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   ★★2024年04月06日(土)書籍購入、翻訳が・・・
   ★★2024年04月18日(木)書籍購入のその後、サボテンの花
   ★★2024年04月26日(金)サクラ咲く


★★2024年04月06日(土)書籍購入、翻訳が・・・

 色々と、慌ただしく(個人的にですが)している内に、ハッと気付けばもう新年度ではないですか。
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『ミス・メリア』問題、『メアリさま』問題

 ここのところ、何冊かの小説を嫁様に取り寄せて戴いて読んでいます。年少の頃に読んだものをもう一度というのに近いのですが、その昔に読んだのは幾つか出ていた少年少女何たら文学全集の1つで、要は年少の子にも読めるように配慮して訳したものでした。
 話を削ったり、最小限に変えている部分があります。決してそれが悪いとは言いませんし、子供向けの書き直し版を否定するつもりもありません。
 この全集、お気に入りの巻だけ、届けて貰ったものなのですが、実家に置いていたところ邪魔だと言って捨てられてしまいました。
 まったく、ものの価値が分からん奴が居たものです。それで、幸いにも手元に置いていた第22巻だけが残っています。家なき子、家なき娘、昆虫記等が入っている巻で、酸化して紙面に薄い茶色が付いてきていますが、文庫本等に比べれば、経年変化が少ないです。
 さて、今回、バーネットさんの三部作が読みたくて、新潮社の文庫本3冊を手配していただき、手元に来ました。
 小公子は川端康成さん訳で、何の違和感も無く読了しました。良かった。
 ところが小公女、秘密の花園については2冊とも新訳と宣伝してありましたので、少し期待を持って読み出したのですが・・・。
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小公女
『ミス・メリア』問題
 始まりから4分の1ぐらいのところで登場人物の1人、ベッキーちゃんの発言の中に「ミス・メリア」と言う発言が2箇所あります。ちなみにp.91とp.92です。
 メリアと言う登場人物はありませんし、ベッキーちゃんが、まだ小さいので言葉を間違えているというような場合には、付点で表示しています。
 しかし、この発言には付点はありません。
 そして、ベッキーちゃんは『ミス・メリア』が捨てたカードを拾って付けたと申し立てています。
 主人公は、渡されたプレゼントのカードの名前を見て少しビックリという事でした。
 何たって、主人公を一番疎ましく思って居るのがこの学長(?)ですから。
 ここで、ミス・メリアの表記に付点が付けられていれば、これはベッキーちゃんのかわいい言い違いとして笑えたのですが、誰これ、そんなの居たっけ・・・となったら、気になってしまいます。
 読んでいる時に書いている登場人物メモを見ても、出て来るはずも無く、不思議人物ミス・メリアとしてマークしていました。
 読了後『ミス・メリアはミス・アメリア・ミンチン』とほぼ確定しましたので、ベッキーちゃんの可愛い言い間違いに注目用の付点を付け忘れ、そのまま出したものと判断しました。
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秘密の花園
『メアリさま』問題
 「偏屈者のメアリさま」と言う章題があるのですが、他に単に「メアリ」で済むところを「メアリさま」と使っている箇所があり、返って不自然な感じに思えます。数えてみると41箇所あります。
 その中で、使用人達の発言や考えの叙述部分では無く、状況の説明部分と思われるところに『メアリさま』と入っているのが、妙に違和感があります。
 41箇所の「さま」で、8箇所は『メアリさま』と名付けられた経緯絡みで妥当な表現と思われますが、残りの33箇所は、前後のつながりからしても「さま」付きにするのに違和感を覚える所です。
 意図したものが判らないと言うことでもあります。
 全部にコメントするのも面倒なので、1つだけ。
 「さま」付きの最後、p.405では、秘密の花園の館の当主が、状況説明+追憶する部分で、自宅の書斎で「メアリさまと会い」となっています。
 どうしてここに「さま」が要るのか? 当主があまり関わりが無かった親族の子供にわざわざ「さま」を使うんでしょうか?
 それとも内容的に蔑称である『メアリさま』はそれほど一般名称となっていたのでしょうか。
 それであれば、他のメアリという表記が様付きでない部分はどうしてなのでしょうか。
 なにしろ、主人公です。
 こちらに感情移入して読むのが並の読み方と思われます。
 原文がそうなっていたとしても、日本語に訳す時点で、訂正し注記として入れるとか、原稿そのもので無く、出版された本のミスと判断出来るのであればそれを入れる等の、ちゃんと訳してますぜというアッピールがあっても良いのではと思うのです。
 何しろ我が儘一杯に育てられた子供が、成長し自覚していく話なのですから。
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 と言うようなことで、メリアとメアリで、似たような名前絡みの話でした。セドリック君のお話だけが、満足感に浸れました。
 何か、訳者の問題と言うよりは、出版社側のサポートである編集さんの動きはどうだったのでしょうか。もしかして丸投げ?
 わたくしが読んだ瞬間に気付くようなことを、原書がこうだから良いよねとはならないと思いますし、作家さんの原稿をもとにするのでは無く、出版されたものを訳しているものですし、大人向けとも後書きに書いているくらいですから、日本語になおすのに日本語となっていない部分はどうでしょう。
 そのような部分については、読んでいてアレレーと思うところに脚注がスパンと入っているのが、気遣いというものです。
 小公子にはそのようなところが無いので、一気に読むと余計にそう思ってしまいました。

