうはずありません。また、お年をめした方の中には2カ月も届け出られた日と実際が違っている場合もあります。

 勉強のために、ある題材をやる場合でも、本人だけでなく「関係者」一同が欲しいです。そして、この場合は文献から持って来ることがほとんどですから、「誤差の評価」が難しくなります。何処まで信用できるデータなのかを押さえておかないと修正自体を間違えることになります。標準時の問題もありますね。日付しか判らない場合は、現地の標準時の昼12時とするのが(普通かどうかは知りませんが)わたくしのいつもの方法です。

 この誤差の評価は後々問題となりますから十分に見ておくことです。母子手帳並みに10分以内だろうとか30分程度、午前と午後、日付しか・・・いろいろありますがそこをしっかりと押さえておきましょう。修正占星術では時間が判らないからハウスが使えませんと言う事はないのです。当然ですが正確なのがあればそれに越したことはないです。

 以上が資料収集活動でした。これは、ずーっと続けていくもので、これで終わりと言う事がないですから気を長くして集めていきましょう。mS's Ast. 033 修正占星術−進行

 この分野でStargazerSmSv3.1で使用するのはホロ3重円です。ホロ3重円の真価はここで発揮されます。

 1つの経過データを参照するのであれば、ホロ3重円で経過日時を打ち込めば済みますが沢山の経過データでは面倒です。つまり、もう一度見たくなったときに呼び出す形にしておきたいわけです。方法は2通りあります。ソフトとしてStargazerしか使えない場合は出生データとして登録してしまう方法が一番です。次にエディターが使えるという場合は時期表の形にしてしまうのが楽です。(時期表のいじり方については別発言でコメントリンクさせます)。何れの方法を使用しても3重円NPTの操作がほんのちょっと変わるだけで、同じ事が出来ます。

 出生時間の調整は3重円表示されているところから、右側データ表示を NatalData にして(←→キーで変更)+又は-で始め、数字を入れ最後にYDHMSの何れかを入力します。10分進めるのでしたら+10Mとすれば良いわけです。(1を押して出生円表示にしてからプラスマイナスしても同じですが、要は3重円の状態が問題ですので、0で3重円に戻すことになります)

 経過と進行はいっぺんに見るものですが、初めて間もない方にそんな技を要求するのも無理がありますから、ここでは別々に説明しましょう。

 進行感受点についてです。何らかのイベントがあり、それが重大であるほど星の配置に明らかに出るはずです。と言っても、どうチャートの中で出るかです。進行法にもよりますが一日一年法では進行の花形は進行する月です。月p と書きましょうか。進行法としては一日一年伝統法が最も適切であると思います。次善の策としてはダイレクション・アークです。双方の方法とも確かな理屈付けがあります。双方の折衷物であるCPSと言う方法もありますが、こちらはあまりお勧めできません。それぞれ別のテクニックと考えて使った方がよろしいでしょう。1日を1年と換算して出生チャートの上に進行チャートを乗せるのですから、月は1年で1日分の動きとなります。つまり平均で13度ほどの動きがあります。進行感受点との座相の許容度は1度というのが定説ですから、一カ月に1度ほど動く計算になる月P は座相の効果期間が前後1カ月の2カ月間と言う事になります。で、良いことと言うのは月P と吉星(太陽、水星、金星、木星が吉星と言う表現の仕方が多かったですね。ここではそろそろその様な一律的な表現ではなく、出生でハードなアスペクトを持たない、アフリクトされていない、損なわれていない星と言うようにしましょう)とのイージィな座相があるべきです。また凶事には月p が凶星(吉星と同じように、出生チャートの中でハードな座相を持っていないと言うように表現しましょう)とのハードな座相を持つべきです。勿論この考え方は、他の感受点にも関係します。太陽、ASC、MCの進行はソーラアークと呼ばれる太陽の進行に合わせて動きます。1年に約1度動きますから、効果期間は前後1年の2年間です。期間としても長く効果も強いと考えて下さい。

