SA占星術講座 (20130706)

安倍晋三再び



 先ずはセオリーに従い、出生時不明のチャートとして出生図を見ましょう。時刻として12時を一日の半ばとして、12時を取る簡易な方法があります。しかし、一日の中で出生時刻を探すレクチファイですから、始まりを明らかにしておきましょう。
午前0時チャート
 一日の始まりのチャートです。目標となるレクチファイ後の出生時刻は、ここから24時間の範囲にあります。つまり、太陽は乙女27.1から乙女28.08、月は蟹11.74から蟹25.04の範囲にあります。
 大惑星の配置は木星と天王星の合に対して海王星がスクエアとなっています。この配置は出生時刻によって変わることはありませんが、ハウスは変わってきます。
 動きの速い月は、それでも蟹座宮の範囲にあり、0時直前の火星とのオポジションが働き、日の終わりに近づくと、木星と天王星の合に絡んできます。

 しかし、この座相だけでは状況の分析が足りないのでレクチファイにはなりません。


 2007年9月にS嬢の占星術テクニックとして安倍晋三の出生時刻推定をご紹介しました。しかしながら推定した時刻から、決して無いとはいえませんが、再度首相として返り咲くようには見えませんでした。この原因として、辞任会見というエポックの取り方に問題があったのでは無いかと考え、EX版にて提供しているレクチファイ時期表を使ってみることにしました。
 レクチファイ時期表は、出生日の中で、各種エポックにおける座相を分単位で調べるものです。そして、使うエポックが劇的であればあるほど良いというものになっています。そこで、安倍晋三のはっきりしているエポックの中で、一見派手な辞任会見よりも重大であろうものを取りだしてみました。
  1 岸信介死去    1987年08月07日12時00分
  2 安倍晋太郎死去  1991年05月15日12時00分
  3 初当選      1993年07月18日23時00分
  4 首相選出1    2006年09月26日12時00分
  5 首相選出2    2012年12月26日12時00分
  6 参院選挙     2007年07月29日22時00分
  7 辞任記者会見開始 2007年09月12日14時00分
  8 衆院選挙     2012年12月16日22時00分
 この中で辞任会見もイベントではありますが、総理の職能としては、国会での選出から決まるとはいえ、組閣の作業がありますし、天皇からの認証で有効となり、次の総理の認証により失効しますから、辞任会見の効力はは曖昧と考えることができます。とにかく情報は多い方が良いでしょう。
 レクチファイ時期表は、1つの出生データファイルの最初のデータをレクチファイの対象として、以降のデータをイベントデータとしてレクチファイ用資料を作成します。単に全てのアスペクトを抽出すると、大変な量となりますので、特定の分野に注目して、出生時刻を選び出し、それぞれのチャートを分析します。この為に、トランジットの感受点についてHN=3とHN=4である、0、90、120、180度のみを使い、一覧を作ってから、重要と考えられる点で特に大惑星、木星以降の星が関係していることに注目してみると、幾つかの出生時刻が出てきます。
 このデータの抽出にはいろいろなやりようがありますから、カンや運頼みも有り、というより一番大切なことかも知れません。
 

 4つの時刻を良さそうだと見たところで、それぞれのチャートを作成し、イベントと対応させます。

00:21
02:35
19:51
23:30

 4つに共通しているのは、感受点の星座宮です。感受点の配置は半球に片寄っています。ロコモーティブにはなっていませんが、蟹から蠍まではつながっています。火星が柄の片寄ったバスケットと見ることもできます。チャートの根はです。相違点を表にしましょう。

00:21 02:35 19:51 23:30
上昇宮 獅子 牡牛  蟹 
象徴星 月12室 太陽2室  金星6室 月1室
上昇星 木星
天王星 
冥王星 無し
木星
天王星

 押さえるべき点は、出自や属する家系との関連がありますから、ここでの特徴として強調されなかった土星とIC関連です。ICは4室ですから星座宮対応蟹、支配星月については、既に月が根である事が出ています。そこで、土星を見ると、出生図からは特に何か出てくる様子ではありません。この時点で、ある程度の心づもりとして候補を用意しておくのも良いでしょう。


