mS's Ast. 007 本来備わったもの

 ★性格の核は太陽の状態

 太陽は水瓶座宮ですから、  男性宮−>積極的、行動的  不動宮−>沈着、頑固  風の宮−>社交的、知識欲 と言うような、区分的影響と共に、寂しがりで、親切、同情心があって友情に厚く、内気と言う特徴があります。結構神経質でもあります。この太陽は月とタイトなコンジャンクションであることから、穏和で社交性の豊かな好まれる性格だと判断出来ます。芸術にも理解力があり、その方面に才能を示すことも多いはずです。

 ★習慣気質は月の状態

 月は魚座宮でMCとコンジャンクション、海王星とトライン、木星とはスクエアです。消極的な星座宮ですが、統制を誤ると自己分裂しかねない危うさをはらんでいます。その様な複雑な感情がもとで物事の処理が行われていますから、はたで見ていると気まぐれで何を考えているのかわからないこともあるようです。しかし、これは、自己の中の内部矛盾を調整し、矛盾を乗り越えようとする姿なのです。海王星の吉角は豊かな想像力を示していますし、木星の凶角は幸福の過信や贅沢さを表しています。

 ★個性は上昇サインとその支配星(象徴星)、象徴星のアスペクト、第1ハウスにある感受点(上昇星)とそのアスペクト。 上昇宮は蟹座宮ですから情念的で想像力豊か、献身的に立ち働くことが予想されます。容貌は月のような顔だちと言われますが、直接的に丸顔と言う表現から、ふっくらしていると言う巾があります。 支配星(象徴星)の月の座相は、ものを大きくする木星とは凶角ですし、魚座宮にあって海王星と吉角をもっていることからすると蟹座宮の特質よりも魚座宮の特質の方が強調されていて、人によっては透き通るような白い肌をもっていることもあるようです。 第1ハウスにはキャンパナスではベスタがありますが、小惑星は後回しにしていますので、他に判断する天体が無いとしましょう。

 ★知力は水星の状態

 水星は山羊座宮ですから基本的に慎重で集中力のある知性を示します。月の60度の座相もありますから、イマジネーションも豊かで安定した知力をもっているでしょう。

 ★愛情は金星の状態

 金星は水瓶座宮で、個人的な愛情よりは友情友愛の方向が強調されていますし、太陽と合座相ですから、社交性もあり、芸術方面への興味関心が、恋愛よりも勝っていることが多いのではないかと思われます。しかし、だからといって、この配置は、一生恋愛できないと言うことではなく、この金星に対して進行や経過の感受点の強力な接触、中でも火星の接触があれば、金星の意味に含まれる性愛の方面への出来事の可能性が出てきます。5室のハウスカスプが天秤座宮(支配星金星)であることから、本人の関係する友愛的或いは芸術関係の団体から恋愛の対象が出てくることが考えられます。

 ★情熱や意志は火星の状態

 火星も水瓶座宮で、常軌を逸する傾向があると言われています。ハウスが9室であることから、哲学、宗教、旅行、儀式、大学等の方面へ情熱が向くと考えられます。海王星の凶角はこの方面でのアクシデントがあることを示しています。

 ★幸運の方向は木星の状態

 木星は双子座宮12室です。双子座宮の木星は、多才と優れた言語的才能を示します。また、12室にいることから慈善的で他人を援助する事に幸運があることを示します。過去の他への心使いに対する報酬として自分が危機や困難な状況から助かると言う生まれであることも考えられます。また、その徳を前世において積んだとも考えられます。

