SGS's Astro 進行(プログレッション)について

進行(プログレス)

 占星術では「瞬時の感受点配置パターンと運命傾向に相関がある」と言われます。これと共に「瞬時の経過がその瞬時の地上の現象とシンクロニシティする」この2つが占星術の柱であり原理となっています。

 前者の「出生図」関連から進行と呼ばれる運進法が考えられたと思われます。1度を1年と考える幾何的方法、或いは1日のソーラアーク、0度59分を1年とする時間換算的方法かという多少の違いはありますが、古い時代から、出生図の感受点位置(特に太陽)を動かして出来事のタイミングを見る方法がありました。これをプライマリー・ディレクションと呼んでいます。これを押し進めて全感受点を進行させることもおこなわれます。

 前者と後者の原則の接点として、サイクルの共通する点のある1日を1年と考える方法はアラン・レオによって広められました。呼び名も、そのものの1日1年法です。出生後、1日(24時間)たった感受点位置を1年後の誕生日の進行した感受点として扱う方法は、本質的な原理はともかく、支持を受けて、セコンダリー・ディレクションと呼ばれて定着しました。

 プライマリーは、計算機や天文暦の整備されていない時代の遺物とも考えられますが、1日1年法と比較して、外惑星の移動が早く、こちらの変化を重視したい向きには喜ばれているようです。

 セコンダリーと言えば1日1年法となっていますが、考え方としては経過の感受点のサイクルと進行の感受点のサイクルの重ね合わせですから、その他の組み合わせも考えられます。例えば月の1公転を1年と見る方法はStargazerでは最初からサポートしている機能です。

 SGSのホロスコープで採用された進行法は
  1日1年伝統法
  1日1年SG法
  ダイレクション・アーク
  1度1年法
  1月1年法
  C.P.S(コンポジット・プログレス・システム)
 の6種とこの逆(コンバース)進行(記号R)です。

 1日1年法に2つあるのは、ASC、MCの取り扱いの違いです。伝統法は、ASC、MCの進行が1年で約1度程度、動くものです。これに対しSG法は、実時間の1年を1日として扱った時間をもとに計算して、実時間の1年に進行のASC、MCは約361度程度、回転します。
 ダイレクション・アークはソーラ・アークをもとに全感受点を動かす方式です。
 1度1年法は、ダイレクション・アークを1年で1度として全感受点を動かします。
 1月1年法は、月の平均公転周期(約27日)を1年として計算します。

 1日1年法による進行の説明にはいる前に、計算地の問題に付いて触れておきましょう。経過の感受点(ASC、MC等)でも計算地を生誕地ではなく現住所にする事は既に述べましたが、進行でも同じように計算基準として現住所にして考えることが多いようです。原則的には、この方法は占う人間の好みの問題だと思うので、自分で納得できる方法を使うことをお進めしたいと思います。わたくしはリロケーションしたものを使用しています。

 1日1年法の進行法は、天体の順行逆行を見ることから始まります。順行と逆行では天体の性質に違いがあり、留の時に境界となる事件があるはずです。この順行逆行のチェックには書籍の天文暦を見るのが一番早いと思います。出版されている天文暦は幾つかありますので使えそうなのを用意しておくのは賢いと思います。しかし、天文暦が無くても、H1かH4のメニューにある天文暦を使い1つ1つについてチェックする事が出来ます。また、ホロスコープ・ムーブやハーフサム経過図を応用しても可能です。
 次に進行して行く感受点のハウスとサインに注目します。特にASCや太陽は30年ほどの長期にわたる色付けがなされて、次のキャラクターに移って行くので判断する上にやりやすいと思います。ASCと太陽の次に進行の月のハウスとサインに注目します。
 最後に出生の各感受点との座相を追跡します。

 まとめると、出生図を良く判断した上で
1 天体の順行逆行
2 進行感受点のハウス&サインの変化
3 アスペクト

 Stargazerでは進行経過時期表があるので2のサインと3については、表に出来ます。しかし、1と2のハウスまではサポートしていません。ここは自分でしっかりと把握しなければ判断が出来ません。