 小公女と秘密の花園については別訳者のものを物色中です。わたくしの考えですが、全責任が訳者にあるとは思っていません。
 結果的にはそうなるのですが、だからといって全てを編集さんに押し付けるのも、何か違和感を持ちます。
 人は間違いをするものです。ですから、その間違いを発見、訂正するのも作家さん、訳者さんそして編集さん業務のうちです。
 実感としてその様なミスがある方のほうが凄いことができます。
 従って、そのミスを予知するかのように訂正していく神編集さんが求められるのですが、こちらのほうが、もしかすると神作家さんより難しい求人かも知れません。
 ちょっと、本題からはずれました。

『家なき子』
 という様な事を書いたところで、偕成社版『家なき子』上中下3冊が届きました。
 もう他のことは放りっぱなしです。
 カバーには簡略な登場人物解説、本文の最後に訳注があり、文庫サイズより一回り大きく、読むのにやさしく仕上がっています。
 対象年齢は小学校5、6年以上となっていますが、もう少し下でも読めそうです。子供とおとなのためのと銘打っているだけのことはあります。
 もちろん、大人が読んでも満足出来るでしょう。つまり、手を抜いたり、子供を侮っているところがありません。
 大きさは文庫版より一回り大きく、高さが18.2センチ、幅12.8センチあります。B6版という奴です。紙も文庫版より厚く、より白いものになっています。
 最後には訳注が付いていて、かなり詳しい説明があります。この訳注で、物語が始まるシャバノン村は架空の地名だと初めて確認出来ました。
 何処かにあるかもと思っていましたが・・・。さすがに、実在の村名を使うのは避けたのでしょう。
 3冊、全千ページ強を一気に読んでしまいました。勿論、版が大きいとはいえ200ページ強程度にまとめられた少年少女名作文学全集のものと直接に比べるのは不当です。
 あえて比較すれば、全集の方の内容に、よく話の大勢を変えずに、これだけ短くまとめているのかと感心の声が出ます。それも、小学生の中頃を前提としてです。
 推敲を担った方々の相当な力量が窺えます。
 そんなこんなで、流石に目が疲れましたので、目の休養をしようとしたのですが、久しぶりに日記代わりに書いておこうと、キーボードを叩いた次第です。
 