 これらの位置関係を複数のイベントでチェックし、出生時刻を前後に動かしてみるのです。どこかにピッタリ合わせると別のが合わなくなったりすることも多々あります。そんな中で、出来る限り合う時刻を見つけだしていくのです。この時、どんな感受点がどんな進行天体と座相を作るかで事件の内容と共に考えます。例えば、彼女とゴールインしました、万歳と言うのに、月p と出生の金星と90度でした何てことは、無いとは言えませんが、あんまり無いでしょう。これらの座相に関しては一刻も早くイメージをつかんで下さい。感受点のはいる室についても、用意のマニュアル本をじっくりと参照して、手探りでも始めて下さい。

 出生チャートの解読のみでしたら、決してやらないであろういろいろなポイントの説明を読み、そして試しに出生時刻を動かす。その操作は1日や2日ですんなり出来るようになるものではありません。もし、すんなり出来たという初学者の方がいらっしゃったら、是非ご一報下さい。わたくしは押し掛け弟子入りしたいと思います。しかし、出生図の解読から始めて徐々になんて思っていたら何年もかかります。それを出生時刻を動かすと言う考えて使うようになれば、真剣にやれば1年経たずして、自信を持った占断の出来る状態になるでしょう。mS's Ast. 034 修正占星術−経過

 進行は条件整備、経過は引き金と言う表現で説明されることが多いのですが、経過(トランジット)については2つのテクニックが存在しています。1つは経過感受点が、正にジャストの座相を作る時刻を使うものです。こちらについても、出生時刻の修正が出来る場合が往々にしてあります。しかしたいていの場合はオーブ(座相の許容度)の中なので迷うことが多いです。2つ目が回帰のテクニックです。生の経過感受点とは少々違う使い方で、ソーラ・リターンを中心とする方法となります。こちらはある程度進行や経過の生を使う方法で絞り込んできた出生時刻に対して決を入れる形で使用します。SGS's Astro講座の6回目のソーラ・レボリューションの項目で修正が出来ると既に書いています。ソーラリターンでの重要な感受点は経過のASC、MCなのです。これらは出生時刻に対して敏感に反応して動きます。従って出生や進行の感受点に対しての座相(合、衝)も分秒単位で選定できることになります。これがその方法です。

 ソーラリターンでは、その効果期間について、いろいろな人がいろいろと説を出していますが、取りあえず基本として、ソーラリターンの瞬間から次のソーラリターンまでとして判断しましょう。効果期間について何か言うのは、この方法に慣れたところでの研究項目です。チャート作成する場所も問題です。SGS's Astro講座のときはソーラリターンの時の場所と書いているはずですが、ここではソーラリターンのチャートは本人の在住の場所と言うようにした方がよいでしょう。東京に住んでいるんだが、たまたま誕生日はアトランタにいたなんて言う場合が迷います。ASCは完全に違いますから。仕方ありませんから2通り使ってみましょう。本人が動き回っていて、一カ所に居ないと言う場合は・・・困りましたね、この場合は仕方ありませんからソーラリターンの瞬間にいた場所にしましょうか。これはマップと絡めても未解決の問題なのです。出生地そのままを使うべきだと言っている人もいます。

 さて、これで終わったと思ったら間違いですよ。用意した関係者の出生データを使っていませんよね。次はそこに行きます。mS's Ast. 035 修正占星術−PT補足

 準備1で行った経過用資料収集ですが。経験上、悲しい事件、ショックな出来事、悲惨な状況の方が、よりチェックしやすいと思います。振られてさめざめと泣いたなんて時も時計が必要です。勿論、正確な時刻があるのが好ましいのですから、床入り、結婚式、息子娘の出産等々喜び事(でない場合もあるようですが)でも大歓迎です。その上に、準備2と関わる事ですが、兄弟姉妹親戚縁者の出産なんてのは典型的な形になって出ることがあります。人の誕生や死は定まっているかのように来るべくして来るものですから、これをレクチファイに使わない手は無いです。