 ★身体の弱点は、太陽(太陽)や 月 、象徴星(セレス (上昇点)のサインの支配星)、火星(火星)、土星(土星)のサイン、ハウスで表される部位。

 表にしてみましょう。もちろん、アスペクトを考慮して考えます。 太陽 水瓶座宮 第8ハウス(蠍座宮対応) 月 魚座宮 第10ハウス(山羊座宮対応) 火星 水瓶座宮 第9ハウス(射手座宮対応) 土星 魚座宮 第9ハウス(射手座宮対応) 水瓶座宮と魚座宮に重要な感受点が入っていますので、個々に良く見てみましょう。 太陽は凶座相を持っていないので、余り心配は要らないと思われます。月は木星の凶角がありますから万全ではありませんが、サイン・ルーラー(星座宮の支配星)のトラインがあるので、こちらも致命傷とはならないと思われます。 火星は太陽と同じ星座宮で、脹ら脛と循環器系を示しますが、海王星によって損なわれています(凶座相:ディフィカルトなアスペクトがある)。循環器系の障害が考えられます。土星は月と同じ星座宮で足、末梢神経、分泌腺を表します。土星は天王星と冥王星に損なわれている(180度の凶座相(ディフィカルト)がある)ので、心配です。足先の方の怪我や、分泌腺に関係した障害、循環器系の障害が考えられます。怪我はともかく、慢性病が主のようですから、健康に関しては日頃の注意が必要です。mS's Ast. 008 展開する運命の判断

 ★財運は第2ハウスの状態

 ハウスカスプは獅子座宮です。投機的な分野での財運や、派手さのある入出金が考えられます。支配星の太陽は8室で水瓶座宮(室定位:11室)ですから、遺産や友人関係による収入も考えられます。 第2室の定位星座宮は牡牛座です。彼女の場合、牡牛座宮に感受点はありませんから、支配星の金星を見ます。金星は太陽と合で8室水瓶座宮ですから、太陽のところの判断を補強するものになります。

 ★家庭は第4ハウス、兄弟姉妹、隣人親戚は第3ハウス、友人は第11ハウス、愛人と子供は第5ハウス、夫、妻、協力者は第7ハウス、天体では土星が父、妻と母は月、夫は太陽

 第4室には天王星と冥王星があります。天王星は何事につけ常軌を逸する方向へ働きます。普通ではないと言うと何が普通であるか問題になりますが、何かしら人を驚かす状況があるはずです。土星との凶角がありますから、孤独とやや変わった性癖が強調されていますので、自分や相手の気ままな生活態度などの問題から、家庭生活や社会生活に紛争や困難があると考えられます。また、孤独というからには、別れがあるものですが、冥王星は家族との死別を表す場合もあります。土星の凶角ですから、本人に対し、その存在或いは死によって何らかの制限を加える立場であることが想像され、最も一般的な解釈は父親なのですが、関わっているのが天王星であるときは、一般論が通用しないことも多いようです。 兄弟姉妹、隣人親戚を示すとされる第3室に感受点はありませんので、ハウスカスプの星座宮を見ると、乙女座宮ですから何かと細かい批判的な関係があるとみます。 友人の11室も感受点がありませんからハウスカスプの星座宮を見ます。牡羊座宮ですから熱血漢の男性の多い友人関係であろうと思われます。支配星の火星は水瓶座宮で海王星の凶角がありますから、騙す騙されるの事態に注意しなければならないでしょう。また木星の吉座相もありますから、彼らからもたらされる幸運も多いと思われます。 愛人と子供の5室にも感受点がありません。ハウスカスプは天秤座宮で、支配星は愛情の星、金星です。金星には凶角がありませんから、順調で幸福な恋愛と子供に恵まれることが期待できます。但し、天秤座宮の恋は優雅であることが要求されますし、どろどろしそうになると、さっさと逃げてしまいます。また、金星の水瓶座宮もねちねちした関係は嫌がり、友人関係のようなさらっとした関係を好みます。献身する恋ではなく、対等であることが必要です。 7室は水星があります。一般的には、ホワイトカラーの夫で常に何か小さな事で落ち着かない結婚生活と言うように言われます。水星が夫を示す場合は水星の表す知的方面、放送出版関係の人であることが考えられます。 土星が父を表す場合については既に述べています。月は一般的に母を表すとされていますが、このチャートではMCに最も近い感受点となっていて、強い意味を持っています。母からの影響が大きいのか、母が家庭の主導権を握っているか等が考えられます。4室の感受点とオポジションであることも判断に取り入れる必要があるでしょう。占星術の考え方からすると、オポジションについて対立関係、緊張関係と言う「凶」の面だけを見るのではなく、互いに補い合う関係であるとも判断出来ます。家庭環境(4室)の事件(天王星、冥王星)を仕事(10室)の月(母?)が補うのです。 このオポジションの双方にスクエアとなる感受点があって、T字スクエアやグランド・クロスになっていると、事態は緊迫するばかりになります。また、オポジションの双方に60度と120度の座相を持つ感受点があるとオポジションの関係を和らげると言われます。しかし、緊張関係を和らげると言う事は緊張関係を前提としているのですから、相補的に解決の付いている問題を呼び起こすことも考えられます。一般には和らげの効果が主に言われていますので注意して下さい。彼女の場合、許容度を広めにしないと、オポジションやその他の座相が出てきませんから、緊迫することは少なくなりますが、進行や経過の感受点の動きに注意し、事件の起こる時期を計る必要があります。

