星座神話(ギリシャ神話)

 

 1 アンドロメダ   2 一角獣      3 射手       4 海豚        5 インデアン  
 6 魚        7 兎        8 牛飼       9 海蛇       10 エリダヌス  
11 牡牛      12 大犬      13 狼       14 大熊       15 乙女     
16 牡羊      17 オリオン    18 画架      19 カシオペヤ    20 旗魚     
21 蟹       22 髪       23 カメレオン   24 烏        25 冠      
26 巨嘴鳥     27 馭者      28 きりん     29 孔雀       30 鯨      
31 ケフェウス   32 ケンタウルス  33 顕微鏡     34 小犬       35 小馬     
36 小狐      37 小熊      38 小獅子     39 コップ      40 琴      
41 コンパス    42 祭壇      43 さそり     44 三角       45 獅子     
46 定規      47 楯       48 彫刻具     49 彫刻室      50 鶴      
51 テーブル山   52 天秤      53 とかげ     54 時計       55 飛魚     
56 船尾      57 蝿       58 白鳥      59 八分儀      60 鳩      
61 風鳥      62 双子      63 ペガスス    64 蛇(頭部)     65 蛇遣     
66 ヘルクレス   67 ペルセウス   68 帆       69 望遠鏡      70 鳳風     
71 ポンプ     72 水瓶      73 水蛇      74 南十字      75 南魚     
76 南冠      77 南三角     78 矢       79 山羊       80 山猫     
81 羅針盤     82 竜       83 竜骨      84 猟犬       85 レチクル   
86 炉       87 六分儀     88 鷲      


 アンドロメタ(あんどろめた)座 : (学名Andromeda) : (略符And)

エチオピア王ケーベウスと王妃カッシオペイアの娘アンドロメダーの姿

 アイティオピアー(エチオピアとは限らずギリシア人が漠然と捉えていたアフリカの黒人国)の王ケーベウスと王妃カッシオペイアの間に儲けた一人娘アンドロメダーの姿を表しています。アンドロメダーはペルセウスの物語のヒロインでありケフェウス、カシオペア、ペガスス、くじらなどの諸星座と関わっています。



 一角獣(いっかくじゅう)座 : (学名Monoceros) : (略符Mon)

額に角を一本持つ小馬のような想像上の動物

 近世に付け加えられた星座で、ギリシャ神話との関わりは薄いのですが、一角獣そのものは古くから知られていた動物です。馬か山羊に似て、額に長い一本の角がつき出しているという空想上の動物ですが、古くはアッシリアの浮彫りに見られるほか、古代ギリシアやローマでは、東の国に実在する動物と考えられていたようです。一角獣の角で作ったさかづきで酒を飲むと、胃病・てんかんに効果があり、そのほか解毒作用もあるという霊験あらたかなもので、足が早くてなかなかつかまらないということを、紀元前4世紀のギリシアの医師で歴史家のグテシアスが書いています。
 旧約聖書でレムと呼ぶ動物があって、現代ではこの語はみな、野牛と訳されていますが、古代から中世にかけてのギリシア語訳やラテン語訳の聖書では一角獣Monocerosと訳したことから、中世のキリスト教会では一角獣にまつわる神話がいろいろ語られるようになりました。
 一角獣は人間の子どもぐらいの大きさの、強く兇暴な動物でなかなか捕えることができない。しかし、処女のひざに好んでのってくるので、処女をおとりとして捕え乳をのませ、そのまま王の宮殿につれてゆくというような伝説とキリスト教が関わりを持つようになり、一角獣がキリストを表わすものと見られるようになりました。キリストは処女マリアの子であり、旧約聖書には救い主(すなわちキリスト)のことを「救いの角」という表現で語っている予言が数多く見られることとの関連から起こってきたことです。
 中世では一角獣はマリアの象徴の一つとして扱われ、不変性と堅固な貞操をあらわすと考えられました。中世の美術には一角獣が処女マリアのひざにたわむれる姿を描いたものが多くみられ、中世のカトリック教会に発達したマリア崇拝と関連していろいろの絵画や彫刻が作られ、好まれました。
 星座としては新設ですが、古代の星座絵に一角獣のようなものがあるこの場所が選ばれたことから経緯のない他の新設星座とは違う経歴を持っています。



 射手(いて)座 : (学名Sagittarius) : (略符Sgr)

クロノスの子、半人半馬のケンタウロス族の賢人が矢をつがえた姿

 ケンタウロス族はクロノスとニンフのフィリラの間に生まれた子供ですが、嫉妬深い妻の目を誤魔化す為にクロノスが馬の姿を取っていた為に上半身が人間で下半身が馬となって生まれました。一族となって増えましたがひどく乱暴で粗野、好色な種族でした。しかし、中には善良で賢い者も居て一族の名を上げています。ケイローンもその一人で、正義感が強く神々からも厚遇されていました。アポローンやアルテミースから様々な能力音楽、医術、予言、狩猟などを授けられて、ギリシャの若者を教育しました。ヘラクレスやアスクレピオス、カストール、アキレウス、イアソン等々後に英雄となった若者がたくさんいます。
 長いことぺーリオンの山中にいたのですが、ラピテース人が侵入して居られなくなり、ポロエー山中に居場所を変えました。時を同じくして、ヘーラクレースがケンタウロスを追ってマレアーの岬まで追いかけた時に、たまたま彼の水蛇の毒を塗った矢を受けてしまいました。不死身の身体を持つケイローンですから猛毒でも死ぬことはなく苦しみだけが続きました。そして傷の痛みに耐えかねて、不死の身体をプロメテウスに譲ってやっと死ぬことが出来ました。ゼウスはケイローンの死を悼んで天に上げ星座としたそうです。



 海豚(いるか)座 : (学名Delphinus) : (略符Del)