 時刻が欲しいというのは日記でも付ければよいと思うのですが、日記となるとちょっと意味合いが違いますので、単なる時刻記録資料が一番です。★秋津★は日記が1週間以上続いた事がないので日記はあきらめています。ただ、出生データの中にはその手のデータが詰まっていますから、自分の分に困ることはありません。勿論、全て妻には情報として行っている(いってしまった)ので、隠し事は無理でしょう。

 mS's Ast. 036 修正占星術−他の出生

 他の出生の使い方ですが、最初は相性ですね。感受点の位置の比較です。「深い関係(色々な意味で可)」であるならば、出生チャートの段階でタイト(第一種座相で許容度2度3度程度)な、良くあることとしてドンピシャ許容度1度以内、又は同じ度数なんてのが、良く見受けられます。それも頷きたくなるような感受点同士で納得できるような座相となることがかなりあります。見受けられない場合は進行や経過(ソーラリターン)に必ずあります。確率的に必ずあるだろうと言うような数学的な話ではなく、占星術的な意味であるはずですし、また、あるんです。そしてそれを何分動いたら、どうなるかなと試してみるのです。これをやるためにはなるべく正確な出生図が欲しいのですが、同時にレクチファイしてしまう(つまり出生時間を修正する)と言うことも可能です。しかし、これこそ難しいですね。そんなことでは、結局修正なんか出来ないではないかと思うかも知れません。でも、「他の出生」の動きの遅い感受点へ、本人の動きの早い感受点が接触している場合がありますよね。これが使えるでしょう。ですから、関係者を出来るだけ多数欲しいわけです。

 次に事件の時にショックを受けている本人に関わって同じくショックを受けているのであれば、何らかの問題がチャートに出ているはずです。本人のソーラリターンの時の感受点位置と「他の出生」のNやPとの関連が出ることがあります。また、逆に「他の出生」のソーラリターンの時の感受点位置と本人のNやPとの関連が出ることもあります。これが2つめの使い方です。mS's Ast. 037 修正占星術−サンプル

 題材 福岡学習会終了後の復習が滞っているようですので、そこで取り上げられた皇太子妃をみてみましょう。

 準備としての出生データとしては当然皇族と小和田家を集めるべきでしょう。
-----出生データ(UT)
18521103 40000 135.73 35.02 "京都","明治天皇","",0
18500528 30000 135.73 35.02 "京都","昭憲皇太后","",1
18790831 30000 139.70 35.70 "東京","大正天皇","",0
18840625 30000 135.73 35.02 "京都","貞明皇后","",1
19010429 131000 139.70 35.70 "東京","昭和天皇","裕仁",0
19030305 212500 139.70 35.70 "東京","皇太后","良子(ながこ)",1
19331222 213900 139.70 35.70 "東京","平成天皇","明仁(あきひと)",
19341019 224500 139.70 35.70 "東京","皇后","美智子",1
19600223 71500 139.70 35.70 "東京","皇太子","",0
19651129 152200 139.70 35.70 "東京","秋篠宮","",0
19660911 30000 138.40 34.97 "静岡","秋篠宮妃","紀子(川嶋)",1
19320918 30000 139.05 37.92 "新潟","小和田恒","",0
19380130 30000 137.20 36.70 "富山","小和田優美子","",1
19631208 190000 139.70 35.70 "東京","皇太子妃","雅子(小和田)",1
19660708 30000 8.57 47.38 "チューリッヒ","小和田礼子・節子","",1
----
 日本時間12時になっているのは、生時不明のデータです。その他のデータは、まあ5分程度の誤差ですむんでいるであろうと思います。

 経過データについては、なかなか時間ばっちりのデータは無いようです。また、出ている文献には、当たり障りのないことしかありません。特別なデータとしては1992年の10/3の11時くらいから17時の予告されたデートの間の推定16時頃に最初の正式なプロポーズがあったと考えられます。また、結婚の儀は翌年の6/9の10時5分から18分に行われました。                    (上記全データJST24時制表記)この程度しか判りません。さらに初恋だとか、始めての男と言うようなデータは、当然ありません。しかし、宮内庁は徹底的に調べるでしょうから、皇太子妃候補がバージンでなければ、皇太子がどんなに頑張っても話をすすめはしないでしょうから、そのこともデータとして使っても良いとおもいます。成婚後、ものすごいプレッシャーとなっているはずの世継ぎについては未だに音沙汰なしというのもデータの一つです。

