レンズ性能

 カメラ雑誌でレンズの絞りを絞り込みすぎると、像が悪化するという記事と共に「証拠写真」が掲載されています。多分、印刷前の元画像であれば、違いがわかるのだろうと思います。つまり、書いてあるほど、誌面では違いが判りません。従って、やってみるという事になります。

 機材  Nikon D800 + SIGMA MACRO MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM

 丈夫な三脚にカメラを載せ、ミラーアップして撮影を行いました。撮影された画像を中心部で切り出しています。

1/640F2.8
1/320F4.0
1/160F5.6
1/80F8.0
1/50F11
1/25F16
1/13F22
 開放F2.8から絞っていくとF4.0付近で最も先鋭度とコントラストが高くなり、更に絞っていくと徐々に悪化していきます。F11辺りから急速に分解能が落ちているのが判ります。理論的な回折による像の悪化と一致している結果となりました。この結果からしても、被写界深度を広げようとして目一杯絞り込むと、対象がぼやけるということになります。
 一般撮影では、これらのことは知っている人は知っている事ですので、特段、特別な出来事ではありません。進化のいちじるしいデジタルカメラが遂に銀塩写真に追いついたということなのでしょう。
 天体撮影では、それほど絞り込むというのは太陽と長時間の日周運動の撮影以外はありません。特に太陽の撮影は減光のために口径を絞ることが多いのですが、絞りすぎると返って像が悪化して先鋭な黒点を撮影できなくなることになります。