琴の名手アリオンを救ったイルカ、または妻に逃げられたポセイドンを助けたイルカ。

 海神であるネレウスの娘アンフィトリテが他の娘たちとともにたのしく踊りに興じているところを、同じく海神であるポセイドンが見てその美しさに惹かれてしまい強引にさらってきて妻としました。しかし、アンフィトリテはいやでいやで堪らず、とうとう逃げ出してしまいます。そして、やはり海神のオケアノスにかくまって貰いました。ポセイドンはアンフィトリテをさがし求めたのですが、オケアノスの隠し方が上手くて全く判りませんでした。困り果てていると、1匹のいるかが、居場所を教えてくれました。それで、ポセイドンは再びアンフィトリーテに会うことが出来て、思いのたけを伝えることが出来ました。アンフィトリテはポセイドンを許し帰ることにしました。いるかはこの功績で星座に加えられたという話です。
 もう一つ伝えられている話があります。地中海のレスボス島に、アリオンという琴の名手でもある高名な詩人がいました。シチリア島で音楽祭が開かれた時に、これに出場して入賞し、賞品や賞金を得て、コリントの船で帰国の途につきました。しかし、船乗り達はアリオンが持っている賞金が目当てだったのです。海岸から遠く離れてから船乗り達は彼を殺害して金をうばおうとしました。この時、とうてい逃げられないと覚悟したアリオンは、最後にもう一度あの琴で歌いたいと船乗り達に頼みました。船乗り達は最後の頼みを聞き入れ、アリオンは船べりに立って、琴をひきながら心をこめて詩を歌うと、美しい音色と心を打つ詩に、船のりたちもつい心を打たれて聞きほれ、また、海の魚や動物たちも、船のまわりに集ってきました。歌い終わるとアリオンは、水中に身を躍らせます。すると、アリオンの音楽を聞きに集まっていたイルカの1匹が、彼を乗せて近くの島まで運んでくれたのです。アリオンはこうして、船よりも速くコリントに着いてしまい、コリント王べリアンデルに手厚い待遇を受けました。そして、それを知らずに到着した船乗り達を王宮に来させ捕らえてしまいました。アリオンは無事に賞金や賞品と共にレスボスに変えることが出来たそうです。



 インデアン(いんであん)座 : (学名Indus) : (略符Ind)

アメリカン・インディアン

 南の星座で、北半球の中緯度からは余りよく見えません。16世紀の航海者たちの間では認められていたようで17世紀初めの星図に登場しています。創設された経緯があまりよく判らない星座です。



 魚(うお)座 : (学名Pisces) : (略符Psc)

アフロディテとエロスが化けた2匹の魚

 美の女神アフロディテとその子エロスがエウフラテス川の岸べを歩いているとき、突然、大怪物テェフォンがあらわれたため、魚の姿になって川へとびこみ、その場を逃れたといい、その魚がこの星座の起源だとされています。



 兎(うさぎ)座 : (学名Lepus) : (略符Lep)

オリオンの獲物のウサギ

 表題の通り、狩人オリオンが最も好んだ獲物です。



 牛飼(うしかい)座 : (学名Bootes) : (略符Boo)

熊を追う男

 古くから猟犬を連れて熊(おおぐま座)を追う狩人の姿が描かれています。星座名のギリシャ語は牛と動かすの合成語で牛飼いは直訳に近い日本語名です。最も明るい星アルクトゥルスは熊の番人の意味があるそうです。



 海蛇(うみへび)座 : (学名Hydra) : (略符Hya)

アルゴスの沼地レルネに住む多頭の怪蛇

 ヘラクレスによって退治された怪蛇です。九つの頭を持つ怪物で,そのうちの一つは不死であり,他の八つの頑も,首を初られるとすぐまた生えてきます。周辺を荒らし回っていました。



 エリダヌス(えりだぬす)座 : (学名Eridanus) : (略符Eri)

大河エリダヌス川

 そのものずばりエリダヌス川ですが、エジプトではナイル川、バビロンではエウフラテス川、ローマではパドゥス川(現在のポー川)というように、近くにある大河の名をとって名づけられていました。



 牡牛(おうし)座 : (学名Taurus) : (略符Tau)

ゼウスの化けた牛

 地中海の東岸にあるフェニキアの王女エウローペは野原に咲きみだれる花を摘んでいました。ゼウスは、はるかオリエンポスの宮殿から眺めて見そめ、牡牛の婆となって王女に近づきました。この牡牛は全身が雪のようにまっ白で、眼はやさしく、美しい角を持っていました。その姿の美しさからエウロペは牡牛に心を許し、そのうち背中に乗ってみました。すると牡牛は王女をのせたまま走り出し、そのまま地中海を渡って、ギリシアの沖合いにあるクレタ島までつれてきてしまいました。エウローペはそこで子どもを生んだといわれています。
 この牡牛は、このあともずっとクレタ島にいて、後でクレタの王妃にミノタウロスという怪獣を生ませまし。この為ヘルクレースがこの牡牛を生けどることを命ぜられたのです。



 大犬(おおいぬ)座 : (学名CanisMajor) : (略符CMa)

猟師オリオンの猟犬、英雄アクタイオンのつれていた犬、ニンフのプログリスが連れていた犬、ケアアルスの犬等諸説あり

 猟師オリオン(オリオン座参照)が猟につれていた猟犬でオリオンと共に星座になりました。また、英雄アクタイオンのつれていた犬とも、月の女神ディアナの従者であるニンフ、プログリスが連れていた犬、またプログリスの夫ケアアルスに暁の女神アウロラが与えた犬で、非常にすばしこいことに大神ゼウスが感心して星座に加えたという話があります。



 狼(おおかみ)座 : (学名Lupus) : (略符Lup)