 前出の「準備」のところで書いたように、情報収集は継続して行うべきです。mS's Ast. 039 修正占星術−出生補足

 出生部分での読み(リーディング)の際に、かなり飛ばしてしまいましたが、各々の時間のチャートに対して今まで通常の手段とされてきた「解読」の作業も良い勉強だと思います。例えば12時の出生とする場合、ASCが魚座宮であるから、容貌はかくかくしかじか、性格はこんなんでました。太陽は射手座宮でスポーツは好きかも知れない。座相は土星との吉角で努力型だとかいうように、まとめて書いてみるのも勉強です。原理的に言えばASCの360度に対応した360枚のチャートを見て考えると言うことも出来るでしょう。Stargazerを使っている限り、物理的に不可能と言うことは無いはずです。後は心の中にある壁をぶっこわす根性あるのみ。mS's Ast. 040 修正占星術−進行経過

 乙女蠍射手の上昇というあたりをつけて12時出生のチャートを見ましょう。勿論3重円です。経過日時は取りあえず結婚の儀の1993/6/9 10時5分東京で行きましょう。乙女の上昇は0時や23時に変更すればよいですね。蠍の上昇は4時、射手は6時と言う具合ですですから、3重円の右側データ表示にNatal Dataとなっていることを確認してから-6hと言うようにタイプすると出生時間が切り替わります。切り替える前に、進行の状態をチェックします。

 太陽の進行は時間によってそれほど大きく動くと言うことはないですが、人生のベースの動きですから、一応ざっと見ましょう。進行太陽は山羊座宮を動いていますが、逆に戻して考えると、2年ほど前に冥王星とトライン、数年前に出生金星と合だったはずです。その2年前には出生天王星とトライン、半年で出生木星とスクエアとなっているでしょう。これは、チャートだけを見ていても慣れると大体判るようになりますが、右側データ表示の感受点度数を追っていくことで判るようになります。

 カーソル移動キーを使ってデータ表示をプログレスにします。進行太陽の度数は判りますね。12時出生であれば山羊座宮の16.34となっているはずです。昼の12時のデータですから、太陽は16.34−0.5=15.84から16.34+0.5=16.84の範囲で進行太陽があり得ます。進行太陽は大体1年に1度の動きですから、今度はネイタルのデータを見て、15、6度の辺りから座相の取るであろう星を出していくのです。土星は18度でこれから(30度ですね)、海王星とは60度の最中、14度の冥王星は16−14=2で2年ほど前、トライン、11.8度の金星とは16.3−11.8=4.5年前にコンジャンクションと言う具合です。この辺りの見方を時期表を作って置くと落ちは無くなりますが、何時も時期表を作って頼っていては、チャートが読めなくなりますから、是非頑張って修得して下さい。

 さて、この太陽の進行による座相で行くと、進行太陽と金星のコンジャンクションという非常に大事で強力なものがあります。これは何を示しているのか、年表をくくってみたくなります。はたしてハーバートを卒業して日本に戻り東大に入って外務省に受かるという時期でもあります。金星の持つ外交と言う持ち味を存分に生かした人生の歩みとも言えるでしょう。そしてもう一つつけ加えるのなら、皇太子に目を付けられた(表現が悪い?)のは外務省に入って半年ほどのどこぞの王女様の歓迎レセプションであったというのも注目すべき出来事ではないかと思います。

 次に月の進行です。本来動きの早い月を使って出生時間の推定の補助にしようとしているのですが、太陽のような明らかで強力な座相は見つけられません。データ不足の点差し引いたとしてもこの結婚の儀のからの何らかの関係を導くことは難しいでしょう。ただ、偶然のことかどうかは判りませんが、この時の出生図での月の位相と進行図の月の位相がほとんど同じであることは指摘しておきます。