 ★天職、成功は第10ハウス、収入源は第2ハウス、勤労職場は第6ハウス

 10室には月です。職種としてみると、公共関係や公衆相手の商売、官公吏、家事育児関係等です。これは月が天職の星として機能している場合に考えられるものです。月とハウスカスプは魚座宮にあります。星座宮は芸術芸能一般、美容師、占い師、社会福祉関係、幼稚園経営、液体関係扱い一切を示しています。支配星の海王星は6室にいますから、勤労職場として海王星の示す場所で働き、それが天職として機能すると思えます。 第6室には海王星で奇妙な状態を示していますが、ハウスカスプは射手座宮で支配星は木星です。海王星と木星は150度の座相でディフィカルトの角度です。何らかの海王星的問題が職場にあることを示しています。 本人の収入源は2室の管轄です。獅子座宮がハウスカスプです。支配星は太陽で、水瓶座宮、8室です。単純に太陽を夫として考えれば、夫の収入によって生活すると考えられます。これは単純すぎる話ですが、出生図は解読しているときの現状を示しているのではなく、一生の間の傾向を示しているのですから、現在、自分で稼いでいるとしても、生涯の「自分の自由になるもの」と言うものが、太陽によってもたらされていると考えることが出来ます。つまり、収入という点で見れば、現在OLをしているとすれば、「収入源」の方向を示す「太陽」は「夫」ではなく別の何か、会社等を表示しているわけです。 別件ですが、第3室は精神的能力を表すこともあります。ハウスカスプは乙女座宮で、文筆や研究、通信方面にも適性があり、宣伝広告関係にも適しているようです。

 ★健康は第6ハウス 病院などの入院加療は第12ハウス

 6室は海王星の関係から、不摂生による消耗性疾患が最大の難点です。職場とも密接に関わっていると思われますが、ハウスカスプの星座宮の支配星が木星であり、150度の座相があります。その木星は12室です。入院が考えられます。これは回復する入院と思えます。海王星にT字スクエアやグランドクロス、YODを、回帰やその他の特定の「時」に進行、経過の感受点が作ることになったら要注意時期です。

 ★趣味、娯楽は第5ハウスで太陽と月がその傾向を表す

 5室のハウスカスプは天秤座宮ですから、芸術や装飾、美容等に強い関心を持っていると考えられます。太陽や月の解読は既になされていますので、イメージを膨らませて下さい。

 ★宗教哲学、精神思想は第9ハウスと海王星、水星

 9室には火星と土星がいます。アクセルとブレーキが一緒にいるのですから、いろいろに事態が想像できます。但し、火星と土星は離れているので、それぞれの星の出来事が一緒に起こることは少ないかと思います。火星と水星は風象星座宮ですから知的でドライに働きます。土星と海王星は水象星座宮で情を軸に動きます。10天体に火象星座宮が無いこともあって、観察しやすい風と水が目立ち、外側から彼女の行動を見ていると、知を軸として動くときと、情を軸として動くときがあるはずです。行動は慎重なタイプですから、混乱が起こりそうになると、あらかじめ先に回避する方法を取ると思います。