ゼウスによって狼に変えられたリュカオン

 ゼウスの孫に当たるギリシアのアルカディナの王リュカオンが、ゼウスの降臨の時に人肉を供したため大神の怒りにふれ,一族とともに狼の姿に変えられました。そのオオカミの姿であるとされています。
 また、隣のケンタウロス座の獲物であるともいわれています。



 大熊(おおぐま)座 : (学名UrsaMajor) : (略符UMa)

ゼウスによって熊の姿に変えられたニンフのカリスト(大熊)とその息子アルカス(小熊)

 月の女神アルテミスの侍女に,カリストという娘がいました。快活で野性的、化粧をしなくても美しく,野山で狩りをするのが好きな娘でした。その姿をみた大神ゼウスは、アルテミスの姿に化けてカリストに近づき、カリストを自分のものにしました。そして美しい男の子が生まれたのですが、それを知ったゼウスの妻へラは、嫉妬からカリストをみにくい熊に変えてしまいました。何も知らずにカリストの子アルカスは、りっぱな若者に成長し,母親の血とゼウスの血を引いて狩りの名手になりました。ある日、アルカスとカリストは森で出会いました。カリストは熊にされている事も忘れ、自分の子のもとに駆け寄ろうとします。アルカスは自分の生みの母とも知らずに、襲ってくる熊を射止めようと心臓めがけて,手にした槍を打ち込もうとします。その瞬間、自分の気まぐれからこの事態を招いた大神ゼウスは、アルカスに母殺しの大罪を犯させまいと、アルカスもまた熊に変え、二人とも天上にあげて星座にしたとされます。二匹とも熊にしては尻尾が異様に長く、ゼウスが尻尾を掴んで天に放り投げたからだと伝えられています。しかし、ヘラの憎しみは一向に収まらず、大熊も子熊も天の北極のまわりを永遠に回転し、地平線の下で休息する事は出来ないのだといわれます。



 乙女(おとめ)座 : (学名Virgo) : (略符Vir)

 正義の女神アストラエア、又は農業の女神デーメテール、その娘ぺルセポネ、バッカスの妻エーリゴネの姿

 大神ゼウスと月の女神テミスの娘のアストラエアは正義の女神です。人が生まれ出た直後の「金の時代」は世の中がすべてまるくおさまり、人は働かなくても自由に野山の果実をとって食べて暮らすことができました。それが、「銀の時代」といわれるころになると、四季の区別が生じて、人間たちは自ら汗を流して食物を作らねばならなくなり、人間社会は次第に醜い争いをするようになり、神々はだんだんと天上に引きあげてしまうようになりました。しかし、アストラエアは地上に残って人間たちを導いていましたが、次の「青銅の時代」が来ると、人間たちの争いと不正は激しくなり、ついにアストラエアも妹の慈悲の女神アイドスと共に人間界を見限って天上に去ってしまいました。その時に星となって姿を留めたと言われています。
 また、ゼウスの妹、デーメテールは全ての大地からわき出るもの、成長するものを支配し農業の神とされています。その娘ぺルセポネは母の血をひいて美しく愛らしい姿を持っていました。それを冥府の王ハデースが眼を付けて前々から狙っていました。ぺルセポネがシシリア島の草原でニンフ達と花を摘んでいる時に、珍しい花を用意してニンフ達を遠ざけて、地面を裂いて黒馬4頭引きの金馬車を使って地下から躍り出てさらってしまいました。デーメテールは娘がさらわれた事を知り、探し回りましたが見つけ出す事は出来ません。10日目になって日の神ヘリオスからハデースがさらっていった事、既に冥府の后となっている事を知ります。デーメテールは絶望のあまりエンナの谷の洞穴に籠もってしまいました。すると地上から芽を出すもの全てが芽を出さず、種をまいても育たない冬が地上にやって来て、それがずっと続いてしまいました。
 これでは生きてゆけないと人々の訴えを受けたゼウスは、ヘルメースを伝令として冥府に差し向け、ペルセポネをデーメテールの元に帰らせるよう命令しました。ところがハデースは一計を案じてペルセポネにザクロの実を勧めたところ、ペルセポネは4粒を食べてしまいました。冥界の食べ物を食べたらもう帰れない決まりです。これを知ったデーメテールは再びゼウスに談判します。怖い妹に迫られたのでゼウスは困った挙げ句、4ヶ月を冥府で過ごし、残りの8ヶ月を地上で暮らすよう裁定しました。それで、ペルセポネの居ない4ヶ月間、デーメテールは洞穴に籠もってしまい冬となり、それから春夏秋という季節が始まりました。
 酒神ディオニュソスは葡萄酒の作り方を人々に広めていました。アテナイにやって来た時はアテナイ王イカリオスの娘エーリゴネに一子スタピュロスをもうけました。イカリオスは酒のうまさに感動し自分だけのものにするのではなく農民達にも振る舞う事にしました。ところが飲まされた人々は初めて飲むものですから、散々酔っぱらった挙げ句に毒を飲まされたと思ってイカリオスを打ち殺してしまいました。イカリオスの忠犬メーラはイカリオスの埋められた場所を探し出してエーリゴネに教えました。エーリゴネは父の死体を見て悲しみのあまり近くの樹で首をつってしまいました。メーラもそばを離れずそのまま死んでしまいます。
 ディオニュソスは自分の造った酒が原因となって悲劇が起きた事を知ると、エーリゴネを乙女座、メーラをこいぬ座として天に上げ。アテナイの女達の気を狂わせてしまいました。女達は次々と首をくくって死んでいきました。変事に慌てたアテナイの人々がデルフォイ神殿で神託を受けると、事の真相が明らかになりました。アテナイではイカリオスを打ち殺した人々を生贄として祭りを行い死者の霊を弔ったということです。



 牡羊(おひつじ)座 : (学名Aries) : (略符Ari)