 続いて、選択したイベントでのNPT3重円のチェックです。

岸信介死去





 祖父である領袖政治家の逝去に対して、四図に共通するのは、進行太陽と進行木星、進行火星のTスクエアに対して、経過木星が入ってグランドクロスとなっていることです。このクロスがどこに配置されているかが、このイベントの本質を示していると考えられます。

安倍晋太郎死去





 経過の木星土星のオポジションに対して、進行土星によりTスクエアを作ります。首班を期待され、病没しなければ実現していたであろう父の死は、晋三の人生に大きく影響を与えたのは当然のことです。岸信介の死去と違う形で土星に加えられたものは明らかです。そして、このタイミングで、抽出の時に漏れていた19:51図での経過冥王星と進行月を含め、3図がASC−MCラインに重要な星が入っています。

初当選





 国会議員初当選については、抽出の際に、あまり重視していませんでしたが、出生進行経過の水星がそれぞれ関係のある位置にいます。進行太陽が出生土星に乗ろうとしている時期でもあり、重要であったことが遅まきながら判りました。

首相選出




 いよいよ首相指名です。経過で抽出したデータは、沢山の特徴が出ていますが、問題は無視していた進行感受点による時期です。特に進行の太陽、月、Asc、Mcについて特徴が出ているべきです。そして、先行きの辞任が見えれば言う事ありません。

再度の首相指名





 再度の首相指名ですが、これがどうなるかはこれからです。4つの図からは、共通の進行太陽と出生木星のトラインと出生冥王星とのスクエアがありますが、細部でかなり違った様相が考えられます。
 00:21では、前回の首班を天王星と木星で首班を射止めたように見えますが、今回はそれほどのものがありません。
 02:35は進行Ascに対して経過木星のトラインがありますが、経過冥王星のスクエアも追加されます。
 19:51は進行Ascにはありませんが、進行Mcに対して出生木星とトラインとなります。
 23:30には、進行Ascには経過海王星のオポジションがあります。
 どれでもおかしくは無いとはいえ、先行きの変化と関わりがありそうです。


 ここでは、イベント毎の各出生時刻を比較しました。これを、各出生時刻毎に、イベントを並べて比較する方法もあります。そして、その中から、最も意味が通ると思われる時刻を選定することとになります。あなたの選択はどれになるでしょうか。勿論、60分×24時間=1440個の中から4つに絞ったのは、経過に注目という方法から出ています。これが別の方法となれば、また違う選択もありでしょう。
 ネットの情報の中には出生時刻が02:35というものがあります。出所は2チャンネルの書き込みのようですが、例の如く出典が無く、信頼度は最低レベルと判断します。母子手帳から得たというであれば良いのですがねぇ。


 「修正された出生時間が占星術的な意味があるならば、次の段階として未来予測が課題として出て来る」と、先回、締めました。今回は、とにかく4つに絞り込んだ結果について、次の段階を判別できそうなチャンスが目の前に迫っています。下馬評では自民大勝といわれているようです。経過は、火木土海でグランドトラインを作っていますが、月水天冥はTスクエアです。良く選んだという気になるくらい、星が二つに別れています。単純に考えれば、既存政党は安定で、新規や斬新なところは駄目のように見えます。どれが既存でどれが斬新なのかはいろいろと見方があるでしょうが、党首のチャートと比べるというのも面白いでしょう。また、派閥一つが一つの政党と言って良いほどのところもあります。一枚板ではありませんからね。そのような中で、自民党党首のチャートとして選んだ4枚と比べると、グランドトラインとの関わりがありません。逆にTスクエアと関わりがあります。これが一体、党首と自民党にどのように関わるか、そして、この先の日本とどう関わるか。それがこの参院選挙のチャートと関わり、今回のレクチファイとも関わっています。

2013参院選挙