占星術講座SA2 三菱自動車(20160430)
自動車製造メーカーである三菱自動車工業は、出自の三菱重工業の1部門として始まり、1970年に独立した株式会社となりました。これを始原図として考えることができます。
時刻は目安として午前9時を使用しています。座相として特徴となるものは、月と木星の合と、それに対する太陽の衝、火星と海王星が衝になっています。牡牛座宮に4つの感受点が入っていることも特徴となります。座相として最も強力なのは合であり、次は衝です。何らかの仕事をやるには大きな力がある方が有利です。衝というと障害になりやすいと考えられますが、それを乗り越えるのも人間の技になります。
端的に言えば、マザー(月)に保護(木星)されて事件を乗り越えてしまう傾向が、1つ目の座相群です。そして、火星と海王星は、一連の事件の対応が隠し事になっているというのを、2つ目の座相が示しています。実にマズいことに、火星は自動車などの運輸機関、装置を示していますので、この会社の業務そのものが、隠蔽体質に染め上げられていることを示しています。そして、この会社の業務として、誤魔化しをしないという努力が要求され、それを実現するシステムを構築する努力が求められます。それを天王星が支援することが出来ます。しかし、場合によっては増長させることもあるでしょう。それがこの衝座相に対する天王星の位置ということになります。天王星の示す新技術とIT機器によって、誤魔化しが出来ないようにする事が可能であるし、徹底的に誤魔化しを計ることも出来るということです。どちらを採用するにも、それなりに努力が必要です。そして、状況に対してどのように反応するか、何が起こってくるかを占星術的に解読することは可能ですが、選択肢をのうちどれを選んだかの積み重ねは、出生図だけを見て判るはずもありません。占星術を決定論として考えるのならば、何もかもが星通りになっていなければならないはずですが、より高位の判断と選択、そして努力により、運命が変更されることを認めるのであれば、現況の確認が必要となります。
その意味で、巻き起こした事件と、対処の内容を星の状況と対比させることが必要です。
進行太陽は、1979年に出生、1981年に進行の土星をパスします。これは場合によっては会社の存続に響くような不運な状態を示すことがありますが、これを乗り切っているわけですし、経過木星の幸運をもって、業績を拡大したと判断すると、ここで1部門から分社するのは当然です。進行太陽が出生水星にのることで、事務処理を一新することはあることです。
会社として、どのような業務をしてきたかと言うことに関わる事態が表面化します。ユーザー(販売店)から上がってくるリコール相当の事案を会社ぐるみで隠していることが発覚します。星の配置として、進行太陽が出生進行の海王星と衝になっています。この海王星は、出生図の問題点としてピックアップしていたものです。物作りの原則として、不具合が出た場合の対処は、正直にやるのが当然です。正当な方法でやっていなければ、どうなるかというのは、明らかです。発覚したことは、会社ぐるみで組織的に隠蔽していたということであり、出生図の落とし穴にそのまま陥っている会社が明らかになりました。この事件で、会社組織を改めて出直すのが、一般的な対処であろうと思われますが、この会社は、隠すことを習いにしてしまっていてたことが、この後、死者を出してしまってから明らかになりました。
どちらの事件も三菱側は、製造不良が原因であったことを掴んでいながら、整備不良であると主張し、リコールを拒否し続けていました。実のところ犠牲者は殺害されたも同然なのです。
進行太陽は出生火星の上をパスしていて、隠蔽体質もまた、最大限に発揮しています。
裁判で争いながらも、最初の隠蔽発覚と同じように、隠蔽情報が漏れ出てきて、遂にリコール隠しが白日の下に出てきました。経過の天王星や海王星の影響でしょうか。会社として再出発を計ったのですが、体質は変わっていませんでした。
会社として、この日に軽のエンジンでの重大な不具合を把握しました。その後、正式なリコールの届けまでに5年以上の年月が経っています。それまで、何とか誤魔化そうと努力をしていたのです。不具合の程度と規模は、莫大な経費を必要とするものになったのは確かです。そして、2010年に最初のリコールを届けますが、2013年までに4回のリコールを実施するまでになりました。
生産していた軽の燃費データを偽装していたことが発覚しました。ニッサンに供給していた軽で、ニッサンからの問い合わせがきっかけとなって、燃費の計測、計算を国交省が定めた形では無く、独自の方法を使い、有利なデータのみを抜き出し、1割から2割、燃費を良い方へ変えていたということが報道されました。対応は、4月末の時点で人事異動が発表されているだけで、事件への対応は未定の状態です。
進行の太陽は経過の土星と衝になっています。また、進行の月と金星は合であり、経過の冥王星と衝です。
今までの隠蔽体質による発覚事件とは質的に変わっていて、不具合が出ちゃったのを隠していたというレベルでは無く、完全にだまそうとしている事件の発覚です。偽装の原因は、燃費を良くみせて顧客を増やそうという姑息の手です。それも、25年以上、つまり、一連の不正が取り上げられる以前から行われていたことが判ってきました。この発覚図で一番座相として目立っているのは経過の冥王星です。これに対して進行の月と金星が衝となっています。ここで遂に冥王星の力で消去されるのかどうか。今回の不正での賠償金としては一千億円以上という試算があるくらいです。軽のエンジンリコール隠しどころでは無い事態となっています。当然、本社だけの問題では無く、系列販売店を含め、大きく社会的な問題となることは間違いないでしょう。これを誤魔化すことはもう出来ません。