★★2024年04月18日(木)書籍購入のその後、サボテンの花

 偕成社版『家なき子』全3巻について、3周目の読了になっています。
 たった1箇所、下巻90ページに「……、マチアはそだを折り、一方、ぼくは……」という、折るとすると「そで」とか「すそ」しか思い付かないなぁ、と言う場所があるのですが、ここ以外に違和感を覚えたところはありません。
 重箱ツツキはこの位にして、フランスはイギリスの南にあり、緯度的にも、海流の流れからも日本と比べると、イギリスやフランスの方が気温が低くなる条件を持っていると思われます。
 資料を見ると日本よりは平均気温や雨量の点で違いがでています。
 日本列島沿いに北上する黒潮は、赤道反流(赤道の北側で西に向かう海流)がそのまま北上して、北から来る親潮とせめぎあいながら、東へ向かう北太平洋海流となり、北アメリカ西岸をカリフォルニア海流として南下、赤道へ戻って行きます。
 これに対して、ヨーロッパ西部の沿岸域では、メキシコ湾流が北上、更に北へ向かう北太平洋海流と、反転して南へ向かうカナリア海流に分かれます。そしてヨーロッパを暖めるのは北太平洋海流が担います。
 したがって日本付近も、ヨーロッパ西部も暖流の働きによって緯度による気温よりは高くなるのですが、やはり緯度が高くなったヨーロッパでの暖流の流入による温暖化は限定的です。
 まあ、その分、寒いというわけです。寒くならない場合は雪が多くなって、これまた苦労するというものです。
 『家なき子』には、何度という温度は見あたらないのですが、当地北海道よりも低いであろうことが推測出来ます。東京や大阪ではダウン等で着込んで居ればなかなか行き倒れにはなりにくいと思いますが、北海道で冬にそれをやったらアウトですからね。
 そう言えば、庭の雪はすっかりと融けました。あれほど積もっていたのですがね。

 さて、アニメ化された作品としては『家なき子レミ』というものがあります。誠に残念ながら、主人公の性別が変えられていて、女の子が主人公になっていました。原作の名前を使いながらの別の創作作品と判断しました。担当監督の趣味でしょうか。わたくしは、オープニングで気付き、そのまま他のものに変えて、見ていませんので、これ以上寸評できません。制作はフジテレビと日本アニメーションとなっていました。
 このような作品を世界名作劇場と銘打った番組に入れて、恥ずかしくないのだろうかと思うのです。面白いと思って原作に行くと、レミちゃんはレミ君であることがわかります。アニメだから良いと考えている御仁も居るみたいですが、小公子小公女家なき子家なき娘秘密の花園は、子供向け作品の最上位ランクであって、子供達には読んで欲しいものの代表です。その作品を壊すような輩には、天罰があるかも知れません。いや、天罰よ当たれ。豪雷召喚。
 もし、これで良いアニメ作品を世に出すことが出来たと思っているならば、調査会社にちゃんと調べてもらった方が良いでしょう。
 それにしても歴史とその理解に重大な誤解をもたらす可能性を与えるような真似をしているという認識はないのでしょうね。
 まあ、良いんじゃないの等という奴がいたのは間違いないでしょうが、とんでもないことです。
 賛同した奴に『家なき娘』を少年主人公でやって『家なき子』と比べてみろと言ってみたいです。オマージュはオマージュでしかありません。

 さて、邦題で書籍が『家なき娘』と付けられ、アニメ化の際に主人公の名前を入れ『ペリーヌ物語』と名付けられた真っ当な作品があります。
 ちなみに、カルピス ファミリー劇場 で制作はフジテレビと日本アニメーションです。どっかで聞いた名称ですね。1978年の放送です。実に良い作りです。一部に主人公がそれほど可愛くないという意見がありますが、可愛ければ良いというモノではありません。もちろん、主人公は我慢強く賢い娘さんです。原作を大事にする作りで、安心して見ることの出来る真っ当な作品となっています。この様な作品は日本アニメとして誇れるものです。
 ところが同じフジテレビと日本アニメーションの体制で、1996年の『家なき子レミ』は、主人公の性別入れ替えで何がしたかったのでしょうか。オマージュが本道を行けるつもりだったのでしょうか。制作の統括に聞きたいものです。何かに行き詰まっていたんですかねぇ。とにかく、原作を傷つけたんだという認識がないようです。作者及び視聴者に謝罪をすべきレベルの失策でしょう。


サボテンの花
 サボテンの花が今年も咲きました。南向きの縁側に温室のような作りになっているスペースがあるのですが、そこは天気が良ければ温度が冬でも上がります。ここでは 、サボテン等、南国の植物の天下になります。



★★2024年04月26日(金)サクラ咲く

サクラ咲く
 一昨日あたりから準備完了という様子だったのですが、やはり雨が降ったりで、太陽が姿を見せずにいた為、遅れていたのだと思われます。
 つぼみが並んでいますので、この木が満開になるのに、それほど日にちはかからなそうです。