 ★旅行は第3ハウス、第9ハウスと水星、木星

 小旅行は3室、大旅行は9室と言われます。チャートの下半分は自己の内面を主とし、上半分は社会的活動の部分に分けられています。 3室のハウスカスプの星座宮は乙女座宮で支配星は水星です。水星は小さな旅行や移動が多いことを表しています。 9室は火星が旅行中の事故や危険を表しています。海王星の凶角ですから、海王星の支配する旅客機や船、火星の支配する自動車や列車と言ったら乗るものが無くなってしまいました。後は、悪い時期には乗らないことですね。土星は旅行の不運とされます。天王星の凶角ですから突発的でどんなに用意してもどうにもならない状態が考えられます。 従って、精々、国内の旅行にとどめておいて、海外旅行で長期滞在というのは避けた方がよいような気がします。但し、これも常に駄目なのではなく、進行や経過の感受点位置を慎重に見極めればよろしいのです。mS's Ast. 009 進行の判断

 次は進行の扱いです。ハウス分割のように、進行の方式も各種の方法があります。mSでは、1日1年伝統法、1日1年SG法、ダイレクション・アーク、1度1年法、1月1年法、C.P.Sの6種とその逆進行で12種の進行法が可能になっています。 1日1年伝統法と1日1年SG法の違いは地球系感受点、つまりASC、MC、V、EP、POFにあります。SG法は1日を1年とするという計算を厳密に守って計算していますので、ASCは1年分で約1周ちょっと回ります。これに対し、伝統法では実時間の1日毎の後(24時間毎後)のASCの位置の差(大体1度くらい)を1年分としますから、ごくゆっくりとした動きになります。 現在、わたくしは1日1年伝統法しか使用していませんし、他の方式で見るのは1月1年法を含めた逆進行位ですので、どの方式がよいかは言及出来ません。

 と言う事で1日1年伝統法ですが、先の表からわかると思いますが、1985年 2月19日19時54分 獅子IN Ap (19才)1989年11月30日23時59分 魚 IN 太p (23才)と言うような、転換点が示されています。進行するASCが蟹座宮から獅子座宮に入るわけですから、蟹座宮の感覚的人間から誇り高い開放的な面が出て来ることがあります。また、太陽の進行によれば水瓶座宮の変わり者風から魚座宮の思いやりのあるちょっと霊的なタイプへの変身があるはずです。 また、大体20歳位で、出生で逆行していた金星が順行に移ります。この事は、金星の動きの様子が分かっていれば、すぐピンと来るものですから、皆さんも憶えておいても良いかと思います。太陽と金星が合で、金星が逆行であることから、しばらくすると金星は順行に移ります。金星が内合してから大体二十日間位で順行に移りますから、1日1年法では観察のしやすいものでもあります。勿論、太陽と金星が合であればよいのではなく、内合であることが必要です。外合の際は、両星とも逆行していません。 この順行逆行を知るには、コマンド[F:天文暦]があります。[F]を押すと表示の設定画面になります。     年月日時分  最初  196601261513  間隔  000000100000  感受点  感受点記号 となっているはずです。これは、1966年1月26日15時13分から10日間隔で感受点記号で示された感受点の位置を表示しますと言うことです。カーソル移動キー↑↓←→で移動し必要なところを訂正して[RET]すると表示します。感受点の切り替えはカーソルをそこに持ってきて[ROLLUP][ROLLDOWN]で変わります。  最初  196601261513  間隔  000000020000 ~~にして、金星を選び[RET]して下さい。これは、2日間隔で出せと言うことですから、進行法に換算すると2年毎と言うことになります。1966/ 2/15 15:13迄がR記号が付いています。もっと細かく見て行くこともできますが、ある程度で充分です。これによって生まれてから20日位で金星は順行に転じていることがわかりました。 進行の感受点が方向転換するときは何かしら重要な事件があります。進行から逆行へ、逆行から順行へ移るとき、どちらも重要です。逆行だからと言って意味が悪くなることはありませんし、順行だから良いとは限りません。とにかくこの状態は「強調」であり「転換」なのです。人によっては巡り会ったり、別れたりと色々です。彼女の場合は水瓶座宮の金星と思って判断していると「現在」を見失うことになります。つまり現在の彼女の金星(進行)は山羊座宮にいて、出生の水瓶座宮の電撃的なものと、山羊座宮による慎重で地道と言う性格ゆえの保護的で抑制の効いた愛情の形を示しているはずだからです。 さて、とにかく、3つの大きなターニング・ポイントがあるわけですから、中高校時代の友人が彼女の今を知れば、同一人物かどうか疑うほど中身が違っていて驚くのではないかと想像しています。また、現在順行している金星は山羊座宮の29度で、しばらくすると水瓶座宮に入ります。この時期、サターン・リターンでもあります。再び20才頃に経験したような転換点です。但し今回の方が、人生上において、より深い転換点となろうかと思われます。

