sdwd's Ast.  出生進行経過


出生

 ある特定の時を「特別な時」として選定し、その時の感受点配置が、その後の「運命」を表すと考えます。
 出生図は、生まれたときの最初の息の瞬間の感受点の位置と相互関係の配置図というようにとらえます。勿論、人間だけでなく、また、生物だけでなく、物品についても、作成された時などの、ある特定の時を「出生」として選定し、その運命を考えることが出来るわけです。
 出生図は、その表すものの性質や運命を示すのですが、それが現実のものとなる時についても大枠で示すと考えます。


進行

 出生図の解読によって、ある個人の性格や運命を知るのですが、運命の解読ということでは、それで充分とはいえません。占星術では進行と経過の感受点の移動もとに出来事の時間的な決定をすることが出来ます。依頼者に聞くこと無く、依頼者の過去の状態を知り、現在かかえている問題を推理し、来るべき未来を告げる方法の基礎です。
 進行感受点の決め方には幾つかの方法があります。しかし、進行天体が作る「進行座相」(direction、ディレクション)の種類と時期を使って判断することは共通です。Stargazerでは進行座相が、何時、どの感受点によって作られるかを、進行経過時期表を使って計算することが出来ます。また、感受点を絞って限定されたディレクションを追跡することもできます。この点だけを取り上げてもStargazerが占星術の支援ソフトとして高いレベルにあると自負しています。
 用語としては、一日一年法によるディレクションをセカンダリー(第2の方法)と呼びます。これに対して、太陽の平均の動きを使って、全体の感受点をそれに合わせて動かし、ディレクションを見ていく方法をプライマリー(第1の方法)と呼びます。特にこの方法をソーラ・アーク・ディレクションと呼びます。手作業で感受点の位置を計算し記入する時代の簡便法が、第1の方法でした。そして、天文暦を駆使して計算しなければならないのが第2の方法です。
 出生、進行、経過の相互の感受点の座相(アスペクト)の許容範囲は1度以内とするのが普通です。従って、移動速度からすると太陽の進行アスペクトの効果範囲は前後1年間、月の進行アスペクトは前後1ヶ月の効果があると考えられます。つまり、時期表で計算すると、進行に関しては時刻まで出ますが、この瞬間だけ有効で、その時に事件が起こると思ったら間違いだと言うことになります。ある程度の「効果期間」があるのですから注意して下さい。経過もこれに準じて考えてください。
 以下に挙げる進行法はStargazerで採用している進行法です。

  一日一年伝統法
 進行法として最も広く使われている方法です。出生後1日たった出生時刻の感受点位置を1年後の進行感受点の位置として占断を行う方法です。上昇点(ASC)や南中点(MC)は、1日毎の位置から平均して算出します。
 この方式では進行図と出生図は常に比較します。出生図の状態と進行図での変化を知るために、毎年、毎月のホロスコープ(出生と進行の2重円)が必要です。天文歴をひきながら手書きでホロスコープを調整することを想像して下さい。昔の人はそれをやっていたのです。Stargazerをお使いの方は、あらかじめ進行経過時期表で特徴的なディレクションを計算させてホロスコープ3重円でそのデータを読み込みながら効率よく判断することが出来ます。勿論、ホロスコープ3重円の「ぐるぐる機能」(経過移動)を使って、変化して行くアスペクトを見ながら判断することもできます。
 また、Stargazerでは、感受点位置を天球上の立体的な位置として捉えていますから、その写像形式として黄道面を使用する方法、天の赤道を使用する方法、ハウス座標系を使用する方法の3つを表示座標系として選択することが出来ます。

  一日一年SG法
 進行の方式として一日一年法を考えると、上昇点や南中点は1日で約1回転しているわけですから、これをそのまま計算通りに表示するのが、この方法です。使用法としては、上昇点、南中点、バーテックス、イーストポイント、パート・オブ・フォーチュンの位置が伝統法と違ってくることから、それらを重視して判断します。