 ASCとMCの進行は、皇太子妃のように、ここまでは才媛であったとしても市井の生活です。それががらりと一変するわけですから、はっきり出ていて欲しいです。0時付近から行きましょうか。0時のデータから進行MCと冥王星(徹底的な変化の星)に関連づける(この場合は出生冥王星と60度の座相を作るようにする)ことは、出生時間を戻さないといけないから出来ません。0時付近では、進行ASC、MCで顕著な形を作ることが出来ませんでした。4時付近ではどうでしょうか。これですと進行のMCを冥王星にのっける事が出来ます。冥王星の出生進行、両方とも3時39分を中心とした数分が特定された時間です。また同様に突然の変化と言うことであれば天王星に対しても同様な計算が出来ます。進行ASCを出生太陽に乗せることもできます。この様な試行錯誤を繰り返して更に「説」を絞っていくのです。mS's Ast. 041 修正占星術−進行経過続

 進行の試行錯誤の続きです。前回は進行のMCに注目しましたが、進行のASCはどうでしょうか。4時付近生まれとすると進行のASCは射手座宮を進行します。進行するASCは本人の性格の変化を示していますから、蠍から射手への変化が出た年齢が判れば、こちらも修正のデータになります。蠍座宮は内向的で我慢する方ですし、射手座宮は積極的に外に働きかけます。スポーツレディと「伝記」には書かれていますが、それが周囲に判るのは小学校から中学校にかけてということのようですから12才辺り、すると進行のASCを12才で射手座宮0度にしようとすると4時半頃の出生となります。デンフタでソフト同好会、それも区で優勝ですからねぇ。

 同じように、進行のASCが作る座相を見ると、射手座宮を進行するならば、出生の太陽とコンジャンクション(0゜)になりますし、乙女座宮の中頃にある出生の天王星、冥王星とスクエア(90゜)になります。単純な見方ですが、天王星は突然の変化、冥王星は徹底的な変化、太陽とは身分の変化があってもおかしくありません。これらが結婚の儀で来るように調整すると、4時半に数分の10分台のプラスマイナスの時間が出てきます。経過感受点については、結婚の儀だけではデータが足りないと思いますから割愛しますが、結婚の儀が何でこの日この時なのかなぁと言う気がします。もっと良い時があるだろうにという意味と、やっぱりこれが運命なのかなぁという2つの意味ですが。mS's Ast. 042 修正占星術−回帰

 太陽回帰、ソーラリターンの場所は、幸い東京一本で済みます。時期としては、すったもんだが一応終わって、プロポーズと言うのが1992/10と言う事ですから、1991/12の回帰を見ましょう。当初は12時の登録ですから、1991/12/9 6h43mと言うところでしょうか。さらに出生時間を調整して、幾つかにまとめられた「説」を見ていきましょう。4時頃とすると回帰図のASCは乙女の初旬にいます。概略ですが24時間で12星座宮ですから、1時間で星座宮半分動くという判断は、出生と変わりません。ここで、回帰図のASC、MCの位置を調整して出生進行の感受点、それも重要なポイントと合、次善の策として衝の座相を作るように動かします。例えば、4時出生という元図から、回帰のASCを回帰の木星に重ねる、出生の天王星に重ねると言う事が出来ます。すると4時半頃ですね。このまま、結婚の儀の回帰図となる1992/12の回帰図を作ってみましょう。そうすると回帰のASCは同じく回帰の水星冥王星と極めて近い状態です。木星のラッキーでロイヤルプロポーズ、チャンスを捕まえ、結婚の儀で、冥王星の人生の徹底的変化、こう考えるとスジがありそうです。数分の範囲で動かして微調整は要りますが、これも「説」としては有力な候補となりました。この回帰を使う方法は、経過のデータがあればあるほど、複雑面倒にはなりますが、この辺りから本格的に面白くなってきたと言えるでしょう。今回は2枚の回帰図のASCの位置にしか注目して居ませんが、それぞれをしっかりと読んでも、なかなか読みごたえがある(つまり、面白い)と思います。mS's Ast. 043 修正占星術−他の出生