 順序が後先になりましたが、進行の太陽はチャート上、反時計回りに動き、8室から9室、そして10室を目指しています。星座宮は水瓶から魚、そして牡羊へと向かっています。この動きの中で、他の感受点と座相を作って行くのですが、最も力のある座相は合ですし、最も観察しやすいでしょう。出生の火星に乗り、次は土星、月と乗って行くわけです。それ以上の合は・・・まあ無いと思われますので、時期表と比べてみましょう。19861008 06 火n 合 太p20040808 14 土n 合 太p20150913 22 月n 合 太pがあります。進行の太陽と火星の合は、決断力と行動力が妙に出て、必ず何か行動を起こしているはずです。水瓶座宮ですから常軌を逸した事とも考えられますし、9室ですから、9室の関連の事項とも考えられます。関連からすると、火星の支配するハウスの定位の1室と、牡羊座宮にハウスカスプのある11室も考えられます。11室は水瓶座宮のハウス対応でもあります。また、在宮の水瓶座宮の支配星、天王星は4室ですからこちらも考えることが出来ます。 これらの関連のハウスは、独立して事件があると言う事ではなく、「関連」して影響の出る事を示していますから、これらのハウスの統括事項から色々と想像をたくましくすればよいのです。また、ちょうど、先ほどのターニング・ポイントで出てきた二十歳に相当していますから、ますます、人生上の分岐点を実力で乗り切ったことと思われます。次の土星による2004年は、重い責任や困難な課題が考えられます。精神的な意味で自己の中の父親との対峙とも考えることが出来ます。また、その次の太陽と月の合は、女性には余り良くないと言われています。健康の問題や太陽を指示星とする出来事(例えば旦那や収入等)での苦労が予想されます。また、先ほどの土星でも出てきたように、精神的に自己の中の母親との対峙とも考えられます。 勿論、座相は合だけではありませんから、順次詳しく見て行くことが要求されます。細かい部分に入れば入るほど、ご自分のもので見ることが一番興味深いと思います。 太陽の進行では、許容度を1度程度と考えて、前後1年の様子を判断するのですが、各月毎に見たいとなると、まだ粗いですから、月の進行を使います。月は太陽よりも12〜13倍速いですから、各月の様子を見るには最適です。先に挙げた表では、進行の月と出生の太陽の座相のみ作りましたが、普通は使う感受点の1種座相を見ます。 従って、進行を見る際には太陽の詳しい進行座相表と月の進行1種座相表を付き合わせて、太陽進行の上に月進行の判断をのせて各月の様子を判断します。太陽の判断に月の判断をのせるというのは、次のような事です。太陽の進行で良いものがあり、月の進行でも良ければ良い月ですし、月の進行が悪くてもそう心配する必要はありません。太陽の進行の座相が悪く、月の進行でも悪ければ悪い月ですし、月の進行が良くてもそう喜べません。と言うように判断します。 更に見るためには、座相のある感受点とその星座宮、室について検討し、何に関連した出来事なのかを考え判断します。その際には出生図の判断を常に参照して下さい。mS's Ast. 010 経過の判断

 経過は現実に移動して行く感受点の効果ですから、考え方や計算によっては差のある進行と違って、常にビビットな威力を発揮します。ところで、正確な度数の時に最も強力に働くと言うように考えられますが、正確な度数の時ばかり事件が起こると思っていては間違いです。と言うのは経過の機能であるところの事件のトリガーが引かれてから、事件が現実の事になるまで時間がかかる場合があるからです。また、事件が起こっても隠されていたり、気が付かなかったりで、後になって判ると言うこともあるでしょう。 事件が大きければ大きいほど多くの感受点が関係しますし、時間的に連続的継続的に感受点が刺激されて、事件が連鎖反応的に膨れ上がって大事件へと成長するのが普通です。もっとも、これは、占星術の技術的な言い方で、ある事件を調べると、ふとしたきっかけが元になり、偶然に偶然が重なって出来事が仕上がっていくという一般的な表現になるでしょう。その偶然に偶然が重なって行くという連鎖に、意味と指向性を見いだして「運命」と名付けるのも良いと思います。この過程と天の感受点が、シンクロニシティしていると考えるのが占星術です。そこは「どうして?」と言う疑問に始まる科学の方法とは異なった方法の世界です。「どうして?」と言われたら「だって、そーなってんだもん」としか返せないのは、わたくしの不勉強のいたりでもあります。