  ダイレクション黄経、赤経、HZ法
 ダイレクションは、太陽の1日の移動を1年分と考えてソーラ・アークを求め、全感受点にその値を加えて進行感受点とする方法です。通常は、太陽の移動量に黄経を使って、黄経の値に加算するもの(プライマリ・ディレクション)ですが、一日一年法で採用している3つの座標系に合わせて、計算の基準として黄経、赤経の値、ハウス座標経度についてそれぞれ求めることが出来ます。
 この方式の特徴は一日一年法ではほとんど移動しなかった木星以遠の惑星が動き、ディレクションを作ることです。速度の遅い感受点の観測が容易になるわけです。Stargazerでは採用しませんでしたが、この方法の変形として、太陽の移動量の平均値、1年あたり0度59分を使う方法があります。また、月の進行だけを別に一日一年法で計算する方法などのバリエイションもあります。

  一度一年法
 ホロスコープ上の1度を1年と考えて進行感受点を決める方法です。一日一年法では進行太陽の移動量は大体1年平均で角度の0度59分ほどですが、これを1度丁度として、全感受点に年分の度数を加える方法です。Stargazerではこの方法にダイレクションと同じように黄経、赤経の値、ハウス座標経度の3方式が用意されています。

  一月一年黄経法
 これは月の1公転を1年として考える方法で、理論としても面白い方法だと思います。実際の月の位置を使用しする方法と、平均の運動量を使う方法がありますが、Stargazerでは月の平均の動きを使って進行図を作成します。月の1公転を27.321662日として計算しています。

  CPS(コンポジット・プログレス・システム)
 太陽、月、水星、金星は一日一年法で算出し、その他は太陽の進行角度(メジャー・アーク)を出生位置に足して使うという方法です。ラディック・システムと一日一年法の良い点だけを使おうという方式です。一日一年法では動きが遅くて変化があまりない大惑星を太陽と共に動かして、サビアン等で感受点の移動をみようとする場合に用いるそうです。


経過

 経過の感受点は、基本的にはその時の感受点の位置を使います。出生で示された出来事、その準備を行う進行、そして経過が引き金と言う役割があります。ですから、基本的には出生進行に対する合座相が最も考えるべき状態です。しかし、経過についても幾つかの方法論がありますので、整理してみましょう。

 1.直接の経過。経過感受点が、出生や進行の感受点と座相を持つ時。合座相が第一であり、180度、90度、120度の順で影響力が落ちると考えます。
 2.回帰(リターン、レボリューション)。主に経過の太陽、月が出生時の位置に戻ってくる瞬間の経過感受点全体の様子から、次の回帰までの運勢、出来事を推察する方法で、出生図に対する「特別な時」として影響が大きいと考えます。太陽を使うものが太陽回帰(ソーラ・リターン、ソーラ・レボリューション)、月を使うのが月回帰(ムーン・リターン)です。これを更に応用するのがレボリューション・メソッド(後述)です。また、太陽月以外の感受点にも回帰を考える事が出来ます。逆行のある感受点は取り扱いが、やや複雑になりますが、中でも土星回帰は、人生の節目となる場合が多く注目できる方法です。
 3.進行回帰。回帰と同様な方法ですが、進行感受点に対して経過感受点が戻ってくる時を使います。進行感受点の方が出生感受点より状況を良く示す状況や出来事についてはこちらを使います。
 4.その他
 四季図 経過の春分、夏至、秋分、冬至を特別な時として取り上げ、出生図進行図と比較して影響を判断します。
 イングレス図 経過太陽の各星座宮に入宮する瞬間を特別な時として取り上げて、四季図と同じように判断します。
 個人四季図 出生の太陽を元に、そこから0度、90度、180度、270度に経過太陽が来る時を使って経過図を作る方法。
 月相再配置図 生まれたときの太陽と月の状態を、経過天体が再現する瞬間を特別の時として経過図を作ります。
 逆 出生に対して未来方向に経過があるのですが、これを過去方向に同じ時間間隔をあけて経過感受点位置をとる方法です。 この考え方で、以上の方式を応用することが出来ます。