占星術講座SAT グレイト・コンジャンクション(20201218)

グレイト・コンジャンクション(20201218)

 2020年末を迎え、目に付くようになったのが、グレイト・コンジャンクションと言う用語です。太陽系の惑星のナンバーワン・ツーである木星と土星が合(コンジャンクション)と言うことからデッカい合と言う名付けでしょうか。会合周期が上手い具合に20年ほどになっていて、時代の雰囲気が変わると考えられていて、ある意味重要なイベントです。10歳の子がアラサー、20歳の新成人がアラフォー、新人が中堅になり、世代交代が明らかになる時の流れとも言えます。
 ただ、何か特別な事件があるかのように一生懸命に煽っているかのようなネットへの書き込みが目に付くのが心配なところです。内容的には、コピーしてきたかのように同じ文言がありながら、付け加えたように「効果」が増長してきています。中身をしっかりと判って書いているとは思えませんし、明らかに嘘が入っています。コロナ・ウイルスで困っていない人が居ないくらいに大変な時に、わざわざ不安を煽って何がしたいのかは、推測できなくも無く、勿論、褒められたことでは無いと思うのです。
 この現象は良いモノとも悪いモノとも言い切れません。出生や進行の星次第です。人によってはチャンス、積極的に、と言う場合もあれば、止めとけ、と言うこともあります。その上でも、止めときゃあ良かったと後悔しながら努力して能を付けたら、運が逆転した事例だってあるのです。単に不幸を煽るというのは、他の意図があると見て良いわけです。まあ、「止めとけ」の中には、何も残らないモノも無いとは言えませんが……。

 木星は拡大の意味があり、対して土星は制限・縮小です。この2星が一緒になって出生図を刺激します。つまり、状況としてはスロットルとブレーキを同時に踏んでいる状態になるのです。そして、出生図側では、拡大と縮小の指示を受けて、指令が飛び交い、その反応如何では、予断を許されない結果をもたらすことになります。自動車で言えば、エンジンの力がブレーキを越えていれば、動き出したり、各部の負担が破損を起こして制御不能となることだってあります。逆にチャンスが来たにもかかわらず、波に乗れずに沈没したままということだってあるでしょう。更にそれがパートナーやもっと大きな集団ということになっていけば、慶事ならともかく、事件が大きくなって、不幸の連鎖となるのは願い下げです。
 そこで、その様な事件が起こりやすい、常ならぬ期間という脅かし方が出来そうです。まして、明るさで目立つ木星と、それよりは暗くはなりますが土星が近づくというイベントも宣伝になります。占星術としては、基本は出生図なのですけれど・・・。つまりは、この木星土星の合の期間に限って事件が多いと断ずるのは思い込めば可能だという程度です。この時期に起こった事件ばかりが歴史を動かしているわけでは無く、それほど基幹部品でも無いチョッとした役目のトリガー程度でしょうか。

 また、今回の合は、かなり近いところまで接近するので、さあ大変だっと騒ぎたい人も出てくるでしょう。その差は角度で5分です。月の視直径が約30分ですから、その6分の1まで近づくのです。かなり近くに見えることでしょう。煽るのには丁度良いかと。でも、角度が近ければ近いほど想定される事件が大きくなるわけでは無いのですから、余計なお世話というところです。

 さて、西暦1600年〜2200年までの木星土星コンジャンクションの一覧を載っけておきましょう。

          °  ′     黄緯差
1603年12月18日15時 08射手19(火・柔軟) 00゚58'
1623年07月17日07時 06獅子36(火・不動) 00゚05'
1643年02月25日08時 25魚 06(水・柔軟) 00゚54'
1663年10月17日08時 12射手57(火・柔軟) 00゚58'
1682年10月24日16時 19獅子08(火・不動) 00゚14'
1683年02月09日09時 16獅子43(火・不動) 00゚11'
1683年05月18日14時 14獅子30(火・不動) 00゚15'
1702年05月22日06時 06牡羊36(火・活動) 00゚58'
1723年01月06日00時 23射手19(火・柔軟) 00゚47'
1742年08月31日05時 27獅子09(火・不動) 00゚26'
1762年03月19日01時 12牡羊21(火・活動) 01゚03'
1782年11月05日18時 28射手07(火・柔軟) 00゚44'
1802年07月18日07時 05乙女07(地・柔軟) 00゚36'
1821年06月20日02時 24牡羊39(火・活動) 01゚05'
1842年01月26日15時 08山羊54(地・活動) 00゚32'
1861年10月21日21時 18乙女22(地・柔軟) 00゚43'
1881年04月18日22時 01牡牛35(地・不動) 01゚08'
1901年11月29日01時 13山羊59(地・活動) 00゚26'
1921年09月10日13時 26乙女35(地・柔軟) 00゚52'
1940年08月08日10時 14牡牛27(地・不動) 01゚08'
1940年10月20日13時 12牡牛27(地・不動) 01゚10'
1941年02月15日15時 09牡牛07(地・不動) 01゚13'
1961年02月19日09時 25山羊12(地・活動) 00゚13'
1981年01月01日06時 09天秤29(風・活動) 00゚57'
1981年03月05日03時 08天秤06(風・活動) 00゚58'
1981年07月24日13時 04天秤56(風・活動) 01゚00'
2000年05月29日01時 22牡牛43(地・不動) 01゚06'
2020年12月22日03時 00水瓶29(風・不動) 00゚05'
2040年10月31日20時 17天秤55(風・活動) 01゚02'
2060年04月08日07時 00双子46(風・柔軟) 01゚05'
2080年03月15日10時 11水瓶52(風・不動) 00゚05'
2100年09月19日07時 25天秤32(風・活動) 01゚07'
2119年07月16日08時 14双子51(風・柔軟) 00゚56'
2140年01月15日00時 17水瓶04(風・不動) 00゚13'
2159年12月21日12時 07蠍 58(水・不動) 01゚08'
2179年05月28日12時 23双子02(風・柔軟) 00゚49'
2199年04月08日07時 28水瓶19(風・不動) 00゚23'

 表を見ると、半年ちょっと程度の期間に三回の合がある場合と、一回だけのことがあります。一回のものは、一気に木星が追い越していってそのまま離れていくためで、三回の方は、木星が追い越したから逆行で戻ってきて、また追い越していく形になる為です。
 ちなみに1603年は家康が征夷大将軍になり江戸時代が始まった年です。勿論、しっかりと日本史を学習した方々は、応仁の乱から織田信長、豊臣秀吉、関ヶ原と流れを掴んでいらっしゃることでしょう。 これらのイベントをからすれば、***と呼ばれていた家康は、やはりなかなかの我慢の出来る人ですね。最後にみんな持って行っちゃったんですから。出生時を推定したいものです。
 更に、明治維新から第一次世界大戦、太平洋戦争と続く中での「効力」も、年表を片手に、少し真面目に見ればすぐに判ります。

 つまり、大して「グレイト」では無いと言う話でした。