 急ぎ足の検討を行っていますが、最初に取り上げるのが皇太子であるのは特段疑問もでないと思います。と言うのは、あくまでも皇太子妃の人生についてポイントを絞っているわけですから、例えば皇統の問題等については別の観点、人選があってもよいでしょう。ところで、修正の為に他の出生を見るというのは相性座相を見ることとは違います。しかし、興味のあるところですから、取りあえず皇太子妃4時半出生と皇太子のチャートを比べてみましょう。男女を問わず太陽と月の関係が相性の基本線で、火星や金星が男女間の愛情等と言う押さえからすると、最重要なところには関係が出てこないと言う結果があります。これは時間を動かしてもそう変わり無い状況です。星座占いでは魚座と射手座ですから不可という結果が出ます。これは単純ではありますが、良く経験することでもあります。それはともかく、重要なところで座相を持たないと言うのは、相性としては可もなく不可もない、互いにイライラすることもなければ、ウキウキすることもないと言う事になります。これを良しとするか悪しとするかは哲学的な論議になってしまいますから、本題に戻ることにしましょう。

 チャートを比較した場合、座相が見やすいので、真っ先に見てしまいますが、最初に見るべきなのは、各々のチャートの感受点の配置の様子とその関係です。皇太子妃は4時出生では月が乙女座宮であり、乙女座宮には3つの星が入ります。山羊座宮にも3つで、チャートの東半球(MC−ICラインの左側)に星が多く、2室4個、10室3個、全体として、木星を鍵とするバケットタイプと考えられます。これに対して、皇太子はチャートの西半球(MC−ICラインの右側)に多く、6室にはカスプ5度前を考慮すると4個が入り、かなり強力な集中です。これを合わせると、2、6、10室のトラインの働きが2人の重要な関係でもあることがあぶりだされてきます。

 修正するうちにチャートの中の敏感な点を見いだしていくという作業も必要です。感受点が何座宮の何度辺りに来ると、あるいはカーデナルの何度付近に来ると事件があると言うようなことが見いだせることが良くあります。そして、そのポイントに関係者の感受点が入っていると言うことも経験します。これは数多くのチャートを見ていくと、だんだんと判ってきます。皇太子妃と皇太子のチャートからは強力な座相が見いだせませんでした。つまり共通の事件を出生図だけから導くのが難しいわけです。ではどうするか。mS's Ast.029 他の出生で、少しふれたように、互いの進行図や回帰図を比較するのです。例えば、皇太子の1993年の回帰図の金星は牡羊座宮14度にあり、皇太子妃の出生太陽とタイトなトラインだと言うように見るのです。これは3重円では度数を憶えられない場合は難しいですから、ホロスコープ汎用型を使うことになります。表現を変えるならば、皇太子妃は牡羊14度には感受点を持たないけれど、皇太子と関係を持つと、皇太子の持つ1993年回帰図の牡羊14度金星を持つのと近しい状況を手に入れると言うことです。関係者の出生位置の感受点だけでなく、関係者の進行経過等の位置も判断材料になるというのは、もっと言えば、人の星を使えると言うことなのです。他の出生を修正に使うというのは、この事なのです。

 さて、一応皇太子妃の出生時間を4時半頃という「説」が気に入って追いかけましたが、これを来月やったら、また違う時間を言い出すかも知れません。多分違うでしょう。同じように人が違えば違う結果を出すことは当然でしょう。何たって他人のことです。しかし、他人だから私情を入れずにやることもできます。これらについて、自分のチャートを検討しなければならないのです。

 ところで、今一度何のために修正するのかを確認しましょう。そうです。正確な出生時間から正確な未来予測が出てくるのです。これ以降の話は拙著『運命を把握するパソコン占星学』の序章のなか、18ページから24ページに書きました。今後もしつこく繰り返すと思いますが、お持ちの方は今一度ご参照下さい。