 ゼウスの化けた羊、又はヘルメスの使いの金毛羊

 ゼウスが巨神族ティターンに襲われた時に姿を変えた牡羊の姿であると伝えられています。
 また、テッサリア王アタマスの二人の子供フリクススとヘルレが継母に酷くあしらわれていたのを知神ヘルメスが哀れに思って使わした金色の牡羊であるとも言われています。フリクススとヘルレを乗せて空を飛び脱出したのですが、途中でヘルレが高さにおびえて落ちてしまいます。落ちた辺りをヘレスポントと呼ぶようになりました。今のダルタネルス海峡です。フリクススは無事にコルキスに降りる事ができたので、その土地の王アイエテスに金毛の羊を献上しました。アイエテス王はこの珍しい金色の羊毛を得て、昼夜、眠ることのない竜を番人としてつけ、神殿の庭にかけておきました。後に勇士イアーソンを隊長とする探検隊が、快速船アルゴ号に乗ってこの金毛の羊を取りにくるのがアルゴノウツの冒険です。



 オリオン(おりおん)座 : (学名Orion) : (略符Ori)

 海神ポセイドーンとアマゾン女王エウリアレーの子で熟達した狩猟者

 父ポセイドーンから海上を自由に歩く力を授けられて若く美しく逞しい力を持った巨人であったとされ、色々な逸話や説が残されています。
 港に巨岩を引きずってきて堤防を作ったり、海峡の入口に岬を築いてポセイドーンの杜を作る仕事をしています。そして、オイノピオーンの兄弟スタピュロスの美しい娘シーデーを妻としましたが、彼女は容色自慢で、それが元でへーラーに冥界に突き落とされてしまうと言う事がありました。その後各地をめぐっていますが、イオニアのキオス島に立ち寄ったことがあります。この時、王オイノピオーンの娘メロペーを見そめますが、酒席で王の后や娘に乱暴を働こうとした事があって、王はオリオーンを嫌い憎みます。しかし、正攻法では勝てないので、オーリオーンを酔わして両目をつぶして海岸に放り出しました。
 ところがオーリオーンは、レームノス島にあるヘーバイストスの鍛冶場の音を聞き留め、その音の方角を辿りました。オーリオーンは海の上を歩く事が出来るのです。そして、レームノスに着いてからヘーバイトスの弟子の子供に案内させて東の国で日の出の光を浴びて視力を回復させる事が出来ました。キオス島にとってかえして復讐をしようとしたのですが、それを知ったキオスの人々はオイノピオーンを隠してしまい、見つける事が出来ませんでした。
 オーリオーンは仕方なくクレーテー島に戻りアルテミスの従者として働く事になります。オーリオーンの死については諸説があり。蠍にやられるものとアルテミスに射殺される話があります。また、その原因についても、猟の腕前を広言して嫉まれたり、アルテミスに不埒な真似を仕掛けたとか、暁の女神との恋を妬まれたというものになっています。
 全く別の系列としては、アトラースの7人の娘達(プレヤデス、昴)を追い回しました。娘達は困ってゼウスに訴えたので、ゼウスは天に上げて星座にしました。それで、今でもオーリオーンは娘達を追っているとされています。



 画架(がか)座 : (学名Pictor) : (略符Pic)

 フランスの天文学者ラカーユが18世紀に作った新設星座で神話はありません。



 カシオペヤ(かしおぺや)座 : (学名Cassiopeia) : (略符Cas)

エイティオピア王妃カッシオペイヤが椅子に座った姿。

 エイティオピアの王ケフェウスの王妃カシオぺアは、自分の美しさを自慢して、海の女神ネーレイデス達に勝ると広言した為に、ポセイドンの怒りをかい、たたりを受けて娘のアンドロメダーを生贄に差し出す事になってしまいました。アイティオピアーの岸壁に縛り付けられたアンドロメダーを助けたのがメデューサを倒してセーリボスに帰るところのペルセウスでした。



 旗魚(かじき)座 : (学名Dorado) : (略符Dor)

 新設星座



 蟹(かに)座 : (学名Cancer) : (略符Cnc)

ヘラクレースに退治されたヒュドラに加勢した化け蟹

 つねづねヘラクレースを快く思わないヘーラーが、ヒュドラを退治しようとして戦っているところへ差し向けた化け蟹で、ヘラクレースの足を挟もうとしたのですが、たちまち踏みつぶされてしまいました。ヘーラーは哀れに思い天に上げて星座にしたと伝えられています。



 髪(かみのけ)座 : (学名Coma) : (略符Com)

ベレニケが夫の為に神に捧げた髪の毛

 エジプトを支配していたマケドニア王朝第三代プトレマイオス三世エウエルゲテスは、キュレネ女王ベレニケニ世を妻に迎えてエジプトの版図を広げ、更にシリアと小アジアを攻略しようとします。その出陣に当たって王妃ベレニケは夫の無事を祈る為に,美の女神アフロディテに夫の戦勝と引き替えに自分の髪の毛を捧げる事を約束しました。ベレニケの髪の美しさは遠い外国にまできこえるほどのものであったのです。
 そして、第三シリア戦争に勝ったという知らせが届くとベレニケは、誓いに従って髪を剃りアフロディテの神殿に捧げました。帰国した王は妻の姿を見て髪の毛が無くなった姿に失望します。しかし、翌朝、アフロディテの神殿から髪の毛が無くなった事が判り、学者であるサモスのコノンを呼び寄せて問いました。すると彼は、昨夜天に現われた新しい星のむれがある事を報告し、神が王妃の誓約と髪の毛の美しさをお認めになり星座に加えられたのだと答えたので、王も王妃も大いに満足したと伝えられています。
 この後、マケドニア王朝は絶頂期を迎えます。エウエルゲテスの死後、ベレニケは長男プトレマイオスW世とともに王位に付きますが、最終的には息子の為に殺害されてしまいます。