 さて、ビビットな天体と人間の関係は、どうやって見いだすのでしょうか。先ず、ある時の感受点と出生時(進行も含む)の感受点の座相を作る時が問題となります。座相と言っても、特別な座相、グランド・クロスやヨオド等と合に注意すれば十分であると思います。 回帰図や、日食図が強い意味を持つというのは、それらの中の感受点が、出生図中の感受点と座相を作っている場合の事です。ソーラ・リターンでは、出生の太陽と経過の太陽はコンジャンクションですが(当たり前ですね)、その他の関係で、例えば出生や進行のASCのところに金星が来ていた等と言うような関係があれば、その意味を考えて、その吉凶を勘案すればよいのです。 前出の例で、男性であれば、例えば彼女出現等と言って、本当に出てくれば感謝されることになるかも知れません。 それはともかく、一般論的なまとめをしてからチャートにかかりましょう。

 先ず、本人の現状を理解しておきます。太陽回帰をチェックしましょう。太陽回帰は次の回帰までの状況の手がかりになるものです。その中で、回帰の合や特徴的な座相だけでなく、経過の土星と木星の状況でも大まかな状態判断をします。木星は12年ほどの周期で影響を与えるものにチャンスと幸運をもたらしますし、土星は28年ほどの周期で、関係するものに努力と忍耐を要求します。

 また、日食や月食の度数には、何時も注意していましょう。自分の持っている感受点の上で日食や月食が起きれば、その感受点に関係した何かしらの事件が起こるはずです。勿論、意識しない、出来ない場合はあるでしょうが、その様な例は少ないですから、観察しやすいと思います。

 さて、やっとチャートですが、3重円表示の状態から[R]で経過に回帰図を作るルーチンに飛びます。次に回帰の種類を選択しますが、太陽回帰であれば、そのままリターンです。違う場合は←→キーです。次に計算用の年月日ですが、これはあらかじめ計算した回帰の時を入力しなくても、「近い」回帰を計算しますから、必要に応じて、数値を変えて下さい。そしてリターンです。入力が19950203だったので1995年1月の太陽回帰が計算されて表示されます。 木星は射手座宮で6室です。仕事場や健康にラッキー・・・でしょうか。土星はサターン・リターン直前の魚座宮9室です。進行の太陽の上を通過した後ですから、太陽関連の物事に問題が出た可能性があります。 ざっと見たところ、経過円との合座相が無いようですので、順次、特殊な座相やオポジションをチェックしてみましょう。例えば、経過のASCと海王星はオポジションです。つまり、これは、経過の海王星が経過円でDSCピッタリにいると言うことです。対人関係等の問題にイマジネーションが湧くのか、霧に包まれるのかする意味かも知れません。また経過の金星は、出生の天冥と180度の進行の水火土に対してT字スクエアの位置にいます。金星は、MC−ICに絡んだオポジションに引っかかって、愛情方面の関係をこじれさせています。6室ですからオフィス・ラブあたりを引き起こすと、結果は最悪です。許容度をもう少し広く見積もると、出生進行の木星が関係してグランド・クロスになり二進も三進も行かない状態を表すようになります。また、経過の火星は出生の反対側、獅子座宮の終わりにいますから、常の嗜好とは逆のもの(男?)に惹かれやすくなっているかも知れません。

 ところで、天王星と海王星は、チャート上、反時計回りに動き、近い将来、出生の水星、進行の金星、出生の太陽という具合に、その上を通過して行きます。また、進行のASCの反対側(180度)も通過して行きます。遅い星ですから、影響が大きいことは間違いありませんし、問題も各種多発すると思われます。この辺りも注意してチェックするべきでしょう。mS's Ast. 011 補足

