sdwd's Ast. 室

室(House)

 サインは天の枠組みですが、ハウスは地の枠組みです。ハウスはサインによって示された性質や能力がホロスコープの持ち主の人生にどのように現れるかを示しています。
 天球を地球上の緯度経度をもとに分割したものがハウスで、それぞれのハウスに地上的な人生の諸々の事柄を分割して受け持っています。ここに入っている感受点やサインによって吉凶禍福を判断します。
 12分割でない方式は別ですが、ハウスはサインとそれぞれ対応して定位が決まっています。例えば、第1ハウスは牡羊座宮対応で基本的には牡羊座宮の支配星火星の支配を受けていると考えます。


対応 支配星
第1ハウス ←→ 牡羊座宮 火星
第2ハウス ←→ 牡牛座宮 木星
第3ハウス ←→ 双子座宮 水星
第4ハウス ←→ 蟹座宮
第5ハウス ←→ 獅子座宮 太陽
第6ハウス ←→ 乙女座宮 水星
第7ハウス ←→ 天秤座宮 金星
第8ハウス ←→ 蠍座宮 冥王星
第9ハウス ←→ 射手座宮 木星
第10ハウス ←→ 山羊座宮 土星
第11ハウス ←→ 水瓶座宮 天王星
第12ハウス ←→ 魚座宮 海王星

第1のグループ

個人的な関係と私生活に関する部分
第1ハウス 本人自身を表す 外見、体質、人柄、資質
第2ハウス 金運、収入源、財政、祖先
第3ハウス 旅行、通信 兄弟姉妹、親族、隣人 興味
第4ハウス 家庭、遺伝 異性の親と相続 晩年
第5ハウス 子供 恋愛 投機 土地、不動産 共有財産
第6ハウス 病気 労働 部下 義務
第2のグループ

対人関係と社会生活に関する部分
第7ハウス 結婚 共同事業 契約、訴訟、論争 移転
第8ハウス 死、遺言、遺産 持参金 外科手術
第9ハウス 哲学、宗教 海外旅行 儀式 大学
第10ハウス 職業 履歴 名誉 信用 同性の親
第11ハウス 友人 希望 家族の死 養子の男女
第12ハウス 秘密 隠れた敵 障害 犠牲 退職 監禁 寡婦、後家

アングル

人生のキー・ポイント
第1ハウス 本人の運命
第4ハウス 家庭と本人の人生の終局
第7ハウス 結婚、協同
第10ハウス 職業と社会生活
サクシデント

アングルで示された事の努力した結果
第2ハウス 財産
第5ハウス 子供 共有財産
第8ハウス 配偶者、協力者の財産
第11ハウス 友人 願望、目的
キャデント

サクシデントで展開した人生のアングルへの橋渡し
第3ハウス 精神的な興味の対象
第6ハウス 労働と仕事
第9ハウス 科学や哲学思想の研究、旅行
第12ハウス 隠されていること

 12宮の身体配置と方向配置はそのまま第12ハウスの身体配置と方向配置に置き換えることができます。また、その意味付けについては、人生の中で起こったある事件が何ハウスの事項なのかが判るような知識と経験、能力を身につけることが必要です。
 1つのハウスを代表する点をカスプと呼びます。これも感受点の1種と考えることができます。
 Stargazerは分割法として日本で定着しているプラシーダス方式や幾何的に最も美しいキャンパナス方式、手軽で簡単な等分法、古代エジプシャン、ジオデテック等を採用しています。

   プラシーダス法 Placidus
 等分法と共に日本に早くから紹介された方法で、日本では最もよく使われているとされています。上昇点から南中点までの時間を3等分してそれぞれのカスプを算出する時間分割法の1つです。高緯度になると偏りが大きくなり、計算が出来なくなります。
   キャンパナス法 Campanus
 キャンパナス(Campanus Giovanni Campani 1233−1296)が考えた方法です。天球の12分割法の1つで地平線上の真東をから真西、天頂、天底を通る大円を基準に分割します。ハウスカスプはハウスの中心にあります。幾何分割法の1つです。
 Stargazerでは、基本的な座標系として、黄道系と赤道系、それから室座標系の3つを用意しています。室座標系は、以前StargazerではC・G(Canpanus・Ggrphic)分割と呼称していたもので、ナチュラル・ハウスの考え方を幾何学的に完全な形で表現できます。
   レジオモンタナス法 Regiomontanus
 ハウスカスプは隣のハウスとの境界にあります。そして、12分割のための基準大円を赤道面として計算します。Stargazerでは、キャンパナス法のハウスカスプが違うだけのものとした時代(sgwd4.0A以前)もありますが、元の方式に戻しています。。
   エジプシャン法 Egypt
 分割はキャンパナスと同じやり方ですが分割が7分割で逆向きであることが特徴で、この考え方は古代エジプトで使われていたと推定されている方法です。12分割でないために、サインとハウスの対応はとれていません。使用するハウスの意味は、12分割と同じで1から7のハウスだけを使い、8から12のハウスを使いません。
    コッホ法 Coch
 プラシーダス法と似ていますが、計算地の緯度を重視した時間分割法です。
   等分法 Equal
 最も簡略な方法で上昇点から黄道上を30度ずつ区切るハウス分割法。作図の際の手間が少ないことから初心者向けの方法として紹介されています。
   ソーラーサイン法 SolorSign
 上昇点を太陽のあるサインの0度にする等分法。星座占い等で出生の太陽と経過の感受点だけで運勢判断をする場合に多く使われます。
   ソーラー法 Solor
 上昇点を太陽の位置にする等分法。ソーラーサイン法と共に出生時間の判らない場合に最終手段として使う方法と考えて下さい。当然、A(月)やQ(上昇点)等の動きの速い感受点は使用できません。
    アセンサイン法 AsnSign
 等分法の分割方式で上昇点のある星座宮を第1ハウスとする方式です・
Geodetic.Pla.
 プラシーダス法の計算を地球上の経度に応用した方式。
Geodetic.Coch
 コッホ法の計算を地球上の経度に応用した方式。


 ハウス分割には以上の他にも種々多様な方法が考案されています。その占星術上の差が論議されたこともありますが、優劣は決まりませんでした。占星術の様なドグマでは、方法論の優劣は論議したり批判的検証する類のものではないのですから、比較すること自体間違いです。
 わたくしはキャンパナスの幾何学的に完成された形が好みですし、時に応じてキャナパナスとレジオモンタナスの2つの方法を用いています。どの様に使い分けているのかと改めて質問されると困るのですが、「当たる」方を使っているというのが正直なところです。これは他の分割法でも事情は同じだろうと思います。このことは、多分、人間の運命構造を解読する手法の不備ということではなく、人間の運命構造に多様性があるためなのではないかと想像しています。従って、前にも述べましたように、各分割法の優劣を競うのは意味のないことではないかと思います。
 他の人には他の方法が合っている場合もあるでしょう。多分、等分法かレジオモンタナス、あるいはプラシーダスが気に入るのではないかと思います。12分割法は分割の方法が違うだけで、運用は同じですから、取りあえず一通り使ってみてください。