 カメレオン(かめれおん)座 : (学名Chamaeleon) : (略符Cha)

 新設星座



 烏(からす)座 : (学名Corvus) : (略符Crv)

余計な告げ口をしたカラス

 テッサリア王プレギュアスにコロニスという美しい娘がいました。コロニスはいつしか太陽神アポロンに愛される身になり,アポロンは使いとして白銀のからすを与えました。このからすは、人間の言葉を聞いて判る力をもっていたのです。ある日このからすは、コロニスが近くの若い男と話しているのを見て、さっそくアポロンにそのことを告げました。アポロンは怒って矢を射たところ、その矢は遠く空中を飛んで、コロニスの美しい胸に突き刺さり、コロニスは死んでしまいます。コロニスは、既にアポロンの子を宿していましたが、いまわの際に何とかその子の命だけは助けてほしい、とアポロンに祈りました。からすの告げ口を本気にして、怒りにまかせて矢を射かけたアポロンは、美しいコロニスの最後の願いを聞いて冷静になり、後悔します。コロニスから男の子をとり出して,ケンタクロス族の老医師ケイロン養育をまかせます。この男の子はのちに、名医アスグレピオスとなって,多くの病人の命を救いました。この事があってからアポロンのからすは、よけいな告げ口をしたこと、白く美しかった羽根を真っ黒に変えられた上、天に上げられて目の前にあるコップの水にクチバシが届かないようにされたということです。



 冠(かんむり)座 : (学名CoronaBorealis) : (略符CrB)

王女アリアドネーの冠

クレーテー島のミーノース王は、王宮の迷路の奥に棲む牛の頭を持つ怪人ミノタウロスの為に毎年アテーナイ中から最も美しい少年と少女を7人ずつ生贄にしていました。アテーナイの王子テーセウスはこのクレーテー行きを志願して生贄に加わりました。何としてもミノタウロスを倒してこの犠牲を止めようとしたのです。クレーテーに着きミーノース王の前で出された時に、王の娘アリアドネーがテーセウスの雄々しい姿に恋に落ちて、自分をクレーテー島から連れ出し妻として迎える事と引き替えにテーセウスの手助けをする事になります。その手引きによってミノタウルスを打ち殺してアリアドネーをつれて脱出する事が出来ました。
 この後、異伝が多数ありますが、帰路の途中のナクソス島に寄った時にアリアドネーは置き去りにされます。彼女が眠っている間とも、悪阻がひどくてこれ以上船に乗れなかった、或いはアルテミスに殺されたとも言われます。この後、酒神ディオニューソスが彼女を慰め、或いはさらってレームノス島にやってきて、4人の子供をもうけます。アリアドネーはディオニューソスの妻となった印として七つの宝石をちりばめた冠をもらいました。後にアリアドネーが亡くなってから、デュオニューソスは星座の中に飾ったのが、かんむり座の星々であるとされます。



 巨嘴鳥(きょしちょう)座 : (学名Tucana) : (略符Tuc)

 新設星座



 馭者(ぎょしゃ)座 : (学名Auriga) : (略符Aur)

ヘーパイストスとアーテナーの子エリクトニオスが作った四頭立ての馬車と御者、但し星座絵は山羊を抱く老人

 鍛冶神ヘーパイストスは知神アーテナーに関係を迫りましたが拒否されてその種がアーテナの身体に付いて育ちました。その子がエリクトニオスですが、ヘーパイストスの血を引いていて足が弱く、鍛冶の才能がありました。成長してアテーナイの王となりますが、四頭立ての戦車を発明して戦功を立てました。それを愛でてゼウスが星座にしたと言われています。
 ただし、更に古い時代には山羊か羊を抱いた老羊飼が描かれ、その後もその星座絵が使われる事が多く名前と乖離しています。



 きりん(きりん)座 : (学名Camelopardalis) : (略符Cam)

 新設星座



 孔雀(くじゃく)座 : (学名Pavo) : (略符Pav)

 新設星座



 鯨(くじら)座 : (学名Cetus) : (略符Cet)

ポセイドンの派遣した手のある化鯨

 エチオピア(アイティオピアー)の王妃のカッシオペイアが、海に棲むネーレイデスでも自分に及ぶ者はあるまい、などと器量自慢をした為に、王妃の思い上がりに腹を立てたネーレイデスが海神ポセイドーンに訴え、ポセイドーンはエチオピアを滅ぼす為に津波や怪獣を送り込みました。その時の化け鯨で、アンドロメダー姫を狙っていました。勇者ペルセウスの働きで倒されます。



 ケフェウス(けふぇうす)座 : (学名Cepheus) : (略符Cep)

エチオピアの王ケフェウスの姿

エチオピア(アイティオピアー)の王にしてカシオペア王妃の夫、アンドロメダ姫の父として、エチオピア王家をめぐる物語に登場する。



 ケンタウルス(けんたうるす)座 : (学名Centaurus) : (略符Cen)

半人半馬の一族

 北束部ギリシアの大平野の西にあるテッサリアの、ベリオン山地に住んでいた一族の名前です。古くは人間の全身の後ろに馬の胴と後ろ足に尾の付いた姿ですが、後世、上半身は人間で胴以下が馬の姿になっています。性格が猛々しく生肉を食らい洞窟に住むとされています。
 テッサリア王プレギュアースの子イクシーオーンは、ゼウスに目をかけられて親族の殺人の罪を浄めてもらったにも関わらず忘恩の逆賊で、ヘーラーに思いをかけ寵愛を受けていると言いふらしていました。怒ったゼウスとヘーラーは雲をヘーラーの姿にして与え、イクシーオーンは思いを遂げたと誇りました。これら忘恩の罪で冥界の底であるタルタロスに落とされ、燃える火の車に縛り付けられて永劫の責め苦を受けています。一方、雲はこの交わりから身ごもり、遂にケンタウロスを生みました。それ故、イクシーオーンの血を継いで荒々しく神々を敬わず礼儀を知らないのだと言われています。
 同じテッサリアには、ゼウスとも縁の深い、ラピタイ族も住んでいます。イクシーオーンと正妻ディアーの子にしてラピタイ王ペイリトオスの結婚式に、このケンタウロスたちも招かれたのですが、酒に酔うほどにその粗暴な本性が出てしまって、エウリュティオーンを頭に花嫁ヒッポダメイアを連れ去ろうとしたので、両族の間に戦争が起こり、大変な激戦の上、ついにケンタウロス側が破れて、ペロポンネーソスに逃げこむことになります。この戦いに勇者テーセウスも招かれていて戦いに加わっています。