 また、間が空いてしまいました。が、これは前回までの講座の仕上げで3重円NPTを使い回している内にたくさんのバグの対策と追加機能を入れるのに、どういう訳か時間がかかりました。訂正版で直さなければ、話が続けられませんからね。

 ところで、進行から経過にかかって直接的な表現から、ますます歯切れの悪い表現になっています。これは「何書いても良い」と許しを得ていても、やっぱり書けない部分が出てくるものです。ですから、一般論とその展開がメインになってくるわけです。 例子さんは解読で明らかなように、出生データを使わせるだけで自分とは関係がないと言い切る度量のある方です。わたくしが一般論でお茶を濁そうとするのは、わたくしがチャートを読んで、わたし流の解釈を鵜呑みにするよりは、ご自分でチャートと向き合い、真実、本来のご自分と対峙すべきであると思うからです。ちょうどその時期でもあります。占星術は練習次第で、当てるだけならなんぼでも出来るというところまで来れるものです。確かに、そこまで来るのに年単位の時間が必要と、どこかで言った覚えもありますね。占星術の力は、特に「時」に関しては実に正確です。出生図の解読のテクニックよりも「時」の選定をするテクニックの方が多彩で、奥が深いのです。 それはともかく、そこに到るまでに、「当ててどうするのか」を考えておかないと、とんでもない落とし穴にはまりこんでしまいます。確かに、「当てるだけならなんぼでも」と言う状態は、最初の方で戸惑っている人には羨ましい状態かもしれません。しかし、ここで心構えを作っておかないと、当てなければ良かったと言う事になります。ちょっと興味があるだけと言う人は、手を出さずに、雑誌に載っている星座占いに一喜一憂している方がよろしいでしょう。

 さて、訂正の成った3重円NPTで正常に働くようになった機能の1つに月相があります。3重円表示で、データ表示を経過、トランジットにして(←→キー)からZXCVBのキーで新月、上弦、満月、下弦、次の新月を表示します。 この時、データ表示を進行、プログレスにすると計算しませんし、出生、ネイタルでは出生のデータを元に計算してしまいます。 効果的な使い方ですが、例えば、[B]で次々と新月を出していくことが出来ます。昔のOFFで庵氏が「ぐるぐる回るチャート」の提案をしましたが、その考え方をコマ落としですが、重要なポイントで行うという方向の実現が出来たわけです。ただし、CPUの速度の問題がありますが・・・。それでも、旧版よりは表示まで倍以上の速さが出ていると思うのですが・・・。 新月は、太陽と月のコンジャンクションです。勿論、重要な意味があるはずです。その位置の13度以内にノード、サウスノード(ノードの180度反対側)があれば、日食です。更に強調されます。 同じように、天体位置のチェックですが、今日1995/2/12は太陽と火星がオポジションです。獅子座宮と水瓶座宮の22度です。この度数に何か感受点はありませんか? 例子さんと等しい出生データでは、その位置に感受点はありませんが、チャートを出してみれば、出生進行の海王星が、ごく密接に関係していることが直ぐ判るでしょう。

 次に、サビアン関係の追加ですが、マップと同様なキーをヘルプファイルで割り当てています。同じキーを続けて押すとN→P→Tをトグルで切り替えていきます。SGSの機能の復活になります。また更にサビアンのテキストファイル出力を追加しています。これは、その位置のサビアンだけではなく、基本位置からある角度の位置のサビアンもまとめて出力するというもので、サビアンのより高度な応用をするものです。 感受点の度数から基本的なシンボルが導かれてます。 180度 エネルギーが向かうべき方向や、克服すべき或いは補完されること 90度 もたらされる現実や心理的克服課題を示す 60度、120度 生来持っている可能性と問題解決の方法を象徴 150度 基本シンボルの目指すものに到達するための克服すべき課題を示す 72度 前世から引き渡された人生での学ぶべき課題を暗示 144度 基本的なシンボルの表すものの到達する最終到達点を暗示 と言うような意味合いで、シンボルの解釈を行うわけです。

 この様な、多彩な機能を持っているNPTですが、これを持っているだけにしないように、皆さんの、日々の研鑽を期待します。