 顕微鏡(けんぴきょう)座 : (学名Microscopium) : (略符Mic)

 新設星座


 小犬(こいぬ)座 : (学名CanisMinor) : (略符CMi)

アクタイオンの猟犬又はイカリオスの忠犬

 アクタイオンは太陽神アポロンの孫、農芸神アクタイオスの子としてケイローンに育てられて狩りの名人となりました。ある日、キタイロンの山中で50匹の猟犬を使って鹿狩りをしていた時に月神アルテミスの沐浴を見てしまいます。アルテミスはアクタイオンに呪いをかけ鹿に変えてしまいます。突然現れた鹿の姿に猟犬たちはたちまち飛びついて噛み殺し、食べてしまいました。その中の一匹猛犬メランポスが空に上げられた姿と言われています。
 別伝では、アテナイ王イカリオスの忠犬メーラで、主人のなきがらを守ってその場で死んだと伝えられています。



 小馬(こうま)座 : (学名EquuleuS) : (略符Equ)

ペガススの弟の天馬ケレリス

 ペガススの弟にあたるケレリスという天馬で、伝令神ヘルメースが勇者カストールに与えたものとされています。



 小狐(こぎつね)座 : (学名Vulpecula) : (略符Vul)

 新設星座 がちょうをくわえたきつねの姿



 小熊(こぐま)座 : (学名UrsaMinor) : (略符UMi)

  →大熊



 小獅子(こじし)座 : (学名LeoMinor) : (略符LMi)

 新設星座



 コップ(こっぷ)座 : (学名Crater) : (略符Crt)

西洋風杯



 琴(こと)座 : (学名Lyra) : (略符Lyr)

アポロンの息子オルフェウスの竪琴

 伝令神にして知の神ヘルメースはある日、海岸で偶然、亀の甲を拾いました。退屈まぎれに、彼ははその甲の両端にいくつかの孔をあけ、そこヘ7本のひもを張りわたし、弾いてみると、すばらしい音の出る楽器ができました。アポロンがそれを欲しがったので、代わりにカデキウスの杖、つまりヘルメースの持ち物として良く知られている、あの翼のある蛇が巻きついた杖と交換してもらいました。
 アポロンは、後にこの琴を息子のオルフェウスに授け、オルフェウスは類い希な音楽家になりました。オルフェウスの琴のしらべには神も人も動物も、いつも聞きほれてしまうのです。森の野獣も木々さえも、オルフェウスの琴にじっと耳をかたむけます。
 オルフェウスが、やがて美しい妻エウリディケを得ると、琴の調べにはますます磨きがかかりました。ところがその楽しい調べは、間もなく悲しみの調べ変わってしまいます。妻が蛇にかまれてあえなく死んでしまったからです。オルフェウスは亡き妻を慕い、泣きながら冥府へくだってゆき、その国王ハデースとその妻ペルセポネの前で、琴をかき鳴らしながら、エウリディケを帰してくれるように懇願します。さすがにいかめしいハデース王も、彼の音楽の力に打たれ、死者の国の霊ともども、エウリディケをもう一度、地上へ返すことに同意しました。但し、条件があります。この世に帰り着くまでの道のりで、決して後をふり返ってはならないという約束です。オルフェウスは、後についてくる妻の足音が聞こえない気がして、とうとう、我慢しきれずに後をふり返ってしまったのです。すると、悲しみの叫び声とともに、エウリディケは冥府の暗黒に引きもどされ、二度と、エウリディケを見る事は出来ませんでした。
 そして、オルフェウスはただ一人、琴を手に妻の面影を追い求めて野山をさまよい、やがて酒神デュオニソスの祭りで深酒した女たちに殺されてしまいます。あるじを失った竪琴は、オルフェウスの死体と共に、へプロスの川に投げ捨てられてしまいました。竪琴の名手の死をおしんだ音楽の精霊ミューズたちがその亡骸をリベトラに葬り、その墓の傍の木にはいつも夜鴬が美しい声を南欧の空にひびかせていたといいます。
 一方、主を失った琴は、それでもなお不思議な調べを奏でながら、川を流れ下っていきました。それを見てゼウスは琴を拾い上げ。星座の中においたとされます。



 コンパス(こんぱす)座 : (学名Circinus) : (略符Cir)

 新設星座



 祭壇(さいだん)座 : (学名Ara) : (略符Ara)

伝えられるギリシャ神話はありません


 さそり(さそり)座 : (学名Scorpius) : (略符Sco)

オリオンを刺し殺した毒蠍

 巨人オリオ−ンが「全世界に自分ほど強いものはない」と豪語したので、女神希ヘーラーが彼をさし殺させた毒さそりであるとされています。そして、オリオンは星になってもさそりを恐れ、さそり座が地平線上に登るとそそくさと隠れ、さそり座が沈むと現れると言い伝えられています。
 また、この蠍は太陽の神アポロンの息子ファエトンが乗った日輪車の馬を脅かして暴れさせたとも言われています。父親にせがんで日の馬車を走らせたファエトンは、軌道を外れた馬車を元に戻す事が出来ずに、ゼウスの稲妻に当たってエリダヌス川に墜死します。



 三角(さんかく)座 : (学名Triangulum) : (略符Tri)

古い星座ですが伝承はありません。



 獅子(しし)座 : (学名Leo) : (略符Leo)

ギリシアのネメアの森に棲んでいた不死身のライオン

 テューポーンとエキドナの子で、ネメアの森に棲む不死身にして魔性の猛獣ライオンで、これの退治がヘーラクレースの難行の最初の仕事になります。



 定規(じょうぎ)座 : (学名Norma) : (略符Nor)

 新設星座



 楯(たて)座 : (学名Scutum) : (略符Sct)

 新設星座



 彫刻具(ちょうこくぐ)座 : (学名Caelum) : (略符Cae)

 新設星座



 彫刻室(ちょうこくしつ)座 : (学名Sculptor) : (略符Scl)

 新設星座



 鶴(つる)座 : (学名Grus) : (略符Gru)

 新設星座



 テーブル山(てーぶるさん)座 : (学名Mensa) : (略符Men)

 新設星座



 天秤(てんびん)座 : (学名Libra) : (略符Lib)

正義の女神アスーラエアが手にする天秤

 この天秤は正義の女神アスーラエアが手にした、人の運命や正邪を計る天秤です。紀元前にはさそり座の一部ではさみにあたっていましが、独立して星座となりました。



 とかげ(とかげ)座 : (学名Lacerta) : (略符Lac)

 新設星座



 時計(とけい)座 : (学名Horologium) : (略符Hor)

 新設星座



 飛魚(とびうお)座 : (学名Volans) : (略符Vol)

 新設星座



 船尾(とも)座 : (学名Puppis) : (略符Pup)

 アルゴ座を四分割した一つ



 蝿(はえ)座 : (学名Musca) : (略符Mus)

 新設星座



 白鳥(はくちょう)座 : (学名Cygnus) : (略符Cyg)

大神ゼウス又はキュクノス、オルフェウスの化身した白鳥の姿

 リシアのスパルテー王テュンダレオースの王妃レーダーは絶世の美人で、大神ゼウスはレーダーを見そめ、愛の女神アプロディテに助力を求めた。そしてゼウスの化身の白鳥は、アフロディテが化けた鷲に追われてレダの膝元に逃げ込んだので、レダはかわいそうに思い、この白鳥を抱きよせて愛撫しているうちに、ゼウスは思いをとげたといわれます。白鳥が去ったあと、レダは大きな卵を二つ、生みおとしましたが、それぞれから、双生児が生まれました。片方の卵からはカストールとポリュデウケス、もう一つの卵からはトロイア戦争の誘因となったへレネーとアガメムノーン王妃となるクリュタイメーストラーの双生児がうまれたとされています。



 八分儀(はちぶんぎ)座 : (学名Octans) : (略符Oct)

 新設星座



 鳩(はと)座 : (学名Columba) : (略符Col)

 新設星座



 風鳥(ふうちょう)座 : (学名Apus) : (略符Aps)

 新設星座



 双子(ふたご)座 : (学名Gemini) : (略符Gem)

カストールとポリュデウケスの双子の姿

 大神ゼウスが白鳥と化して美女レ−ダ−に生ませた双子神カストールとポリュデウケスは、いつも二人つれだって行動しました。特に、嵐になやむ船の導き手としてへさきに立つといわれています。兄弟はそれぞれ乗馬とボクシングの名手であり、長じてはイアーソンらが金の毛の羊を取りに行ったアルゴー船の航海にも参加しました。その途中、大嵐にあって船が木の葉のように揺れたので、船は丈夫にできているとはいっても、乗組員たちは恐れおののきました。その時、楽聖オルフェウスが神々の怒りを竪琴を弾いて鎮めた時に、カストールとポリュデウケスの頭上には二つの輝く星が現われました。この事から双子神が、航海の守り神として知られるようになります。
 ところで、弟のポリュデウケスはゼウスの血を引き神性を持っていて不死でしたが、兄のカストルは、いつかは死すべき運命を持っていました。ポリュデウケスは父ゼウスに頼んで、自分の持っている不死の性質を兄に分かち、1年の半分は天上に、半分は地下に、共に過ごすようにしてもらったのです。そして、人間としての死を迎えると天に昇って星座となったのです。



 ペガスス(ぺがすす)座 : (学名Pegasus) : (略符Peg)

天馬

 勇者ペルセウスが怪物メドゥサの首を切ったとき、とび散った血の中から、翼のある馬ペガソスが生まれたといわれています。そして、のちにはこのペガソスがコリントスのベイレネの泉で水を飲んでいるとき、勇士ベレロフォンが女神アテナの助けをかりて捕え、この天馬にのって空を飛び、怪物キマイラを退治することができました。



 蛇(頭部)(へび)座 : (学名Serpens(Caput)(Cauda)) : (略符Ser)

アスクレビオスが手にしている蛇の姿

 医聖アスクレビオスが手にしている巨大な蛇で、慎重さ、回復力、英知、薬草を発見する力など、医術に必要な能力の象徴とされています。



 蛇遣(へびつかい)座 : (学名Ophiuchus) : (略符Oph)

アポロンの子、医聖アスクレビオスの姿

 アスクレビオスはアポロンとテッサリアの王の娘コロニスの子です。アポロンはカラスの告げ口から嫉妬してコロニスを射殺してしまいますが、コロニスはその時に身ごもっていた子をアポロンに託します。アポロンはアスクレビオスをケイローンに養育させ医術を学びます。
 アスクレビオスがある日友人の家を訪れたときに、たまたま二匹の蛇が出てきたので、アスクレビオスは片方の蛇を打ち殺しました。すると、もう一匹の蛇が草むらに逃げたかと思うと戻ってきました。その口に草をくわえてきて、死んだ仲間の蛇につけてやると、その死んだ蛇がたちまち生きかえって一緒に逃げました。これを見て、アスクレビオスは薬草の効果を知ったといわれています。
 アスクレビオスはすぐれた医師となって多くの人の命を救いました。イアーソンのアルゴ船の探検隊にも参加して、兵士の傷を治しましたが、熱心のあまり死人をもよみがえらせたため、ハデースの訴えをを受けて大神ゼウスの雷電によって打ち殺されてしまいます。父アポロンの願いによって、ゼウスがのちアスクレビオスを星座に加えたのがこのへびつかい座で、手にしている蛇はアスクレビオスの象徴となっていいます。



 ヘルクレス(へるくれす)座 : (学名Hercules) : (略符Her)

ゼウスとアルクメーネの子ヘルクレ−スの姿

 ゼウスとペルセウスの孫アルクメーネ王女の子として生まれ、ヘーラーの嫉妬の為に数々の困難な冒険をします。



 ペルセウス(ぺるせうす)座 : (学名Perseus) : (略符Per)

勇者ペルセウスの姿

ゼウスとダナエーの子勇者ペルセウス



 帆(ほ)座 : (学名Vela) : (略符Vel)

 アルゴ座を四分割した一つ



 望遠鏡(ぼうえんきょう)座 : (学名Telescopium) : (略符Tel)

 新設星座



 鳳風(ほうおう)座 : (学名Phoenix) : (略符Phe)

 新設星座



 ポンプ(ぽんぷ)座 : (学名Antlia) : (略符Ant)

 フランスの天文学者ラカーユが18世紀に作った新設星座で神話はありません。



 水瓶(みずがめ)座 : (学名Aquarius) : (略符Aqr)

ゼウスの小姓ガニュメーデースが水瓶を持った姿

 ガニュメーデースは、トロイア王家つ祖トロースの子、又はトロースの孫ラーオメドーンの子で、人間のうちもっとも姿美わしき少年といわれました。羊を牧していた時にその美しさを愛でて、鷲の姿に化したゼウス又はゼウスの使いの鷺が、にわかに舞い降りて天上に攫っていったといわれます。彼は永遠の若さと美に輝き、天上の饗宴に酒杯を斡旋する役を勤めているそうです。ゼウスは彼の代償として、へーバイストスが造った黄金の葡萄、あるいは風のように脚の神速な馬、いわゆるトロースの馬を与えたといわれています。



 水蛇(みずへび)座 : (学名Hydrus) : (略符Hyi)

 新設星座



 南十字(みなみじゅうじ)座 : (学名Crux) : (略符Cru)

 新設星座



 南魚(みなみのうお)座 : (学名PiscisAustrinus) : (略符PsA)

アフロディテの化けた魚の姿

愛の女神アフロディテが、怪物テェフォンに襲われた時に魚の姿になって逃げた姿といいます。また、うお産の2匹の魚の親魚とも言われています。



 南冠(みなみのかんむり)座 : (学名CoronaAustralis) : (略符CrA)

伝えられるギリシャ神話はありません



 南三角(みなみのさんかく)座 : (学名TriangulumAustrale) : (略符TrA)

 新設星座



 矢(や)座 : (学名Sagitta) : (略符Sge)

ヘラクレース又はエロースの矢

 プロメテウスが山上の岩につながれて鷲に肝臓をついばまれて苦しんでいるところに来あわせたヘラクレースが、その鷲を射た矢であるとも、愛の天使エロースの矢であるともいわれています。



 山羊(やぎ)座 : (学名Capricornus) : (略符Cap)

牧神パーンが化けた山羊の姿

 あるとき、ナイル川の岸で神々がたのしく会食していたとき、突然、怪物テューポーンが現われました。テューポーンの背丈はどの高山よりも高く、頭髪は星に触れるほど、両腕を開くと世界の東西の果てに届き、肩からは百の蛇型の頭が生え、頭とあごからは長髪が風になびき、目から火を放ち、口からは様々な轟音を発していました。股から下は下は巨大な毒蛇の如くとぐろを巻いて動く度にしゅうしゅうと鳴るという恐ろしさです。こんな怪物に襲われては堪りません。大慌てで神々は姿を変えて逃げ出したのですが、牧神パーンは水に浸かったところだけは魚で、他は山羊の姿となってしまいました。これを見てゼウスは喜び星座の姿にしたという事です。



 山猫(やまねこ)座 : (学名Lynx) : (略符Lyn)

 新設星座



 羅針盤(らしんばん)座 : (学名Pyxis) : (略符Pyx)

 新設星座



 竜(りゅう)座 : (学名Draco) : (略符Dra)

 エキドナとテュポーンの子で、百の頭を持ち不死である巨竜の姿

 エキドナとテュポーンから生まれ、百の頭にそれぞれ2つずつの目を持ち、全ての頭が眠ってしまうことなく見張りすることができることから、宵の明星ヘスペリデスの黄金の林檎を守っていた怪竜です。アトラース又はヘラクレースに負けて林檎を3個奪われます。



 竜骨(りゅうこつ)座 : (学名Carina) : (略符Car)

 アルゴ座を四分割した一つ



 猟犬(りょうけん)座 : (学名CanesVenatici) : (略符CVn)

 新設星座



 レチクル(れちくる)座 : (学名Reticulum) : (略符Ret)

 新設星座



 炉(ろ)座 : (学名Fornax) : (略符For)

 新設星座



 六分儀(ろくぶんぎ)座 : (学名Sextans) : (略符Sex)

 新設星座



 鷲(わし)座 : (学名Aquila) : (略符Aql)

ゼウスが化身した鷲又はプロメテウスの肝臓をついばむ鷲の姿